これは魔神族と女神族から生まれた少女と人間でありながら魔神王に呪われし青年の物語。

とシリアスな話にシリアル要素加えた結果、光と闇の時代を終える前に混沌としてしまったお話。


※幾つか改変要素あるので下記の要素が駄目ならブラウザバック推奨。
・ホーク不在
・ショタに初恋の人奪われて性癖歪んじゃったマエルさん。
・四大天使が五大天使になる。
・ヤることヤって聖戦中におめでたしちゃったエリザベスさん

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最初はメリオダスとエリザベスの娘と魔神王に呪われた人間の恋物語が書きたかったのに…
ショタ寝取られで性癖歪んじゃったマエルさんとか、チャンドラーが孫娘的な存在になる少女を見て愛憎入り混じりながら好々爺ルート書きたくて付け足した結果混沌になった感じ。
そんな駄作ですがどうぞ。


性癖歪んじゃったマエルと暴魔王

時は聖戦と呼ばれる時代。

長らく争い続けた魔神族と女神族の均衡が崩れて他の種族である人間族、巨人族、妖精族を焚き付けた女神族主導の連合、通称【光の聖痕(スティグマ)】が魔神族に戦争を仕掛けた聖戦が勃発していた。

 

光の聖痕(スティグマ)】のとある戦線基地で号泣する男がいた。

 

「ふざけるな!ふざけるな!!馬鹿野郎ゥゥ!うわぁァァァァァァァァァ」

「良い加減泣き止めよマエル」

 

机に突っ伏して号泣する四枚の翼を持つ青年である女神族の最高戦力である通称【五大天使】の一人であるマエル。

太陽の恩寵を与えられた五大天使最強の男を宥める黒髪黒目の人間族である青年がいた。

 

「ぅぅぅ、だって…だってエリザベスがぁぁ……うわぁァァァァァァァァァ」

「思い出し泣きするのを止めろよ!」

 

泣き崩れるマエルに無情の言葉を投げ掛けるバアル。

だが無理もない。

何故ならマエルはかれこれ一週間近く思い出しては泣くのを繰り返しているからだ?

その原因の一端は今回の聖戦の均衡を崩したとされる次期魔神王と畏れられた魔神族の最高戦力である【十戒】の統率者ことメリオダスと最高神の娘であり血まみれエリーと魔神族から畏れられた女神族の女性であるエリザベスが結ばれたことである。

 

 

 

 

『彼が私の恋人メリオダスよ!』

 

白い羽根を持つ銀髪の女性である彼女の名はエリザベス。

魔神族への憎悪に満ち満ちた【光の聖痕(スティグマ)】に爆弾を持ち込むかの如き豪胆な強者である。

 

『私とメリオダスの馴れ初めは〜、戦場で互いに殺し合ってた際に出会ったの♪』

 

誰もが反対意見を口に出すよりも早く、聞きたくもない馴れ初めを語り出し周囲の者達に…あ、これ引き離すのは無理だわと諦めさせるレベルで惚れ気を語り出す様から恋する乙女は止まらないという共通認識を無理矢理植え付けた。

女神族すら諦観すべき強引な説得を受ける中で大きな被害を被った存在がいた。

 

『エ、エリザベスが不浄の魔神族とこ、恋人にだと……あ、ばばばばば!』

『マ、マエル!?しっかりするんだマエル!』

 

その男はエリザベスに初恋を抱いていたマエル。

信じていた初恋の人が不浄な魔神族のショタに寝取られるという事態に同じく五大天使であり兄であるリュドシエルが医務室に連れて行く事態に発展したのである。

だがこれだけなら失恋したという悲しい話で済むのだが、運命の女神はそんな程度では済まさなかった。

 

『ん……メリオダス…好き♡』

『エリザベス……俺も愛してる…』

 

エリザベスを諦めきれなかったマエルはエリザベスをストーカー……いや、献身的な後方警備していたせいで嫌でも二人の逢瀬を目撃する。

 

『あ、ぁぁぁ…エリザベス……どうしてあんな……あんな子供と……しかも不浄な魔神族と……』

 

二人のキスシーンを気付かれない程度に離れた場所から覗き見ていたマエルは悲しみの言葉を呟く。

そんな彼の悲壮な姿にメリオダスと共に【光の聖痕(スティグマ)】に加入した元魔神族側に就いていた人間族であるバアルは覗き見を辞めさせようとした。

 

『良い加減エリザベスのことは諦めた方が良い』

『貴方に…貴方に何が分かる!エリザベスは、エリザベスは私にとっての初恋の人なんだぞ!あの不浄なショタと共に来た貴方に何が分かる』

『お前の気持ちは分からないが、エリザベスはもうメリオダスと結ばれてマエルの立ち入る隙はないってことは分かるな』

『グハッ!?』

 

容赦無い言葉に胸を抑えて苦しむマエル。自分の苦しみを共感するどころか、厳しい現実を突きつける辺り、反論の余地が無かった。

 

