【完結】輝けケアキュア 〜紫陽花の季節〜   作:主(ぬし)

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タイトルなどを考えてくださった詩雨さん、オファニムさん、アライズさん。ツイッターにて、この小説のアイデアを褒めて、続きを期待してくれたファムさん。その他、応援してくださった方々に、感謝。やっぱりTSっていいね!


いつか彼が紫陽花になるまで 1話

 半年前。

 平和だった日常は、突如として現れた化け物たちによって破壊された。人々の夢や希望のエネルギーを食らう化け物、『フザケンナー』。そして、それらを束ねる邪悪な魔王。

 

『夢とは、原動力。すなわち“あらゆるコトの実現へ至る力”だ』

 

 影しか現さぬ魔王が星々を見上げるように恍惚として呟いた。人間という特異な種族は、歴史上に築いてきた何もかもを、まず夢を描くことから始めた。“空を飛びたい”という夢を描いて、空を飛んだ。“他の星を見てみたい”と夢を描いて、宇宙に飛び出した。たった数百年の間に実現させた驚くべき偉業の全ては、夢のチカラが源だった。夢とは、生きるチカラであり、何かを成し遂げる力だった。では、幾星霜もの人間からその力を吸収し尽くせば───何が出来るだろうか? きっと、何でも出来るに違いない。魔王はそう考えたのだ。

 夢を抜き取られた犠牲者は無気力に苛まれ、立ち直ることは奇跡でも起きない限り不可能だった。彼らの猛威に対し、対抗手段のない人々は為す術なく脅威に晒され、社会には不安が蔓延しようとしていた。

 

 

 

『ケアキュア、プリティチェンジ!』

 

 

 

 そんな中、無辜の人々を護るために颯爽と立ち上がった少女たちがいた。

 伝説の女神の力をその身に宿した、年端も行かぬ少女たち。

 その名を『ケアキュア』。

 

 輝くドレスに身を包む、ケア・アストレア、ケア・イシュタル、ケア・エオス、ケア・バウト。最初はケア・アストレアとケア・イシュタルの二人だけだったケアキュアは、戦いを経ながら新たな仲間を見つけ、3人となり、4人となった。4人はそれぞれ性格でも攻撃スタイルでも違った特色を持ち、多種多様な形態と戦術を持つフザケンナーに対して勇敢に奮戦した。一歩一歩、苦戦しながらも勝利を掴んでいくその姿は、人々に少しずつ希望を与えた。

 しかし、中盤になって登場した魔王の右腕たる幹部『ゲキヤック』には手も足も出なかった。ワイヤーのように細い肉体と、キツネのような細面の男は、ケアキュアたちの果敢な攻撃にも眉一つ動じることがなかった。ケア・アストレアの苦し紛れの一撃が不意を打たなければ、間違いなく彼女たちはその戦いで敗れていただろう。なぜなら、有効打を受けたゲキヤックはなおも高笑いを途切らせず、実験動物を見るような目を彼女たちに向けていたのだから。

 初めての敗戦に臍を噛むケアキュアたちを前に、彼女たちをサポートする小動物の姿をした妖精が悔しげに言う。

 

『伝説では、ケアキュアは5人揃って初めて“奇跡の魔法”が使えるんだぱる~……』

 

 伝説によると、ケアキュアは5人が集結しなければ完成ではないという。現状ではあと一人足りないのだ。まだ見ぬ運命の仲間が、どこかで誘われるのを待っているはず。彼女さえ仲間になってくれれば、勝機はある。

 だが、妖精がいくら飛び回っても、ケアキュアたちが探し回っても、適正がある少女はどこにも見つからない。彼女たちは、魔王を倒すため、仲間を求めながら、フザケンナーの脅威と戦っていた。全ては、人々の夢と希望を護るために。

 

 

 

