ダンジョンに転生者がいるのは間違っているのだろうか   作:黒歴史

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第82話

「よくやったベル坊。無事か?」

「う、ぐ……ヤミ…さん」

 

擦り傷だらけの体で横たわるベルに声をかけるとベルは手をついて体を起こした

そうしている間にも、何十もの足音が近づいてくる。そこには五十以上の悍婦達が怒気を孕ませながら俺達2人を取り囲んでいた

 

「やってくれたねぇ………!?」

 

地響きを鳴らし蹴り飛ばした巨女のアマゾネス、フリュネが起き上がり、歩み出てくる

その腕には、鎖を無理矢理引きちぎられた春姫が捕まっていた

髪を鷲掴みにされている狐人の少女にベルは瞠目して身を乗り出そうとするが、フリュネを筆頭にした戦闘娼婦達の怒りの視線に動きを制される

 

「よくもぉ……!どう落とし前つけてくれるんだッ、『殺生石』も何もかも壊しやがってぇ!?」

 

アイシャが周りとは比べ物にならないほどの怒気が俺達を包む

 

「また振り出しに戻っちまったじゃないかァ………!?」

 

フリュネから剣呑な眼差しを浴びながらその言葉を聞く

 

「春姫さんを解放してください」

「…だ、そうだ。お前等の事情なんか知ったこっちゃない。用があるのはその汚い手に持った春姫なんだわ。さっさと話してくれねぇか?」

 

そんなフリュネ達の怒気を浴びながらベルは怯えながら、俺は余裕がある笑顔で淡々と語り、要求した。戦闘娼婦から一層の怒気が上がる

そしてフリュネはただ1人、笑い声を上げた

 

「ゲゲゲゲゲゲゲゲゲッ!?面白い事を言うじゃないかぁ、【リトル・ルーキー】、【悪魔(デーモン)】!」

 

一泊後、巨大な目玉で射殺すように睨みつけた

 

「調子に乗るんじゃないよッ、糞ガキがァ!?お前は何様のつもりだアア!?」

「あうっ……!?」

 

掴んでいる春姫を立ち上がらせ、自分の巨顔に引き寄せる

 

「これはアタイ達の道具だ!?フレイヤの連中を潰すためのねぇ!他所の派閥のもんが口を挟むんじゃあないッ!!」

 

闘争に飢え、迷宮都市の玉座を手に入れんとするアマゾネス達は春姫の『力』を離さない

苦痛に顔を歪める春姫を見てベルが制止するも巨女は聞かなかった

 

「……さて、話は終わりか?んじゃまあとりあえず……【強奪】」

『『『!?!?』』』

 

関係ないとばかりに魔法を使い、身体能力を奪った俺にフリュネを含めたアマゾネス達は驚きの表情に変わる

そして次の瞬間にはフリュネの手の中にいた春姫は……

 

「よし。ベル坊、こいつ頼んだ」

「へ?は、春姫さん!?」

 

俺の腕に抱えられており、ベルに向かって春姫を渡していた

ここにいるアマゾネス達は全員がLv3を超える。そんな怪物達が倒れている者を含めて100人近く俺の前にいる

そんな人数全てから身体能力を奪えばその身体能力は………

 

「どうした。そんな不思議そうな顔して?欲しいもんは力で無理矢理奪う。それが【悪魔】だぜ?」

 

Lv5(フリュネ)の力すらも凌駕する

 

ベルは春姫を抱えてそこから逃げ出した。アマゾネス達が慌ててそれを追おうとするが、ザンッ。と空中庭園の床が切れた事でその足を止める

 

「すまんなぁ。ベル坊の用事は春姫にあったんだが、今思い出せば俺の用事はお前等にあったんだ

ちょっと付き合え。女ども」

 

そう言って前にいたアマゾネス達10人程が一斉に襲いかかってきた

 

「はいはいすいませんね。もう切りましたよ〜っと」

『!!!???』

 

だがその動きよりも数倍早く、俺は既にその10人の後ろに立ち、刀を鞘に収めつつあった。そして、キンッと音を立てて収めるとそれに合わせてアマゾネス達は倒れた

 

「峰打ちだ。流石にこんなことで殺すほど腐ってねーよ」

 

笑いながらそう言う俺にアマゾネス達は一歩二歩後退する

だが俺はそれを追うように突き進んだ

 

「ガアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!」

 

その場にいたアマゾネスの殆どが反応すら出来ずに倒れていく

ここまで身体能力が上がると体力的にこの辻斬りは持って1〜3分しか戦えない。急いで片付ける必要があるのだが

 

