ロックマンゼロ ~紅き英雄の帰還と再び動き出す因縁~   作:M・M

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どうも、まずは生存確認をば……殆ど1ヶ月ぶりになりますM・Mです。

もう失踪と言っても良い程投稿していませんでした、本当に申し訳ないです。2週間ほど病気をしていた事もありますがそれでもサボり過ぎていました。
反省して体調戻しつつ書いていきます。

失踪だけは必ずしないと約束して頑張っていきます。

では、どうぞ。


-二組の激闘-

固まっていた2体を離してそれぞれタイマンに持ち込んだゼロとヴァン。

 

 

sideゼロ

 

ゼロ(確か前戦った時は天候も不安定、尚且つ足場も狭いと面倒な状況だったな……そう考えるならまだ楽な方か?)

 

ペガ「前戦った時より今の状況の方が楽……とでも考えているのだろう?」

ゼロ「!」

ペガ「確かにここは高低差があるというだけの荒野だ。以前の様な悪天候でも無い」

ゼロ「……」

ペガ「だがそれがどうした!まるで私よりも戦いの場の方が面倒だったかの様な感じではないか!そんな物私は認めないぞ!」

 

ゼロ「うるさい奴だ……そんな事は知らん」

ペガ「貴様のそういう所が気に入らん……まるで全く興味の無い様な態度が!」

ゼロ「実際お前の事情など興味無いな」

ペガ「許さん……何としてでも私の力を見せつけてやる、覚悟しろ!」

ゼロ「……敵であるならば容赦はしない」

 

 

両者高速で駆け出し早々に剣と槍がぶつかり合う。何度も、何度も激しく止まる事の無いゼットセイバーと雷槍の衝突。

 

リーチで言うならば向こうに利があるが、小回りはこちらの方が上だ。距離を保たれると少々戦い辛いのでなるべく近付き距離を詰めながら戦う。

 

ペガ(クッ……)

前回は何度も言っている通りの環境の事もありゼロは苦戦を強いられたが、そもそも中距離を保ちながら戦う自分にとって常にくっつくかの様な近さで斬撃を放つゼロとは相性が悪い。

 

ペガ(前回は奴に強制的にジャンプ等をさせながら悪天候なのを良い事に飛び回りながら戦ったが今回はそんな事は出来ない……)

良く考えてみれば自分らしく無い事をした。わざわざ自分にとって部の悪い賭けに出たのだ。

いや、賭けとは言わないだろう……認めたく無いが、無謀な攻めだ。

 

ペガ(やはり……強い)

 

元々の相性という物もあるだろうが、それを含めなくてもこの英雄はやはり強かった。

 

ペガ「それでも、我がプライドにかけて……この戦いは負けられん!チャージ!」

 

ゼロ(来るか……)

 

 

ペガ「受けてみろ……サンダーブラスト!」

電撃を纏い恐ろしい勢いで突撃して来る。

 

ゼロ「チッ……」

1度避けても相手はすぐにUターンして再び突撃。1回1回避けるのに苦労するというのにこれは非常に面倒だ。当たればかなりのダメージになる以上被弾は許されない。

 

ゼロ(電撃のせいで近寄れん……)

ペガ「どうしたどうしたァ!」

 

何と更に強い電撃を自分に当てて格闘戦に持ち込んで来た。電力の影響もあってペガソルタ自体の行動速度が凄まじい事になっており、尚且つ格闘戦になっているとはいえ奴のパンチやキックを受け止めても雷のダメージがある為にゼロは避けるしかない。

 

ゼロ(何て奴だ……ここまでの電撃をこんな長時間も身に纏っていて平気な筈が無い)

 

ここでペガソルタは1度下がり、ゼロの思考を読んだかの様に言った。

 

ペガ「驚いているのも無理は無いだろう……私の体は過去より数百万ボルトも耐えられる様にバイル様から改造を施されている」

ゼロ「……そうか」

 

またバイルか、と言うかの様にゼロはため息をついた。逆にペガソルタはゼロに対して、

 

ペガ「地獄だった。貴様を倒す為に先程言った通りの体にする為にバイル様からの処置を施されたが……何度か死んでいる」

ゼロ「……」

ペガ「だがそれでも私は耐えた。そう……全ては貴様をこの手で葬り去る為だ!」

 

そして再び強烈な電撃をその身に纏った。

 

