東方project 《幻想書籍異変》   作:東方にわか作者

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《桜の妖怪と月の姫様》

「今日は、良い天気ね。」

 

白玉楼は、いつも桜が満開だと言わんばかりの満面の笑みをしている西行寺幽々子。

でも、日本の和風に関してはある場所も負けてはいない。

 

「桜が綺麗。」

 

永遠亭で月の姫様をしている蓬莱人の末裔、蓬莱山輝夜。

彼女もまた、和風なる昔からの古典神様と云われている人物でもあった。

 

「竹やぶの翁、とも言われているそうね。」

 

「そうね、幽霊の転生場所としては似つかわしくない場所とは思えない。」

 

売り言葉に買い言葉、この二人が何故…白玉楼に居るのかは、1時間前のことだった。

場所は、永遠亭にまで遡る。

 

「姫様ぁ、人里へ買い物行きますがいかがしますかぁ?」

 

どうやら、お付きの者である鈴仙優曇華院因幡とてゐが姫様を探していた。

部屋に探しに行くが何処にもおらず中庭へ来たのだが。

 

「へ、まだまだだな、お姫様!!」

 

「そう言う貴女こそ、性懲りもなく来るとは。」

 

お付きの2人が見ている先は、鳳凰拳をかましている藤原妹紅と応戦している月の姫様が居た。

 

「ひ、姫様ぁ!?」

 

「ちょ、こっちに、火の粉が…危な!?」

 

鈴仙とてゐは、慌てながら建物の結界石によって隠れることにした。

結界のおかげで永遠亭が焼けてないのがまるで、奇跡としか言いようがない。

 

「あら、てゐと鈴仙。姫様に近づくと危ないわ。」

 

そこに鈴仙のお師匠様と呼ばれている、月の頭脳こと、八意永琳が来てくれた。

 

「おししょー、なんで、もこたんが姫様と戦っているのさ。」

 

てゐは、何気なく隠れながら声を掛けた。

永琳は、やれやれという表情で仕方なく話をした。

 

「どうやらね、さっきまで仲良く季節の話をしていたのよ。

だけど段々と食い違ってきて弾幕勝負で決めようと言いだしたのよ。」

 

ハタ迷惑もここまで来ると清々しい、いや、むしろあの二人はおバカなのか?

とてゐは提案をすると、鈴仙は。

 

「お師匠様、それより…白玉楼でお花見をしようと妖夢からお誘いを受けたのですが、

姫様を連れて行っても良いでしょうか?」

 

「あら、それじゃぁ、私も行くわ。

貴女一人で姫様を連れて行くのも大変でしょうから。」

 

鈴仙は、そのお師匠様の言葉を聞いて少し嬉しかった。

心配してくれているんだと、思ったからだ。

 

「それで、本音は?」

 

其処にすかさず、てゐのお厳しい言葉で永琳が放った言葉でその場の空気が止まった。

 

「幽々子様に、姫様のお相手してもらおうかなって♪」

 

この人は、笑顔で冗談が言えない人かなと永琳以外の皆は、凍りついた。

姫様、ご愁傷様とてゐと鈴仙ともこたんは、合掌をしたのは言うまでもない。

 

「で、なんでー…妖夢と鈴仙ちゃんとてゐちゃんと永琳が、居ないのよぉー。」

 

「言うまでも無く、

私の話し相手だって言って買い出しに行っちゃったんだから仕方ないわ。」

 

これが、今までの経緯だという現実を突き付けられた輝夜は、

弾幕勝負の後から顔色が悪くなりながら白玉楼で横になっていた。

どうやら、もこたんの弾幕の一つが輝夜の鳩尾にモロに入ったらしくぐったりしたらしい。

 

「それにしても、永琳って人だったかしら?」

 

「ん、そうだけど…永琳がどうしたの?」

 

幽々子が心配そうに輝夜を眺めて少しの気分が変わっているかどうか近づく。

 

「気分がよくなったら、少しの間寝かせてあげてくれませんかって言われているのよ。

休むかしらぁ?」

 

「…い、良いわ!!自分で休めるもの!!」

 

顔をそむける輝夜は、恥ずかしくなって布団を顔のところまで隠した。

かなり言われて照れている表情を見られたくないのもあるが、

寝て休んだ方が宴会の時間までゆっくり出来ると思った。

 

「…なによぉ。心配しているのにぃ。とりあえず、お水置いておくわねぇ。」

 

ぷんぷんしている幽々子。

何も返さなくなった輝夜の方をそっと見て、寝ているかを確認してみた。

 

「…zzz」

 

寝息を立てていることに安堵した幽々子は、桜がある方へ眺め直した。

ふと、幽々子は少しでも気が休まるように昔話をしだした。

それは、竹取の翁の話ではあるが…紫から聞いた話からだと付け足して語り始めた。

 

