ロックマンゼロ ~紅き英雄の帰還と再び動き出す因縁~ 作:M・M
更新は1ヶ月ぶりですね。大変長らくお待たせして申し訳ないですm(_ _)m
夏が終わり、忙しかったのもありますが書く暇が無かった訳でも無いのでサボり癖が出ていました、素直に反省です。
暑かったと思えば急に涼しくなって、秋が訪れたとなったらまた暑く……体調を崩す人も結構おられるみたいなので皆様もご注意下さい。
自語はここまでとしてようやく宇宙ステーション編は次でおしまい、そしてこの章も多分次で終わりです。
次はまた展開を大きく動かすつもりで、遂にあの子が帰ってくる予定(盛大にネタバレをしていくスタイル)
コメントにも書いてくれた方が居ましたが、少しではありますが前から入れたかった話を入れております。内容はシリアスで暗め、オリジナル設定も加わっておりますがそれも加味して読んで頂けると幸いです。
前書きが長くなってすみません(>_< ;)
では、どうぞ。
追記:この話を書くにあたって2話の最後に複線ならぬ後付け設定を書きました
ヴァン&エールside
ゼロ達と分かれて進む事数分、またヴァン達もゼロ達と同じ様に強化されている雑魚敵に足止めを喰らっていた。
エール(簡単な掃射じゃ倒せなくなってる……)
ヴァン(セイバーで一撃で倒せるとはいえ前の様にはいかない、か……)
相手も新戦力を投入して来た事からしてもやはり自分達を本気で潰しに掛かっている事が分かる。
だが、
ヴァン(それでも……)
エール(こんな所で……)
ヴァン&エール「立ち止まる訳にはいかない!」
流石は長年の相棒、背中合わせに戦い、阿吽の呼吸でお互いの後ろを守りながら周りに群がる敵を蹴散らしていく。
背中は守る、守られている……絶対大丈夫という説明するのが難しい謎の安心感があった。
ヴァンはモデルF
エール「ヴァン、蹴散らすわよ!」
ヴァン「分かった!」
エールの剣から出された旋風にヴァンが出した炎が纏われ、敵陣に炎の竜巻となって襲い掛かる。
上手い事敵を壊滅させられたので残党をちゃちゃっと狩って先に進む。
ゼロとアッシュに同じくなるべく無駄な戦闘は避ける。消耗は出来る限り抑えないといけない。
エール「そう言えばヴァン」
ヴァン「何だ?」
エール「さっきのヴァンのフォーム……」
ヴァン「あぁ、Zタイプか。Xタイプよりもセイバーの出力が上げられてるフォームなんだ」
エール「へぇ、ヴァンにはピッタリね」
ヴァン「とりあえず俺だけ増やして貰ったけどエールもやって貰った方が良いぞ」
エール「確かにセイバーも必要な時はあるか、私も帰ったらお願いしよっと」
進む事数分。
ヴァン「そう言えばデータがある場所ってかなり下の方だったっけ?」
エール「そうね、目的地は確か……最下層の資料室。やっぱり機密事項だから厳重に管理されてるんじゃない?」
ヴァン「ならエレベーター使えば早いな」
エール「ちょっと待って、ちょっと危険じゃない?中に罠が仕掛けられてるかも」
ヴァン「流石に考え過ぎじゃ……ん?」
エール「ゼロさんからメールだ」
「ヴァン(エール)へ。エレベーターに罠が仕掛けられていた。恐らくそちらも仕掛けられていると見て良いと思う」
ヴァン「……ありがとう、エール。お陰で罠にハマらなくて済んだ」
エール「もう少しヴァンは慎重にいかないと」
という事で階段を駆け下りて最下層まであっという間に着いた。
だがここで2人とも異変に気付く。
ヴァン「……」
エール「……」
ヴァン&エール(見られてる……)
1フロアの大きさはかなりの物だが通路はそこまで広くは無い。自分達を視認出来る場所は限られているし周りにはパッと見何も居ない。
だが何故だか何処からか見られている感が否めない。まるでずっと遠くから壁越しに透視されているかの様だ。
ヴァン(どうする?)