ゼロ(そこまでして俺を倒したいか……)

何にせよ、コイツのこの電撃を何とかしない限りは自分に勝ち目は無さそうだ。

 

ゼロ(確か……前コイツには氷属性が有効だったな。1つ試してみるか)

装備をゼットセイバーとバスターショットに変更、ついでにアイスチップを付与。

 

まずはバスターで様子を見る。

 

猪の如く突撃して来るペガソルタを何とか避けて、Uターンするその瞬間にバスターを撃ち込む。

 

ゼロ「アイスジャベリン!」

竜の形をしたチャージバスターがUターンを丁度終えたペガソルタの腰に当たる。

 

ペガ「ガハッ……このッ!」

弱点は変わっていないらしいが電撃が剥がれたのは僅かな時間のみ。流石にあそこを追撃するのは無理があるが、そもそも正面から攻撃を当てても電撃に弾かれる可能性がある。

 

ゼロ(さっきバスターが当たったのは偶然だろうな……強力な攻撃じゃないとあの電撃は剥がせそうに無い。だったら、やるしかないか)

 

リスクを背負ってでも近接で挑む。一瞬の隙が出来さえすれば良いのだ、それこそ一瞬で勝負を決めるしかないだろう。

 

 

ペガ(……)

また突撃して来るのを待っていたがペガソルタは先程の様な攻撃を警戒しているのか少し上空から雷撃を数発放って来た。

ゼロ(どうやらただの脳筋では無いらしいな)

まぁ煽ったりすればまた突撃して来そうだ、とゼロは思っていたが。

 

ペガ「天罰だ!喰らえッ!」

ゼロ「当たるかッ!」

 

ゼロはしばらく雷撃を避け続けていたが、そろそろ鬱陶しくなったみたいで、

 

ゼロ「そっちがその気なら……イカロス、セットアップ!」

 

ペガ「!?」

突然のフォームチェンジに驚きを隠せないペガソルタ。そしてそんな奴を見てゼロは、

 

ゼロ「今まで良くやってくれたな……行くぞ!」

 

電撃を纏ったペガソルタよりも速い動きで突撃。加速して勢い良く斬り掛かるが、何とかこれをペガソルタは受け止める。

 

ペガ「グッ……!」

ゼロ(受け止めたか……だが!)

 

両手をリコイルロッドに装備変更。

ゼロ「レイニースティンガー!」

ペガ「ウオォォッ!」

 

凄まじい速さでリコイルロッドで突く。二刀流での怒涛の高速攻撃。

 

驚きはしたが冷静に防御するペガソルタ。

ゼロ「まだ終わると思うな……!」

1度下がって再び構え直すゼロ。

ペガ(次はどう来る……!?)

 

こちらも警戒している模様。

 

 

次の瞬間、ゼロは大きく踏み込んだと思うと、一気に加速してペガソルタに向かう。そして、

 

ゼロ「ふんッ!」

ペガ「ふべらッ!?」

 

右手ストレートで殴り付けた。

 

ゼロ「せいッ!」

ペガ「ガッ!」

 

もう1発、今度は左。

 

ゼロ「オマケだ……貰っておけ!」

クルリと身を翻してドロップキック。

 

ペガ「ぐあッ……!?」

 

ゼットセイバーでは無く、まさかの格闘戦に対応出来ずに吹き飛ぶ。単純な殴り蹴りであるが一撃一撃が重く、尚且つとても速かった。

 

ゼロ「俺が剣だけだと思うなよ!」

更に追撃で今度は剣で斬り掛かるが、これは何とか体勢を立て直し槍で受け止める。

 

ペガ「調子に……乗るなッ!」

速さならともかく、真正面からの力ならコチラに利がある。ゼットセイバーを押し返し、

 

ペガ「サンダーボルト!」

槍先から雷を出す。勿論これをゼロは易々と避けるが、相手の次の構えを、そしてペガソルタの笑みを見てゼロはしまったと後悔した。

 

ゼロ「しまッ……!」

ペガ「遅いッ!雷光……一閃!!!」

 

先程のサンダーボルトは囮だった。これをゼロが避けると読んで次の手は勢い良く飛び出す一閃にしたのだ。まんまとゼロはそれに引っ掛かってしまった訳だが。

 

槍先が、確実にゼロの右肩を貫いた。

 

ゼロ「グッ……!」

 