 3ヶ月前。

 事態は急変した。人々の夢を貪っていたフザケンナーにとどめを刺そうと振り下ろしたケア・アストレアの拳を、どこからともなく現れた華奢な掌がいとも簡単に受け止め、フザケンナーを助けたのだ。渾身のパンチを呆気なく封じられたケア・アストレアは、謎の手の持ち主を確かめようと柳のような腕に視線を走らせ、さらに驚愕した。それは少女で、その姿は自分たちケアキュアにそっくりだったからだ。

 物陰に潜む紫陽花のような紫のドレスが、中断された必殺技の風圧にはためく。同じ暗紫色のツインテールと大きな瞳はまるで刃のように鋭く、ギリギリと引き絞られた瞳孔は攻撃的な内面を隠すことなく表面化している。触れたら指先に血が滲みそうな切れ長の瞳と艷やかな唇が冷たく嘲笑う。

 

『夢?希望? キャハハハ! そんなもの、くっだらな~い!』

 

 ケアキュアたちと根底で通ずる姿と力を持ったその少女は、しかし、ケアキュアたちの信じるもの、護りたいもの、それら全てを否定する正反対の存在だった。そして悔しいことに、否定しきれるだけの強大な実力を伴っていた。暗紫色の少女は、自らをルキナと名乗った。

 

『どんなに頑張ったって、報われることなんかない』

 

 ルキナは夢や希望を燃やす人々をせせら笑い、心を絶望に傾けては、落ち込む様子を眺めて楽しんでいた。ルキナの企みを防ごうとケアキュアたちは幾度となく挑むも、彼女には勝てなかった。ケアキュアの力は、そのまま想いの力と比例している。何かを信じる。誰かを想う。そんな気持ちが強ければ強いほど、その力は強くなる。その方程式に則れば、ルキナの“全てを否定する想い”は想像を超えて強かった。ケアキュア4人が束になってかかっても、ルキナと互角。追い返すだけで手一杯だった。

 

『キャハハハハ! 邪魔してやる! 夢なんか、希望なんか、ぜんぶぶっ壊してやるんだから! キャハハハハ……』

 

 優越感に口角を釣り上げ、甲高い嘲笑を辺りに響かせながら、ルキナはまたもや高空へ飛び退っていく。ケアキュアたちは地に伏しながら、何度めかわからない引き分けの悔しさに涙した。

 

 

 

 一週間前。

 それでも、彼女たちの闘志と戦意は押し潰されはしなかった。苦しい時、膝を屈しそうになった時、人々の応援する声が耳に届き、背骨を通って頭の芯を熱し、限界以上のパワーを与えてくれた。そうして、彼女たちはこれまで以上に輝きを増していった。

 “己に何が出来るのか”

 “何を護りたいのか”。

 ケアキュアとなることを選んだ自らの意思を見つめ直し、己の有り様を定義し、大事な人たちとの交流を深め、仲間たちとの絆をより密接に高めていった。ケアキュアとなってから身につけた女神の力に頼りがちだった戦法を見直し、自分が今まで蓄積してきた武芸と融合させ、より自身に相応しい地に足の着いた戦い方へと昇華させた。そうして強くなっていく仲間の姿に触発され、一人ひとりが競うように洗練されていった。自分たちの弱点について忌憚のない意見を交わし、それを無理に消そうとするのではなく、弱みを強みへと変え、どうしても生まれる隙は互いに補えるように練習した。

 

 

 半日前。

 そうして努力を重ね、少しずつだが確実に強くなっていく直向きな姿は、街頭テレビに大きく映し出されるようになり、道行く人々の応援に結びついていった。『ケアキュア、再びフザケンナーと戦闘』の速報が流れた途端、慌ただしかった人々の歩みが一斉に止まり、応援の波がメイン交差点を揺らした。頑張れ、ケアキュア、と。

 