エール(奥に実験の為に作られたのかどうか分からないけど開けた場所があるからそこに行こう)
ヴァン(OK)
ダッシュで目的地まで駆ける。エールの情報通り縦も奥行も広い部屋に入った。部屋全体何も無い、通気口に続いているであろう何かの板があるだけの閑散とした部屋だ。
ヴァン「エール、どうす……エール?」
隣に居て共に部屋に入って来た筈の彼女が居なかった。何処へ、と思った瞬間落ちて来たのは彼女のセイバー。恐る恐るゆっくりと上を向く。
そこに居たのは蝙蝠……いや、吸血鬼。エールはそいつに掴まれていた。
ヴァン(え……?)
あまりにも一瞬の出来事で頭が混乱する。が、何とか我を取り戻し叫ぶ。
ヴァン「エール!大丈夫か!?」
エールに呼び掛けるが彼女からの返事は無い。
するとその吸血鬼はニタリと笑うとエールを落とした。それを見て何かを考える前に体が動き、彼女が落下するであろう地点に向かって走る。
そして何とか彼女をキャッチする事に成功した。だがそれを見越していたのか、そこに急降下攻撃を仕掛ける相手。
ヴァン「!!!」
彼女を庇い背中に爪による一撃を貰うも何とか耐え、1度離れる。
これは先走ってまんまと相手の策に乗った自分が悪いが、まずはエールの無事が優先だ。
???「ほう、もう1人を守る為に躊躇無くその身で庇うとはな。」
ヴァン「ッ、大事な……パートナーだからな」
???「だが俺から貰った一撃はそう軽い物では無いだろ?」
ヴァン(見るからに巨大な爪、覚悟はしていたが予想以上に傷が深い……)
相手により深い傷を負わせられる様に鋭利に、殺傷度の進化した爪。そこから繰り出される一撃は軽いでは済まなかった。
ヴァン「この程度……まだまだッ!」
少し我慢した発言ではあったが、そんなすぐにキツくなる程柔くは無い。
ダーク・ネクロバット(以後ネク)「そう来なくちゃな。この俺ネクロバット様が斬り刻んでやるよォ!」
相手と本格的に戦う前にふとエールの状況を確認する。首辺りを爪により一突きされており、顔色も悪く気絶していた。
ヴァン(大丈夫……そうじゃないな。俺も人の心配が出来る程余裕がある訳じゃ無いが)
今は何よりも彼女の安全が優先だ。彼女だけでも部屋の外に出す事が出来れば良いのだが……。
ネク「余所見してる暇があるのかぁ!?」
蝙蝠の集団が襲い掛かって来た。
ヴァン「クッ、面倒だな……」
斬っても斬っても居なくならない蝙蝠。
ヴァン「たぁぁっ!」
チャージセイバーで1度薙ぎ払って体勢を建て直し、マグマブレードに持ち替える。
ヴァン「これなら!」
振るう度に炎の衝撃波が巻き起こり、蝙蝠を蹴散らしながら進んでいく。
ネク「ほぅ……」
ひょいと炎を軽々避けるネクロバット。
ヴァン「ならばこれで……行けッ!」
チャージして放てば剣先から無数の炎が現れる。
ネク「!!!」
咄嗟に回避するが後半は避け切れず複数の炎がネクロバットに当たる。
が、
ネク「油断したが見掛け倒しだな。威力は大した事は無いぜ」
ヴァン(……雑魚を一掃するには十分な威力だがやはり単発の威力は小さいか。流石は蝙蝠というか動きが速い。当たったとはいえ被弾する数も少なかったし次からは普通に避けられそうだ)
と考察した上で、
ヴァン(ならば単発火力と速度の増加を。となると……)
ここで少し前にエールに見せたモデルFZに。
ネク(変わった……?)
そしてもう1度チャージする。
ネク「ケッ、同じヤツならもう当たらねぇぜ」
そうケラケラ笑うネクロバットに対し、
ヴァン「ならばこれでも喰らえ……避けてみろ!ファイアーッ!!!」
剣先から放たれたのは巨大かつ超速度の
ネク「何ィッ!?」
相手が回避の構えを取る前にコチラの攻撃が激突し、大爆発を引き起こした。
ヴァン(Zタイプにした事によりセイバーの火力が大幅に上がってる……ここまで凄まじいとは)
自分でも驚いていた。対する相手は、
ネク「グッ、やるじゃねぇか……」
避けられないと瞬時に理解して羽を閉じて防御の体勢を取ったらしい。
ヴァン(口調からして脳筋バカとか考えていたがそんなイメージとは裏腹に賢明だな)
さり気なく辛辣なヴァンである。
ヴァン(そうだ、今の内に……!)
