時期的には、七実を倒した直後らへんです。
筆者はまだ第七話までしか読んでないため、設定的矛盾が生じているかもですが、ご了承ください。
それは、鑢七花が、実の姉である鑢七実を倒し、再びとがめとともに刀集めの旅へと繰り出した時のことだ。
何が引き金だったかはおよそ本人の知ることではないが、とがめの脳内に一つの疑問が生じたのだ。
それは、「いくら姉といえど、上半身裸体を見せられて、ああも平静でいられるのだろうか」ということだ。
むろんとがめは生物学的には女であり、男である七花の心情を正確に推し量ることはできない。
まして、自分が刀集めに誘いに行く前の、すなわち不承島で生活していたころの七花は、人並みの感情というものを持ち合わせていなかったのだから、裸を見ながらにして平静でいる、というのもあながち不自然でもない。
だが、とがめも風呂で裸を見せたが、その際にも七花は特に反応を見せなかった。
仮に女性全般に対して七花が無反応というのなら、これからどうとでもなるが、仮に家族に対してのみ無反応というのなら、話は別だ。
家族扱いされているのならとがめ的にはうれしいっちゃうれしいのだが、無反応というのはどうにも悲しい。
そこで、単刀直入に聞いてみることにした。
とがめ「なあ、七花よ」
七花「なんだ、とがめ」
とがめ「そなた、七実から、胸に突き刺した悪刀・鐚を見せられた際に、七実の半裸を見ておろう?」
七花「まあ、そうだな。見たっつーか、視界に入ってきたっていう感じだけど。」
とがめ「その時、何も感じなかったか?男として。」
七花「なーんも感じねえな。っていうか、その質問おかしくねえか、とがめ」
とがめ「確かにおかしかったかもしれん。仮に姉の体に興奮しようものなら、私の裸体を見て興奮しないわけがないものな、すまぬすまぬ。」
一安心である。
しかも、確認ついでに、自分の体に対して興奮するか否かの問いまで織り込んでくるあたり、さすがは奇策士といえよう。
だが、七花は後半を完全スルーし、無い知恵を絞りだして例えを提示した。
七花「例えばとがめが家にきれいな花を飾ったとするだろ?」
とがめ「おお…そなたも例えを使えるまでに成長したのか。」
七花「茶化すなって。…んでつづきだけど、最初のうちにはきれいだなー、とか感じるかもしれないけど、何回も見てればその気持ちも薄れてくるだろ?」
とがめ「まあ、そうなるだろうな。」
七花「つまり、そういうことだ。」
とがめ「んん?さっぱりわからん。その例えが前の話とどうかかわっているのだ?ああ、待て待て。ちょっと考えさせてくれ。」
まさに理解不能であったが、理解をあきらめるのはとがめのプライドの高さを考えると、ありえないことだった。
そうして、言葉を発しないまま、とがめは考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える考える...
そうして、一つの答えにたどり着いた。
とがめ「ちぇりお!」
まさに問答無用だった。
その一瞬においては、とがめの戦闘力は七実をすら凌駕していた、といったらさすがに過言であるが、錆白兵くらいには強かったかもしれない。
全力をこめた裏拳が七花のみぞおちにクリーンヒットし、七花は悶絶した。
七花「何をするんだとがめ。いくら長いこと修行していたとはいっても、みぞおちは鍛えることができないんだぞ。」
とがめ「うるさいうるさいうるさーい!私の聡明な頭脳で導き出した結論によると、そなたは七実の裸体を見慣れていた、ということになるんだぞ!」
七花「ああ、その解釈で間違いはないぞ」
とがめ「ちぇりお!!」
二度目だった。
またみぞおちだった。
ビックリマーク(筆者は正式名称を知らない。)一つ分だけ、とがめの怒りゲージが上がっていた。
七花「なんだ、何か不満な点があるなら遠慮なくいってくれ。」
とがめ「全部じゃ全部!何もかもが不満じゃ!不満じゃないことなんて何一つない!むしろお前の存在が不満じゃ!」
七花「ひでえいわれようだな…不承島時代、よく一緒に風呂入ってただけなのに」
とがめ「一応聞いておくが、それはなんでじゃ?別に切羽詰まってるわけでもなし。時間短縮というわけでもなかろう。」
七花「いや、姉ちゃんが一緒に入りたいって。」
とがめ「あのブラコンが!!」
七花「なんか自分は病弱だから一人で風呂入ったら死ぬかもって」
とがめ「あやつここぞとばかりに体弱いことを盾にしおって!だがそれなら、別に父親といっしょでもよかろう?」
七花「俺もそう思って一度聞いたことがあるんだが、なんか弟と一緒に風呂に入らなきゃ死ぬ病気にもかかってたらしい。」
とがめ「そんなのうそにきまっておろう!なんてことじゃ、元人類最強はただのブラコンだったのか!」
七花「いやーでも、姉ちゃんの体柔らかかったなあ。俺が二十歳超えたあたりから、スポンジ代わりに自分の体で…」
とがめ「ちぇちぇちぇちぇちぇちぇちぇちぇちぇちぇりおーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!」
怒りの一撃。
会心の一撃。
羞恥の一撃。
そして、それは圧巻の一撃だった。
とがめは逃げ出した。
脱兎のごとく逃げ出した。
自分の刀は、あろうことか実の姉によって汚されてしまっていた。
この事実はとがめに重くのしかかり、こののち一週間ほど寝込んだとか。
これにて終幕♪
初ssです。
何分至らない点は多かったと思います。
読んでくださった方ありがとうございます。