萌え声クソザコ装者の話   作:青川トーン

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夢の話

 泥の山、手探りで希望を探すのはいつだって変わらない。

 錬金術師の妨害も無く、私達は愚者の石を求める。

 

 日が落ちても愚者の石のサルベージ作業は終わらない。

 交代を繰り返しながら海底の泥をすくい、探知機で探す。

 

「これも違いますか……」

「つーかなんだよこの聖遺物はよ」

「番号MB-04、詳細不明としか書かれていませんね」

「というか深淵の竜宮って危険な聖遺物も保管されてたと聞いたんですけど、こんな回収方法で大丈夫なんですか」

 

 現在の当番はエルフナインちゃんとクリスさんと私です。

 ポンプでの吸い上げという非常にパワー溢れる作業です、どうかんがえても安全対策できてないと思うんですが……。

 

「まあ……その何か起きた時の為にボクらが現場にいるので……」

「そうですね……」

 

 確かに言われて見ればそうだ、シンフォギアで対応する必要のある事故が起きるかもしれない。

 というか既に一回起きた。

 

 若干二名が引き上げられた泥に埋もれるという重大事故です。

 

「響さんと切歌ちゃんは……一体何を見てヨシといったのでしょうね」

「バカ一号と三号だしな……ノリで言ったんだろ」

「……さりげなく私をバカ二号で定着させるのやめてくれませんか」

「お前はバカ二号で十分だよ」

「はは……それはそれとして危険な聖遺物は特殊収容ケースに入っていたそうなので大丈夫だと思いますよ」

 

 エルフナインちゃん、それはフラグというもの。

 安全と思っていたものが実は安全ではないというのはもう定番中の定番。

 Safeかとおもいきやketerなのはもう様式美です。

 

「っと……また聖遺物ですか、どんだけ収容されてたんでしょうねえ」

「ボクらが閲覧できる情報だと500程度と書かれていました」

「それ以上ある奴じゃないですか」

 

 輪に紐で蜘蛛の巣みたいな網を張って、鳥の羽の装飾が付けられたものを手に取る。

 

「それは「ドリームキャッチャー」ですね、インディアンに伝わる魔除けの一種です」

「魔除け?そんなのも保管されてたのか?」

「大した効果のない低危険度で、使い道があまりない物の欄にありました。悪い夢を見ないようにしてくれるそうです」

「……ちょっと欲しいですね」

 

 エルフナインちゃんの解説を聞いてちょっとこの「ドリームキャッチャー」が欲しくなった。

 最近あまり夢見がいいとは言えないので。

 

「そういわれるとアタシも欲しくなるな……いっちゃアレだが、不安がよく夢に出てくるんだよなぁ」

「ボクもよく怖い夢を見ますね……」

 

 ……そうですね、命を懸けたりする現場に立ってる私達は特にそういう夢を見るのでしょうね。

 

「あまり暗い話題もアレですし、面白かった夢の話でもしましょうよ」

「面白かった夢かぁ、アタシはそうだな……オッサン……司令が見た映画によって特技が変わる夢を見たな」

「そうですね、司令ならありえるのが面白いですね……具体的にどんな映画見てたんですか?」

「戦闘機が合体してロボになる奴の赤い奴に乗ってて「なんたらービーム!」とか叫んでたぜ」

「司令ならやりかねない」

 

 空中制動ってめっちゃ難しいんですが司令ならさらっとやってのけそうですね……。

 

「合体ロボットというのも目的によっては割と理にかなっているとボクは思いますよ」

「そうなのか?」

「尤も整備できる環境があってバックアップがないと運用できないでしょうし、戦闘中の合体なんて危険すぎて怖いですが」

「そりゃあ……そうだな、アタシらはしょっちゅうぶっつけ本番でそういう連携をやらされているから忘れがちだが……」

「私のユナイトも実戦で使えるようにしたいですねぇ……出来れば誰とでも可能にして」

 

 合体、確かに私としてはロマンを感じる言葉です。

 また翼さんとユナイトしたいですね……あの時は必死で感じている暇もありまs……いや、いけませんいけませんあまりにも趣がありすぎる!

 死刑!死刑です!

 これ以上想像するな加賀美詩織、お前を殺すぞ。

 

「おい詩織、なんで変な顔してやがる」

「ユナイト……合体……あっそういう……」

 

 クリスさんは気付いてないですがエルフナインちゃんは気付いてしまったようです。

 エルフナインちゃんもしかしてむっつり……?そういや初めて会った時の衣装も……。

 

「いえいえいえユナイトって今まで響さんとばっかりで、オマケにユナイトしてる時の事をあんまり意識してこなかったので……」

 

 そういえば奏さんや響さんとユナイトした時はインナースーツまで融合してましたね……あれ?未来さんがヤバい目で見てた理由ってそういう……あっ……。

 そりゃあ……殺されなかっただけ有情でしたね……。

 

「その……まあ……でもボクはあまりユナイトは推奨しません、リスクがわからないのもありますけど、明確に分かる危険性としてアームドギアと一体化する詩織さんへのダメージが多くなるという部分がありますから」

「そうだ、アタシのアーマーパージなんてお前をバラバラにしちまう」

「っていうかユナイトしてるならアーマーパージ使わないでくださいよ!?」

「冗談だよ」

 

 ……そうですね、簡単なパワーアップなんてない。

 

「それはそうとして、次はエルフナインちゃん。何か面白い夢あります?」

「ボクですか……ボクはその……前に皆さんがお見舞いに来てくれた時に夏祭りで翼さんがギアを纏ったまま太鼓を叩いているというお話が……そのまま夢に出てきまして……失礼なんですけど……ぷふっ……」

「くっ…くくく……確かにそりゃ面白いな!」

「そうですね、翼さんファンの私でも流石にその状況に遭遇したら笑ってしまうかもしれません。ちなみにどんなシチュエーションだったんですか?」

「盆踊りでした」

「ぶっ」

 

 想像してだめだった、ちょっとそれは耐えられないぐらい面白い。

 

「おかげでその、しばらく翼さんをみるだけで思い出し笑いをしてしまいそうになって大変でした……」

「そりゃキツいわな、ある意味悪夢だ」

「では最後に私が見た面白い夢といきましょうか」

 

 言いだしっぺです、きちんと私も面白い夢の話をしましょうか。

 

「最近見た奴だとマリアさんがプチトマトを残して皆さんに順番に説教されてる夢でしたね……何故かその、向こうの世界で会った奏さんも諭すように説教してて……私の順番が最後だったんですがどう説教していいのかわからないまま目が覚めました」

 

 ……?どうして二人は固まってるので……?

 ……あっ(察し)

 

「そうね、それはさぞ面白い夢だったでしょうね」

 

 本 人 登 場

 

「あの違うんです、夢の話なんですよ」

「そう、でも面白かったのでしょう?」

「……はい」

「私も面白い話があるの、目の前でまさか本人が真後ろにいるとは露知らずにぺらぺらと語る女の子の話」

「ソレハオモシロイデスネ」

「それはそれと交代時間よ、にしても翼と調は何をしているのかしら」

 

 ……次から夢の話をする時は後ろに気をつけましょうね。


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