ロックマンゼロ ~紅き英雄の帰還と再び動き出す因縁~   作:M・M

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どうも。不規則な生活をしていた為に何度も学校を遅刻しそうになっているM・Mです。

自語とかしなくて良いから(良心)
今回は遂に、遂に例の人復活!まさかの展開にご注目下さい。

では、どうぞ。


-熾烈な艦防衛戦 そして運命の再開-

何故だかは分からないがバイルはあのカンナでの防衛戦以降ちょくちょくイレギュラーを発生させたりするもののナンバーズや四天王を出したりして来る事は無かった。あの気持ち悪い機械、一体何を企んでいるのやら……(byアッシュ)

 

プレ「皆分かると思うけど、最近バイルが妙に仕掛けて来ない。静か過ぎるわ」

ヴァン「アレか、嵐の前の静けさってやつか……だとしたらまた何か大きな事をしようとしてるのかも知れない」

エール「放ってはおけないけど……相手が仕掛けて来ない以上どうしようも無いわよね」

グレイ「くそッ、僕等を挑発しているのか?」

アッシュ「まぁまぁ落ち着きなって」

ゼロ「アッシュの言う通りだ。焦った所で何かが変わる訳でも無い」

グレイ「……そうですね」

プレ「けれど流石にここまで来るとやっぱり何かを企んでいると見て間違い無さそうね」

ヴァン「でも、どうする?」

エール「何か悔しいね、相手の出を待たないといけないなんて」

アッシュ「こればっかりは……仕方無いわね」

 

仕事の話は一旦止めて、

エール「そう言えば、あの人もう記憶戻ったの?プレリーとゼロさんと親しげに話していたけど」

 

プレ「いや、まだよ……今までの事が一切思い出せないみたい。記憶が消えてる訳じゃ無いんだけど、まだはっきりと思い出せないらしいの」

ヴァン「大変だなぁ、記憶喪失に似た様な物だろ?でもそういうのってちょっとした事で記憶が元に戻ったり……とかそんな話聞くけど」

アッシュ「良くある話っちゃあ良くある話だね。でもそう簡単にはいかないでしょ……」

プレ「ゼロは、どうなの?貴方が1番彼女と交流が多いでしょ?」

グレイ「ゼロさん、暇があればあの人と話してますよね。僕もあの人とは普通に話しますけど」

ゼロ「……何かを思い出しそうな兆しはあると言っていた。少しずつではあるが頭のごちゃごちゃは無くなってきてはいるらしい」

プレ「もうすぐ、記憶が戻って来てくれるかも知れないわね」

ゼロ「だと良いがな」

 

いつでも色んな所に転送出来る様になってからは基本カンナ近くにガーディアンベースを停める事が多くなった。と言ってもまた狙われる可能性が大だからである。

 

 

と、そんな話をしている時だった。

ゼロ「ん……?」

ヴァン「ゼロさん、どうしたんですか?」

ゼロ「GATが、何かおかしくないか?」

プレ「GAT?」

皆自分のGATを確認する。すると……

グレイ「あれ、本当だ……何か変だな、ノイズが入ってる?」

アッシュ「故障でもしたのかしら?」

エール「皆同時にいきなり謎の故障なんて考えられないけど?」

プレ「違う……これは、ジャミングよ!」

ヴァン「電波妨害(ジャミング)?」

エール「妨害って、誰から……」

 

そして次の瞬間、全員が凍り付いた。

「ガーディアンの諸君、今を大切に生きているかね?」

6人「バイル!」

 

即座に艦長室に移動。案の定あの時みたいに全ての通信がバイルの手によって支配されていた。

 

ゼロ「しばらく大人しくしていると思ったら……また全世界放送とはな。何を企んでいる?」

バイル「今この瞬間より、カンナ上空を飛んでいるガーディアンベースを襲撃しようと思う」

ヴァン「なっ……!?」

グレイ「襲撃!?」

バイル「尚これはあくまで牽制だ。ナンバーズは送り込むが四天王は送り込まない。ついでに1つ間違いだ、紅き英雄……ゼロ」

ゼロ「……ッ!」

バイル「今はここガーディアンベースにのみ通信を全て支配させて貰っている。先程も言ったが抵抗を続ける君達への牽制だ」

 

