東方project 《幻想書籍異変》   作:東方にわか作者

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《見えざる妖怪と傘お化け》

こんばんは、私の名前は多々良小傘。

いつも、へましてしまう情けない妖怪。

それでも、最近は霊夢さんに習って驚かす事に修練を費やしています。

 

「……。」

 

ですが、私はその都度誰かの視線を感じています。

一体誰でしょうか?

こんな傘お化けに興味を持つ妖怪なんていないはずです。

 

「……。」

 

気配を感じることはしょっちゅうあります。

ですが、あの霊夢さんでも感じられない時があると言われています。

 

「……。」

 

誰かに見られながらの生活をするのは、苦しいです。

 

「……。」

 

あぁ、もう仕方がありません!!この際はっきりと言わないと!!

 

「だ、誰でふか!?」

 

噛んでしまった、何をやっているの!?この私!!

 

「……クスクス」

 

かすかに笑い声をこの耳で聞き取りました。

私のドジっ子ぶりを見ていて笑っているとしたら近くに居る!?

 

「どこに居るの!?姿を見せて!?」

 

「……。」

 

また、息を潜められて気配も感じることも出来なくなってしまった。

こんな妖怪いたかな?と思っていると自分の持っている傘は、空を眺めている。

こんな夜…どこを歩いているのかもわからない私、多々良小傘。

 

「ただいま…迷子しています。」

 

私、多々良小傘は夜中に森を歩いて人里を目指して歩いていると思って歩き続けています。

どうして、小腹が空いただけなのにこんな場所にまで歩かないといけないの?と一人で悩んでいます。

 

「……。」

 

そして、今もなおずっと誰かに見られ続けている。

私の目では見えない妖怪なのか、はたまたは、そういう魔獣がこの森に居てもおかしくない。

まさか、私…食べられちゃうの!?そんなのいやだよ、帰りたいよ、死にたくないよ!?

 

「ふぇーん、お腹が空いたよー。」

 

ぐぅー

はい、私のお腹が完璧に鳴りました。

どうしてこんな状況なのにお腹が鳴るの!?もしかして私、おバカさんなの!?

緊張感も無いまま、うろうろしている私、多々良小傘。

木の根がちょうどいいかんじに椅子になっているところに腰を掛ける。

 

「はぅー…お腹すいたよー、眠いよー…死にたくないよー。」

 

涙を浮かべている多々良小傘は、疲れて座り込んでしまっている。

お腹の音も鳴るので、一時しのぎだと思って近くの落ち葉に隠れて寝ている虫や小動物を驚かすことにした。

ある程度、夜行性じゃない動物が寝ている時に起こすと驚いてくれているのでその驚く感情を頂けている有様。

 

「……。」

 

でも、見えざる妖怪らしき魔獣のようなモノは、無言で視線を送ってきている。

どうしよう、こっちで何か言うべきかな?とか考えていると、近くでがさごそと草陰が動いているのが見えた。

 

「ひっ!?ご、ごめんなさいごめんなさい…どうか、食べないでー!!」

 

必死に命乞いをしている私こと多々良小傘は、涙眼で座ってたところからコケて地面にずり落ちた。

お尻痛いよ、でも、もっと怖いのが近づいてくるよ!?

 

「……。」

 

多々良小傘は、怖くなって目を閉じて縮こまっていた。

しばらくして、目を開けるとそこには…誰もいなかった。

 

「…あれ?た、食べられなかった!?よ、良かったー…今日は、木の上で寝て博霊神社に行こう。朝になったら方向が分かるしね。」

 

怖くなった私、多々良小傘は今日は少しの食事を済ませて木の上に登り眠ることにした。

自然とさっきまで見られていた視線もどこかに消えた、と思った瞬間耳元で何かが聞こえた。

 

「……また…会えるよ…。」

 

