三日月の強さはアレですね。殺すつもり×バルバトス・ルプスレクスが千冬先生を上回って、殺さないようにだと千冬先生に一歩譲るみたいな感じですかね
殺すつもりだと誰にでも圧勝ですが、殺さないようにだと試合で圧勝くらいな強さだと思います。オルガは第二世代か第一世代です多分
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売店
ラウラ「む」
三日月「あ」
「「・・・・・・」」
「・・・ガリガリ」
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
「・・・皆と仲良くできない?」
「する気はない」
「どうして?」
「必要がないからだ」
「・・・それは、寂しい」
「寂しいだと?」
「皆と食べるご飯は、美味しいんだ。──ガリガリにも、解って欲しい」
「・・・ふん。悪魔とまで謳われた者にしては随分と甘いな」
「はい。あんぱん」
「・・・甘いな」
「でしょ」
アリガトウゴザイマシター
「何度も言う、私の邪魔をするな」
「風紀を乱さないなら、別に」
「フン!!」
「おぉ・・・」
『500円』
「・・・金銭感覚、ずれてるんだね」
「とりあえず、落ち着いたか?深呼吸して、しっかり正気を保てよ。慌ててちゃ、言いたいことも言えねぇし、伝えたいことも伝えらんねぇぞ」
「うん・・・ありがとう・・・」
さっき見たこと、今向かい合ってること。シャルルの正体、女や男。聞きたいことは山ほどあって、どうなってるか訳が解らねぇ事ばかりだが・・・とりあえず俺は、シャルルをしっかり落ち着けてから、向こうが会話を切り出すの待つことにした。混乱してんのは、きっと俺以上だと思うからよ
性別を隠して、わざわざフランスからやってくる。俺達に接触して、立場と身分をひた隠す。・・・其処には、半端じゃねぇ気苦労や悩み、不便や不都合があるはずだ。例えそいつが、シャルル自身が選んだことだとしても・・・
「シャルル。気付いてやれなくて、悪かった」
俺は頭を下げる。あのでっけぇ胸をむりくり潰してまで男として振る舞ってたんだ。絶対にシャルルの趣味や意志じゃねぇだろう。国柄か、上の指示か・・・ともかく、精神的に辛かったろうな。まずは、そいつの苦労と不便を共有してやれなかった事に、詫びを入れた。本当なら、真っ先に相談に乗ってやるべきだってのによ・・・
「お、オルガは悪くないよ。顔を上げて?ね?オルガに謝らせるなんて、ますます、僕・・・」
シャルルの顔が、悲痛に雲っちまう。そんな顔をさせちまう自分のもどかしさを、歯噛みしながら顔を上げる。・・・どのみち、このままじゃいられねぇ。俺は何も見なかった・・・なんて、賢く立ち回れるほど頭は良くねぇ。見ちまった以上、確りと事情を知っとく必要がある。野次馬としてじゃなく、出歯亀でもなく・・・大事な仲間として、俺はシャルルの事を知っておきてぇ
「・・・話してくれるか、シャルル。お前の身の上を」
「・・・うん。・・・良かったのかもしれない。オルガに、最初に知ってもらえたのは。・・・オルガなら、何の不安もなく、伝えられるから」
そうして、シャルル・・・フランスの代表候補生の彼女は、俺に伝えてくれた。自分の身の上を。自分が何で身分を隠して、此処にやって来たのかを
フランス・・・要するにシャルルの国のIS技術は、少しばかり遅れてるらしい。そこのISを取り仕切ってるのがシャルルの親父さんで、その世界情勢に乗り遅れないよう、シャルルを・・・自分の娘をこの学園に送り込んで来たってのが大まかな筋書きみてぇだ
目当ては・・・俺ら男連中のIS情報の収集、もしくは手荒な真似をしてでの強奪。その為に、近付き安いように身分を偽らせ、男として俺らに接触をさせたって寸法のようだ。・・・なるほど、合点がいったぜ