プレ「バイル……!」

バイル「君達が居なくなれば世界は変わるぞ?必ずや革新を遂げよう」

ゼロ「その革新が良い方向に変わるとは思わない。思い上がるな、バイル」

グレイ「お前の思う世界になれば、間違い無くこの世界は破滅する!」

アッシュ「勝手に私達の、今を生きるヒトビトの物語を書き換えようとするんじゃないわよ!」

 

バイル「威勢の良い事だ。だがその威勢もいつまで持つのかが楽しみだよ……」

エール「……何処までも人を見下して、貴方は何様のつもりよ!」

バイル「神だ」

エール「!?」

バイル「世界の全てを支配出来ればそれは神に等しいという事だ。だから私はなるのだよ!神に!そして世界を作り直す!」

プレ「作り直すなんて……!」

 

バイル「1つ良い事を教えてやろう。そんな所でぼんやりしていて良いのかな?私は言っただろう……今この瞬間より始めると」

ゼロ「ッ!まさか!?」

 

その時。艦が大きく揺れた。

プレ「な、何ッ!?」

ゼロ「プレリー、敵はもう来てる!すぐに戦闘配備を!俺達は出るぞ!」

ヴァン達の返事を待たずに走るゼロ。そしてそれを追うヴァン達。

プレ「総員に告ぐ!ただちに第一戦闘配備!艦全体にバリアフィールド展開!」

 

突然の襲撃に混乱しながらも、即座に戦闘が始まる。そして外に出たゼロ達は絶句していた。

ヴァン「お、多い……」

エール「これと、戦えっていうの……?」

空一面に広がるイレギュラー達の群れ。

グレイ「今まで活動が大人しかったのはこれをする為だったのか?」

アッシュ「いや、違う……バイルが言ってたでしょ、これは牽制だって。だからこれでも全然本気じゃ無いんだよ」

 

ゼロ「確かに数はアレだが……逃げる訳にはいかない。アイツに屈するだけは絶対に勘弁だ」

それでもゼロは泣き言1つ言わずに前に出た。

 

ゼロ「何とか出来る出来ないの問題じゃない。生きるか死ぬか、どちからだ」

4人「……」

 

セイバーを持つゼロの隣にロックオンした4人が立つ。皆静かにも、闘志を燃やしていた。

 

ゼロ「覚悟は、出来ているみたいだな。なら大丈夫だ……特に言う事は無い。死ぬな」

4人「ハイッ!」

 

甲板でゼロ達が無数のイレギュラー達を相手しているを艦長室から不安そうに見ているプレリー。

 

斬っても斬っても終わる事無く出て来るイレギュラー達にゼロは舌打ちをした。

ゼロ(バイルはナンバーズも送り込むと言っていた……大量のイレギュラーで俺達の体力を削ってから潰すつもりか)

だとすればこのままだと奴の思うつぼである。

 

ヴァン達も分かっているだろう。だから彼等もなるべく効率良く敵を倒していってるみたいだが、

 

ゼロ(いつかは必ず疲れが出て来る……そこを突くのがバイルの狙いか)

ガーディアンが沈黙すれば同時にこの世界は終わる。死に物狂いでも、諦める訳にはいかない。

 

皆それ一心で戦っていた。

 

 

そんな中、

指揮を続けるプレリーの元に、突然例の女性がやって来た。

プレ「ちょ、ちょっと貴女!ここは危ないわ!」

外でゼロ達が戦ってくれているとは言え、ここも砲火に晒される訳ではあるし。

 

???「うっ……あ……」

プレ「大丈夫!?」

頭を抱えてその場に座り込む彼女。

 

???「バイ、ル……」

彼女にも先程のバイルの声が聞こえていたのか。

プレ「……」

 

 

そして。

???「ガーディアンは、負けないわ……」

プレ「!?」

思わず驚くプレリー。

シエル「貴女は、この艦の艦長だったわよね。いきなりこんな事言っても信じて貰えないかも知れないけど……私はシエル。ガーディアンベースの初代艦長なの」

 

