METAL GEAR DOLLS   作:いぬもどき

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ワイルドハントの軍勢

 ジブラルタル海峡を突破し、ギリシャ沿岸で部隊の上陸を援護したアメリカ海軍艦艇はその後ボスポラス海峡を抜け、黒海にまで侵入していた。そこで海軍艦艇は他の地上部隊を援護するわけでもなくただ海の上に鎮座していた。黒海に消えた海軍艦艇の行方はもちろん正規軍も探っていたが、黒海に入り込んだ艦艇はいずれも高度なステルス技術でレーダーの目をかいくぐり、デルタ・フォースの部隊が引き上げてくるその時まで経ったの一度も正規軍に捕捉されることは無かった。

 古い港に停泊する強襲揚陸艦を旗艦とする米海軍艦隊、既に到着していたデルタ・フォース及び陸軍兵士たちは揚陸艦へと乗り込み出向の準備を整えていた。

 そこへ、最後にやってきた大尉を乗せると艦隊はゆっくりと動き始めるのだった…。

 

 

「伍長、任務ご苦労だった」

 

「光栄であります大尉」

 

 

 揚陸艦の甲板上で邂逅した大尉に対し、伍長の階級章を襟元に付けた兵士が敬礼をもって彼を出迎える。整然と並ぶ兵士たちに軽く手を挙げて散開させると、大尉は伍長を連れて船内へと向かう。

 

「エルダーブレインの様子は?」

 

「大人しいものです、拍子抜けするくらいに」

 

「そうか、無駄な抵抗をされるよりははるかにいいことだ」

 

 広い船内を歩いていくと、通りがかった兵士たちは足を止めて大尉に敬礼を向けていく。

 この場にいる兵士たちの中では最も高い階級に位置するのは彼であり、彼の指揮下の元部隊は動く……だが陸軍の兵士は見かけても、海軍所属の兵士の姿は一人も見ない。そのことは後ろを歩く伍長も疑問に思っていることだが、艦艇は予定通り動いているのを見て不必要な疑問であると判断しその事を問いかけはしなかった。

 船内を進む大尉は、艦艇内の仮設収容所にたどり着く……そこに彼女は一人静かにたたずんでいた。

 

「これがエルダーブレインか?」

 

「はい大尉、念のため武装は解除させてあります」

 

「ご苦労、お前は下がっていろ」

 

「了解」

 

 伍長が部屋を出ていき、その部屋には大尉とエルダーブレインの二人だけとなる。

 彼はエルダーブレインとテーブルを一枚隔てた場所に椅子を置き座る……終始目を伏せていたエルダーブレインは、大尉が目の前に座るとまぶたを開き鋭い視線を彼に向けた。

 

「こんなAIにまで、人間のような殻を用意するとはな。それとも、その小さな器にそれだけのAIを詰め仕込んだ技術を称賛するべきだろうか? まあ何にせよ、お前が探していたエルダーブレインで間違いはなさそうだな」

 

「……キミが、あの子が言っていた人間だね」

 

「シーカーのことか? まあ確かに奴に色々と手を貸してやったのはこのオレだ」

 

「………あの子が、泣いている………キミはあの子に一体何をしたの?」

 

 エルダーブレインはそれまでよりも厳しい口調で大尉に問いかける。その目には明らかな敵意と、仲間の気持ちを踏みにじられたことへの怒りが宿されていた。鉄血の首領である彼女のそんな姿を目の当たりにしても、大尉は少しの動揺も見られない。

 

「オレたちは戦争をしにここへ来たんだ。殺し、痛めつけ、必要なものを奪うのが任務だ…その過程で生じるものなど知ったことではない。利用できるものなら何でも利用する、怒りと憎しみに囚われたやつほど利用しやすい存在はいない。感情に任せてヒステリックに振る舞うほど愚かなことはないだろう」

 

「言ってることが滅茶苦茶だね……キミは激しい憎悪と怒りでヨーロッパにやって来た。キミの発言は矛盾だらけだ、その理屈ならキミたちに勝利はあり得ないよ。絶対にありえない」

 

「そうかもな、だがお前たちは根本的な誤解をしている。誰もその事に気付きはしない、シーカーでさえもな」

 

「どういうことだ?」

 

「戦前の合衆国政府の影には、ある組織があった。軍需産業を中心とした巨大企業、軍関係者、政府高官で構成された……いわゆる軍産複合体。大統領をしのぐ権限を有したと言われる組織は国家の未来を想定し、早い段階から本土の核攻撃とそれにともなう荒廃が避けられないことを知っていた。彼らは組織を存続させるためいくつかの計画を実行した……その一つが、生体情報のデジタル化だ」

