八雲紫が起きてから、数時間が過ぎた。
だが、いっこうに異変は解決の道へと歩むことはなかった。
「大変なことが起きているそうね。むしろ、こうなった方が好都合なのかしら?」
紫は、スキマを使おうとするが其れさえも出来ない。
三全世界の魔王らしき魔物がそのスキマを使え無くさせている。
「…淑女よ、無駄な抵抗は止すが良い。整った綺麗な顔立ち、台無しになる。」
お世辞に言っているわけではない。
むしろ、庇って居るつもりで言っているわけでもない。
だが、紫にとってそう聞こえているのだとしたら"軽い挑発"なのだろう。
けんか腰になるも背後へと鎖によって引っ張られる魔物が召還された召還魔たちが目に入る。
『主に向かってなんつぅ言い方だ!!やはり、その口を私の口で縫い合わせた方が良いか!?』
『いや、待て。こいつをいたぶって足から食ってやろうぜ?こいつの悲鳴が聞けるからな。』
『お前達は、まったく。我らが呼び出されたのは、主様だ。主の意見を聞いてからにしろ。』
『だが、スキマ妖怪だとか言う割には、弱い女だ。あたいの拳で一撃でボコってやりたいよ。おらぁ!!』
紫の首に鎖を付けて引っ張って遊んでいるのは、デテュロスという戦闘狂の強欲と嫉妬魔。
人間の女の姿になっているのだが、普段は、鎖で服を作っている魔界のファッションコーディネーター。
『だから、デテュロス…あまり、強く引っ張るな。女が苦しんでいるじゃないか。』
紫に気を配っているのが、メドューシャという絶対石化の眼(ゴーゴンのまなこ)と呼ばれている憤怒と傲慢魔。
冷静沈着な性格で戦闘にひいては、魔界きっての知将なため戦略特化されたあでやかな女性魔族だ。
『仕方ないさ。まぁ、あたいは食えれば何でも良いけどな!!てか、ご飯はまだなのかぁー?』
先ほどから食べることしか頭に無い暴食の怠惰魔、サテュロスはどうやら主が頭を抱えるほどの問題児。
戦闘にはあまり参加はしないものの、裏方やサポート系に徹すると厄介な動きをする戦闘感が強い女豹魔獣。
『さて、主よ。この女の処遇をどうしますか?私は、今すぐにこの女を…この女を…犯したいのですが!!』
最後に紫に怒りと劣情を見せている色欲魔こと、サキュバースは眼にハートを作るほど紫を気に入ったようだ。
こいつには、好き勝手にさせたらR18が起きてしまいそうなのでしばらくは、黙って欲しいのだが。
「…ね、ねぇ…で、出来たらで良いんだけど…この子と二人だけには、さ、させないで!?私、そんな趣味は!!」
紫の悲痛な懇願をしている光景は、まさしく滑稽とも云えるべき格好だった。
紅魔館の現当主であるレミリアから返して貰ってから書類を書いている魔王さん。
耳を傾けてはいるが、質疑応答には一切受け付けない状態だった。
「レミリアお嬢様、フランお嬢様…そろそろ、お食事の時間でございます。あれ、妹様は?」
十六夜咲夜は、あれから数時間して気絶から目を覚ました。
だが、フランがその場に居ないことに気付いたのは、今だったことにレミリアは状況を説明した。
「フランは、博麗神社の方に居るわ。それで、こっちの情報が少ないからってことで説明をしに行ったきりよ。」
レミリアの簡潔な説明に理解をした咲夜だが、紫が拘束されてお客様が増えていることにも気付いた。
どうにも、回復後に記憶障害が起きているようだとレミリアと美鈴は咲夜を隣に来させることにした。
「…さて、書類は…これで終わったが…紫の処遇か。騒動が起こってから…考えることに-。」
主の意向に賛同をする事になった召還魔たち。
だが、一人だけは残念そうな表情を見せる魔族が居た。
そいつは、紫を気に入ってしまったサキュバースだった。
『主様…せめて、どうか…二人で話し合いをさせては、くれませんか?一応は、妖怪の賢者だと言うじゃないですか。』
何をする気か解らないサキュバースの行動を考えた主は、仕方ないと判断して了承を出した。
だが、その場に居るサキュバースと紫以外の皆は知らなかったのだ。
"話し合い"の定義を、知らなかったのだから。
『さぁ、こっちに来なさい…何、痛いことなどしないし、話し合いをするだけだから…ね♪』
「え、ちょ!?い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
悲痛な断末魔をあげる紫の声は、誰の心にも届かなかった。
「「「…ほどほどにしてあげなよ。そして、紫さん…南無三。」」」
咲夜、美鈴、レミリアの三人の言葉の意味を悟った紫は、理解した。
この色欲の変態魔は、紫を鎖で繋いだまま隣の部屋へと連れて行く。