相手が爆風に包まれている間に倒れているエールを抱え扉まで走った。そして少し荒っぽかったが彼女を何とか部屋の外に放り出す事が出来た。
ヴァン(良し……)
と、安心したのも束の間。
ネク「今のお返しはタップリとしてやる……覚悟しろッ!」
そう言うと、ネクロバットは突如羽を羽ばたかせて超音波を放った。
ヴァン「!」
突然の攻撃ではあったがしっかりと距離を取っている上にまず遅い。
ヴァン(遅い……余裕で避けられるが本当にこれだけか?いや、何かあるな)
軽く避けた後に考える。
ヴァン(超音波……音波。そうか)
すぐチラリと後ろを確認する。すると超音波が自分の予想通り壁を跳ね返ってきていた。
それも避けると、
ネク「これの性質をちゃんと理解してるとはな。馬鹿では無いようだ」
ヴァン「お生憎様だけどな」
ネク「だが1つ惜しい事がある……」
ヴァン「?」
ネク「俺の音波は特別だからな!」
ヴァンが避けて帰ってきた超音波を羽で受け取った。そして何と先程の物の約2倍程の大きさ、速さを持つ超音波を放った。
ヴァン「なッ……!?」
驚きはしたが別に避けられない物では無かったので最初と往復分の2回とも避けたが、ここでしまったと思うヴァン。
ヴァン(また大きくなるのか?)
すると今度はネクロバットはその帰ってきた超音波を避け、また小さな超音波を放った。
ヴァン(これ以上大きくなるのかどうかは分からないがこの状況は非常にマズい)
このままいくと部屋全体が超音波まみれになって自分の移動範囲が限りなく狭められる。
ヴァン(それと分からないのは相手が幾つ超音波を出せるのか、そして1番に被弾した場合どれ程のダメージがあるか……)
流石に出したい放題という訳では無いだろう。
そう考えてる間に目の前に先程相手が放った超音波が来ていた。思わず避けてしまったが、避けてしまえば相手の思うツボである。
ヴァン(だからって捨て身をする訳にもいかないし、消すしかないか……)
この攻撃が実弾であればセイバーやバスターで破壊出来るのだが音波である為に干渉する事が出来ない。これが非常に厄介で、自分にこれを消す手段があるかどうかである。
ヴァン(屈折や拡散、様々な性質があるのは分かってるけど……)
そうこう考えてる内に2つ目の超音波が帰って来た。更に相手が最初に放った方も来ている。
ヴァン(クソッ……グレイとアッシュなら簡単に超音波位消せるんだろうけど俺の能力じゃ)
音波は消す事も出来る。仮に消せなくても何か遮蔽物を置ければ拡散させたり邪魔する事も可能だが、自分の能力でそれをやろうとすると手間が掛かる。そこまでやる余裕も無い。
そう思いながら避けると、前後から来ていた2つの音波が重なり……
ヴァン(大きくなった……そうか、干渉か)
重なりあった波動はお互い干渉しあい合成波を作り出した。
そしてニヤリと笑う相手は3個目の超音波を放つ。今自分達がいる部屋はそこそこ広いが流石に自分の身が狭くなってきた。
ヴァン「…………」
相手の出方を伺っていたつもりではあるが気が付けば逃げ回っている。
ヴァン(まだ分からない事は多いが少々臆病になり過ぎたかも知れない。一旦前で勝負に出ても良いな)
分の悪い賭けではあるがコチラが行動を起こさない以上ジリ貧だ。どうせ無傷で勝てるなんて思ってないし多少の無理は承知で行ってみよう(そもそも初撃はとっくの前に喰らっている)
再びマグマブレードを構え、相手に向かって一直線に駆けていく。
ネク「フッ、真正面からやってくるとは……そんな死にたがりにはこれだ!」
……
………
…………何が起こったのか分からなかった。
ネクロバットに対して走っていったのは良いが何故か突然奇妙な感覚と共に体が動かなくなり、気が付けば相手が背後へと回っており全身を使い自分を捕捉していた。
ヴァン「ぐぁッ……、やめろッ!」
すぐ様振り払うものの奴の捕捉から離れた瞬間に自分を襲う倦怠感。
生体エネルギーを吸われたというのが1番正しいか。どちらにせよ体が十分に動かないのは困る。
ヴァン(吸われた事よりも、さっきの捕われた時は何があったんだ?まるで時が止まったかの様だった……唐突過ぎて全く回避方法も分からなかった。一体どうなってるんだ?)
