ロックマンゼロ ~紅き英雄の帰還と再び動き出す因縁~   作:M・M

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どうも、M・Mです。
皆様新年あけましておめでとうございます、今年も忙しい年になりそうですが、よろしくお願い致します。

珍しく(重要)早めな投稿が出来ました。そして今は凄まじく忙しいですがそれが終われば休みが取れそうです、詳しい事は後書きにて。

タイトル通り、ゼロには安堵の一息はつけそうにありませんね、今回からまた新たな場所で戦う事になります。

では、どうぞ。

追記
前話においてグレイのセリフでビーム兵器を質量兵器と表記しておりました。全く違うじゃないか(憤怒)

それとこの作品でプレリーの表記を今はプレリー「」としておりますが初めの方はプ「」となっており統一性が無い為に今の方にする様に修正中です。


-安堵の一時は訪れない2 巨大要塞攻略戦-

ゼロが帰還したその日、嬉しい事にヴァンとエールとアッシュの3人とも回復した。まだ皆安静にしていなければならないが。

 

次の日、地球からまた物資を運んで来たプレリーの作業を手伝っていたゼロとグレイは先程までヴァン達と会話していたシエルとプレリーに聞く。

 

ゼロ「3人には昨日の事を話したのか?」

シエル「えぇ。ついでに言うとヴァンとエールはそれらしき存在を察知していたみたい」

 

グレイ「そうだったのか……」

プレリー「私は実際見た訳じゃないけど、多分それが何なのか分かる気がするわ」

 

ゼロ「……本当か?」

少し驚きが混ざった声でゼロが聞き返す。

 

プレリー「お姉ちゃんと3人には話したから丁度2人にも話しておこうと思っていたのよ」

グレイ「艦長はアレ(・・)が何なのか知ってるんですか?」

 

 

プレリーは1度息を整えてから、話し始める。

 

プレリー「あの兵器の名前は……ジエンド」

ゼロ「ジエンド……終焉、か」

グレイ「いかにもな名前だな……」

プレリー「ちゃんとした名前は確か無かったけど、仮として名付けられたのがそうだった筈よ」

 

ゼロ「……少し、気になった事がある」

プレリー「ラグナロクとの関係でしょう?」

ゼロ「!」

自分の考えていた事をまんまと見抜かれて驚くゼロ。少しその時の顔が滑稽だったものでプレリーは笑いそうになってしまったが、真剣な表情のまま話を続ける。

 

プレリー「ゼロ、貴方の考えている通りジエンドとラグナロクは大いに関係しているわ」

 

シエル「恐らくだけど、ジエンドという兵器はラグナロクのプロトタイプよ」

と、ここでシエルがすかさずに情報を加え入れる。相変わらず仕事が早い。

 

ゼロ&グレイ「プロトタイプ!?」

見事に声がシンクロしたが、目の前で明かされた事実に驚き過ぎて2人とも気付いていない。

 

シエル「ゼロが行方不明になってから、ゼロを探すついでにラグナロクの事も詳しく調べていたの。そうしたらジエンドの存在に辿り着いたわ」

プレリー「そして関係性を更に辿るとすれば、地球を凍り付かせようとしているシヴァもジエンドの技術が基となって作られているわ」

 

ゼロ「つまりはジエンドはそういった兵器(・・・・・・・)の起源という事か」

シエル「えぇ」

 

動揺が隠せないゼロとグレイだが、ここでグレイが改めて本質を聞く。

グレイ「それで、ジエンドというのはどういった兵器なんですか?」

シエル「グレイ、私達の予想通りビーム兵器よ」

グレイ「見た感じがもうビームだったしなぁ」

 

ゼロ「あれ程大きい規模となるとそれを撃ち出す為の砲台の大きさも凄まじいだろうな」

シエル「えぇ。あの時私達が見た砲撃の大きさから推測するに、恐らくは私でも今まで見てきた中で群を抜いて大きい物になるでしょうね」

プレリー「お姉ちゃんでもそうなるとすれば余程の物よね」

 