 ───そんな中、とある痩せた少年が、ぼんやりとそれを見上げた。ビルディングの外壁に備え付けられた巨大な液晶画面では、今も人々の希望を守ろうと歯を食い縛って戦うケアキュアたちのキラキラした姿が踊る。熱に侵されたように周囲が興奮まじりのエールを送る中、一人冷淡な様子の少年はボソリと呟く。

 

『……くだらない。どんなに頑張ったって、報われることなんか絶対にないのに』

 

 存在感の希薄そうな少年は、周囲に気づかれることなく後退しながらビルとビルの隙間に姿を溶け込ませる。次の瞬間、質量を感じるほどの濃厚な紫光が迸り、ビルの合間を縫って空中へ矢のように跳躍すると、そこからさらに加速。大空を切り裂きながら高々と飛翔した。『キャハハハハ!』と全てを嘲る笑い声を曳きながら。

 それがルキナの本当の姿だった。家庭に恵まれず、友も得られず、本人の努力では到底変えられない不幸な環境に身を置き、夢も希望も持てぬまま生きてきた薄幸の少年。彼こそ、フザケンナーの幹部ゲキヤックによって生み出された、ケアキュアの対となる戦士、ルキナの正体だった。ケアキュアを障害と見なしたゲキヤックは、夢と希望を憎む少年に目をつけ、彼にケアキュアに匹敵する能力と姿を与えたのだった。

 ゲキヤックは、ルキナの戦いを高みから見物していた。ルキナも、自らが実験動物でしかないことを自覚していた。それどころか、きっとルキナとなることには何らかのリスクがあると踏んでいた。それでもよかった。他者の夢と希望を踏み躙ること。自分を見捨て、そ知らぬ顔で前に進んでいく社会を躓かせてやること。周囲の何もかもへの復讐がルキナの力の源だった。だからこそ、ケアキュアたちのキラキラした姿は、まさに火に油を注ぐように彼を苛立たせた。ケアキュアが正の光を煌めかせるほど、ルキナの悪の影は濃ゆさをましていった。

 そしてこの日も、新種のフザケンナーを討滅したばかりのケアキュアたちの眼前にクレーターを穿ち、満を持して登場したルキナは今回も甲高く嘲笑う。

 

『相変わらず4人しかいないのね。そんなんじゃあ、何時までたっても魔王さまには至れないわ。アンタたちのやってること、ぜ~んぶ無駄なのよ! くっだらな~い! キャハハハハ!』

 

 だが、ルキナはすぐに異変に気づいた。ケアキュアたちの様子が以前とまるで違っていたのだ。今までなら、彼女たちはルキナの軽薄な言い草に腹を立て、感情に振り回されて年齢そのままにこどもっぽく言い返してきたはずだった。それがどうだ。ルキナを見る彼女たちは、もはや悔しさも滲ませず、困惑の表情も見せず、ルキナに堂々と対峙してみせた。光を発する恒星のような双眸が眩しい。覚悟を決めたと言わんばかりの表情に思わず気圧されそうになる。奇妙なまでに静謐を湛えた雰囲気は、歴戦の戦士そのものだ。

 

“置いていかれた”。

 

 確証のない直感が、ルキナとなった少年の内なる劣等感を刺激した。ケアキュアたちは前に進み、成長したのだ。この素っ気ない社会と同じように、少年などには目もくれずに。そう思った途端、ルキナはこめかみに青筋を浮かべ、悪鬼のように唇からはみ出す八重歯をガリッと噛み締めた。ルキナとなれたこと、他者の生殺与奪の権利を握っていたこと、それらに覆い隠されていたコンプレックスが一気に全身に広がり、引け目や恥ずかしさが背筋をゾワゾワと支配した。

 

(そんなこと、認めてたまるか。オレのほうが強いんだ。強くなくてはならないんだ。夢も希望も、現実の厳しさの前には絶対に報われないんだ! そうでなくては、オレが不幸であることの理由がつかないじゃないか!!)