『神よ……どうしてこんな残酷な仕打ちを……私が何をしたのです……』

『何もアプローチしてねえからじゃねえの?』

『グ……他人である貴方が私の何を知っていると言うのです!』

『同じ五大天使のアルカデスがマエルはヘタレだからメリオダスと出会う前からアプローチをしてなかったと聞いてる位には知ってる』

『アルカデスゥゥゥ!?』

 

五大天使の一人であり、エリザベスの親友である女性の女神族であるアルカデス。

かつて十戒の【不殺】の戒言を与えられて魔神族側で戦っていたバアルは五大天使の一人であるアルカデスと何度も衝突する内に好敵手の関係になっていた。

そして今回魔神族の捕虜になってたエリザベスを含めた女神族達をメリオダスと共に救出したこともあり、友好的に接してくれる女神族の中では貴重な存在である。

但し趣味が仲間を弄るという悪癖があり、今回はマエルが被害を被っていた。

 

『というか心も身体も繋がった二人に今更割り込むのは無理だろ』

『待ちなさい…心だけでなく身体も繋がった?』

『あ……』

 

思わず口を塞ぐバアル。

捕虜になり、処刑目前まで進み命の危機を感じたエリザベスの元に颯爽と現れ助ける想い人であるメリオダス。

光の聖痕(スティグマ)】の元に合流するまでの野宿で命の危機を乗り換え想いの通じ合った二人が同室で二人っきりになればやることは一つ。

遠く離れた時代の宿屋の店主なら夕べはお楽しみでしたねと言われかねないことを二人が経験済みなことは夜中に漏れ聞こえた声でバアルは嫌でも知っていた。

 

『教えなさい!一体何を知っているのです!』

『いや……今のお前に教えるべきではないと……』

『隠しても無駄です!言わないのなら無理矢理にでも……』

 

実力行使に出ようとしたマエルと抵抗しようとしたバアルの前に救世主が現れる。

 

『エリザベスとメリオダスはつがいになったんだよ』

『ゴバァ!?』

『マ、マエルゥゥゥ!?』

 

訂正、六枚の羽を持つ女性である五大天使の一人であるアルカデスがマエルに止めを刺しに来たのである。

マエルは血反吐を吐き出しうつ伏せに倒れてしまう。

 

『アルカデス!言葉を考えろよ!』

『そう言ってもね。二人はヤることヤってる仲だから、どう言い繕っても一緒だよ。交尾?夜這い?慰めックス?結局エリザベスの初めてはとっくにメリオダスのものなんだよ』

『グフゥゥ!?』

『止めて!もうマエルのライフはゼロだから!』

 

涙目になりながらアルカデスの肩を揺すって懇願するバアルとハッハッハと愉悦しているアルカデス。

彼女は間違いなく悪魔よりタチの悪い天使であるのは言うまでも無かった。

 

『ボクもね。良い加減マエルにはストーカーを止めて欲しいんだよ。だから彼には未練を断ち切ってもらう為には不本意だがもう一押ししないといけないんだ』

『おい…声は悲しそうにしてる割に口元ニヤけてるぞ。お前本当に止めろよ!マエルが可哀想だろ』

『可哀想なのはエリザベスさ。何せせっかくの逢瀬だけでなく交尾すら覗き見されるんだから』

『え?』

『え?』

『バアルにマエル。君達が揉めてる間にあの二人はとっくにヤるつもりだよ』

 

バアルとマエルは視線を外していたエリザベスとメリオダスの方を見る。

 

『あっ♡駄目よ…メリオダス…こんなところで♡』

『さてさてさーて、ここはそんなふうに言ってないけどなぁ』

 

メリオダスがエリザベスの胸に触れてセクハラをしていた。

俗にいう交尾が始まる準備だと言うことは彼等にも分かった。

 

『あっ……これは流石に覗き見は良くないし退散するか…』

『何を言ってるんだいバアル。情事の際は誰だって隙だらけだ。ボク達が二人に危害を加える存在が現れないように見張る必要があるんだ』

『本音は?』

『あのエリザベスがアンアン鳴かされるのとボクも一人の女の子だから興味があるんだよ』

『野次馬じゃねぇか!』

『愛し合う二人は止められない。だからこそボク達に出来るのは見守ること位なんだよ』

『覗き見を正当化するんじゃない!』

 

この馬鹿を無理矢理連行して撤収しようと考えるバアルだが、ふと近くにいたマエルを見ると……

 

『あっ…あっ…駄目だエリザベス……そんな不浄な魔神族の……しかも子供に君の身体を許しては……』

 

まるで脳が破壊されるかの如くぶるぶる震え出すマエル。既にメンタルブレイクが始まっていた。

 

『駄目だ……止めてくれ……どうして口では嫌がりながらも嬉しそうな表情をするんだエリザベス……私にはそんな表情を見せてくれなかったのに……でもどうして……ハァハァ……どうしてこんな悲しい筈なのに……興奮が止まらないんだ……』

