夕焼けに灰の怪物を   作:たぴぃ

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 木場さんの口調が本当に悩みどころさん。


5話

 (そう言えば、この家ってどうしてこんなに大きいんだろうな。蘭ちゃんのお父さんは和服だし…まぁ、俺には関係ない話だけど)

 

 美竹家の朝は早い。故に木場の朝も早い。そうは言ってもやる事は大して多い訳でもなく、今はリビングの掃除をゆっくりしているだけだ。その間木場は、昨日の5人の事を思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ソレ、アタシ達にも使えるのか?」

 「無理なんだって。変身しようとしたらベルトに弾かれて、それで終わり。なんだよね?」

 「うん。このベルトは…()()()()()()()()()()()()()()()使()()()()んだ」

 

 真っ赤な嘘だ。オーガギアはどれだけ辛い訓練を積み、人間としての極地に至ったとしても使えない。今のところ、変身出来るのは木場ぐらいのものだろう。それ程までにオーガギアを使うのは難しく、そして使える者は稀有なのだ。

 

 「じゃあアタシもその訓練を受ける」

 「ちょ、巴!?」

 「それでアタシが変身出来れば問題無いだろ?あんな化け物…ソレを倒せるのはアンタだけなんだ。ぽっと出の人間を信頼しろなんて毛頭無理な話だろ」

 「無理だよ。その訓練を受けるには1度は自分を殺さなきゃならないし、何より巴ちゃんはコレを使って戦う意味が、本当の意味を解ってない」

 「…何だと?」

 「このベルトを使って戦う。それは相手と自分の命を奪い合う行為を、殺し合いをするって事だよ。オルフェノクだって命は在る。ソレを奪う覚悟が、君に有るのかい?」

 「それは…」

 

 木場の言った「1度は自分を殺さなければならない」という言葉はある意味で嘘であって真実である。が、流石にそれを言葉の綾と判断したのだろう。何も突っ込まれずに話は進んでいく。

 人を護る、大切な人を護る。それはとても素晴らしい理由だ。だがそんな高尚な理由を掲げたとしても結局は殺し合い、何かを殺めるという行為には何も変わらない。どれだけ強く護りたいと願ってもそれは免罪符になる事は無い。その重圧を巴は解っていなかった。

 

 「まだ信用も信頼も出来ないとは思う。それは構わない。だけどこれだけは頼む。夕方や夜になったら絶対に1人で行動するのは避けて、人通りが多い所を通って欲しいんだ」

 「オルフェノクが出るから、ですか?」

 「そうだよ、えっと――」

 「羽沢つぐみです」

 「――その通りだよ、つぐみちゃん。あのオルフェノクは人殺しを楽しむタイプだったからどうにか間に合った。でもああいうオルフェノクも居るけど淡々と人を殺すオルフェノクも居る。そうなれば人の脚力じゃ逃げ切れないからね」

 「分かりました。みんなはどう?」

 

 つぐみの言葉に全員頷く。理解はまだ及ばないが納得は出来た、そういう事なのだろう。

 

 「…ありがとう。じゃあ送っていくよ。夜道に出ないとも限らないからね」

 

 そうしてその夜は解散となり、木場は全員をしっかりと家まで送り届けたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (巴ちゃんは少し危ないな。オーガギアはカイザギアと違ってセーフティは有るけど…負担が大きい事には変わりないし、用心に越した事は無いな)

 

 蘭の母が作った弁当を風呂敷で包む。様々な色が有るが、木場は正直な話どの色が好みなのか解らない。ピンクを選ぼうとしたが蘭のイメージ的に合わないだろう。ここは無難に赤を選び、彼は蘭の部屋に向かう。

 

 「蘭ちゃん、お弁当出来たよ」

 「ん、ちょっと待って。今着替えてるから」

 

 ベタな小説の様にドアを開けたら着替え中、なんて事はしない。と言うよりそれは人としてマナーに問題が有る。

 何だかんだ言って蘭も早起きである。今は着替えていたらしい。直ぐに制服に着替えた蘭がドアを開け、鞄に弁当を入れた。一緒にリビングに行って朝食を摂り、少しの間ゆっくりする。

 

 「…蘭ちゃん、何聴いてるの?」

 「……聴いてみる?」

 「ぜひとも」

 

 イヤホンを貸してもらい、耳に入れる。木場はそこまで音楽に造詣が深い訳ではないが、胸の奥を突き動かされる様な感覚を覚えた。それなりにテレビは見るがこのグループは知らないな、と思いつつ木場は蘭にイヤホンとスマホを返す。

 

 「どうだった?」

 「俺は好きだな、この歌。なんて名前のグループか、教えて貰っても良いかな?」

 「…After glowっていうグループ」

 「へぇ、今度CDとか買ってみようかな」

 「多分、売ってないよ。マイナーだし、メジャーデビューはしてないし」

 「…そっか。残念だ」

 

 好きだ、と答えた時に蘭はとても嬉しそうな顔をしていた。今は何か悩んでいる様な表情をしているが、本気で残念がっている木場はそれに気付く事は無かった。

 時間になったので蘭を見送り、木場はショルダーバッグを肩に掛けて外に出る。今日の家事は大体終わらせてしまったし、蘭の父は自分の部屋に籠もりきり。蘭の母はママ友の所へ行ってしまったので暇なのだ。

 なのでこれからに備え、街を歩く事にした。そんな時、ある貼り紙を見つけた。

 

 「ライブハウスの、アルバイト募集…」

 

 暫しの間その貼り紙の前で立ち止まると、木場は決心した様にオーガフォンを開いてその電話番号を打ち込んだのだった。




 ファイズ本編でのライダーの強さはオーガ>ファイズ(ブラスター)>ファイズ(アクセル)≒サイガ≒デルタ>カイザ>ファイズ>ライオトルーパーって感じです。
 はい、本当に最強ですね。
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