プレリーの言葉に頷いた後、シエルは改めて話を続ける。

シエル「ジエンドは……かつて軍により試験的に作られた決戦兵器よ。あまりの危険さに使用は禁じられ、技術は封印され、ジエンド自体も破壊されて存在を抹消されたと私は聞いたのだけれど」

 

ゼロ「実際は放置されたままだったのか、もしくは破壊はされたがバイルが……バイルじゃ無かったのだとしても密かに誰かが新しく作ったのか」

 

シエル「その問題も後々解き明かさないといけないけど、今は目の前の問題ね」

プレリー「今この場所はどうやら向こうの射程圏外という事みたいだから大丈夫だけど、これからこの周りの調査にあたって必ず何とかしないといけないわ」

グレイ「調査どころじゃないな」

 

ゼロ「だが、どうするんだ?ラグナロクの時みたく転送可能なのか?中に入り込めれば後は何とかするが」

シエル「……残念だけど向こうの転送装置は機能が停止していたわ」

プレリー「だからと言ってわざわざ向こうの砲撃の危険に晒されにいくのもね」

 

雲行きが怪しくなってきたな……と思うゼロ。

が、

 

シエル「大丈夫よ。ちゃんと向こうへと乗り込むまでの方法は考えてあるわ……私の方法でも危険な事には変わりないのだけれど」

プレリー「そうなの?お姉ちゃん」

 

皆驚いた顔でシエルを見る。

 

シエル「今までゼロ達が倒して来た敵に、プレリー達が運んで来てくれた物資があれば可能よ」

 

 

普段の表情で平然とそう言うシエル。

 

グレイ「……何と言うか、バイルがシエルさんを欲しがった理由が良く分かりますね」

ゼロ「……あぁ。そしてシエルが向こう側に居た場合の事は考えたく無い」

プレリー「まず宇宙に上がれてない気がするわ」

 

Dr.シエル、流石です。

 

シエル「前から考えてはいたの。宇宙に上がった後転送装置が使える可能性はあまり考えられなかったから、皆の移動手段をね」

プレリー「確かに……私達の艦(ガーディアンベース)はまだ修復中だものね」

 

ゼロ「ガーディアンベースはいつ頃完成する見立てなんだ?」

プレリー「皆が集めて来てくれたパーツを基に急ピッチで作業を進めているけど流石にもう少し掛かりそうね……」

 

ゼロ「そうか」

プレリー「ガーディアン、更に他の皆も総出で手伝ってくれているからきっとそんなには掛からない筈よ。待っていて」

ゼロ「あぁ」

 

 

そして話は戻って、

シエル「それで、ゼロ達の為の新たな移動手段なのだけれど」

ゼロ「ふむ」

 

カタカタとコンピュータを操作し、モニターに画像を映す。

シエル「これよ」

 

画面に映されたのは……

ゼロ「シエル、これは……」

シエル「ゼロはきっと懐かしいと思うかも知れないわね」

グレイ「これ……ライドチェイサー!?」

シエル「えぇ、そうよ」

プレリー「でもお姉ちゃん、ライドチェイサーにライドアーマー、2つの技術はもう幻になったんじゃなかったの?」

 

シエル「えぇ。2つの本当の製造方法は私も知らないわ」

グレイ「じゃあこの2つは……」

シエル「私がそれに似せて考えたオリジナルよ」

 

ゼロ「オリジナル……俺にはライドチェイサーそのままにしか見えないが」

これもまた、かつての戦いを思い出させる。

 

シエル「この案自体は地上に居た時からずっと考えていた事なのだけれど。物資の都合上不可能だったから諦めていたの」

プレリー「だけど今なら……?」

シエル「出来るわ。ゼロ達が取ってきてくれた物資も合わせて、必ず」

 

グレイ「何とか、なりそうですね」

シエル「何とか、じゃないわ。必ずよ」

 

グレイ(カッコイイ……!)