私、多々良小傘は…そのまま気絶してしまった。

翌朝になり、眠い目をこすりながら朝になったことを確認して起き上がり、森を突き抜けた。

 

「…き、昨日の声…だ、誰だったんだろう!?」

 

怖くなって博霊神社に向かう途中、突如…空中に裂け目というスキマが現れた。

こんなところでなんで裂け目が?と思っていた瞬間、そのスキマから人の綺麗なもみ足が出て来た。

 

「ひゃわぁー!?」

 

びっくりして後頭部を木にぶつけてしまった。

かたくて痛かった。

 

「ねぇ、ちょっと…こんなところで寝てないで?ほら、私よ…八雲紫よ?」

 

多々良小傘は、目を覚ましてその紫さんにおはようの挨拶をした。

当然のごとく、夢かと思いたかったけどそうじゃなかったらしい。

 

「あ、あの…昨日の夜中、ずっと私を見ていませんでしたか?」

 

多々良小傘は、昨日の夜にあった出来ごとの説明を話した。

いきさつ上、自分の家から出て来た部分の状況までは恥ずかしくて言えなかった。

 

「ふぅーん、そんなことがあったのね。でも、それ私じゃないわ。私、ついさっきまで寝てたもの。」

 

多々良小傘を怖がらせようと笑いながらも時間的証拠のため藍を呼んで説明をさせた。

 

「そうですよ、紫様は、ずっと私と橙の3人で寝てました。

その時刻は、橙がトイレに行きたいと起きたので私は、その時紫さまが隣で寝ているのを確認しています。」

 

藍の事情説明を聞いた多々良小傘は、顔色が真っ青になっていく。

妖怪なのに驚かされていたんじゃ話にならないなぁと藍は、呆れていた。

 

「じゃぁじゃぁ、見えざる妖怪は、誰だったんだろう!?こ、怖いよー!?それに、なんで紫さんがこんなところに?」

 

多々良小傘は、かなり怖がりながらもその見えなかった妖怪を知ろうと考えていた。

なんかそんなことを言っている余裕があるのね、と藍と紫は、終始困り顔で悩んでいた。

だが、紫が出て来た話をし始める。

 

「私は、ある人に頼まれて此処いらの警備と見回りをしているのよ。

夜は、基本寝ているから見回り時間は少ないけど、妖怪より妖獣を見かけることが多いわね。

そして、あなたみたいに迷い込んでくる人や妖怪を街道に導くようにしているからね。それで、貴女を見つけたので見に来たのよ。」

 

紫さんの粋な気遣いに目を丸くしている多々良小傘。

親切なお姉さんと云う印象を見受けて心の中では、好感度が上がっている模様。

 

「ではでは、見えなかった妖怪…ううん、人だったのかわからないけど…私、襲われかけたのだけど!?」

 

ここいら一帯の縄張りは妖獣の地帯なため妖怪が紛れ込むのは容易ではないはず。

でも、実際にこの傘お化けが現れているのだからどう説明するべきか悩んでいるスキマ妖怪こと、紫さん。

 

「とにかく、今は陽が出ていても妖獣が警戒をしている可能性があります。博霊神社にてお話をしませんか?紫さまもそれでよろしいですか?」

 

シキガミの藍による言葉で多々良小傘と紫さんは、頷き博霊神社にスキマで移動した。

まさに、瞬間的なことだったので多々良小傘は、驚きを隠せなくて女の子らしき悲鳴をあげてしまった。

どうか、死ぬことがありませんように…そう願っていながらも、紫さんのスキマに紛れ込んでいることが、誰も知る由もなかった。

 

「……。」

 

やはり、一人…余計に居るように感じる。

そう思ったのは、藍と紫さんだった。

 

「…まぁ、害はないと思うはずよね。」

 

紫さんは、扇子で口元に運び意味深な言葉を口にする。

多々良小傘は、何を言っているのかわからないまま、ただ博霊神社の鳥居を眺めていた。

 