プレ「お、お姉ちゃん……記憶が」

そしてついお姉ちゃんと呼んでしまった。

シエル「お姉ちゃん……?貴女は?」

プレ「……話は後。今とっても大変な事になってるの!バイル軍がガーディアンベースを襲撃して来てるの、外でゼロ達が戦ってくれてるけど」

シエル「えっ……」

プレ「?」

シエル「今、ゼロって……ゼロって言った!?」

プレ(あっ、そっか……)「……えぇ。お姉ちゃんがずっと探していたゼロよ」

彼女に甲板の映像を見せる。

 

一騎当千。1番前に出て鬼神の如くセイバーを振りかざすそのレプリロイドを見て、

シエル「ゼロ……!」

一目見ただけで彼女も彼がゼロだと分かったらしい。そして彼女は立ち上がった。

 

シエル「確か私がゼロの為に残したデータがある筈なの!何処にあるか知らない!?」

プレ「あ、あるわ!場所も分かる」

 

前にゼロに言った私達では解析出来ないと言っていたデータ。

シエル「貸して!解析出来る機械は何処!?」

プレ「案内するわ!」

その気迫に少し押されがらも彼女を技術班に連れていく。どうでも良いが、彼女ダッシュが速い。

 

そして彼女に例のデータを渡した瞬間、彼女の中の天才が惜しみなく発揮された。

プレ(す、凄い……!)

 

考えてみればまぁそうだろう。これ等のデータにプロテクトを掛けたのも彼女なのだから。

 

そしてとんでもないスピードでデータの解析を終えた様だ。どうやらこのデータは武器らしい。

 

シエル「解析完了よ……この部屋は使える?すぐに取り掛かりましょう!」

プレ「と、取り掛かるって……」

シエル「お願い!この武器があればきっとこの戦いに勝てるの!」

プレ「すぐに出来るの?」

シエル「人さえ居れば!」

プレ「分かった。技術班を呼び出すわ」

 

別室に避難している彼等を申し訳ないが呼び出した。そして早速作業に取り掛かる。

 

 

その一方、遂に甲板にはナンバーズが数体現れていた。この時点で体力を随分削られてしまっていたゼロ達は疲れた体に鞭を打ち、対峙する。

 

ゼロ(全員俺が見た事のある顔ぶれだな……)

マグマード・ドラグーン、ブレイズ・ヒートニックス、バーン・ディノレックス。

 

ゼロ(どれだけ燃やしたいんだ……)

そんなツッコミはともかく、コチラは5人いるとはいえエネルギーも大分消耗している。正直かなりキツイ。

 

ゼロ「攻撃は俺が何とか引き付ける……だから一撃一撃を的確に当てていけ」

ヴァン「ゼロさん、俺とグレイも前に出ます。エールは後ろから頼む」

エール「分かった!」

グレイ「アッシュ」

アッシュ「分かってる。死ぬんじゃないわよ!」

 

前に居るのは丁度3対3。後ろの2人を守り切れば勝機はある。ヴァンとグレイはモデルZX。エールはO.I.Sを使わないが超強力なチャージバスターが撃てるモデルX。アッシュはモデルLにトランスして弱点特攻を狙う。

 

ゼロ(正直ヴァン達は……いや、俺もあまり長く戦うだけの体力は残っていない)

なら即行で終わらせるしかない。

 

炎。炎。甲板がひたすら炎に包まれる。業火とも呼べるその中で激しい格闘戦が続いていた。

 

アーマーがあるので周りの炎自体は大丈夫だが、コイツ等自身が放つブレス等の属性攻撃は流石に直撃するとダメージがかなり高い。

 

それはそうと、戦っているゼロは何か妙な違和感を感じていた。

ゼロ(コイツ等……何か様子が変だな)

 

ナンバーズという事でバイルに改造されたとは言え今まで戦った奴等がそうだった様に元々の人格は変わらない筈だった(四天王は別として)。

 

だがコイツ等は何も喋らないし目も何だか虚ろだし……いかにも命令のまま動く操り人形と言うべきか。

 

その時。相手3体が何やら不穏な動きを見せた。

ゼロ「ッ!全員、飛べ!」

 

間一髪、3体のトリプルファイアブレスが炸裂し甲板を更に燃やし尽くすが、ゼロの指示通りジャンプした4人も何とか回避した。

 

ゼロ「エール!アッシュ!」

エール「狙うなら……顔面!」

アッシュ「当たり前よ!貫け、氷龍(アイスドラゴン)!」

 