「遠い遥か昔、一人の少女が満月の夜に帰った後のお話です。

 

お爺様は、竹を切りに行く時足腰が弱まっていて身体の調子が悪くなってしまいました。

お婆様は、そんなお爺様を介護しながらの生活をお婆様の余命まで勤めました。

それは、3年の歳月が経っていたころでした。

お爺様は、立って歩くことも出来なかったので自宅での生活を余儀なくされました。

ですが、お爺様は、お婆様とある約束をしていました。

『月に行ってしまったあの子がいつか戻って来るまで、黄泉の桜を植えて欲しい。』

お爺様は、その約束を果たそうと役所の者に頼みにゆっくりと歩いて行きました。

やっとのことで役所に着いた時には、足がボロボロでヨボヨボとした足取りでした。

でも、肌身離さず持っていた袋を役所の者に渡してこう言いました。

『私達の娘が戻って来るまで、この桜を植えてくれまいか?』

お爺様は、役所の医務室で静かに息を引き取りました。

役所の人たちは、そのお爺様の身体を見て驚いたそうです。

それは、人が生きていられる寿命を遥かに超えていた歳だったそうです。

もしかしたら、お爺様やお婆様が生き長らえて過ごしてこれたのは…。

その少女の力によるものだったのではないかと思ったそうです。

 

これが紫から聞いた昔話よ。」

 

ガタッと調理場の方で音がしたので、幽々子はそっちを向いた。

そこには、涙を流した妖夢と鈴仙、てゐが居た。

 

「うぅ、そ、そんな話が。」

 

「姫様ぁ、今すぐにそのお爺様とお婆様のところに。」

 

妖夢と鈴仙が、姫様である輝夜のところに近寄る。

でも、輝夜は布団を頭ごと隠した。

 

「……。」

 

「姫様ぁ…どうし…たの…さ?」

 

てゐの言葉で皆は、輝夜の布団をじっと見ていた。

輝夜の布団が震えている、すすり泣く声も聞こえている、もしかしたら。

 

「……何よ…いま…さら。うぅ。おじい様ぁ、おばあ様ぁ…。」

 

宴会までまだ時間があるまでは、そっとしておこうと思った皆だった。

紫は、見ていたのだろう。

月の姫様が月にへと帰った後に…

大事に育ててくれた、愛を育んでくれたその親を気にして。

 

「…これは、彼女の昔話のアフターストーリー。

この話を信じる信じないは、あなたたち次第よ。」

 

白玉楼でお花見という名ばかりの宴会が始まり、輝夜さんは少し復活をした。

そして、その輝夜さんはというと、白玉楼に大きく桜がなっているところに居た。

そこには、皆の大好きな八雲紫さんも。

 

「おじい様、おばあ様。私、蓬莱山輝夜は、元気にやっています。

これからも、悠悠自適に頑張ります。」

 

「それと、ニートも少しはやめておくことね。フフフフ。」

 

紫さんの少し意地悪な言葉にピキーンと怒りを感じた輝夜。

スキマに逃げた紫さんを追いかけるように能力を使って追いかけて行ってしまった。

おおきな桜の木の下には、酒瓶と三色団子を3つ分お皿の上に置いてあった。

 

お酒のラベルには、『桜月』と書かれていた。

それは、蓬莱山輝夜が月の夜に嗜んでいたこよなく愛したお酒だったそうな。




幽々子、輝夜

妹紅、鈴仙、てゐ、永琳




皆さまも知っている通り、西行妖という桜をご存知でしょうか?実は、その桜のことを言っているわけではありませんよ?西行妖に匹敵する大きい桜が白玉楼に生えていつまでも咲いている桜があるのですよ。それは、月に照らされると光り輝く桜は、永遠亭に不釣り合いだと永琳が言っていたため西行寺邸の白玉楼にある庭園のなかで幽々子が直々に世話をしていた桜が『桜月』だったそうなのです。この二つの桜は、『ソメイヨシノ』と『しだれ桜』の総称があるわけですが。『しだれ桜』だけは、神域に近い仏閣・神社や日本古来の由緒正しきお屋敷にしか咲かせない桜という諸説があったそうなのですが、今ではあまり世に出回っていないことが有名で都市伝説でコアなマニアしか聞けない話だと言われています。ちなみにですが、『しだれ桜』は、黄泉の桜(三途の川に生えている桜)だと云われているのですが…もし、彼岸を渡って来た亡くなった人達は見てきたのかもしれないですね♪もし、気になった人は、桜の研究をしてみて書いてみてはどうでしょうか?信じる信じないは、あなたたち次第ですよ?それでは、アディオス!!(またね!!)
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