「あら、紫と藍……それに、なんで傘お化けが居るのよ?」

 

境内の掃除をしているらしき巫女姿の少女が声を掛けて来た。

多々良小傘は、怯えながらも博霊神社の境内で掃除をしている一人の少女に目を向けた。

彼女は、博麗霊夢。

 

「まったく、掃除するのが増えたじゃない。」

 

妖怪退治を生業としている巫女の力は、絶大的に私たち妖怪の敵でもある。

でも、巫女の仕事をしている割には…妖怪を誰よりも知っているうえで、説教という弾幕勝負で決着をつけさせられてしまう。

 

「それよりも…この子に、何か食べさせてあげて?お腹の音が鳴りやまないのよ。」

 

お腹の音と訊いて、自分のお腹の音に気づいてなかった多々良小傘は、顔を赤くする。

藍と霊夢は、大爆笑をするも霊夢は、離れに居る魔理沙に指をさしてみた。

そう、陽が出ているのに魔理沙は、魔法の勉強で徹夜でもしていたのであろうぐっすりと縁側で寝ていた。

 

「あ、なるほどね。」

 

藍と紫さんは、多々良小傘に耳元で説明をし始めた。

 

『魔理沙は、寝ているのだから…起こすように驚かしてきなさい。まぁ、アリスだと思わせてあげるように、これかぶって行きなさい。』

 

「は、はい…いってきます。」

 

多々良小傘は、言われたとおりに金色のウィッグらしきものをかぶり魔理沙に近づく。

そろりそろりと…そして、顔間近まで近づいて驚かそうと思った多々良小傘。

その瞬間、鼻がムズった……やばい、くしゃみが出る!!

 

「はっくしょん!!」

 

「うわぁぁぁぁぁ!?!?!?!?…なの…ぜ。」

 

なんとくしゃみでびっくりした魔理沙は、再び寝るように気絶をした。

棚から牡丹餅のようにびっくりしてくれた魔理沙を見て、嬉しくなった多々良小傘。

霊夢たちに顔を向けた、でも、その霊夢たちは、早く食べなさいと、催促している。

 

「あ、そうだ…た、食べなきゃ!!」

 

急いでその場で驚きの感情を食事をする多々良小傘。

その場に居る霊夢以外の人たちは、多々良小傘の食事に赤面して顔をそむける。

だが、一番に恥ずかしがっているのは…その場を終始眺めている見えざる妖怪だった。

 

「ん、そこに誰かいるわね!!」

 

霊夢は、恥ずかしい感情に察知したのか…神社内に居る何者かの方に飛針(とばり)を突き刺す。

だが、外すようにしているため警戒を促す様なので見えざる妖怪へ睨みつける。

 

「…っ!?!?……!!」

 

やはり気配を感知されては、さすがにバレると思った見えざる妖怪は、その場から逃げて行った。

霊夢は、その場から察知していた者が居なくなったことを感じて警戒を解いた。

 

「…まさか…あの子、かしら?」

 

霊夢は、神社に紛れ込んだ妖怪を知っているようだった。

多々良小傘は、霊夢が何者か知っていると思い博霊神社にしばらく居ることにした。

そして、魔理沙にげんこつで殴られた。

 

「まったく、びっくりしたのぜ!!」

 

「それなら、神社で寝ないで欲しいことね。」

 

霊夢の言葉に胸にナイフが刺さる魔理沙。

2人が仲がいいことは、多々良小傘は知っている。

そして、紫さんと藍は、仕事の続きがあるから戻って行くと言い、橙を私の処に寄こした。

 

「あの、入れ替わりですみません。多々良小傘さん、よろしくです。」

 

礼儀正しく挨拶と謝罪をする橙は、可愛いなぁとつぶやく霊夢と魔理沙。

多々良小傘は、橙との面識が初めてだったのでド緊張しています。

 

「まぁ、橙が居れば大丈夫よ。安心するといいわ。」

 

霊夢は、橙が居ることで安心と言っている。

 

「その答えは、時間が教えてくれるぜ。」

 

魔理沙が何気なく意味深なことを言ってくれた。

それほど自信を持って言うことなのかなと考える霊夢と多々良小傘。

 

「……クスクス」

 

やはり、誰かの笑い声。

でも、霊夢と魔理沙は、誰か知っているような表情をしてからかうように笑っている。

早く誰なのか知りたいのに……ん、待って?2人は、知っているのなら…私も、知っているのかな?