その隙を狙い空中からエールがそれぞれの顔面に的確なチャージバスター。更にアッシュが作り出した氷龍が全体を荒らし回り攻撃する。

 

ヴァン「グレイ!」

グレイ「はい!トランスオン!」

 

アッシュと同じモデルLにトランスオンして、

グレイ「ヴァン先輩、行きます!」

自分のO.I.Sを使って、強大な氷の力をヴァンの剣に付加する。

 

ヴァン「はぁぁぁッ!ブラスティング・ゼロ!」

剣に巨大な氷の光を纏い、横に一閃。

 

ゼロ「フリーズバレット!」

そこをゼロがすかさず追撃した。

 

5人が着地するまでに無慈悲なカウンターを行った為に敵はかなり混乱しているらしいが、やっぱり何か様子が変だ。

 

ゼロ(さっきから何だ?この変な感じは……俺は、これを知っている?)

何故か自分はこの謎の感覚を知っている。

 

すると、あれだけの攻撃を受けながらも3体は尚凶暴化したのだった。

エール「あれだけダメージ与えたのに!?」

アッシュ「ちょっとこれ反則でしょ!」

ヴァン「何だ……何かおかしいぞ!?」

グレイ「普通じゃない何かが宿ってるみたいだ」

 

ゼロ「……まさか、ダークエルフ!?」

いや、アレの呪いは確かに俺が解いた筈。アレ以外存在するとは思えない。

 

でもこの挙動は俺が知っている物だった。かつてシエルはダークエルフについて戦闘に特化する様にパワーアップする物……戦闘に特化した様に自分を洗脳する物だと言っていた。

 

何にせよ危険な事に変わりない。

 

ゼロ「少しマズいかもな……」

 

いかにもヤバそうな3体が詰め寄ってくる。そして羽ばたきながら炎を巻き起こし、他もブレスや尻尾攻撃等して来たが、先程とは桁違いの威力があった。やはり凄まじいパワーアップをしている。

 

グレイ「ゼロさん!」

ゼロ「!」

ふとした瞬間に突如突撃して来たヒートニックスを避ける事が出来ずにゼロは吹き飛ぶ。

 

ゼロ「ガハッ……」

エール「ゼロさん!?大丈夫ですか!」

ヴァン「エール!後ろだ!」

エール「ッ!」

突進して来たディノレックスを紙一重で避ける。

 

前衛後衛と分かれていたが、今度は4人集まってそれぞれ背中合わせになる。

 

アッシュ「ちょっと……ヤバくない?」

ヴァン「……ちょっとじゃないな」

グレイ「ゼロさん、まさか気絶してる?」

エール「多分そうだと思う」

 

ヴァン「俺達だけでやるしかない……来るぞッ!それぞれ全方向に気を付けながら散開だ!」

3人「了解!」

 

 

 

ゼロ「クッ……」

気絶はしなかったが、体が鉛の様に重く起き上がれない。直撃を貰ったのは流石にキツかったか。

 

激しく戦闘音が聞こえる。あの3体とどうやらヴァン達が戦っている様だ。

 

ゼロ「クソッ……動け、動いてくれ……」

何とか体を起き上がらせようとするも、先程受けた傷の痛みが体に響く。

 

ゼロ(ヴァン達でも流石に……アイツ等を相手するのは無理だ)

万全のコンディションだったなら別だが。

 

疲れにより少しずつ意識が遠ざかっていく。こんな所で、倒れる訳にはいかないのだが……。

 

 

その時だった。

シエル「ゼロ!」

聞こえた。彼女の声が。

ゼロ「シエ……ル」

 

彼女の声が何とか通さがる意識を引き戻してくれた様だ。彼女の手を借りて何とか起き上がる。

シエル「ゼロ!しっかりして!」

ゼロ「シエル……お前、記憶が……」

シエル「えぇ。バイルの声を聞いた時に、今までの記憶が全て戻って来たの」

ゼロ「……」

それは良いが、今こんな場所に彼女が居るのは危な過ぎる。

ゼロ「シエル、それより今すぐここを離れろ」

シエル「ゼロは!?」

ゼロ「俺はまだ戦える……ヴァン達を援護する」

 