ギリギリでイカロスフォームを解いたのが幸いだった。イカロスフォームの装甲で直撃を受けていたら行動不能になっていたかも知れない。

 

すぐにペガソルタを追い払うが、奴が槍を引き抜いた瞬間にも雷の様な痛みが身体中を走る。

 

ペガ「フッ……回避力の高さは認めるが回避を重点に置く行動、それが仇となったな」

ゼロ「……それを読んだのは見事だとは言っておく。だが」

痛む右肩を我慢し、再びゼットセイバーを構えるゼロ。二刀流になっている事からしてもう早期決戦で決めるつもりなのだろう。

 

ペガ「望む所……行くぞッ!」

 

もう一度ゼットセイバーと雷槍が火花を散らす。何度もゼロは剣を振るうが巨大な槍で防がれる。防御はかなり硬く、真正面からでは無理そうだ。

 

ゼロ(守りが硬いな。だったら……一か八か、やってやる価値はあるか)

その間ゼロは何やら考え付いた様子。

 

 

そして、ゼロが片手に剣を持ち駆け出す。

ペガ(剣で、速さで打ち勝つつもりか?甘いぞ……我が守りはそれでは打ち破れん!)

 

だがペガソルタは同時に妙に思った。

ペガ(斬り掛かるにしては妙な動作だな……しかも二刀流を止めている。何よりもこの構え……)

 

-投剣-

 

その言葉が頭に浮かび、すぐに回避行動に移る。

 

案の定ゼロはゼットセイバーを自分に勢い良く投げた。だが予め回避の体勢をしていたペガソルタはその剣を避ける事が出来た。

 

が、

ゼロ「甘いな」

ペガ「何ッ!?」

 

ペガソルタがサイドステップをするのを読んで、ゼロはもう片手、チャージしていたゼロナックルで思い切りペガソルタの槍を(・・・・・・・・)掴んだ。

 

ペガ「なッ……!まさか!」

ゼロ「(フェイク)だ。俺の狙いは……この槍!」

 

強力な力で奴の腕から槍を奪い取り、その槍の矛先をペガソルタの顔面に打ち付け、怯んだ所をゼットセイバーで斬る。

 

確信に、真っ二つに斬り裂いた。

 

ペガ「まさか……私がやった戦法と同じやり方で決められるとはな……」

ゼロ「お前の防御重視の行動が仇となった、ただそれだけの事だ」

 

ペガ「クッ、この私が2度までも……無念!ウォォォォォ!!!」

 

 

 

ゼロ「……やった、か」

そこそこ危なかった。相手も楽に勝たせてくれる様な相手では無くなっている。

今も痛む右肩を抑えながらヨロリと動き出した。

 

ゼロ(ヴァンは、大丈夫だろうか……)

 

 

 

 

 

 

sideヴァン

 

セレブな女王蜂ことカイゼミーネ・ザ・ワスプロイドと対峙するヴァン。

常に武器コンテナとドッキングしており様々な武装を1つのコンテナから行える。

 

ヴァン(コイツと戦ったのはアッシュだったな……グレイから貰ったデータがある分有利か?いや、どんな改造を施されているのかも知れない、油断はせずにやろう)

 

ZXセイバーを携え、もう片手にはバスター。いつものセットで構える。

 

 

相手はずっと空を飛んでいる。無論対空戦闘が出来ない訳ではなくモデルHになればいい訳だが……

 

カイ「私の事を知っているのは面倒だけど、私を前のままと思っていたら大間違いよ?」

 

ヴァン「……」

見れば分かる。アッシュが見せてくれたデータに載っていたこいつの写真、何となく前の面影はあるものの今の姿はかなり違う。

 

一言で言うならば、重武装化していた。

 

カイ「当たり前だけど動きは重くなったわ、飛ぶ速度も前よりガタ落ちよ……でもね、それがどうでも良くなる程にこの体には沢山の武器が積まれてるのよ。どう?美しいでしょ?」

ヴァン(美しい……?)