「シャルルが使ってるIS、どうして第二世代なのか疑問だったが・・・技術遅れだったわけだな。シャルルの技量と器用さで、カバーしてたって訳か」
「うん。なんとかね・・・それと、三日月君っていうとても強い存在がいたから、強さで僕は目立たなかった。そこも幸運だったかも」
・・・事情は把握した。男のフリして、男と上手く接触して、隙あらばISのデータをかっさらってきやがれ、ってことかよ。その為に三年間自分を偽らせて過ごさせることに何とも思わねぇ親ってことは、まぁロクなもんじゃねぇっとことは読み取れたぜ。シャルルは・・・翻弄されてたってことだ
「・・・今まで、嘘をついていて、ごめん。でも・・・これだけは信じてほしいんだ。僕は、オルガや皆を騙していること・・・嘘をついていることを忘れるくらい、本当に毎日が楽しくて、素敵な日々を過ごせていたってことを・・・」
「そんなもん、お前の顔を見りゃ解るっての。騙したなんて言い方をするもんじゃねぇよ。それがお前の使命で、仕事だったんだろ。気にするこたぁねぇ。俺は気にしねぇからよ」
「・・・うん、本当に・・・本当に。ありがとう」
気持ちは楽になった、って感じだな。そう肩肘を張るこたぁねぇ。騙す騙される、切った張ったは腐るほどやってきた。こんくらいの騙しあいなんぞ、可愛いもんだぜ。だから、そんな顔をしねぇでもいいんだ。・・・それよりも、大事なのはこれからの事、これから、どういう風に進んでいくのかだ
「これからどうする?シャルル。女だってことがバレちまったら、お前の身柄はどうなんだ。こっちにとっちゃ、そいつが気掛かりでよ」
これから・・・それを聞いたシャルルの顔が、悲しげに俯く。・・・解ってるんだろう。分かりきってるんだろう。それでもだ。目を逸らす訳にはいかねぇ。きっちり、どうなるか、どうするかを知っておかねぇと・・・気持ちの奮い甲斐がねぇからな
「どう、って・・・女だってことがバレたから、きっと本国に呼び戻されるだろうね。後の事は分からない。良くて牢屋行きかな」
そう、諦めきった顔と声音で語るシャルルの言葉を、俺は静かに聞いていた。・・・任務失敗で会社の経営を傾けたバカ娘はいらねぇ、牢屋で生かしておけばいい方、ってか。情があるとは思えねぇな。──だが、俺が聞きてぇのはそんな下らねぇ処遇やお偉いさんの経営方針じゃねぇ
「ちげぇよ。俺が聞きてぇのは、『お前がこれからどうするか』って話だ」
「え・・・?」
「まだまだ短い時間だが、お前はクラスメイトとして・・・鉄華団として俺らと日々を過ごしてきた筈だ。短い間でも、笑ったり、色々してきたはずだ。そいつは・・・ヘマ一つで、諦めきれるようなチンケなもんだってのか?」
「・・・それは・・・」
そうだ。大事なのはこれからだ。自分がどうなるかじゃねぇ。自分の運命を他人に預けて何処に行くかじゃねぇ。『自分がどうしたいか』って事だ。これから自分が何処にいたいか。何処に行きたいかって事だ
「お前が今、いたい場所は何処なんだ。鉄華団としての此処か、殺処分待ちの薄汚ぇ牢屋か。どっちだ。──今まで抑えてきたもんみてぇに抑えねぇでいい。俺以外に聞いているヤツはいねぇ」
そうだ、俺は立場を聞いてるんじゃねぇ。フランス代表候補生なんて肩書きに話し掛けてるんじゃねぇ。今目の前にいるお前に話し掛けてるんだ。腹を割って、俺に話してくれ。
「今此処にいるお前は・・・どうしたいんだ。シャルル。ちゃんと俺の目を見て、顔を見て。言ってみろ」
肩を掴んで、逃げられねぇように告げる。お前の本心が聞きてぇんだ。シャルル。逃げるのも誤魔化すのも無しだ。──だから、教えてくれ
この学園で、お前の目に映った俺は。そんな脅しの一つや二つで吹っ飛んだりケツを捲るほど、頼りない男に見えてたってのか?
