前線日記   作:へか帝

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 これ書き始めてから露骨にUMP姉が出る。代用コア使わずにx5にしても余るくらい。引き取り先募集(ただし残念系ヤンデレお姉ちゃん仕様とする)



四冊目

±月●日

 

 UMP姉妹対策にG11を用いての護身を考えるも、指揮官を死なせないためにも協力できないと言いG11はこれを断固拒否。まるで俺がG11を抱いて寝ることがUMPコンプレッサーの出力を上げるかのような物言いだった。それとこれに一体何の関係があるのか、俺にはさっぱりだったが仕方がないので昨夜はそのままUMPコンプレッサーに無抵抗で飲み込まれた。限界は近い。おそらく来週には俺の全肋骨が粉砕されることだろう。

 さて連日行っている物資補給を兼ねた戦闘訓練だが、これはもうほとんど意味が無い。物資が潤って助かるのはあるが、手慣れすぎてもはや作業だ。周辺の鉄血人形ではもう相手にならんらしい。戦闘に慣れるという意味では悪くないのかもしれないが、優先度は低い。だが、だからといって生死をかけて修羅場をくぐらせるような訓練はできない。そんな環境もないし、そういうのは実戦で培ってこそだ。とりあえず今日は工場内をパルクールさながら縦横無尽に駆け回った。運動神経というか、体の使い方も覚えてもらいたい。特に室内戦での移動能力は重要だ。

 やはりというべきか、イメージ通りUMP9は抜群の運動神経を発揮してぴったりと俺の背後についてきていた。流石だな。ぶっちゃけ凄いことなのでご褒美に頭をなでてやった。うーん丁度いい高さ。UMP45も案の定そつなくこなしていた。何やら『私にはご褒美ないの?』的な視線を背中に注がれたような気がしないでもないが、努めて無視した。

 HK416はちょいと難アリだな。一度足を滑らせて落ちてた。幸い大きな怪我はなかったのだが、結構派手に服が破れてしまい大きなたわわが露わになってしまった。

 でかい。

 白状すると一瞬いや嘘は良くないながっつり視線を奪われたのだが、背後のUMP姉妹がいる方向からセーフティを外しコッキングレバーを引く音が聞こえたことに危機感を覚え即座に視線を切った。引き金に指をかけていたの見たからな俺は。薬室に実包が入る音がやけに耳に残った。

 流石に一旦中止し、有り合わせの布(またの名を俺の服という)で修繕してやった。最後にG11。問題児である。へばるのがあまりにも早い。運動能力は意外に悪くないんだがなあ。他より銃が重いのもあるかもしれないがあれはまずいだろう。

 

 

±月ц日

 

 毎朝俺が死にかけているのはそもそも『寝床への侵入はG11を連れ出す場合は例外的に許可する』というルールが悪用されているのが元凶なのかもしれない。

 ここは断腸の思いでG11と別室で眠るしかないのか。だがこの娯楽のない廃工場生活においてG11からもたらされるアロマセラピー効果は決して軽視できるものではない。どうにかG11と共に快適な夜を過ごしつつもUMP姉妹から逃れる術はないものか。ルールの破棄も少し考えてみたが、快適な生活に多大な貢献をしてくれているHK416たっての望みを無碍にするのも忍びない。何かいい落としどころはないものか。

 それはさておき、404小隊の研修も新しいステップに進むことにした。ハッキリいってこいつらの戦闘力は既に申し分ないレベルまで達しているので、もっと別の方面を伸ばしてやる方がいいと思ったのだ。

 行ったのはかくれんぼ兼鬼ごっこである。とどのつまり昨日のパルクールの延長だな。

 たかがごっこ遊びと侮るなかれ、こいつらがどんな任務に従事するかは知らんが隠密能力と追跡能力はどんな状況でも応用が利く。どうやら404小隊が配属されるのは尋常な任務ではないようなので、まあ役に立つだろう。

 差し当たり今日はこの工場を使ってのかくれんぼだ。今日は俺が鬼。ルールはシンプルに鬼に確保されたら負け。無論俺のロイヤル寝具で惰眠をむさぼっていたG11も心まで鬼にして布団から追い立て参加させた。

 工場もまあまあ広いんだが、昼前には全員捕獲できてしまった。戦闘のエキスパートといえど、こういう面ではまだヒヨっこらしい。これは教えがいがありそうだ。ちなみに今日時点で一番粘ったのはHK416だった。昨日の失態にも思うところがあったんだろう。痕跡を残さずに行動するのが上手かった。

 それを昼過ぎまで繰り返した後は、反省会を開いたり逃走のいろはについて講義した。まあこいつらならすぐに覚えるだろう。

 

 

±月Ы日

 

 朝、UMP9とUMP45に挟まれながら臓物が圧し潰される痛みと戦っていたら妙案を思いついたぞ。そもそも全員の寝床を同じ部屋にしておけば済む話じゃないか。G11と同室で寝ることができるしUMP姉妹も自分の布団があれば俺のところへ侵入してくることもないだろう。明日から解放されると思うと心が救われる。無論体の方もな。今まで朝が近づくにつれて抱き着く力が強くなっていくので外が明るくなるにつれ絶望してたからな。

 さて、今日は鬼を交代だ。404小隊全員から俺一人で逃げた。範囲は昨日同様に工場内に限り逃走。

 昨日の惨敗を反省したのか、部隊で連携を取ってやる気マンマンだったぞ。視野の広いG11が高所に陣取り索敵を担当し、HK416がルートを組み立てつつ先回りすることで逃走ルートを限定し機動力のあるUMP姉妹が追う。

 各々の得意を活かした素晴らしい連携だった。何度かヒヤリとする場面もあったし、大したもんだ。

 でも言いたいことはたくさんある。まずUMP45は俺が物陰でやり過ごそうとしている俺を探すとき「指揮官のにおいがする………ふふ」っていいながら着実にこっちにくるのやめろ。俺の居場所を確信したとき「あは。指揮官、今そっちにいくね……?」っていうのはもっとやめろ。恐怖でしかないわ。クローゼットに隠れる女子供に迫る殺人鬼かよ。

 そしてUMP9。逃走する俺を追いかけながら「本当の家族になろう!」ってどういう意味だ。あまりにも理解が及ばない。意味不明な理論を並べながら殺害を繰り返すサイコキラーみたいだからやめてほしい。あとなんで俺を袋小路まで追い詰めたときよだれ垂らしてた? 思わず冷や汗がでたわ。あれは完全に捕食者の目だった。

 

 この訓練はあまりやらないほうがいいな。具体的には奴らが俺を捕まえられるくらい上達する前にやめよう。うん、その方がいい。




 妹の方はまともでいる予定だったのにどうしてこうなった。

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