東方project 《幻想書籍異変》   作:東方にわか作者

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《幻を想う世界に迷い込んだ彷徨者たち》

私は、八雲紫。

幻想世界の境界を操れる妖怪の賢者だと言われている。

人の住まう里には、度々に巡回をしている。

その理由としては、他の妖怪たちから襲われないように監視している。

それも特に言うことは無いのだけど、見識のある妖怪はまずは居ない。

これもまた特に言うことは無いのだが、人里を利用する妖怪が居る。

どちらも、生きるためや存在価値を人々から忘れないためでもあるのだ。

 

「とりあえず、今のところは…問題はなさそうね。」

 

紫の能力は、スキマを使って境界を操ったり多種多様な使い方をする。

もちろん、幻想郷の中でしか使えない限定的な能力もある。

それは、瞬間移動みたいな転移方法が主に使っている能力なのだ。

 

「霊夢、博麗大結界の調子はどうかしら?」

 

博麗神社の管理人であり、幻想郷という楽園の巫女様こと博麗霊夢。

彼女は、境内を掃除しながらスキマを一度見して背を向けた。

 

「帰れ、妖怪G。」

 

一応は、大妖怪と云える賢者様に対する態度を少し考えて欲しいのがある。

そう思いながらも、神社の鳥居をさすりながら年中無休で稼動している結界を眺める。

触ると解るのだが、パソコンみたいに静かな振動音と感覚が教えてくれていた。

 

「こちらも、問題は無いようね。さてと、霊夢が冷たいから帰るわね。」

 

霊夢に管理してもらって居るのもあるので、一応は報告をする紫。

温厚な笑顔を見せる紫の表情、だが、霊夢は解っていた。

 

(あの顔色、酷くなっているわね。日々巡回だと言いながらも疲れている顔ね。)

 

霊夢は、妖怪を退治するのが専門だと周りの見識がある。

それと同時に、霊夢が退治してきた妖怪たちはひっそりと大人しくしている。

もちろん、平和的に解決策を講じてくれたのが霊夢と紫の二人による功績なのだ。

 

「紫…今日は、藍の担当じゃないの?」

 

何気ない一言で紫は、スキマを開けたまま振り返った。

霊夢から藍の言葉が出るのは決まって、紫に何かあった時の質問だからだ。

 

「…そうね。今日は、別の仕事を頼んだからね。あまり、藍を困らせないようにしないと。」

 

紫が弱気なことを言っている。

そう感じた霊夢は、紫の袖の端を摘んでスキマに入るのを制止させた。

まるで、これ以上の仕事をさせたくないように呼び止めるような仕草をする。

 

「お茶が入っているわ。少しは、一休みしていったら?」

 

霊夢なりの優しさを見せているのだろうか、紫は、笑顔を絶やさずに頷いた。

一応は、霊夢の神社の管理や全てのことを教えて育てた親みたいな感情が湧いてくる。

紫は、そんな霊夢のために頑張りたくなっているのだが、霊夢は、そんなことは知らない。

 

「…最近の幻想郷、平和になっているのは良いわね。前の異変があった時、大変だったからかしら?」

 

そう、八雲紫がこの幻想郷の境界を管理してもらってなかったら危うかったのが事実だった。

射命丸文が書いている『文々。新聞』の記事には、こう書かれていた。

 

"紫無くして、幻想世界を救えず"

 

あれから引っ切り無しに紫の仕事量が爆上げしたのだ。

その結果、紫の疲労がマッハでピークを迎えていた。

今では、お茶を飲んだら速攻で爆睡している賢者様と呼ばれている紫が其処に居る。

 

「相当、疲れていたようね。まぁ、そろそろ交代してあげるわよ。あの子がね。」

 

霊夢が眠っている紫をチラ見して、空を見上げるとある少女二人が降りてきた。

東風谷早苗と高麗野あうんが博麗神社の鳥居の前で降りて霊夢に挨拶をした。

 

「紫さんとの話をタオ玉の通信で聞いていたのですが、すっかり眠ってますね。」

 

「あの、早苗さん。霊夢さん。私も手伝いますが、本当に巡回だけで良いのですか?」

 

あうんが早苗と霊夢に言葉を掛けると頭を撫でてきて頷いてきた。

紫のスキマ能力は、タオ玉に念じれば誰でも利用が出来るのであうんも動けると想ったのだろう。

それを早苗に預けていたのでこうやってあうんを連れ出すことが可能となったことが嬉しかったのだ。

 

「そうね。最初は、此処から近い場所を阿吽に任せるわ。早苗は、宗教グループの方をよろしく。」

 

霊夢の指示に反対は無かったので、難しいことは無いまま紫の仕事を進めた。

これで少しは、負担も無くなるだろうと霊夢は、紫に掛け毛布を掛けてあげた。

 

「お疲れさん。もう少し、休んで。無茶しすぎなのよ、紫ママ。」

 

最後に何気ない感謝の気持ちをと想って霊夢は、早苗とあうんを巡回の仕事に就かせることになった。

いたって簡単なお仕事なので紫が起きるまでの間、霊夢は、神事の仕事に戻った。

 

「これもまた、この幻想郷に彷徨う者たちを管理している妖怪は、大変そうなのですね。」

 

「うん?早苗さん、どうしたですか?」

 

なんでもないと早苗は言うが、あうんは、思った。

この幻想郷に自分を置いて貰っているのは、あの賢者妖怪のおかげなのだろうと。




八雲紫、博麗霊夢

高麗野あうん、東風谷早苗


今回は、ほのぼの短編小説を書いてみることになりました。この幻想郷を管理している賢者様は、色々と忙しい日々を送っているのですね。それもそうでしょう。博麗大結界の維持をしていたり、人里や他の妖怪たちや神様たちのテリトリーとなる境界を維持していたり、ましてや、悪い幽霊や妖怪たちに襲われないように人里を守っている八雲家なのですよ。皆さまもそんな八雲紫の幻想世界を守って来た活躍を今回の短編小説を読んで癒されてくださいな。これで少しだけでも、彷徨って来た者たちに気配りもまた動いてくれている紫様にどうか健やかな安らぎを知ってくれたら嬉しく思っている事でしょう♪それでは、アディオス!!(またね!!)
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