 

シエル「どうやら事態は事を急ぐみたいね。すぐ作業に取り掛かるわ」

ゼロ「シエル、無理はするな」

シエル「無理なんてしてないわ、大丈夫よ」

ゼロ「……なら、良いが」

 

彼女も少なからずは疲れているだろうが、彼女がやりたいというのなら自分が言う事は無い。

 

作業に取り掛かる彼女の邪魔をしてはいけないので、大人しくゼロ達は移動した。プレリーはまた別の要件で呼ばれたのでゼロとグレイは、

 

ゼロ「……ヴァン達に会いに行くか」

グレイ「ですね。僕達はまだ軽く顔を見ただけでしたし」

 

 

 

~医務室~

ヴァン「ん、誰か来る……」

エール「この足音は、2人しか居ないわね」

アッシュ「……」

どうやらアッシュは寝ている模様。

 

ゼロ「邪魔するぞ」

ヴァン「ゼロさん、グレイも」

グレイ「調子はどうですか?」

エール「まだ安静とは言われたけど、もう大丈夫。明日には復帰するわ」

グレイ「アッシュは……寝てるのか」

 

エール「アッシュももう心配無いわ」

グレイ「……そうですか、良かった」

普段見せない様な笑みを見せるグレイ。

エール(大切なのね、アッシュが)

 

ゼロ「昨日の事はシエル達から聞いたな?」

ヴァン「はい、一通りは……ゼロさん達に任せっきりですみません」

ゼロ「気にするな。あの場所には何にせよ俺1人で行くつもりだったからな……とにかく今はしっかり休め。その代わり、復帰したらまたしっかり共に働いて貰うぞ」

 

和やかな顔で言うゼロに対し、

ヴァン&エール「了解!」

2人も笑顔で答えた。

 

更に、

「了解~」

と少し気の抜けた声が聞こえた。

 

ゼロ「アッシュ、目が覚めたか」

アッシュ「と言うより最初から起きてましたよ」

グレイ「そ、そうだったのか」

 

アッシュ「グレイ君の心配そうな声もしっかり耳に入りましたよっと」

グレイ「なっ……!」

エール「グレイ、諦めなさい」

ヴァン「アッシュの方が一枚上手だったな」

 

このチームは相変わらずだな、とゼロは笑を零す。

が、

 

ゼロ(この様な時間も、いつか……消えてしまうのだろうか)

そんな不安を抱いてしまった。

 

 

ヴァン「ゼロさん、どうしたんですか?」

 

後ろでアッシュとグレイが、地味にエールがアッシュに加勢している様にも見えるが。

そんな騒がしい中ヴァンが聞く。

 

ゼロ「……いや、何でもない」

 

 

この時間を、皆を、守りたい気持ちがまた強まった。そして守りたいと思うと同時に守れなかった人物の事が頭を()ぎる。

 

ゼロ(あんな思いはもう二度としたくない……)

後悔の無い様に、剣を振るうまでだ。

 

 

 

その日は軽くプレリーの指示により物資の整理等を手伝い終わった。

 

 

そして次の日。回復したヴァン達と共にシエルの元へ行くと、そこにはもう既に……

 

ゼロ「シエル、出来たんだな」

シエル「えぇ。流石に疲れたわ」

ゼロ「まさか1日で作るとは思って無かったが……流石だと言っておく」

シエル「ありがとうゼロ。でも私なら大丈夫よ……技術班は皆倒れたけど」

ゼロ(……後で見舞いに行っておくか)

 

 

ヴァン「こ、これって……ライドチェイサー!?本物!?」

エール「ヴァン、落ち着いて」

シエル「私がライドチェイサーに似せて作っただけで本物のライドチェイサーでは無いわ」

ヴァン「だとしても凄いですよ!」

 

興奮気味に見るヴァンとそれを落ち着かせるエール。一方グレイも昨日聞いたとはいえ目を輝かせていた。

 

アッシュ「これがライドチェイサーか、アタシも名前を聞いた事しか無かったけど」

 

ゼロ「1人乗り……いや、2人は乗れるか」

シエル「元々2人乗りを想定して作ってるわ、技術班が倒れちゃったし私も1度休むけど最終的にはもう1台作るつもりよ」

 