「ゲゲゲッ!!すばしっこいねぇ!!」

 

1人だけ、反応できた女がいた。巨女は蛙のような笑い声をあげながら斧で俺の攻撃を防ぎ、踏みとどまった

 

「さっきまでのアンタとは桁違いに強くなってる。春姫の魔法が発動したのかと思ったが、息の上がり方からして長くは持たないんじゃないかい?」

 

目の前の巨女は思いの外鋭かった。そしてフリュネの予想通り俺の体力からして動ける時間は1分程度。こんな()に構っている暇などない

そんなことを考えているとフリュネがある事に気付いた

 

「ああ?なんだいこの黒いの?」

 

刀から斧へ、黒い何かが侵食を始めていた。やがてその黒はフリュネの腕に絡みつく。最初は警戒していたフリュネだが、黒に絡みつかれても何もなかったことに違和感を感じる

 

「これがなn」

 

フリュネの言葉は続かない。何故か、気づけば男の膝蹴りが顔にめり込んでいたからだ。それだけならいい。Lv5のフリュネならば何とか耐えられるだろうと思っていた

だが現実はどうだ。軽くフリュネの体は浮き上がり、空中庭園の外へと吹き飛んだではないか

 

「さよならだ」

 

最後の男の声を聞きながらフリュネは塔から落下していった

 

 

フリュネがいない今、ヤミに反応するものはいなくなった。残りが少ないため、辻斬りを続行した

そして最後の1人を残した状態で止まった

 

「……何で私だけやらないんだい?」

「いやぁお前、悪いやつかと思ったが本当はいいやつだからなぁ……」

「何でそうなる?」

「お前は一度俺を気絶させた。普通ならこんな儀式の秘密を知ってるやつは殺すもんだが、それをしなかった

それにベル坊も命もあの場にいたのに逃げられたのはお前がなんかしたからだと思った。違う?」

 

淡々と語る俺にアイシャは黙る。そして俺は大の字でその場で倒れた

 

「お前は待ってんだろ?アイツを。俺は疲れたから寝るぞ。おやすみ〜」

 

そういって瞳を閉じる

 

(【強奪】の反動が来たな。あ、やべっ予想以上にこれは死ぬ……)

 

 

 

 

 

 

 

 

「私、サンジョウノ・春姫と申します。こっ、この度はヘスティア様の【ファミリア】に入団させていただいてっ…」

「ああ、はいどうも。ベッドの上で失礼するがヤミ・カズヒラだ。周りから『ヤミさん』とかで呼ばれてる」

 

現在俺はベッドの上で横になっている。別に怪我は殆ど無いが、筋肉痛がやばい。指一本動かしただけで激痛が走る

そんな中で春姫と挨拶しているわけだが、絵面が情けなさすぎる。泣きたくなってきた

 

「よーしヤミ君!今日は春姫君の歓迎パーティーだ!腕をふるってくれよ!!」

「や・め・て・く・だ・さ・い!?これ以上散財癖がついたらファミリアは……!」

 

2人の幼女がひょこっと現れ言い争う

 

「固いこと言うなって!ベルもパーティーを開くべきだと思うだろ!?」

「そう、ですね。春姫さんのために……やっぱり」

「ベル様ぁー!?」

 

後から続いた2人の男がヘスティア様の言葉に頷いた

そして狐人とその友達は

 

「よ、よろしいのでしょうか?それにヤミ様は……」

「いいのです、春姫殿!こうなったらタケミカヅチ様達もお呼びしましょう!」

 

最後に俺が口を開いた

 

「あのーお前等?忘れてるっぽいから言うが、俺は体が……

…わかったよ!やればいいんだろ!?わかったからそんな目で見つめんな!!痛え!!!」

 

館全体に響くように笑い声が響き渡った




1日の暇つぶし程度に読んでくださった方々、今までありがとうございます
ダンまちは予告通り終わらせていただきます

まあ、俺から最後にこれから2次創作を始めようとする方々に向けて

小説作るときは1話1話の文字数を決めて、1日に書く文字数も決めて、一週間に一度くらいの頻度で出した方が楽です
毎日なんて馬鹿な真似はしないように
終わりたい時はキッチリ『終わる』と予告するようにしましょう

あぁ、二月くらいにまた性懲りも無く新しいの作るかもだから楽しみにしてくれてる人は楽しみにしててね〜(^ ^)ノシ
いつも通り12時に出すから〜
(『作者たまに嘘つき』を忘れるなよ!2月1日に出すつもりはないからな俺は!!!)
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