 

その感性は良く理解出来ない、と言わんばかりの顔をしたヴァンを見たカイゼミーネは怒った。

 

カイ「貴方には分からない様ね……まぁ分かった所でどうでも良いわ。お喋りはこの辺にしましょう、私の力を見せてあげるわ!」

 

そう言ってまずは初手。カイゼミーネは自分の肩からミサイルを複数発射する。

 

ヴァン(いきなり初手から知らない武装か……)

 

回避するまでも無くバスターを持ち替えて発射、散らばったビームがミサイルを破壊していく。

ヴァン(こういう複数の何かを破壊する時の為にグレイとアッシュのホーミングレーザーを真似た物をシエルさんに作って貰っておいて良かったな……)

 

カイ「まぁ、何とも面倒なビームね」

ヴァン「新しい武装っていうのはそんな物か?」

カイ「まさか。まだまだ序の口よ」

ヴァン「だったら、全部まとめて斬るまでだ!」

 

ZXセイバー片手に走り出すヴァン。

 

カイ「あら、もう少し遊びましょう?」

そう言ってコンテナから複数の鉢形のミサイル、そして誘導ミサイルがコンテナから発射。

 

ヴァン(またか……いや、違う!)

コンテナを良く見ると何やらチャージしている模様。このミサイルは囮の可能性が高い。

 

案の定コンテナからレーザーが発射された。

ヴァン「やっぱりか!」

 

事前に回避の体勢を取っていたので連続に放たれるレーザーを避けられた。

 

避けたのは良いが、レーザーの線が通った場所が爆発し地面が焼け爛れていた事からしてかなりの高威力だ。当たればひとたまりも無かっただろう。

 

ヴァン(危なかったな……)

カイ「良い読みをしているわね」

ヴァン「そりゃどうも」

カイ「ならこれはどうかしら?」

 

そう言うと再び子分バチを出したカイゼミーネ。だが子分の方もミサイルでは無い様だ。

 

ヴァン(……?)

カイ「正しく……蜂の巣にしてあげる」

カイゼミーネの頭、肩、胸の部分から突然バルカンが放たれた。更に子分バチもバルカンを撃ち出し、咄嗟に避けたものの避け切れず何発か当たってしまった。

 

ヴァン「クソッ……何て弾幕だ!」

カイゼミーネの言った通りこれではまるで蜂の巣だ。たまらずモデルHになり空に逃げる。

 

カイ「逃さないわ!」

更にバルカンを撃ち込んで来るが、

ヴァン「当てられるものなら当ててみろ!」

 

流石は高機動のモデルH、空を飛び回り大量のバルカンを軽々と避けていく。

カイ(速いわね……)

これ以上撃っても無駄だと思ったのか弾幕が止まった。ヴァンも空中で一時停止する。

 

ヴァン(良い加減攻めないとな……やられっぱなしというのも(しゃく)だ)

 

だが攻撃する為だとはいえ、あの弾幕に突っ込んでいくのは流石に無理がある。避けながら進めれば1番良いのだがそんな簡単にはいかないだろう。

 

ヴァン(……そうか、目には目をとも言うな。だったら弾幕には弾幕だ)

「プラズマサイクロン!」

 

……それが同じ様な弾幕とは限らないが。

 

カイ「!」

対抗してバルカンやミサイルを撃つが、全てかき消されていく。

そして、加速していくその竜巻(プラズマサイクロン)のその後ろからヴァンがブーストで飛んで来る。

 

カイ(マズいッ……!)

1度弾幕を止めて避けようとするが、

ヴァン「遅いッ!」

竜巻を追い越して現れたヴァンが斬り掛かる。

 

カイ「そう簡単に、当たらないわよ!」

お腹から何と熱線を発射した。

ヴァン「うわっ!?」

間一髪反射的に回避。熱線はプラズマサイクロンを貫通して少し遠くの方の山に当たり大爆発。

 

ヴァン(おいおい……面倒だな)

 

カイ「重武装化したって言ったでしょう?コンテナだけならず私の内蔵武器も強くなっているわ」

ヴァン「……」

 

困った。あの熱線がそんな何度も撃てるとは思わないがこれだと近付いても攻撃が当てられない。

まぁ近付く事はそこそこ容易に出来た。となると近付いた後の事を考えるべきか。

 

ヴァン(どうする?相手は火力で押し通す、攻撃こそ最大の防御と言わんばかりの手段だな……。

直接相手にダメージを与えられなくても、あのコンテナさえ破壊出来れば結果的にカイゼミーネ自身に攻撃出来るチャンスが来るかもしれない)

 

そもそもグレイから貰ったデータにも下のコンテナをまずは破壊して無防備になった所を狙った、とあった。今回は内蔵武器も増えている為に無防備までとはいかないが相手の攻撃、防御手段を消す目的としては十分だろう。