ゼロ「そうか」

ヴァン「スラスターモジュールにバーニア……なるほど、これで宇宙空間でもかなりの速度で走れる訳だ。更にレーダーも俺達が取って来た奴になってる、これなら向こうからの砲撃を察知して避ける事はそう難しくない筈だ」

 

隣で色々言っているヴァンを横目に、

ゼロ「これがあれば……」

グレイ「ジエンドまで辿り着く事が出来る筈ですね、でも……」

エール「確か2人乗りって言ってましたっけ。どうします?この任務(ミッション)

 

ゼロ「……」

軽く皆の顔を見る。

ゼロ「……すまんが、昨日まで寝ていた3人を出すのは気が引ける。俺とグレイで行く」

 

3人「……了解」

ゼロの言葉に対し、3人とも一瞬何か言いたげな顔をしたが大人しく彼に従った。

 

ゼロ「あくまでこれは2人しか行けないという条件があるからだ。4人とも行けるなら働いて貰っていた、そこだけ分かって欲しい」

 

彼等が頷いたのを見て、

ゼロ「グレイ、行けるな?」

グレイ「勿論です」

 

ゼロ「シエル、早速だが」

シエル「そう言うと思ってセッティングも済ませてあるわ。すぐ出れるわよ」

ゼロ「助かる」

 

ヴァン「ゼロさん、気を付けて」

ゼロ「あぁ」

 

そう言ってゼロはライドチェイサーを連れて、シエルとグレイと共に部屋を出た。

 

 

部屋には残された3人が妙な空気を(かも)し出していた。

プレリー「ヴァン、エール、アッシュ、言いたい事があるのは分かるけど」

 

ヴァン「大丈夫。ゼロさんがしっかり俺達を気遣ってくれた事はしっかり分かってる」

エール「だけどその気遣いが今の私達にとって少し嫌だったという事も分かっていたから最後にあぁ言ったって事もね」

アッシュ「ゼロさんって前からずっと思っていたけど不器用よね」

 

アッシュの言葉にプッと笑ったプレリー。

プレリー「えぇ。ゼロはとても不器用よ……アレでも昔より柔らかくなったなって思うけど」

 

ヴァン「俺は凄く優しいって思うけど。昔はやっぱり違ったのか?」

プレリー「いや、基本的な印象というのは昔から何も変わっていないわ。でも昔の方がもっとクール、悪く言うなら無愛想な点もあったわね」

 

エール「へぇ……」

プレリー「だから今の貴方達との会話や他の人に対しての態度とかを見たら本当に丸くなったなって思うわよ……笑った顔を見た時はとてもビックリしたわ」

アッシュ「笑わなかったの?」

 

プレリー「少なくとも私がまだ小さかった時は見た事無かったわ。最初の方なんて全く喋らなかったってお姉ちゃんも言ってたし」

ヴァン「今のゼロさんからじゃ想像つかないな……ずっと昔の、イレギュラーハンターとして活躍していた時代のゼロさんもそんな感じだったのかな?」

 

プレリー「さぁ、そこまでは分からないわね……当時のゼロを知っているのはごく限られた存在だけだもの」

エール「英雄エックスとか」

アッシュ「あのゼロさんが話してたカーネルとかいう奴とか?」

プレリー「その辺りね」

 

 

場面は1度ゼロ達の方へ移り、

 

ライドチェイサーに跨るゼロ。

シエル「ゼロ、どう?」

ゼロ「……初めて乗る訳だが、何故だか初めての気がしないな」

シエル「これ(・・)に乗るのは初めてだけど、何となく体が覚えているのかも知れないわね」

 

グレイ「これって後部座席の僕は何を?」

シエル「操作は前の方が行うけど、緊急時には操作を前から代わる事も出来るわ」

グレイ「まぁ、そんな事態はあって欲しくは無いけど……」

ゼロ「この手の扱いには慣れている、安心しろ」

グレイ「ゼロさんなら大丈夫って信じてますよ」

 