『おいアルカデスこれ本当にヤバいんじゃ……』

『う、うん。ボクもちょっとやり過ぎたかもとちょっぴり反省しているよ』

 

悲しみから興奮という新たな悟りを開きかけてるマエルにバアルとアルカナはヒソヒソと相談し出す。

このままではマエルが取り返しのつかない新たな境地に至ってしまうかもしれないからである。

 

『ああ……そんな汚らわしい魔神族のを触れては……ハァハァ……そんな愛おしそうに見つめてはいけないんだエリザベス……ぐっ……本当は止めるべきなのに……身体が動いてくれない……』

『マエル戻れよパーンチ!』

『マエルその道は不味いよキック!』

 

ドガッ!バキッ!

 

『ガッ!?』

 

バアルは打撃で、アルカデスは蹴りを放つ。

魔神族と女神族の中でも上位者の実力を持つ二人の不意打ちで意識を刈り取られるマエル。

五大天使の中でも最強と謳われるマエルだが、初恋の人が目の前で他の男との交尾を目撃して意識が逸れてたのと【光の聖痕(スティグマ)】の拠点だからか恩寵という加護の力を抑えていた影響からか不意打ちが成立したのである。

因みに戦時中だった場合、直撃しても余裕で耐えるレベルの化け物である。

 

『とにかく医務室に連れて行くか』

『そうだね』

 

エリザベスとメリオダスの激しく乱れた声よりも対応せざるを得ない緊急事態故に二人はマエルを医務室に連れて行った。

 

 

 

目が覚めたマエルは二人の逢瀬を覗き見るのを決して止めなかった。

その度に胸が張り裂けそうな程に辛い失恋を感じ今でも泣き叫ぶ。

少なくとも寝取られに興奮するヤバい性癖に目覚めるという懸念は払拭されたのをバアルとアルカデスは理解し安堵しかけた。

 

そう安堵仕掛けたのであり、払拭などされてはいないのを思い知ることになる。

 

そうして話は戻り、頻繁に号泣するマエルを宥めるのに至るのである。

 

「マエル、もう一週間経つんだから良い加減割り切れよ」

「ズズッ…そんな簡単にはいきません……だって私にとってエリザベスは大切な存在なのですから……」

 

それだけ未練を感じる程にエリザベスに入れ込んでいたのは部外者であるバアルも理解している。

だがバアルは知っている。

マエルが失恋で号泣する裏で未だにエリザベスとメリオダスの逢瀬を覗き見し続けるのが決して未練だけではないことを……

覗き見している時だけは興奮している事実を知ったバアルとアルカデスはマエルの覗き見を止めるのを止めたのである。

というか新たな境地に至ったから関わりたくないとも言う。

泣き止んだマエルは目元を拭い立ち上がる。

 

「さて……これ以上私のような犠牲者を出さないように聖戦を終わらせなくてはなりませんね」

「そうだな。これ以上手遅れになる者を出してはいけないよな(遠い目)」

「ええ、元十戒とはいえ貴方も今では【光の聖痕(スティグマ)】の同士。頼りにしてますよ」

「そうだな。期待に応えるように頑張るさ」

 

そうして二人は戦地へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖戦で戦況が変わる切欠が訪れる。

五大天使最強と謳われるマエルがとある魔神族に殺される。

かつて十戒の統率者であるメリオダスが保有していた【慈愛】の戒言を与えられた魔神王の息子であるメリオダスの弟とされる男、エスタロッサによって……

そしてバアルは聖戦の最中で女神族の女性の遺体を踏み付けるエスタロッサと対峙することになる。

 

「やっぱり、ババアはいけねえ。豊満なのは良いが、男に簡単に媚びるのが良くない。未成熟だが、純粋で決して最後まで屈しない少女こそ至高だ」

 

あのマエルを超える実力だけでなく、性癖すらも上回る存在がいるのだとバアルは戦慄せざるを得なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 




バアル
…元十戒の【不殺】の戒言を与えられた人間族の少年。メリオダスと共に魔神族を離反し、現在は【光の聖痕(スティグマ)】に入る。【不殺】の戒言は抜ける際に返却した。

マエル
…本編の最大の被害者。信じていた初恋の人が不浄な魔神族のショタに奪われるなんて……とエロゲーみたいな光景を見て脳が破壊されかけた。ここから更にエリザベスが身籠もり、お腹を撫でさせられるという脳破壊が待ち構えてたりするのは余談である。

アルカデス
…五大天使の一人でボクっ娘な女神族。人を弄る悪癖があり、マエルの性癖を歪ませた悪魔よりタチの悪い天使。
バアルが十戒だった頃は互いに殺し合ってた好敵手的存在でエリザベスの親友。

エスタロッサ
…突如マエルを殺して【慈愛】の戒言を与えられ十戒入りした実力者。成人女性をババア呼ばわりして嫌悪し、幼女を至高の存在という出し難い変態である。


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