 

ヴァン(まず狙うはあのコンテナだな)

 

1度地上に降り、モデルFにチェンジ。

カイ「あら……空中で戦うのは止めたのかしら?折角面白くなってきたと思っていたのに」

ヴァン「お生憎様だけどな」

カイ「言っておくけど対地上戦の武装の方が多いわよ?自分から蜂の巣にされたいのね?」

ヴァン「そうかどうかは自分で確かめてみろ!その余裕も今の内だ……グランドファイア!」

カイ「おっと」

 

単発の火炎放射を撃つが、易々と避けられる。

ヴァン(やっぱり単発の攻撃じゃ当たらないか……だったらこうだ)

「マグマブレード!」

炎の剣を数発素振りすれば炎の翼が放たれる。

ヴァン(数で勝負すれば)

 

また同じ様に炎の後ろに隠れながら飛ぶ。

カイ(器用な事をするわね……)

避ける事を強制させてその隙を狙う作戦か。私の今までの行動を良く見て考えている様だ。

 

カイ「おバカさんでは無い様ね。でもそれじゃ甘いわよ?」

するとまたコンテナが少しチャージし始めた。

 

ヴァン「ッ、またか!」

バスターを構え様としたがもう遅かった。諦めてダッシュで逃げる。

 

カイ「派手に行きましょう?」

先程の高火力ビーム、では無く何と胸から腹までが開き巨大なキャノン砲が現れた。

その砲台から前のビームとは桁違いの大きさのビーム放たれ、自分の出した弾を全てかき消した。

自分は予め避けていたので大丈夫だったが、これではまた1からやり直しだ。

 

「じょ、冗談じゃないぞ……何だ今の!?」

 

と、ヴァンは言いたかったが言葉が出なかった。あまりの火力に腰を抜かしそうになる位だった。

 

カイ「良く避けたわね。褒めてあげるわ、まぁ当たってたら何一つ残らないだろうけど」

 

ヴァン「……」

 

相手の火力もかなり驚異だが、それ以上にヴァンが危惧しているのは戦闘の泥沼化である。

ヴァン(クソッ……これじゃ長期戦になってしまう。そうなるとキツイな)

 

何かこの状況をひっくり返せる何かが自分にあれば良いのだが。

 

ヴァン(冷静になろう、グレイとアッシュみたいにトランスが出来る訳でも無い。ゼロさんみたいに圧倒的な戦闘能力がある訳でも無い。だったら俺は……俺にはあるじゃないか)

沢山ある武器達が。

 

カイ「お手上げかしら?」

黙り込んでしまったヴァンを見てそう言った。

 

ヴァン「……」

カイ「命乞いでもしてみなさいよ」

ヴァン「……そうか、これなら」

 

相手の挑発に乗らずに落ち着いて考える。どうやら何か思い付いた様子。

 

カイ「……そういう態度、好きじゃないわ!」

そう言って今度は最初に撃ったコンテナからのビームを再び放つ。

 

ヴァン「いけっ、ソーラービーム!」

色々考えときながらさり気なく溜めておいたソーラービームを放つ。

 

ビーム同士がぶつかり合うが、ヴァンのソーラービームの方が強かった。そのままカイゼミーネ、では無くコンテナに当たり見事破壊した。

 

カイ「何ですって!?」

ヴァン「こちらから撃っても中々当てられない、となると撃ち合いに勝つ位しか当てる方法は無いだろうなって思ってさ。危なかったよ、もしお前が撃ったのがさっきの超火力ビームの方だったら今俺は生きてない」

 

カイ「クッ……わざと煽ったのね!?」

ヴァン「いや、別にそんなつもりは……」

カイ「許さないわ!」

ヴァン(面倒だな……ともかくコンテナは破壊出来たけど何だろうか、どう見てもヤバそうな針が見えるんだけど)

 

カイ「フフフ……コンテナを破壊したら私を無力化出来ると思っていたら大間違いよ?」

ヴァン「……」

 

キラリと怪しく光る針は確かに何をして来るのか分からない。本当にそのまま突き刺して来るのか妙なビームでも撃って来るのか。

 

カイ「はぁっ!」

するとカイゼミーネは力んで、自分に向けて数発液体を出した。

 

ヴァン「おっと」

落ち着いて連続に避けるが、何と先程自分が居た場所が溶けて穴が出来ていた。

ヴァン(……酸か!)