シエル「私もゼロなら大丈夫だって思ってるけど、向こうは当然狙ってくる筈だから気を付けてね。グレイ、貴方がレーダーを常に確認してゼロに危険を察知したら教えてあげて」

グレイ「了解」

 

一通り注意事項を聞いた所で、

ゼロ「……よし、行くか」

グレイ「はい」

 

シエル「2人とも、気を付けて」

ゼロ「分かっている……心配するな」

グレイ「じゃあ、行ってきます」

 

 

エンジンをかけ、凄まじいスピードで飛び出すゼロ達を見送り、彼等の無事を願うシエル。

 

 

場面は再びプレリー達に戻る。

エール「今の音……」

プレリー「……ゼロ達が行ったみたいね」

ヴァン「ゼロさんとか最近戦いっぱなしだな……大丈夫だって言ってたけど」

アッシュ「グレイも一緒だし、そう心配する事無いって」

エール「えらくグレイの肩を持つわね?」

アッシュ「そ、そんな事は無いわよ?」

 

ニヤニヤしているエールとプレリーに対して抗議するアッシュ。そんな3人を横目にヴァンはシエルと同じくゼロとグレイの無事を祈っていた。

 

 

 

 

 

一方ゼロとグレイ。

グレイから送られる情報を頼りにデブリ等を回避しながらも進んでいた。

 

グレイ「……ゼロさん、もうすぐ向こうの射程圏内に入ります」

ゼロ「あぁ」

 

 

ここからが本番である。

少しの間は平穏に進んでいたが、当然何も起こらない筈も無く……

 

グレイ「正面第一波、来ます!」

ゼロ「チッ……来たか!」

 

咄嗟に右に回避。あの時見たのと同じ砲撃がさっき居た場所を通過して行った。

 

グレイ「ゼロさん、間もなくアステロイドベルトに入ります。僕が指示した通りに動いて下さい」

ゼロ「頼むぞ」

 

失敗は死を意味する。そのプレッシャーに押し潰されそうになるも1度深呼吸をし、グレイは改めてレーダーを凝視する。

 

上、下、左、右、斜めも加わる咄嗟の指示にしっかり着いていくのに苦労しながらもゼロは巧みな操縦を見せ、グレイもゼロに正確な指示を送っていた。2人の華麗なコンビネーションにより砲撃をくぐり抜け、

 

グレイ「そろそろ見えて来る筈……あった!」

ゼロ「あれか……」

 

目的地であるジエンドが見えて来た。正しく巨大砲台、今まで見て来た物を凌駕する大きさの砲台がある要塞であった。

 

ゼロ「グレイ、着ける場所はあるか?」

グレイ「右下と左下にカタパルトがあります。ただ……」

ゼロ「ただ?」

グレイ「……カタパルトには行きません。この要塞の頂上部に突っ込みましょう」

ゼロ「頂上にか!?」

 

まさかの提案に驚くゼロ。

グレイ「カタパルトにはどうせ大量の敵が控えています、もしこのライドチェイサーを破壊されると大変な事になりますし、ここはいっその事頂上部に突撃して内部を掌握してしまいましょう。ライドチェイサーなら行けます」

 

ゼロ「あ、あぁ……了解した」

 

まだ驚きを隠せないものの、彼の指示に従い突撃する。何と要塞の外壁を上り頂上まで駆け登る。

 

が、

ゼロ(壁が堅いな……突撃して破壊は無理か?)