シエル「……ゼロ、これを使って」

そう言って彼女はポケットから出したのは剣の柄。ゼットセイバーと酷似している。

ゼロ「これは……?」

シエル「貴方の為に私が残した武器データの1つよ。名前は……Ω(オメガ)ブレード」

ゼロ「オメガ……」

 

因縁の相手の名を冠したその剣は、初めて持つ筈なのに自分の手に簡単に馴染んだ。

 

ゼロ「……」

シエル「その剣は、貴方にしか使いこなせない特殊な物。エネルギーと引き換えに強大な力を発揮出来るの。けど……」

 

ゼロ「……これで、ヴァン達を守れるのなら」

 

Ωブレードを持って、少し体がよろけながらもゼロは再び駆け出していった。

シエル「ゼロ……」

 

彼の言う通り、ここから離れる事にした。

 

 

 

ヴァン達の方に走りながら、

ゼロ(この艦を……皆を、守る為に……力を貸せ!Ωブレード!)

ゼットセイバーの翡翠色では無く、赤紫色の長剣が具現化された。

 

そして、湧き上がる力。気が付けば走るスピードもドンドン加速していった。

 

ヴァン(ッ!何か、何かが、来る……!?)

次の瞬間、ヴァンが戦っていたディノレックスが目の前で一瞬の内に真っ二つにされていた。

ヴァン「!?」

 

ゼロ「……」

次にゼロが鋭い目付きで見つめたのはマクバード・ドラグーン。

その気迫にドラグーンは少し下がり足になっている様に見えた。

 

ゼロ「行くぞ……」

剣を水平に構え、一閃の構えを取る。

 

グレイ「えっ?」

驚いた、というより今何が起こったのか良く分からなかった。

さっき向こうの方に居た筈の彼が今自分の目の前に居る。そして自分と向かい合わせに居たドラグーンがディノレックスと同じで横一閃されていた。僅か一瞬で色んな事が起き過ぎて皆の頭が今の状況を理解し切れていなかった。

 

そして最後に、先程自分に突撃して来たヒートニックス。奴は他2体みたいになる訳にはいかないと、先程みたく炎を巻き起こしながら猛突進を仕掛けて来た。

 

エール「ゼロさん!」

ゼロ「分かっている……!」

 

そしてゼロとヒートニックスが重なり、お互いが突き抜けた後……ヒートニックスは結局他2体と同じ真っ二つの末路を辿る事となった。

 

 

残るイレギュラー達も皆殲滅され、随分被害を受けたものの何とか勝利したのだった。

 

甲板に出て来たシエルとプレリーはその惨状に思わず言葉を失った。

 

プレ「酷くやられたわね……」

シエル「艦自体もかなりダメージを受けたから、1度何処かで修理しないと」

 

そして皆の元に駆け寄って来た。

プレ「皆、大丈夫!?」

ヴァン「まぁ、何とか」

エール「はぁ……」

グレイ「さ、流石にヤバかったな……」

アッシュ「そうね……ここまでの戦いになるとは思わなかったわ」

ゼロ「……」

プレ「ゼロ?」

ゼロ「ッ……!」

 

ゼロが崩れ落ちそうになったのをヴァンとグレイが支える。

プレ「ゼロ!?」

ゼロ「流石に……無理があったか」

シエル「やっぱり……!」

エール「とりあえず医務室に運ぼう!」

 

 

体にかなりの負担が掛かっておりギリギリの状態でゼロは戦っていた模様。何とか命に別状は無いみたいだが、後少し負担が大きければ剣が握れなくなっていてもおかしくなかったらしい。

 

ヴァン達も治療を受け、かなりダメージを受けたガーディアンベースもメンテナンスをする為に1度カンナ外部で落ち着かせる事になった。

 

 

~次の日 医務室~

休んでいた皆の元にシエルとプレリーがお見舞い品を持ってやって来た。

プレ「どう?皆体の方は」

ゼロ「俺達皆1日安静だと言われた」

グレイ「確かに、まだ疲れが取れない……」

ヴァン「人間の俺達は傷が治るまではロックオン禁止だって言われたよ」

エール「それだけ私達の体も無茶をしていたって事だよね」

アッシュ「まぁ、じっくり休んどくわよ」

 