 

地面を易々と溶かしている事からしてかなり強力な酸だ。当たればどうなるか容易に想像出来る。

 

カイ「とっておき、行くわよ!!!」

そう言ってカイゼミーネは更に高度を上げて飛翔し、針から巨大な炎弾を撃った。

 

ヴァン「……!」

ヴァンを直接狙った物では無かったが、地面に着弾すると同時に激しい炎が巻き上がった。

 

ヴァン(周りが……炎に包まれてく!)

 

 

そしてその上で先程の酸やレーザーを撃って来た。負けじとこちらも攻撃するが、コンテナを破壊された事により機敏となったカイゼミーネには当たらなかった。

 

逃げ場が限られている中で何とか避けるが、

ヴァン「熱ッ……!」

焦りによる一瞬の判断ミス、避ける方向を間違えて炎の壁に左腕が当たった。

 

カイ「オーホッホッホ……そのまま焼け死ぬか酸で溶けるか、どちらになるのか楽しみよ!」

 

ヴァン(ヤバ、い……)

流石に本気でマズい状況。先程の怪我がまだ痛む為に左腕が良く動かない。

 

このままだと間違いなくやられる。

 

高笑いしているカイゼミーネに対して炎の中で逃げ回る自分がそこには居て。

 

ヴァン(こんな、こんな奴にしてやられるなんて……何処でしくじったんだ?そもそもコンテナはやはり破壊しない方が良かったのか?コイツが炎属性の技を多用する事は前々から分かっていた事だしその対策を取るべきだったのか?)

 

前者はともかく、後者についてはシエルに頼んだりと何か出来たのかも知れない。

 

ヴァン(……俺って、こんなに弱かったのか?)

その時抱いた感情。久しぶり、いや違う。感じない様に自分に言い聞かせていた物が出て来てしまったのかも知れない。それは……

 

死への恐怖。

 

精神的にも、向上したと思っていた。だけどそれは気の所為だったのか。

 

正直言って侮っていた感じはあった。改造を施されているとは言えあくまで前の戦いでロックマンに敗れた相手なのだから負ける事は無いだろう、と。だけど実際今追い詰められているのはロックマンである自分。

 

少し平和ボケをし過ぎたのかも知れない、もしかしたら我武者羅に戦っていたあの頃の方が強かったのかも、とまで思ってしまう。

 

 

ヴァン(ごめん……皆……)

燃え(たぎ)る炎の中で、疲れ、酸欠等が影響してヴァンは頭が朦朧としていた。

 

 

カイ「そろそろ良い具合に毒が回ってきた様ね、絶望という名の毒が」

ヴァン「……」

沈黙では無く、答える気力が無い。

 

カイ「伝説とされるロックマン、意外と大した事は無かったわね」

そう言って胸から腹が開き、例のキャノンを撃つつもりなのかチャージをする。

 

 

ヴァン「ゼロさん……すいません……」

霞む様な小さな声で、そう呟いた。

 

 

 

 

ゼロ「その言葉は、諦めと取って良いんだな?」

ヴァン「!?」

 

カイ「ッ、貴方は!」

ゼロ「ヴァン。お前は自分をどう思ってるのかは俺には分からないが、少なくとも……

 

 

こんな所で終わる様な男じゃ無いだろう?」

 

 

ヴァン「!!!」

そう言った次の瞬間、タイタスフォー厶のゼロがバリア状態のまま突っ込んで来て自分を抱え、そしてそのまま炎の壁を突っ切った。

 

カイ「何ですって!?私のギガンティックファイアを突き破ったなんておかしいわ!」

 

ゼロ「生憎だがこのフォームなら可能だ」

カイ「クッ……」

 

肩を貸して立っていたヴァンが呟く。

ヴァン「ゼロさん……」

ゼロ「悪いな。遅れた」

ヴァン「……すいません」

ゼロ「……話は後だ。下がっておけ」

ヴァン「……はい」

 

 

ヴァンを下がらせて、カイゼミーネを睨む。

 

カイ「貴方が来たという事はあの馬、やられちゃったみたいね」

ゼロ「強かったがな」

カイ「貴方も中々大きい怪我をしているのね」

ゼロ「……」

カイ(相手は両方手負いだし実質1人と言っても良いわ。ここはこの男も始末してしまえば……バイル様に褒美を強請(せが)む事が出来る!私はあの雑魚のニワトリとは違うのよ!)