ネク「無駄よ無駄ァ!俺のダークホールドからは逃れられないぜ!」
ヴァン(クッ、どうする……?)
今のもそこそこ手痛い一撃を貰ってしまったしまだこれといった打開策も出ないまま、更にはこうしている内にもずっと飛び交う超音波、そして極め付きは先程のダークホールドとやら。
これ以上無いピンチに陥っていた。
焦りは勿論あったが、何より自分を追い詰めていたのは恐怖心。そう、いつぞやの戦いでも恐怖から体が動かなくなった時があった。あの時はゼロが助けてくれたが、今回はそうはいかない。
ヴァン(落ち着け……落ち着くんだ、俺……恐怖は捨てろ。辛い戦いをしているのは俺だけじゃないんだ。ゼロさん、アッシュ、ガーディアンの皆も戦ってるんだ)
そしてチラリと扉の方を見る。
あの向こうには気絶して無防備な
そう考えたら不思議とバクバクとうるさかった心臓も、何も考えられない程混乱していた頭も落ち着きを取り戻していくのが分かった。
ヴァン(そうだ……大丈夫だ。俺は負けない)
そう言い聞かせ再び思考を巡らせる。
ヴァン(まず何とかしないといけないのはやはり超音波か……)
奴との戦闘を初めてもうそこそこ時間が経つ。気が付けば超音波は部屋の中に4つ、部屋全体を跳ね返りながら、時に重なり合いながら大きくなっていた。
今のそれ等に当たれば軽くは済みそうに無い。
ヴァン(思い出せ……超音波を完全には消せなくても多少効果がある物質があった筈だ)
ヴァンは頭が良く、その頭の良さはチームの中でもシエルに次ぐだろう。
思い出せる寸前まで来てはいるのだが思い出す為には後1つピースが足りない、そんな状況。
周りに何かヒントは、とダメ元で部屋全体を見渡してもあるのは通気口だけである。
ヴァン「……あの通気口の板」
パッと見て鉛だろうか。
鉛。
ヴァン「そうか、鉛か!」
すぐ様にモデルHXになったヴァンは通気口へとジャンプからのエアダッシュで飛んだ。
ネク「何だ!?」
突然の行動に相手も訳分からずであった。
ヴァン「借りるぞ!」
返すとは言っていないが、通気口の板を無理やり剥ぎ取る。手触りから鉛であると確信した。
そして降りてきたヴァンに対し、
ネク「何だァ?てっきり逃げるのかと思ったぜ」
ヴァン「逃げるかよ。お前はここで倒す」
ネク「言ってくれるじゃねぇか。そこそこ絶望的な状況っぽいけどなァ!?」
そう言って飛び掛ってくるネクロバット。どうやら俺に逃げ回らせてうっかり超音波に当てさせるつもりだろうか。
ならその策に乗ってやろう。
モデルZXに戻り咄嗟に後ろに飛び退く。自分が逃げるのに夢中で超音波を避けられないと思わせられたら勝ちだ。
ネク「そっちに逃げたのは間違いだったなァ!」
ヴァン(さぁ、来い!)