 

そして皆の視線は自然とシエルの方へ。

シエル「あっ、ごめんなさい。皆の団欒を邪魔する気は無かったのだけど」

ヴァン「えっと、シエルさん……なんですか?」

シエル「えぇ。私がシエルよ」

エール「記憶は、どうしたんですか?」

シエル「バイルの声を聞いて記憶がフラッシュバックして、蘇って来たの」

グレイ(この人がシエル……)

アッシュ(私達のモデルを作って、妖精戦争ではゼロさんと共に戦った天才科学者)

 

プレ「皆にも言った通り、お姉ちゃんはこのガーディアンの創始者でもあり初代艦長でもあるの」

シエル「えっと……私の方から色々確認させて欲しいのだけど」

プレ「どうしたの?」

シエル「貴女は、アルエット……なの?」

プレ「……うん。お姉ちゃん」

予め持って来ていたぬいぐるみを彼女に手渡した。それを見てシエルは凄く喜んでいる。

 

シエル「まさかこんなにも大きくなって……ガーディアンの2代目艦長をしているなんて。立派になったわね、アルエット」

プレ「そんな……そんな事無いよ、お姉ちゃん」

プレリーも凄く嬉しそうだ。

 

5人はこの2人を微笑ましく見ていた。

 

シエル「それと……」

ゼロの方を振り向く。

 

ゼロ「……」

シエル「ゼロ、なのよね」

ゼロ「……あぁ」

しっかりと頷いたゼロを見て、彼女に瞳に涙を浮かべてからゼロに抱き着いた。

 

ゼロはすんなりと受け入れて、優しく抱きしめ返した。他の皆はドキドキしながらその場面に釘付けになっていた。

 

シエル「~~~///!?」

まさか抱きしめ返して来るとは思わなかったシエルは顔を真っ赤にして激しく困惑した。

 

シエル「ゼ、ゼロ……?」

ゼロ「どうした?」

 

優しく微笑む彼に何も言えなくなって、

シエル「な、何でも無いわ……」

 

この甘ったるい空気はとりあえず終わって、感動の再会となった。

 

ゼロ「シエル、お前はこれからどうするんだ?」

シエル「私も皆と一緒に戦わせて。相手がバイルなら尚更この世界を守る為にも」

プレ「艦長の座はお姉ちゃんに返すわ」

シエル「いや、艦長はこのまま貴女がするのよ。今のこのガーディアンは貴女にしか務まらない」

 

プレ「うん。分かった」

シエル「私ならゼロだけで無く他の皆の装備も作る事が出来るわ。だから皆も遠慮無く言ってね」

 

ヴァン達は頷いた。

シエル「えっと、ヴァン君にグレイ君、エールさんにアッシュさんよね」

ヴァン「シエルさんの方が年上なんですから呼び捨てで良いですよ」

シエル「ありがとう」

グレイ「僕達の名前はどうして……?」

シエル「記憶をまだ失ってた時に皆私に話し掛けてくれて自己紹介をしてくれたじゃない」

グレイ「そ、そっか」

アッシュ(まさに知的美人って感じ。これはゼロさんとの関係が楽しみね)

 

ゼロ「シエル、お前にとって嫌な質問になるが……答えてくれるか?」

シエル「……どうしたの?」

ゼロ「昔のお前に何があった?」

 

プレ(そうよね……昔の行方不明となった時何があったのか真相はお姉ちゃんしか知らないわ)

 

シエル「……あの時、私はとある場所で発見されたモデルVを調査していた。調査には複数人で来ていたのだけれど、ある時私1人でモデルVを見た時に意識が無くなった」

ゼロ「……まさか、バイルが」

シエル「バイルはとあるモデルVから蘇った。そしてそのとあるモデルVとは、きっとアレの事だったのね……そして私はいつかバイルが復活した時に駒として使う為にコールドスリープを受けた」

 

ヴァン「じゃああのコロニーの残骸の地下にあった施設もネージュ・カンパニーの元々の建物も……恐らくバイルの研究所だったのだろうか?」

シエル「その可能性が限り無く高いわね」

 

エール「そしてコールドスリープをしたバイルだからこそバイルの声が記憶を蘇らせた鍵となったのかも知れない」

 

