前線日記   作:へか帝

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ライフルレシピ回してるのにUMP姉妹がなだれ込んでくるの誰かとめて。あふれる


三冊目

◎月Δ日

 

 いやあ、昨日はひやりとした。この日記は日が暮れたあと人形の皆が工場の戸締りやら設置した罠のチェックなどをしているうちに隅の小屋でさくっと書いているのだが、昨日は途中でUMP45が訪問してきた。なんとなくで唯一の出入り口である扉を施錠しているのだが、それがいけなかった。 

 はじめはノックしながらいつものようにしきかぁーんと呼び掛けてきていたのだが、ん、ええ、あれ? そういえばどうして俺があの小屋にいると知っていたのだろう。おかしくないか? いや考えても分からん。

 とにかくUMP45が呼び掛けてきていたのだが、丁度その時UMP45に関する内容を日記に書いている最中で、しかもそれがUMP45に負い目のある内容だったので俺は適当に煮え切らない返事をしてしまったんだな。それを不審に思ったUMP45が扉を開けようとして鍵が掛かっていることに気づき、「指揮官わたしに隠れて何してるのー?」と言いながらドアノブをガチャガチャさせてきたのだ。その時のシチュエーションがなんか死ぬほど怖かった。あまりの怖さに昨日そういう悪夢にうなされたからな。 

 最終的にはUMP45はドアノブを握った状態のままゴリっと扉を破壊して侵入してきたぞ。ある程度腐食して脆い木造の扉だったとはいえ、絵面が凶悪すぎてもうダメ。

 とりあえず正直に一日の記録を残していたと白状した。やっていることはとくにやましいことではないからな。いや、やましいことを書きかけてはいたけれど。

 結局この日記をみせなくてはならなくなってしまったが、大丈夫。こんなこともあろうかとこの日記は母国語で書いてあるのだ。こちとら亡国ジャパニーズやぞ、とうの昔に失われた言語じゃ読めるものなら読んでみいHAHAHA!

 ただひとつ気がかりなのはUMP45が俺の日記を網膜と記憶中枢に焼き付けるように隅々まで目を通していたことかな。ひょっとして読めないなりに内容を全部暗記してたりして。

 いや流石にないな。まさか視界を映像として保存する機能でもあっていつの日か解読を試みようとしている訳でもあるまいし。

 

 

◎月Γ日

 

 ちょっと昨日の日記読み返したらUMP45のことしか書いてないじゃねーか。これはいかん。どうせ書くならG11にするべきだ。

 まあそれはさておき、今日も鉄血のところへ襲撃だ。今回は現役さながら俺が小隊長として人形を率いての戦闘だった。うーん懐かしい。あの頃とはだいぶ勝手が違うが、404小隊は有能なので特に指示系統にトラブルなし。最高かー?

 銃は昨日作ったUMP40を持って行った。これは昨日の日記に書き忘れていた部分だな。昨夜の日記を書いているときはもうUMP45のことで頭がいっぱいだったから……。設計図はUMP40で最後だった。もっとあるかと思ったんだが、破れたり何かの染みが広がっていたりで使い物にならなかった。コレ紙媒体の悪いところ。

 もちろんこの銃もご多分に漏れず酷い出来栄えだった。まあ同じ機械で作ったんだから当然だな。流石にスペアパーツの持ち合わせは無いのでこれを持って行った。正直ないよりマシってレベル。そもそも銃弾が真っすぐ飛ばないし。まあ銃口が正面向いてないのに弾が前に飛ぶわけがないよね。

 ちょっといい所見せようとして部隊の最前線を買って出た俺ってほんとバカ。

 

 

Φ月α日

 

 UMPサンドで俺が潰れる(物理)未来が現実的になってきたので、ついに今日G11以外の者が俺の寝床に近づくことを禁止した。

 これに一番反応したのはUMP9。もしゃもしゃ食ってた配給(チョコ味の一番おいしいやつ。物欲しそうに見てたからちょっと多めに分けてやった)をぽろっと落としてこの世の終わりみたいな顔してた。ちょっと罪悪感。

 ちなみにHK416の要望によりG11を連れ出すときに限り例外的に許可することとなった。良かったなG11、お前には外に連れ出してくれる素敵な仲間がいるぞ。G11から裏切り者って言われた。一体いつから俺がお前の安眠を支援すると錯覚していた?

 あと昨日もってったUMP40な。マジでこのポンコツどうしようかと思ったが、俺が持ち逃げした銃が全て新たな持ち主のもとに渡ってしまった以上、このUMP40が最後のよすがとなる。もしなにかあってこの工場を離れなければいけなくなった時の為にこの銃は大切にすると決めた。

 というわけで、どうにかしてもうちょいマシにできないものかと今日は一日UMP40を叩いたり削ったり伸ばしたりしてた。

 そして誕生したのがどこに弾が飛ぶのか俺すら予想できないデンジャラスウェポン。ナックルボールかよ。

 

 

Φ月Й日

 

 「え?一人じゃ怖くて夜ぐっすり眠れないって!? 仕方ないなあG11は! 私が一緒に寝てあげよう!」昨日の晩にやってきたUMP9の第一声がこれである。せめてG11の方向いて言うくらいしろよ。そしてそのまま俺の寝床に来るな、吐いた言葉通りG11の方へ行け。何が指揮官の側で眠らないと死んじゃう病だばかたれ。俺の布団(ダンボールと梱包紙に緩衝材を組み合わせた最高級のロイヤル寝具)からしがみ付いたまま離れず、無理に引きはがすとロイヤル寝具が破損する恐れがあったので結局一緒に寝ることになった。

 なお恐怖の目覚ましサブミッションは俺がG11を抱えて寝ることで回避。G11からは指揮官の為にもやめたほうがいいと思うと進言があったが、強行施策した。完璧な作戦だとそのときは思ってたから。

 なお実際は9にむき出しの頭部をふともも締めされて窒息死間際までいった模様。確実に殺意が込められている。なんか悪いことしたかな。

 命からがら朝を迎えたあと、9を追い出して一日寝床からほとんど出ずに空き缶をやぶったものを研いで簡易ナイフを作る内職をした。たまには部屋でひっそりと一人の時間を過ごしたかったのだ。G11はあれだ、人数にはカウントしない。分類はインテリア。だがG11を連れ出すことを口実に何度もUMP姉妹が突撃してきた。お前ら普段は好きなだけ寝させてあげてるだろうが。そして珍しく自主的に起きてきたG11を寝室に押し込んでまた部屋に来る口実を作るのやめてあげろ可愛そうだと思わんのか。

 

 

Φ月¶日

 

 「え?お姉ちゃんがいないと怖くてぐっすり眠れないって!? 仕方ないなぁ9は! 私が一緒に寝てあげよう!」 

 

Φ月Ж日

 

 HK416が全員ひきずり出していった。惚れそう。

 

 

 

 

 






このままでは45姉が残念系おもしろヤンデレお姉ちゃんになってしまう

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