そして背中に超音波が当たった、
ただほんの少しだけ体の一部がピリッと痺れる様な感覚に陥った。それがこの超音波の何かしらの効果なのかも知れない。
頭が悪い奴では無かったがやはり目の前のチャンスには冷静な判断が出来なかったのだろう。ちゃんと見ていれば俺が演技をしている事位見抜けたと思うが。
ヴァン「間合いに入ったな!」
そしてセイバーでカウンター。相手は咄嗟の空中回避を試みたが避けられず羽を斬られた。
いや、空中回避を試みなかったら胴体をぶった斬られていたであろうから咄嗟とはいえ敵ながら良き判断であっただろう。
ネク「な、何だと……何故何とも無い!」
ヴァン「まぁ、化学の力だな」
ネク「ッ……」
ヴァン(これで機敏な動きは出来なくなった筈だ。超音波も防ぐ事も出来たし、後は……)
少し前にやられた謎の時間停止。
ヴァン(アレの原理……攻略方法が分からない)
そう何度も出来る物では無いだろうがどちらにせよ奴を倒す上では最後の壁と言える。
ダークホールドを警戒しているのかヴァンが全く前に出て来なくなった事をネクロバットは非常に焦っていた。
ネク(クッ、過去のダークホールドよりも使い勝手は良くなったとはいえコレを使うには条件がある……条件さえ満たしていれば最強とも言えるんだが。切り札は残しておくべきだったか)
だが恐らくヴァンはまだ発動する為の
ネク(何とかダークホールドをもう1度発動させる事が出来れば吸血を……2回目だからかなり相手の動きを低下させられる筈だ)
相手も何故か手を出してこない事を疑問に思ったヴァンも考えを巡らせる。
ヴァン(……もしかすると自分で発動させられないのか?)
カウンター技としてしか使う事が出来ないのなら大人しくしているのにも納得がいく。ダークホールドを自分から使えない、羽を斬られ超音波も効かないと分かれば……
ヴァン(これってもう向こうから手出しは出来ない状況だったりする?)
この時思えばネクロバットの最大の不幸としては相手が悪かった事であろうか。先程も言った通りヴァンは頭が良いのだ。
ヴァン(もしそうだと仮定すれば……やってみる価値はあるな)
そしてここで使うのはいつぞやに手に入れた新武器、ヤンマーオプション。
ヴァン「頼んだ!」
複数個ネクロバットに向かって飛ばす。
ネク「!?」
自分は動かずに離れてバスターを構えておく。
このヤンマーオプションはシエル曰く非常に昔から存在している武器らしい。そのデータを見つけたシエルは自分なりに改良して自立型、勿論元々の様に使う人の命令に従い攻撃する事も出来る。
ヴァン(俺の脳波を機械に登録すれば俺の動かしたい様に動かす事も出来る。こう考えるとここまで改良したシエルさんって本当に凄いなぁ)
M・M「フィン・ファンネルまんまですがヴァン君の説明通り機械で登録さえすれば多少練習はいりますが誰でも使えるので滅茶苦茶凄いものではありません」
ネク「クッ、このッ!」
ヴァンの操るオプション達に苦しめられているネクロバット。
ヴァン(やはり俺の予想通りか。もし自分から発動させられれば今この時も時間を止めて破壊なり何なりすれば良いだろうし。今なら、いける!)
そして相手の注意が完全にオプション達に向いた所で一気に距離を詰める。
ネク「ッ、そう簡単に!」
そう思ったがギリギリでダークホールドが発動させられてしまった。そしてやっとの機会を逃すまいと近付いてくるネクロバット。
ネク「どれだけこの時を待ち望んだか……さぁ!これで、終わりだァ!」
ヴァンの背中をホールドし、そして時間停止を解く。これで気が付けばヴァンを捕捉出来るのだ。
この吸血でヴァンは倒れる。倒れなくても最早虫の息になる。
……その、筈だった。
ネク「グッ…………な、ぜだ」
時間停止を解いた瞬間に飛んできたオプション達の集中砲火を避ける事が出来ず、その場に倒れる。何が何だか分かっていないネクロバット。
ヴァン「自分から発動する事が出来ないのもあったけど、何より別の攻撃を取る為には1度時間停止を解かなきゃいけない。だからお前がこうするだろうなと予測して時間差攻撃を仕掛けておいた」