 

「…無意識妖怪?」

 

私こと多々良小傘は、こういうのを妙蓮寺でも同じ経験をしている。

そう、多々良小傘は…夜中に出歩くことが出来てよく妙蓮寺の門前で誰かや妖怪を驚かしているけど何度かそこで驚かされている。

驚かされている?あ、あの子!!

 

「もう、分かるんじゃない?誰なのか。」

 

霊夢の言葉に見えざる妖怪は、少し嬉しがっているように霊夢の髪毛を遊んでいる様に持ち上げている。

あ、其処に居るってことは…もしかして!?

 

「古明地こいしちゃん!!」

 

やっと無意識から意識へと変わり、姿が見えるようになってきた。

彼女の名こそ地霊殿の古明地さとりの姉を持つ姉妹妖怪、無意識放浪妖怪の異名を持つ古明地こいし。

姿を見せたこいしは、笑顔で多々良小傘に近づく。

 

「やっと、思い出してくれた♪昨日の夜から、ずっと一緒に居たんだよ?」

 

そうか、彼女が多々良小傘の様子を見てくれたのだとやっと気付いた。

じゃぁ、私が何かに襲われそうになった時…助けてくれたのは、こいしちゃん!?

 

「あ、あの…あの時、た、助けてくれて…ありがとう///」

 

多々良小傘は、古明地こいしに感謝の誠意な気持ちを伝える。

でも、こいしは意地悪そうに笑顔で多々良小傘のおでこにでこぴんをくらわせる。

 

「あいた!?」

 

「もう、早く気付いてほしかったなぁ。いつも、妙蓮寺で遊んでくれて驚かしているのに。」

 

こいしの言葉に少し罪悪感を感じた多々良小傘は、涙を流す。

そうだった、いつも妙蓮寺で遊んでくれていたのって…こいしちゃんだったんだ。

 

「ごめんね…また、遊んでくれる?」

 

「もちろん…だから、笑って?泣いている小傘ちゃんは、似合わないよー♪」

 

小傘とこいしの仲が縮まった朝からお昼に変わる時間帯。

霊夢と魔理沙は、微笑みながら5人分の朝ご飯とお昼ご飯の準備に台所へと行く。

 

「でも、驚かすのは無しだぜ?小傘…心臓が止まるかと思ったんだぜ。」

 

「はーい、ごめんなさい♪」

 

小傘の笑顔が戻った。

霊夢とこいしは、笑顔で食事の準備をするよう動いていた。

今日は、良い一日になりそうです…こいしちゃん、いつも遊んでくれてありがとう。

今日もたくさん遊ぼうね♪

 

「藍しゃま、小傘さんが少し元気になれたようです。私にも、ご飯を食べてと言っているのですが良いですか?」

 

「えぇ、そうですか。では、紫様に伝えておきます。ご飯、食べてらっしゃいな。」

 

橙は、こいしと小傘の仲の良さを見て少し、羨ましがっていた。

今度は、橙とも仲良くなれるといいね、多々良小傘。




小傘、こいし

紫、藍、橙

霊夢、魔理沙


後書きで登場人物を書いているのは、セリフの分別を測っているわけですがどうでしょうか。読みやすくしようと色々と工夫をしているので、これからもどんどんこの作品を書いていきますのでお楽しみにしてくださいね♪それでは、アディオス!!(またね!!)
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