 

 ルキナの背中から憤怒のエネルギーが放出される。瞬間、亜音速に匹敵する踏み込みからの一撃がケアキュアたちに襲いかかる。けれども、彼女たちは一歩も怯まなかった。驚異的な動体視力は完璧にルキナの動作を看破していた。そのうえで回避を選ばないほどの余裕があった。

 突如として、ケアキュアたちのドレスが神々しい純白の煌めきを放つ。ルキナは後先考えずにその圧倒的な光量の中に踏み込んでいった。焦燥と怒りに我を忘れて、ルキナは眼前のケア・アストレアのシルエットに襲いかかった。今まで常に優位に立っていた彼女は、それが覆ることを想定していなかった。

 必殺技を纏った暗紫色の拳が、華奢な手のひらに受け止められるまで。

 

 

 

 

 

 

 そして、現在。

 

 夜、人気のない小さな公園。降りしきる大粒の雨に全身を打ち据えられながら、暗紫色の髪の少女は一人呆然と立ち尽くしていた。どこのメーカー製とも知れない男もののパーカーとジーンズはところどころが焼けてボロボロになり、破れた箇所から雪色の肌が覗いている。濡れた生地がぴったりとへばりつき、未熟だが女らしい少女の肉体の起伏を艶っぽく強調していた。変身はとうの昔に解除された。だから、装束はドレスではなく、普段着の安服に戻った。それなのに、肉体だけが、元の少年の姿に戻っていなかった。腹の底に冷えたものを感じながらゲキヤックを呼び出し、問い質した。ゲキヤックは底無しの邪悪な笑みで告げて、早々に踵を返した。

 

「無闇やたらに変身しすぎて、肉体が元の姿を忘れたのだろう。もともと、お前なんぞに扱える力ではなかったのだ。次に変身したら、この世から跡形もなく消えてしまうだろうよ。もっとも、もうお前に変身する力が残っているとは思えんがな。ははははは……」

 

 用済みと言わんばかりに早々に立ち去ったゲキヤックの残滓をしばし目で探した後、皮膚をひりつかせる敗北の痛みと絶望に、ルキナの姿のままの少年は微かな薄ら笑いを滲ませる。

 

「……くっだらな~い」

 

 それは、他ならない自分に向けた嘲笑だった。ルキナとなるリスクは承知していたはずだった。だけど、いざ直面してみると、こうしてにっちもさっちもいかなくなって右往左往している。この姿では家には帰られない。門前払いされてしまうだけだ。家では、人間らしい扱いを受けていなかった。実の両親のはずなのに、どこで狂ってしまったのか、息子には無頓着となってしまった。注いでくれていた愛情は何時の頃に尽きてしまったのだろう。ろくに食べるものも着るものも与えられず、理不尽に殴られる日々だった。しかし、そんな生き地獄でも、自立の出来ない少年にとっては帰る場所に違いなかった。それが失われるというのは、想像を超えて心に冷たく響いた。足元が崩れてしまった不安感に、ルキナは我知らず震えだしていた。

 

 

『ねえ、ルキナ。貴女にも、夢があるはず。そうでしょう?』

 

 

 不意に、つい先ほどケア・アストレアから降り注がれた優しげな声音が鼓膜に蘇った。

 ケアキュアたちは、土壇場になって新しい力を獲得した。『誰かの夢を護りたい』という崇高な願いが、彼女たちに女神と同等の力を与えたのだ。それぞれのカラーリングと意匠を保ったまま、個々のドレスはまるで花嫁のように優雅で絢爛なものへと進化し、女神の力は何倍にも、何十倍にも増していた。

 そんなケアキュアたちの新必殺技『ケアキュアフォース』の前に、さしものルキナも抗しきれず、白光の奔流に吹き飛ばされて地を転がった。いくら大地に爪を立てても、膝に力を入れようとしても、痛みに麻痺してしまった身体は言うことを聞いてくれない。ふー、ふー、と口端に泡を吹きながらなおも立ち上がろうとするルキナの目の前に、そっと手のひらが差し出された。そして、ルキナを打ち破った張本人たるケア・アストレアは先の言葉を投げかけたのだった。