ネク「まさか……そこまで気付いていたとはな。完敗だぜ」
ヴァン「使い所さえ選べばとても厄介で強い能力ではあったよ」
ネク「ケッ……どうせ幾ら足掻こうが泣き喚こうが無駄だ。もう何もかも、終わりなのだから」
ヴァン「……眠れ」
そう言い終わった後ヴァンはネクロバットの胸にセイバーを突き刺した。
ヴァン「絶対に、諦めたりなんてしてやるものか……俺達は負けない」
長かった戦いが終わりを告げた。
ヴァン(間違いなく今までで1番手こずった相手だったな。これからはあんな強さの奴等と戦わないといけないのか)
戦う前から思わずため息が出る。
ヴァン(……それでも、俺は)
ロックマンとしての使命とかじゃない。大事な人達が居るこの世界をこの手で守り、この手で未来を決める。その想いがヴァンを支えていた。
小走りで部屋を出ると、まだ顔色は悪そうだがエールが目を覚ましていた。
ヴァン「エール!大丈夫なのか!?」
エール「うん、何とか……そっちは終わったみたいだね。音が聞こえなくなったからどちらかが勝ったのだろうとは思ったけど、ヴァンで良かった」
ヴァン「当たり前だ。ゼロさんにもプレリーにも必ず生きて帰ると約束しただろう」
エール「そうだね」
ヴァン「立てるか?」
エール「ご、めん……まだちょっと無理かも」
ヴァン「ゼロさんに連絡を入れるよ。ちょっとそこの部屋に入って休もう」
そう言って自分の腕を肩に回すヴァン。
エール「……ごめんね」
ヴァン「気にするなよ。ゼロさん達も分かってくれるだろうし、お前がそんな汐らしくするなんてらしくないぞ」
エール「レディーに対してそれは無いでしょ」
ヴァン「アッシュの真似か?」
エール「本心」
ヴァン「そうか」
そんな事を言いながら隣の部屋に入った。単なる研究室と言うか雑務をする部屋であろうか、机やら椅子やら棚等の物がある部屋だった。
ヴァン(奥にソファがあるな)
奥のソファにエールを寝かして、自分もすぐそこの椅子に座る。
エールはロックオンを解いたみたいだ。
そこでGATを開きゼロに連絡する。彼はGATを渡された当時は慣れていないのか文字を打つのが少し遅かったが、最近になって少しずつ速くなってきている気がする。
少ししてゼロから返信が来た。
ヴァン「ゼロさん達もどうやら負傷してるみたいだ。少し休むらしい」
エール「そっか。向こうもやっぱり大変ね」
ヴァン(敵もかなり強くなってきてる。一筋縄じゃ行かない事は分かってはいたけど)
そんな話をしてからはしばらく言葉も無く体を休めていたが、
エール「ねぇ、ヴァン」
ヴァン「……ん?」
エール「変な話をするけど笑わないでよ」
ヴァン「努力するよ」
エール「もう。それで、話なんだけど……と言うかこれはずっと思っていた事なんだけど」
ヴァン「どうしたんだ?」
エール「ヴァンはゼロさんの事、どう思う?」
ヴァン「どうって……カッコいいし、頼りになる先輩かな」
エール「うん」
ヴァン「……いきなり何なんだよ。あ、エールもしかしてゼロさんの事が?」
エール「ち、違うって……確かにカッコよくて頼りになる先輩なのは正しいと思うけど、私が言いたいのはそうじゃないの」
ヴァン「それじゃあ?」
そこでエールは一呼吸置いて、
エール「ゼロさんと喋ってるとね、凄く懐かしい気持ちになるの」
ヴァン「…………エール」
そのエールの一言でヴァンは全てを理解した。
エール「昔の暖かい思い出がそっと蘇ってくる。そして私も暖かい気持ちになれるんだけどね」
ヴァン「……うん」
エール「どうしても、どうしてもね……
ゼロさんの姿とどうしても重なっちゃう時があるんだ。ジルウェの面影が」
しばらく間が空いた。その時お互い何を考えていたのか分からなかったが。
ヴァン「……エール、お前」
エール「大丈夫。別に依存してるとかそんなんじゃないし、ちゃんと振り切れてる」
嘘だ。振り切れてるなら少なくともそんな事を思いはしない。
ヴァン(なんて、言える訳が無い)
エール「って思ったんだけどね。やっぱり、振り切れて無いのよね。だとしたらこんな思いを抱いたりしないから」
ヴァン「エール……」