その日中、主の隣の部屋から甘美な声が絶え間なく翌日にまで続いたのは、主の眼下にあるクマを見て理解できるだろう。
そして、翌日の朝。
サキュバースの気配を察知して少し遅めに起きた。
「…昨晩は、存分に楽しめた…のかな?」
『もちろん♪あ、それと…報告ね。どうやら、外でバトル勃発しているけれど、アレ良いの?』
主は、血の気が引いて勢いよく起きあがった。
どうやら、外の方で弾幕の音やらスペルカードの音やらが騒々しいほどにバトっているのがよく分かる。
窓から覗くように見ると、霊夢と魔理沙が先陣切って闘っている様子が見えるのは解っている。
だが、其処に…戦いを好まなかったレミリアたちまでも参加しているのだ。
「……えっ!?レミリアたちが、闘ってる!?なんで!?」
『どうやら…紫の霊圧が消えたからじゃない?私が、吸い取り尽くしちゃったから♪』
それが原因じゃねぇーか!!と、突っ込む間も無いままサキュバースと一緒に霊夢たちのところへ向かった。
だが、時は残酷なまでに遅かった。
「…れ、レミリア…どうして、こんなこと。」
「…フラ…ン…気にし…ない…で……私が…望んだこ…と…だから。」
弾幕ひいてはスペルバトルといった戦いは、勝者の居ない状況となって終わっていた。
霊夢たちは、手傷を負いながらもなんとか気力で立っている状態だった。
さすがに、連戦するにしては闘う気力さえも無いだろうかと思うほどだった。
地面はえぐれ、所々にはおどろおどろしく火で燃えて、ズタボロに肉塊へと変わるレミリアの姿が。
「…お、お姉様…し、死んじゃ…やだよぉ…お、お姉様ぁぁぁぁ!!!」
フランもまた、服がズタボロになって霊夢たちを止めようと闘ってくれていた。
美鈴と小悪魔、パチュリー、咲夜もまた…その場に倒れていた。
残すは、エクストラボスと召還魔たちと主だけとなった。
だが、戦力は明らかに紅魔館に部があった。
『無様な幻想郷の異変を解決した者だな。我らは戦闘家系の魔族…図に乗るなよ、愚か者達!!』
『はらわたが煮えくりかえるほど、怒りが込みあがってくるよ…やってやろうじゃないか!!』
二人の魔物たちが、紅魔館の外へ顔を出しに来た。
家族として迎えてくれたレミリアたちの恩義を返そうと二人のそれぞれの戦闘力がどんどん上がっていく。
神でさえもその禍々しい魔王クラスの力を見てかなり戦意が失われつつあった。
『待ちなさい…馬鹿二人。この私に任せなさい。』
其処に姿を現したのは、サキュバースとメドゥーシャと主様だった。
いったん血の気の多い二人は、メドゥーシャの冷静な怒りの目つきを見て瞬時に黙らせることに成功した。
だが、その目つきを見てしまった幻想郷のみんなは、膝を地に付けてしまうほどの恐怖の片鱗を味わうことに。
「なっ!?…か、神様でさえも…ひ、跪くとはっ!?……あ、あの…女…くっ!?わ、私でさえも…だなんて!!」
その場にいるみんなが、メドゥーシャの静かな怒りの前では屈服をせざるを得なかった。
冷たくて、恐怖の闇の根源みたいな目つき、魔王の腹心とも云えるほどの実力を見せる眼光。
だが、主様とサキュバースだけは、何ともないような素振りを見るにメドゥーシャ以上の存在なのかと思い知らされた。
主様はというと、レミリアたちに回復系の魔法を掛けてあげて紅魔館内のベッドに寝かせに行く。
メドゥーシャは、そんな中でも冷静になりつつ霊夢たちに紅魔館の主が目覚めた話と紫が現れた原因の話をすることにした。
霊夢たちは、メドゥーシャから聞いた話にかなり戸惑ってしまっていた。
幻想入りしたメドゥーシャ達は、霊夢達とやっと話の分かる五大老の四人に事情を説明をした。
その五大老の四人でさえも実力が計れないほどの切れ者だと判明したのは…閻魔様を介してなのであった。
はい、ということで…キャラ設定の話をしちゃうよ♪
大元は、不死王と魔王を合わせちゃったという悪魔の王ことノスフェラトの末裔にしてみました。まぁ、親戚と言っても過言ではないわけでして。魔王と呼んでいるのもその深淵なる闇の根源が幻想郷に現れたら神が本気で戦おうとしても匹敵する強さがあるのも条件が整っちゃえば赤子を捻るようなものでございますわな。
まぁ、オリキャラの主人公を迎えてエピソードゼロも合わせて出せれるように絶賛、修正中でございますわ。いやぁ、意外とラノベとこうやって続けているのも言わば、日記感覚になってしまいそうだなと痛く感じるのもあるわけでしてね。
これからも、色々な作品を手掛けていこうと思いますが人様の応援をバックに背負わせつつ頑張っていこうかなと思っておる次第ですぜ。ぐへへへへ♪
それでは、アディオス!!(またね!!)