 

カイ「良いわ。貴方も相手してあげる」

ゼロ「確かに俺は怪我を負っているが……今逃げなかった事を後悔する事になるぞ?」

カイ「その台詞、そっくりそのままお返しするわ。さぁ始め……なッ!?」

 

気が付いたら自分の視界にはヴァンしか居なかった。慌てて周りを見ると、剣を片手に猛接近して来るゼロが見えた。

 

カイ(速いッ!?)

辛うじて反射的に回避した為に大丈夫だった。

 

ゼロ「避けたか、だが!」

そのまま勢いを殺さずにUターン。回避行動に移る前にその体に2つの刃をカイゼミーネの両腰に突き刺し、引き抜いた。

 

カイ「あぁぁっ!!」

ゼロ「俺の刃は、そこまで甘くないぞ?」

致命傷だった。妖艶な声を上げながら苦しむカイゼミーネに対し、

 

ゼロ「だから言っただろう、後悔すると」

カイ「ふ、ふふふ……坊やが伝説の英雄、ね」

ゼロ「……」

カイ「確かに強いけど……貴方1人が強いだけじゃ私達には勝てないわ」

ゼロ「ッ……」

 

痛い所を突かれたと言えば突かれた。

 

カイ「貴方達がどう足掻こうともう遅いわ……せいぜい現実という名の悪夢(ナイトメア)を楽しみなさい」

 

 

そう言ってカイゼミーネは爆発した。

 

 

ゼロ「現実という名の悪夢(ナイトメア)、か」

 

ヴァンの元に帰ったゼロ。

ゼロ「大丈夫か」

ヴァン「はい」

ヴァンの方も少し落ち着いた様だ。

 

ゼロ「……」

ヴァン「……その」

ゼロ「今は良い……とにかく帰って休むぞ。俺も中々重いのを貰ってしまったからな」

ヴァン「はい……」

ゼロ「少し待っていろ」

 

するとゼロはGATに、

ゼロ「こちらゼロ。エール、聞こえるか?」

エール「はい、聞こえます。そちらは大丈夫でしたか?随分前の通信から時間が経っていたのでアッシュと心配していた所ですよ」

ゼロ「……俺もヴァンもそこそこダメージを受けた。出来れば来て欲しい」

エール「ッ、はい!すぐ行きます!」

ゼロ「位置情報を送る、頼むぞ」

 

 

ヴァン「何か、すみません……」

ゼロ「いや、俺もお前に肩を貸して帰れるかと言われれば少し難しい所だ。だから気にするな」

ヴァン「……」

 

すぐにエールとアッシュがやって来て2人をガーディアンベースに連れて行った。

 

帰ってきた時には何とか話し合いは終わっていて、まだ話し合う必要はあるらしいがとりあえずはミッションコンプリートである。

 

 

~医務室~

 

医務室ではゼロ達4人が話し合っていた。ゼロとヴァンも治療を受けて何とか落ち着いた所だ。

ゼロ「そちらはそちらで大変だっだみたいだな」

アッシュ「まぁ、倒したイレギュラーの数は本当に山が出来る程の量だったわね」

エール「けど、ゼロさん達の援護に行けなかったのが本当に申し訳ないです」

ゼロ「構わない。結果的にガーディアンベースは守られたからな」

エール「プレリー達が話し合った結果はまた明日だって。とにかく今日は休みなさいってさ」

アッシュ「何というか、本格的にガチで攻めてきたよね。今までとは規模が違ったし」

ゼロ「やはりガーディアンは向こうにとっては出来るなら最優先で潰したい組織ではあるだろう」

エール「世界中で今日の様な襲撃があったら……ガーディアンの戦力にも限界があるし」

ゼロ「まごまごしていれば確実に、今ある国家も消えていくだろうな」

アッシュ「それこそ本当に世界崩壊よね……」

ヴァン「……」

エール「ヴァン?さっきから何も喋らないけどまだ体痛むの?」

ヴァン「いや、そういう訳じゃ無いけど……」

ゼロ「……2人とも、そろそろ部屋に戻ったらどうだ?時間も時間だ」

アッシュ「本当だ」

エール「じゃあ私達も休みます、お休みなさい」

アッシュ「お休み~」

ゼロ「あぁ」

ヴァン「お休み」

 