シエル「えぇ。私もそう思ってる」

プレ「ごめんね……もっと私達が頑張って探せばお姉ちゃんをもっと早く見つけられてたのかも知れないのに」

シエル「良いのよ。気にしないで」

 

そんな所でシエルの話は終わった。

シエル「ともかく私も皆と一緒に戦うわ。バイルを倒す為に私も頑張るから、皆よろしくね」

 

その言葉に皆頷いた。

 

 

 

~その夜 ゼロ私室~

ゼロとグレイはそれぞれ自室に戻っていた。

 

ゼロ(まさかシエルと再会出来るとはな)

彼女の記憶が元に戻って、とりあえず元気そうで本当に良かった。

心の底から、そう思う。

 

 

そこへ、

プレ「ゼロ、起きてる?」

ゼロ「あぁ」

プレリーとシエルがやって来た。

シエル「へぇ、ここがゼロの私室なのね」

ゼロ「……悪いが、何も無いぞ」

 

初期の状態から色々物を置いたりはしたが、まだ殺風景である事に変わりはない。

 

お茶を持ってプレリーとシエルが椅子に座る。

プレ「これで昔の3人が揃ったわね」

ゼロ「……そうだな」

シエル「えぇ」

 

3人、思い積もる話も沢山あった。

シエル「そう言えば……」

プレ「どうしたの?」

シエル「えっと……貴女はプレリーかアルエット、どっちで呼べば良いのかしら?」

 

突拍子も無い質問に思わず吹き出すプレリー。

プレ「ぷっ……お姉ちゃん、ゼロと全く同じ事言ってるわ」

シエル「そうなの?」

ゼロ「確かに俺もそう質問したが」

プレ「別にどっちでも良いけど、出来ればプレリーでお願いしたいわ」

シエル「分かったわ、プレリー」

 

プレ「さて、そろそろ寝ましょうか」

シエル「そうね。時間も遅いし」

プレ「お休みなさい、ゼロ」

ゼロ「あぁ」

 

プレリーが出て行った後、シエルも出て行こうとしたが出て行かなかった。

ゼロ「……?」

シエル「ゼロ、貴方は……凄く変わったわね」

ゼロ「……そうかも知れないな」

シエル「凄く良い方向に、変わったわ」

ゼロ「だが、俺が変わったとしたら……それはお前のお陰だ」

シエル「私?」

ゼロ「お前は……俺に大切な事を沢山教えてくれた。そしてプレリーも、ヴァン達からも沢山」

シエル「……」

ゼロ「俺がどんな存在であろうと、お前は受け入れてくれた。俺という存在を教えてくれた」

シエル「私は言いたかった事を言っただけよ。それ等を最終的に決めたのはゼロ自身なのだから」

ゼロ「それでも……お前にはあの時から、そして今も助けられている。だから礼を言わせてくれ……ありがとう、シエル」

シエル「ふふふ、どういたしまして」

 

彼女が笑えば、凄く心が暖かくなる。彼女には、笑っていて欲しいと思う。

 

シエル「ゼロ、また来て良い?」

ゼロ「俺が会話出来る状態ならいつでも構わん」

シエル「分かったわ」

 

今度こそ彼女も寝る事に。

シエル「お休みなさい、ゼロ」

ゼロ「あぁ」

シエル「……そこは、返すのよ」

ゼロ「?」

シエル「同じ言葉で」

ゼロ「……お休み?」

シエル「そうよ。別に強制はしないけど……返すと相手も嬉しくなるわ」

ゼロ「……覚えておこう」

シエル「えぇ」

 

彼女はとても嬉しそうに部屋を出て行った。

 

 

 




特に気掛けた訳でもありませんが文字数が1万ちょっとになってて驚きました。そんなに書いたっけ?ってなります。

まぁシエルさんを登場させる事は最初から決めていたのですが(その為のオリジナル、後その為の恋愛タグ)
少し糖度付いちゃいましたね。でも申し訳ないがゼロシエがとっても好きなのでこの2人のお話を沢山書いていくつもりです(迫真)!

感動の再開、でも激しさを増す戦争。次回はメインストーリーお休みします。

中々良いペースで書けているのでこの調子が続く事を祈って。
また次回お会いしましょうヾ(ω` )/
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