グレイ「ゼロさん、衝撃に気を付けて下さい!」

ゼロ「何?」

グレイ「ブラストボム!」

ゼロ「ッ!」

 

気が付いたらモデルFになっていたグレイは外壁に対しブラストボムを発射し、壁に穴を開けた。

 

グレイ「ゼロさん、行けます!」

ゼロはその言葉に頷き、

ゼロ「突っ込むぞ……しっかり捕まっていろ!」

 

外壁を破壊して中に侵入した。自分達が入った場所は管制室だろうか。

流石に想定外過ぎたのか、自分達の真下に居る敵も慌てている様に見える。

 

 

勢い良く着地したゼロとグレイは間髪入れずに敵の掃討を始める。

ゼロ「こちらゼロ、ジエンド内部に侵入した。任務を遂行する」

バスターを撃ちながらも軽く任務開始(ミッションスタート)を伝えた。

 

ゼロはどちらかと言えばライドチェイサーの近くで寄って来る相手を斬り伏せ、グレイは部屋全体を駆け回り遠距離型等の面倒な敵を撃破していく。

 

 

しばらくして、敵は居なくなり増援も止まった様だ。1度グレイと一息つく。

ゼロ「……こんなものか」

グレイ「とりあえずはここら一帯は制圧出来ましたかね」

 

ゼロ「ライドチェイサーはどうするか、持っていく訳にもいかんしな」

グレイ「この近くに隠せそうな場所があると思いますよ、少しの間だけここに置いときましょう」

ゼロ「あぁ」

 

改めてこの要塞を攻略していく訳だが、

グレイ「……」

 

グレイが何やら機械を触ったりしている。

ゼロ「どうしたんだ?」

グレイ「いや、この部屋はやけに機械が多いなと思って。今僕達が居る場所は高い位置にあるし、 見た感じ管制室か何かかなと。だったら監視カメラの映像とか見れてもおかしくはない」

ゼロ「ふむ」

 

確かに、とゼロはグレイの言葉に頷いた。

 

が、

グレイ「流石に暴れ過ぎちゃいましたね、殆ど壊れちゃってます」

ゼロ「……すまん」

グレイ「いや僕も同じですし、戦わないといけなかったし仕方ないですよ」

 

ゼロ「となると」

グレイ「地道に行くしか無いですね」

ゼロ「そうだな」

 

まずはライドチェイサーを置いておける場所を探しにゼロとグレイは歩き出した。

 

 

先程居た場所が管制室だったのかどうかは分からずじまいだったが、警報システムや監視カメラが機能していない事からしてそうだったのかも知れない。当然俺はそんな事は知らなかったし単なる偶然だが、動きやすくなったから結果オーライとしておこう。

 

 

グレイと探索する事数分。

2人はとある部屋に入った所で衝撃の光景を目にする事となった。

 

グレイ「ッ、ここって……」

ゼロ「レプリロイド製造、とは名ばかりのイレギュラー製造所といった所だな」

沢山の動いていないレプリロイド、そして更にはあのゴーレムも大量に居た。

旧式であり、いつか見た新型の方では無かった事からするとまだ他に製造所があるという事だ。

 

ゼロ「やはりバイルは宇宙の至る所でコイツ等を作り、地上に送り込んでいたという訳だ」

グレイ「……という事はここにいる奴等も?」

ゼロ「その可能性は十分にあるな」

グレイ「なら……」

ゼロ「まぁ待て……お前の気持ちは分かるが、まだおっ始めるには早い。まだ待つんだ」

 

グレイ「……はい」

 

グレイは作られた、という事に強く反応する。自分自身と重ね合わせる所があるのだろうか。

 

かつてシエルに目覚めさせられた時、シエルから頼まれた初めての任務がレプリロイドの処理施設の破壊だった事をふと思い出した。

 

ゼロ(変わっていないな……ずっと、ずっと昔からレプリロイドの扱いというのは)

 

人間とレプリロイドの関係性はどうなのか、共存は出来るのか、という疑問について自分はそれ程どうなのかと考えた事は正直あまり無い。ただ俺の親友はずっとその事に悩んでいて、その答えが出たのかどうかも俺は知らない。

 

 

グレイ「ゼロさん?」

考え込んでいたが、グレイの声で我に返った。

 

ゼロ「すまん、どうした?」

グレイ「ここには何も無さそうです。今は置いといて先に進みましょう」

ゼロ「あぁ……待てグレイ」

グレイ「はい?」

 

ゼロ「またどうやらかなり大量に敵が湧いて出てきたみたいだな」

グレイ「本当だ……」

少しすれば複数の足音が聞こえたので自分も分かったが、何と言うか彼のこういった時の鋭さには度々驚かされる。

 