部屋で、男2人。まぁ今は艦長室に行っているだけですぐに医師が帰って来るが。

 

ゼロ「ヴァン、まだ思い詰めているのか」

ヴァン「……足でまといでしたよね」

ゼロ「……ヴァン?」

ヴァン「実質的にゼロさんが2体とも倒した様なものでしたし、俺はゼロさんが助けてくれなければきっと死んでました」

ゼロ「ヴァン、確かにあの時俺が助けなければ危なかったかも知れないが俺1人で倒したなんて事は決して無い。あそこまで相手を削ってくれていたからすぐに勝負を決められた」

ヴァン「……例えそうだとしても、戦闘中に諦めかけた時点でもう俺は」

ゼロ「それ以上は言うな」

そこでゼロが言葉を遮った。

 

ゼロ「ヒトである以上、戦うのが怖くなったり悩むのは当たり前だ。死ぬのが怖くて何も考えられなくなったのも決しておかしな話じゃ無い」

ヴァン「俺は、俺はロックマンなんですよ。そんな甘い事を言える様な立場じゃ無いんだ……!」

 

興奮してヴァンはそう言った。今興奮状態にあるのは少しマズいと思ったゼロは落ち着け、とひとまずヴァンを宥めた。

 

ゼロ「ヴァン、お前の中でロックマンとは何だ」

ヴァン「……えっ?」

ゼロ「ロックマンは、特別な存在だとは聞いた。その力を支配の為に使うか平和の為に使うかのどちらかになるとも言っていたな」

ヴァン「そう、ですね」

ゼロ「そしてお前達は平和の方を選んだ。世界の為に戦う事を……それは凄く立派な事だと思うし、俺からすればお前達もまだまだ若いのに戦う道を進むのか、とも思う」

ヴァン「ゼロさんだって、ずっと戦い続けているじゃないですか」

ゼロ「そうだな。だが、今のお前は何というか……焦燥感に駆られ過ぎている」

ヴァン「焦燥感……?」

ゼロ「今の事態を早く何とかしないといけないと焦り、どうすれば良いのか悩んでいるだろう?」

ヴァン「……やっぱり、全部お見通しですか」

ゼロ「剣を見ていれば分かる。使い手の迷いや不安は、剣にしっかりと乗っていく」

ヴァン「迷いや不安……」

ゼロ「一人で悩み過ぎるのも体に毒だ。俺でも相談相手位にはなれる」

ヴァン「ゼロさん……」

ゼロ「とりあえず今は休め。それからだ」

ヴァン「……はい」

 

 

しばらく経つと隣には寝息を立てるヴァンが居て、それを見てからゼロは自分の部屋に戻った。

ゼロ(ヴァンだけじゃない……エールやアッシュ、プレリーにシエル、沢山のヒトビトが先の見えない不安に駆られている)

そう……それは自分もだ。

 

 

流石に疲れたのか、メディカルマシーンに横たわればゼロは自然と眠りについた。

 

 

気が付けばまたいつしかの世界。

ゼロ(そういえばこの世界はサイバー空間に似た様な場所なのだろうか)

 

 

エックス「随分辛い事になってきたね」

ゼロ「エックス」

エックス「君もまた悩んでいるのかい?」

ゼロ「否定はしない」

エックス「でも僕は答えはあげられないよ」

ゼロ「……分かっている」

エックス「それに、君一人じゃどうしようも出来ない」

ゼロ「ヴァン達が必要なのも理解している」

エックス「しかし今の君は本当に優しくなったよね。昔の君なら足手まといになるなら戦うな、とか言っちゃいそう」

ゼロ「お前は俺を何だと思っている……」

エックス「ごめんごめん。けれどゼロ、君のその強さ、優しさがあればきっと彼らの心の支えになってあげられる筈さ」

ゼロ「心の支え、か」

エックス「頑張ってねゼロ。君達ならきっと変えられる……運命さえも」

 

そこで俺の意識は途絶えた。

 




やはり1度書くのを怠ると本当に書く気が失せちゃうんですよね。だから毎日数文字でも良いから書く事を意識しようと思います。また遅くはなりますが暖かく見守って下さると凄く嬉しいです。

ストーリー展開に少し悩んでいる所ですね。どういう感じに広げていこうかな……

次回でお会いしましょう(^o^)
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