「・・・僕は、僕は。・・・私は・・・」
「・・・・・・」
「・・・妾の子で、家庭の何処にも、居場所がなくて・・・せめて、任務をこなして、そうすれば、ちょっとでも自分の存在した意味が残せるかもって・・・」
シャルルの言葉を、俺は一字一句逃さずしっかりと聞き届ける。・・・大丈夫だ、きっちり吐き出せ。俺がいる。俺が受け止めてやる
「此処に来て、転入して・・・皆が歓迎してくれて・・・一緒にいる時間が出来て・・・初めて、楽しいと思えて、皆と笑ったり、一緒に身体を動かしたりして・・・」
「あぁ・・・鉄華団の皆は、どうだったよ?過ごしてきた皆は、お前の目にどう映った?」
「・・・イチカは、真っ直ぐがむしゃらで。三日月くんは色んなところで気を遣ってくれて。シノノノさんは、真面目で一生懸命で。セシリアは料理が下手で、けど・・・沢山話し掛けてくれて。リンは、いつも元気で・・・」
あぁ。俺もそう思う。俺もミカも、此処に来れて良かったと思ってる。どいつもこいつも、いいやつらばっかだ。だからこそ・・・
「そんな奴等と、お前はあっさり離れられんのか。任務の失敗くらいで、出来た居場所を・・・ようやくたどり着けた場所を。誰かに言われたくらいで諦めきれんのかよ!」
「オルガ・・・っ」
「俺は・・・!お前にフランスになんか行ってほしくねぇぞ!俺らはこれからだ!まだ何もやっちゃいねぇ!これから学ぶことも、身に付けることも、何もやっちゃいねぇ!そうだろ!」
お前が来たとき、俺ぁ嬉しかったんだ。フランスなんて遥々、俺らに会いに来たなんて言ったお前が、話しかけてきた事がよ!後ろからひょこひょこ付いてくるお前に、頼られる俺が・・・悪くねぇと思えてきた所なんだよ!
そんな今が、そんなこれからが・・・こんな場所で終わっちまうなんて認めねぇ!諦めれねぇ!お前はどうなんだ!声に出して言ってみろ!シャルル!
「このままで・・・こんなところで!終わらせねぇ!だから、お前はどうなんだ!言ってみろ!立場じゃねぇ、お前の気持ちを俺に言ってみやがれ!シャルル!」
「オルガ・・・っ・・・僕は・・・、僕は・・・!」
そこまで言ったら、シャルルが俺に涙を浮かべながら抱きついてきやがった。呻きながら、泣きじゃくりながら、声を圧し殺しながら。身体を震わせて啜り泣きやがる。だが・・・その涙の最中で、きっちりと聞こえる。本心と、その言葉がよ
「此処にいたい・・・!僕は・・・此処にいたいよ・・・!鉄華団として、皆と一緒に・・・っ・・・!オルガと一緒にいたいよぉ・・・っ!」
涙を流して、すがり付くシャルルの肩を、強く抱く俺。・・・ようやく言いやがったな。世話をやかせやがって!なら・・・そいつがお前の、ホントの気持ちだってんなら・・・!
「──あぁ、解ったよ!そいつが本心の言葉だってことは!よぉく解ったよ!なら──護ってやるよ!」
シャルルの身体を、強く抱きしめながら、俺は自分の意地を言葉に乗っけてシャルルにぶつける。そうだ!それでいい。言いたいことは言ってやれ、未来の一つも勝ち取れねぇ弱いままで、終わるなんて俺はぜってぇ認めねぇ!
「え──っ?」
「そいつがお前の本心だってんなら、俺が護ってやるよ!──これからの人生、例え途中に、どんな地獄が待っていようと・・・!」
こっからの未来で、お前を一人になんかしねぇ!利用されて、追い回されて、なんの張りもねぇ人生なんて俺は絶対に認めねぇ・・・!お前に、そんな人生は絶対に似合わねぇ!
「お前を──!」
お前の全部を。こんなちいせぇ身体にのし掛かる重圧とか、責任とか、利権とか、暴力とかから、全部・・・!俺の全部をチップにして・・・!流した血と、これから流す血を、鉄みてぇに固めて・・・!お前のあの、キレーな華みてぇな笑顔を──!
「俺が!!護ってやるよおッ!!!」
ぜってぇ護り抜いてやる!絶対に止まらないで護ってやる!だから足を止めるな、諦めんな!自分の人生と、自分の願いを諦めんな!
その道に、その先に行くまで俺が傍にいるからよ!だから、絶対──止まるんじゃねぇぞ!!