ゼロ「来るぞ」

そして扉が開く。敵が入って来るが扉の両側に待機していたゼロとグレイが一瞬の内に複数の敵を破壊した。

 

ゼロ「……良し、増援は無い。行くか」

グレイ「はい」

 

 

更に2人で同じ階を探索し、階段やエレベーターの位置をマッピングしておく。

そしてとある部屋に入り、

 

グレイ「ゼロさん、見て下さい」

ゼロ「あぁ、ここならライドチェイサーを置いていけそうだ」

 

2人が入った部屋はここより下の階にある物資搬入口から直結しているエレベーターがある部屋で、倉庫の役割をしていた。ちょっとした攻撃では破壊出来ない鍵付きのスペースもある為、そこにライドチェイサーを置いておける様だ。

 

すぐにゼロがライドチェイサーを持って来て置いておき、部屋を出る。

 

 

ゼロ「改めて任務に移るか」

グレイ「ゼロさん、今回の任務は今までとは違うんですよね」

ゼロ「あぁ。今まで俺達が行ってきた任務は奪還や機能を停止させるのが殆どだったが、今回の任務は破壊だ」

 

グレイ「こういう施設はまた誰かが使うかも知れない、って事ですか」

ゼロ「そうだろうな。ここの機能を奪えれば役に立つ事もあるだろうが……それがシエルやプレリーの願いだ」

 

グレイ「ですね」

(それにわざわざこれ(ジエンド)の射程圏内に奴等が本拠地を作る筈が無い。そうだとすればあまりにも滑稽過ぎる)

ここを奪った後狙い撃ちして下さいという様なものだ。そこまで考えられない程奴等は馬鹿では無いだろう。

 

 

ゼロ(しかし一言に破壊と言ってもどうすれば良い?ここ自体かなり巨大な要塞であるし、内部から一々破壊するのは手間がかかり過ぎるな……)

 

1人で考えても仕方が無い、ここは自分より頭の回るグレイに頼る事にした。

 

ゼロ「グレイ、1つ良いか」

グレイ「この基地の破壊についでですね?」

ゼロ「え?あ、あぁ……」

 

まさかの考えを読まれた事に驚く。先程のが言葉として出ていたのか?等と思ってしまった。

 

グレイ「この要塞自体面積もかなり広いし外部からの破壊も難しそうですね。内部からやるしか無いですけど、それでも時間が掛かる」

ゼロ「あぁ」

どうやら自分と同じ考えらしい。

 

グレイは少しの間考え込んだが、

グレイ「……良い方法があります。ただ、かなりリスクは大きいです」

ゼロ「構わない、教えてくれ」

 

グレイ「ジエンドを利用するんですよ」

ゼロ「……まさか、自爆でもさせるのか?」

グレイ「そんな所です。まだジエンドの内部構造がどうなっているのかは分からないので一概に出来るとは言えませんが」

 

ゼロ「ふむ……確かに危険ではあるがその方法なら破壊は出来そうだな」

グレイ「それで、これからなんですが」

ゼロ「このジエンドの中枢を目指すのだろう?」

 

今度はゼロがグレイの考えを読んだ。グレイはニコリと笑い、

グレイ「それが一番早いかと」

コクリとゼロは頷き、

 

ゼロ「目的地も決まったな、行くぞ」

 

 

再び2人は進み始めた。

 

 




今回は短めでした。
ゼロとグレイが潜り込んだジエンドはラグナロクのプロトタイプという事で、また一波乱ありそうです。

私事にりますが、2月からそこそこ長い期間で休みがあるのでまた亀更新になりそうです(爆)
もしかしたらちゃんと書くかも知れません。

次の話はゼロとグレイからは一旦離れて少し番外編、ヴァン達のお話になります。あの人がまた登場する……?

それでは今回はこの辺で。また次の話でお会いしましょう(´~`)
アドバイス、コメントどしどし待ってます!
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