思いの外本人は分かっていたらしい。
エール「ヴァンは、どうなの?」
数分前に同じ様な質問をされた気がするが、全然違うな、とかそんな事を考えていた。
ヴァン「……俺も、今までプレリーにもエールに言わなかったけど、ゼロさんにそんな思いを抱く事はあったよ」
嘘はついていない。ゼロからヴァン、と自分の名前を呼ばれる度にジルウェの面影が重なる時は今までに多々あった。
エール「……私達、結局何も変われてないね。アッシュやグレイの方が余っ程じゃないのかな」
ヴァン「…………」
エールの言葉が胸にこれ以上無いまでに突き刺さった。ただ生きる事に、自分達の世界を守る為に夢中でただ戦うしか無かったあの頃より強くなれたと思う。「ロックマン」としての使命を背負い世界を守り、数年後にはかつての自分達と同じ様な立場になったグレイとアッシュと共にまた世界を救った。
強くなれた、そう思っていた。そう思っていたかった。そうする事で沢山の何かを失った悲しみから逃れられたからだ。
エール「変わらなきゃいけないって、前に進まなきゃいけないんだって、心の中でずっと……分かっているんだけどね」
ヴァン「俺も同じだ。何だかんだで過去の出来事が暗い影を落としてずっと遠くから俺を見てる、そんな気がするんだ」
エール「ヴァンもなのね」
ヴァン「ゼロさんは何も悪くない……だけど、初めてゼロさんを見た時のあの感覚はこういう事だったんだなって思える」
ゼロからジルウェを思い出し、ジルウェから忘れていた……半ば閉じ込めていた記憶ヴァンとエールの中で蘇っていた。
エール「……言い出しっぺの私が言うのもなんだけど、この話はまた今度にしよ、これ以上話していても悲しくなるだけだし」
ヴァン「……あぁ、そうだな」
そうして再び休む事にした。
……拭い切れない胸のつっかえを感じたまま。
しばらくして、エールは自分のGATが鳴っている事に気付いた。電話である。
すぐに確認すると、ゼロからであった。
エール「はい」
ゼロ「ヴァンからそちらの状況は聞いている。調子はどうだ」
エール「万全とまではいかないけど、何とか」
ゼロ「そうか。俺達もまだ万全とは言えないが……とりあえず合流しよう。隣にヴァンは居るか?」
エール「居ないですね、何処行ったんだろ」
ヴァン「呼んだか?」
そう言ってヴァンが部屋に入ってきた。
エール「ヴァン、何処に行ってたの?」
ヴァン「砲台のデータの回収を忘れない内にやっておこうと思ってやってきた」
エール「あ、そっか。やってなかったね」
ヴァン「無事回収完了だ」
ここで電話に戻る。
エール「えーっと、ゼロさん」
ゼロ「聞こえていた。コチラも何とかデータの回収は達成した。だからここでもう1度合流しようと思って電話を入れた」
エール「了解です。ヴァンと一緒に合流ポイントに私達も向かいます」
ゼロ「分かった。また後で会おう」
通話を切り、ヴァンと共にすぐに部屋を出た。
ヴァン「とりあえず何とかなったな。ゼロさん達も達成出来たって言ってたし」
エール「後は合流して、この基地を奪還か」
ヴァン「あぁ、急ごう」
一方ゼロとアッシュも急いで動く。合流ポイントへと急ぐ4人であった。
戦闘部分はちょっと化学のお話になっちゃってましたね。かがくのちからってすげー!
今回のボスさんも原作では雑魚扱いされていたあの人。実際弱いと思いますが(辛辣)強くなって出て来て貰いました。
ジルウェの話は前かその前の話に入れるって言ってたんですが入れてませんでした、コメントで書いてくれた方申し訳ないです_(。。)_
少なめでしたが書けて良かった。ヴァンとエールがこれからどう変わっていけるのかも大事なポイントかなと思っております。
前書きにもありましたが次回はまた展開が大きく動きます。いつも通り亀更新になっちゃうかと思いますがなるべく頑張って書きますので気長に待って頂けると幸いです。
コメントや評価を本当にありがとうございます。1つ1つにワーワー騒ぎながら喜んでいますのでもっとして下さい(露骨)
調子に乗ってごめんなさい。
それでは次の話でお会いしましょう(^ω^)