未実装のG11を登場させる罪をお許しください
◎月●日
しんどいです。
やってきた人形が俺に懐きすぎてて非常に疲れる。とりあえず一日一人ずつ名前を覚えることを目標とする。
まず出会い頭に全身で抱きつきダイブしてきたヤツな、UMP9。栗色の髪をしたツインテール。一番最初に名前覚えたわ。そのまま押し倒されて後ろの弾薬箱ぶちまけてそらもう大惨事よ。でもすぐに謝ってたから不問とする。
とりあえず話を聞いてみると、やつらは指揮官がいなくてもある程度の活動ができる特殊な自立人形だそうだ。銃器と人形をリンク?させるナントカ技術を高度に成立させる為には通常の銃器ではダメということで俺が酷使していた銃に白羽の矢が立った。極秘作戦での運用を前提しているらしく、諸々が通常の規格を逸脱した性能であるそうだ。え、それって違法なのでは──?
俺は何にも気づかなかった。いいね。
で、先日引き渡した銃がこうして戦術人形になって帰ったきたってことらしい。帰ってきたっていうと語弊があるな。まだ戦闘のせの字も知らんヒヨっ子戦術人形が俺の所に師事しにきたんだってよ。いや君ら戦術人形でしょ?手に負えないんですけど。
◎月□日
寝て起きたらUMP9が俺の上で寝ておった。上ってお前。そりゃ寝苦しいわけだよ。あれだな、甘えたがりの猫だ。でも寝ぼけてサブミッション極めてくるのは本当やめろ。骨のきしむ音で目が覚めるなんて本当に勘弁だからな。
今日は覚えたのはUMP45。UMP9の姉らしい。外見も結構似ていて茶鼠色の髪を横に纏めた髪型をしている。なんとこの人形たちの小隊長を務めているそうだ。
正直苦手。まず距離が近い。廃品とか漁ってると隣で物言わずじっと見てるんだよな。廃品じゃなくて俺の方を。あといつも影の差した表情で微笑んでるのが怖い。何考えてるのか全然わかんない。ずーっと俺のあとをついてくるし。
でも人手が足りなくて困っているときには率先して手伝ってくれる気立てのいいやつ。
ただ隙を見て俺がふらっと離れた場所に足を運ぼうとすると「指揮官、どこにいくの?」って言ったり既に先回りしてて「待ってたよ、指揮官」とか言うのやめてほしい。呼び止めるのはまだしも先回りしているのはどういうことなんだ。
あのしきかぁーんっていう間延びした呼び声がトラウマになりそうだよ俺は。
◎月Ξ日
とりあえず戦術人形が何故俺なんぞの所に学びにきたのか聞いてみた。
彼女らは404小隊という特殊な作戦を行わせるための戦術人形であり、高い戦闘能力を必要とする存在であるそうだ。無論もとから高いカタログスペックはあるものの、ぶっつけ本番で極秘作戦に投入するのは躊躇われるということで、彼女たちの強い希望により銃の元の持ち主である俺のところに教えを請いに来たとかそういう流れらしい。正直当面は俺一人の生活だけで手いっぱいなのでもう少し待ってもらうことになった。クライアントがどこの誰かは知らんがいい迷惑だぞまったく。ペルシカはあくまで製造元ってだけだしなぁ、つついても特に情報は期待できないだろう。
今日はHK416。まだ覚えていないのがばれてちゃんと覚えてくださいね(威圧)って言われた。笑顔が怖い。
完璧主義で俺が適当に放っておいた諸々を整頓してくれたので大変ありがたい。でも使ったら元の場所に戻さないとぷんすか怒るのでちょっと肩身が狭い。なんかものすごく俺の世話を焼きたがっているが、俺は自分のことは自分でできる人なのでやんわりお断りしている。
◎月◇日
朝からUMP9に殺されるかと思った。あいつサブミッションが日に日に上達してやがる。違法パーツのポテンシャルを全力で発揮し尋常ならざる力で締めてくるから全然抜け出せなかった。マジで早めになんとかしないと俺の命が危ない。
今日覚えたのはG11。ひとことで言うと癒し。この俺を遥かに越えるレベルで無気力な奴だ。基本的にずっと寝てる。俺の寝床をずっと占拠してるのは困りものだが特に何もやらかさない。毎朝寝ぼけて俺を絞め殺そうとしてきたり何時いかなる時も俺の側にいたりしないので本当に癒し。
ほっとくと永遠に寝てるが、一応UMP45の言うことだけは聞く。HK416の言うことは聞かない。なのでよく担ぎ出されている。なんだかんだで仲は良いようだ。
俺の言うことは聞いたり聞かなかったりする。まあそんなもんだな。
◎月ι日
今日はついに教育(仮)に踏み切った。余裕のあった工場内の食糧と水の備蓄なんだが、急に同居人が4人も増えたため事情が変わったのだ。
破壊された人形工場からもうひとブロック向こうに行けばちょろちょろと鉄血人形がいるので、強襲して物資を頂こうという算段だ。もちろん俺も同行した。武器もないのに一体何をするというのかという話だが、404小隊も指揮官が無くても活動できるとは言っても、いるに越したことはないらしい。
とりあえず今日は3小隊ほどにちょっかいをかけて物資をちょろまかしてきたが、こいつらやっぱ強いわ。俺はちょい離れたところから無線で適時指示を飛ばしていたんだが、終始危なげなく終わった。陣形の組み方と変形のパターン仕込んだらあっという間に理解してモノにしていたしやっぱ素材が違うと出来が違うのかね。もう既に俺が教えることなんてないと思うんですが。
◎月δ日
とうとう朝のデスマッチにUMP45が参加した。一体いつの間に転がり込んだのかUMP姉妹にサンドイッチされてしまった。字面からはとても幸せそうで夢のあるものを想像するかもしれないが、あれは生命を脅かすとても危険なものだ。
いうなれば万力。上からも下からも凄まじい圧力で抱きしめられ、俺は危うく爆発四散するところだった。いや比喩ではなく。久々にマジで死を覚悟したぞ。結局G11のおかげで九死に一生を得た。ほんと愛してる。
昼過ぎに昨日の戦闘について簡単に反省会を行った。といっても特にそれらしい指導はできなかったが。
G11はいざ戦闘となれば普段の無気力が嘘のように活躍する。オンオフの切り替えはしっかりしているようだ。いつもそうだったらいいのにとHK416がよくボヤいたのが印象的だったな。
あとは銃器のメンテナンスもしてやった。体の一部のように一体化しているお前らの方が勝手が聞くんじゃないかとも思ったのだが、しつこくせがまれたので根負けして結局やってやることになった。
肝心の人形の方は別に修復するアテがあるそうだ。とはいえ、人格のバックアップもとっていないようだし、慎重を期するに越したことはないだろう。人形は消耗品ではないのだ。
ところで今朝確信したんだが、UMP45よりも妹のUMP9の方が胸が大き
(日記はここで途切れている)
妹が寝ぼけた振りをしながら過激なスキンシップを図っていることに気づいた45姉、とうとう自身も同じ方法でスキンシップを図る。
指揮官は死ぬ。