 その瞬間、ルキナたる少年を奮い立たせたのは、感化されたヒトの情ではなく、悔しさのみだった。何不自由なく生きて、愛情をめいっぱい享受して、純粋に育てられたであろうケアキュアからの情けは、ノライヌにとってはたまらなく不愉快だった。ガバリと勢いよく起き上がったルキナはケア・アストレアの手を全身全霊をもって弾き、敵意を剥き出しにして叫んだ。

 

 

『お前なんかに───お前らなんかに、オレ(・・)の何がわかるんだ!!』

 

 

 驚きと失望に揺れるケアキュアたちの瞳を前に、理由のない居たたまれなさが這い上がってきて、ルキナは勢いのままに飛翔してその場を去った。だが、数キロを飛んだところで初秋の雨に襲われ、変身を維持する体力が失われ、かろうじて人気のない公園に着地したのだった。強制的に解除された変身は、もう二度と出来るものではないことが感覚でわかった。変身するためのエネルギーが、復讐心が、ポッキリと折られてしまっていた。

 必殺技の衝撃か、体調が悪化しているのか、激しい頭痛と耳鳴りがする。腕や足が凍結したように重く感じる。筋肉は異常に発熱しているのに、内臓は不快に冷たく、下腹部は石を飲み込んだように気怠い。ダメージを継承した衣服はところどころは擦り切れ、穴が空いている始末だ。浮浪者のように見すぼらしい。薄汚いノライヌそのものだ。

 

「……夢なんか、ない」

 

 くだらなかった。周囲ではなく、自分だけに向けた嘲りだった。自分に関する何もかもがそう思えた。今までやってきたことも、それどころか生きてきたことすらも、果てしなく滑稽なことに思えた。こんなに空っぽな自分など、存在しようがしていまいが、この世は何も変わることはない。誰も求めず、誰にも求められず、誰も愛さず、誰にも愛されず、誰も満たさず、誰にも満たされない。無為で、無意味で、無駄な人生だった。

 ただでさえ虚ろだった暗紫色の瞳から、なけなしの光が消え落ちていく。度重なる変身と、ケアキュアフォースの直撃のダメージによるものだろう。ゲキヤックによる闇の加護を失ったルキナの肉体は機能不全を起こし、立つことも儘ならぬほどに消耗し尽くしていた。暗い雨に打たれて、紫陽花が枯れ果てていく。もう、どうなったって構わない。ついに生命力すら手放し、最後のため息となって喉から吐き出される、その刹那、

 

 

「君、大丈夫かい?」

 

 

 優しげな男の声が、それをかろうじて堰き止めた。

 力なく目線だけで背後を見やれば、いかにも人の良さそうな、20歳そこそこの青年が気遣う表情を向けていた。まだ少年らしさが抜けきれていない爽やかな面立ちに、紅葉色のニットと紺色のジーンズというシンプルな装いの男だった。彼は、ルキナの様子が尋常でないことを見て取ると、荷物などお構いなしだというように、それまで大事そうに抱いていた四角い箱を捨てて駆け寄ってきた。自分が濡れることに躊躇うことなく傘を差し出して彼女を雨から覆う。そうしてルキナの青ざめた横顔を心配そうに間近から覗き込み、何事かに驚いた様子でハッとして動きを止めた。お互いの体臭まで嗅ぎ取れるような距離で、その頬がカッと赤くなった気がしたが、ルキナには視認することができなかった。初めて触れた他者からの無償の優しさに心を緩ませてしまったため、張り詰めていた神経が寸断され、気絶してしまったのだ。青年の慌てふためく声がしたかと思いきや、たくましい腕に抱きとめられる温かな感触が肩と背中を包み込み、やがて遠ざかっていった。




もうちょっとだけ続くんじゃ

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