「オルガ・・・」
・・・どれくらい経ったのかは解らねぇ。だが、いつの間にかシャルルは泣き止んで、俺もそいつを理解してそっとシャルルを離す。・・・勢いしかねぇ俺だがよ。さっきのは紛れもなく・・・
・・・そういや、『団長』じゃなく・・・『俺』っていったのは・・・我ながら、カッコつけて粋がったもんだな。──だが、構わねぇ。泣いてる女の前で、意地も通せずやせ我慢も出来ねぇ男なんぞ、団長なんかやってられっかよ
「・・・オルガは本当に優しいね。転入して初めての頃から、なんにも変わってない。女だって解っても。こんなに真っ直ぐ庇ってくれる」
そいつぁ当たり前だ。立場や性別で、付き合い方を変えたりすっかよ。オルガ・イツカを舐めんじゃねぇって
「ヘッ──・・・ぁ・・・」
そんな風に熱くかましてた俺の視線は、シャルルの顔から下の・・・ジャージから見える、胸の谷間に目が・・・なんだよ、結構でけぇじゃね、いや!いけねぇ!シャルルにそういうのは、いけねぇんだ!
「ああっ・・・そ、そんなに気になる・・・?」
「お、おぉ・・・」
いや、そのだな。つきあい方が違うっていうか、戸惑うっていうか・・・整理があれっつぅか、なんつうか・・・
「・・・ひょっとして、見たいの?」
「そりゃあも──あぁいや・・・」
いけねぇ、俺はシャルルの何を見てぇんだ・・・笑顔か胸かカラダか、それとも、あっと・・・えっと・・・あぁ、なんだ、その・・・
「──オルガのえっち・・・」
・・・まったくその通りだよ。締まらねぇな・・・これじゃあ下心丸出しのスケベ野郎じゃねぇか・・・何が護ってやるよ、だっての・・・幻滅されちまったかもな・・・詫びがわりに希望の華、咲かせっか・・・
「オルガ」
「?」
「──庇ってくれて、ありがとう。・・・これからも、連れていってね。僕が見たことの無い場所、辿り着く場所に」
・・・そんとき見た笑顔は、俺の心に、一番深いところに焼き付いた。安心しきった、秘密を全部吐き出したシャルルの、初めて見たときとおんなじ、とびっきりのキラキラした笑顔だ
「・・・あぁ」
この笑顔の前で、俺は絶対にヘマは出来ねぇ。この笑顔は、この目は裏切れねぇ。この笑顔の前では、こいつの前では。いつだって、最高に粋がって、カッコいいオルガ・イツカでいてぇと、心からそう感じる
「・・・寝るか、シャルル」
「うんっ。・・・あ、オルガ」
「・・・ぁ?」
「・・・二人きりの時は。シャルって呼んで。ね?・・・お願い」
「──あぁ。明日もはぇえぞ。シャル」
「うんっ。お休み、オルガ。・・・本当に、ありがとう・・・」
・・・背負ったもんは軽くはねぇが、自分が背負うと決めた荷物だ
ぜってぇ、下ろさねぇし・・・捨てたりしねぇからな
お休み。──いい夢見ろよ、シャル。とびっきりの、いい夢をな。俺も、付いててやっからよ──
早朝
シャル「すぅ・・・オルガ・・・むにゅ・・・」
オルガ「ったく、すやすや眠りやがって」
コンコン
「・・・?」
三日月「おはよう」
「ミカ!おまっ、いや、今はな!違う、違わねぇ!いや、違う・・・」
「知ってるから。シャルルの事」
「・・・気付いてたのか?」
「うん」
「すげぇよ・・・」
「これ」
『ディスク』
「?なんだこれ」
「バルバトスのデータ。持ち帰れば、シャルルは牢屋には行かなくて済むと思う」
「き、聞いてたのか?」
「なんとなくそんなのかなって。第二世代だったし。遅れてるから送られたんでしょ」
「・・・あぁ。だがよ、ミカ。こいつぁ・・・」
「オルガが信じたなら、俺も信じる。それは、シャルルを護るためのデータだ」
「・・・ミカ・・・」
「治外法権」
「?」
「学園にいる間、どんな者でも生徒の身柄に介入できない。・・・要するに、今すぐシャルルをどうこうは出来ないんだ」
「・・・そこまで考えてたのかよ・・・お前」
「当たり前じゃん。家族だから。だから・・・行こう。卒業までに、自分達の身をきっちり護れるようになろう」
「・・・あぁ、そうだな」
「シャルルの事、任せたよ。──頑張れ、オルガ」
「──当たり前だ!任せとけ!俺は──」
「鉄華団団長、オルガ・イツカ。こんくらいなんてこたぁねぇ。・・・でしょ?」
「──あぁ!!」
「むにゅむにゅ・・・とまるんじゃ・・・ねぇぞ・・・」
「さて・・・起こすか!」
「あぁ。──行こう。俺達、皆で・・・──」