 

「生体情報のデジタル化……それは、まさか…」

 

「そこからは想像したまえ。欧州のならず者どもはアメリカを滅ぼしたと思っているだろうが、地表上を焼いただけに過ぎん。政府組織はいまだ、健在だ………まあ、誤算もあった、その穴を埋めるパーツの一つがお前だ」

 

 大尉はエルダーブレインを指差し、わずかに口角を歪める。

 大尉が、いやアメリカが求めるのはより高度なAI、そこに感情や社会性は不必要であり膨大な情報を処理できることが可能なAIだった。そしてそれを素早く実現できる存在が、エルダーブレインなのだという。

 

「お前は本国に送り次第事細かに解析されるだろう……それまでは仮初の人格で余生を過ごすといいさ、素直でいるのなら合衆国にたどり着くまでの間は今までのようなお姫さま(プリンセス)気分でいられるだろう」

 

「あなたたちの計画は絶対にうまくいかない、絶対にね」

 

「油断はしないさ、慢心は歴史上の人物が最も犯した愚行の一つだからな。では、航海を楽しみたまえ」

 

 席を立ち、大尉は振りかえることなくその場を去っていく。

 彼が向かったのは甲板上の船首付近、そこから艦橋になびく星条旗を見上げるのだった。

 

「もうすぐ、もうすぐ終わる……ディアナ、フレディ…もうすぐ帰れるぞ」

 

 古ぼけた写真をポケットからとりだし見つめる……在りし日に想いをはせた彼は写真をしまい、代わりに煙草を一本取り出し口にくわえた。任務の間一度も吸うことのなかった煙草をゆっくりと吸う…。

 そんな彼の元に、先ほどの伍長がやってくる。

 伍長は大尉の背に敬礼を向けると、いましがた入ったばかりの報告をするのであった。

 

「大尉、前線の部隊より報告があがりました。軍曹が、戦死されました」

 

「…………そうか、下がっていい」

 

「はっ」

 

 報告を済ませた伍長が立ち去ると、彼は煙草の煙を深く吸い込むと水平線の彼方を眺めながら紫煙を吐きだした…。

 

 

「軍曹、いやアレックス……フォートブラッグで過ごした訓練の日々を覚えているか? お前がクソッたれの教官を殴ったせいでオレまで巻き添えをくらって懲罰房送りになった。出てきて早々にお前は謝るもんだと思っていたが、次は二人でぶちのめしましょうなんて言いやがった…あの時オレは、始めてお前の眉間に銃弾をぶち込んでやりたいと思った。まあ現実にはならなかったが……オレとお前は部隊の問題児だった、いつかオレたちを見下した奴らを見返してやろうと言ってたよな…。

この任務を引き受けた時も、絶対に成し遂げて凱旋してやると……なのに先に諦めやがって、そんな教育をした覚えはないぞ……バカやろうが」

 

 ため息を一つつき、彼はくわえていた煙草を指ではじき海に投げ落とす。

 それから彼は、彼の死を悼みせめてその最期が誇り高きものであることを祈るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、オレたちはいつ撤退するんだ? 話じゃ、陸軍の特殊部隊はもうとっくに退却をしたんだろう?」

 

「聞いてねえのかボンクラ、オレたち海兵隊はここに残って鉄血人形の一体を始末するんだよ。なんでも、オレたちの無人機を取ってった女の始末らしい」

 

「けっ、小娘一人殺すだけでオレたちは居残りかよ。まったく陸軍の尻ぬぐいばかりじゃないか」

 

 鉄血領内に残るアメリカ海兵隊の兵士たちは、迫りくる正規軍に内心冷や冷やしながらも上官より指示された任務のために身動きを取ることが出来ないでいた。攻撃対象はすなわちシーカー、彼女の殺害が任務だが、これはもともとデルタ・フォースより海兵隊を指揮するマーカス少佐を通して回ってきた任務だった。

 

「それにしてもいけすかねえ、あのくそマーカスの野郎めが…リーコンの隊長風情がいつからオレたちを仕切れるようになったんだ?」

 

「余計なこと言うなバカ、あいつがどんな奴か知ってるだろう? 筋金入りのサディストだ、アイツはどんな奴にも情けってもんをかけねえ。あいつほど軍隊に感謝してる奴はいない、じゃなきゃアイツは街中で人間狩り(マンハント)してただろうさ」

 

「違いねえな……っと、おいあれ見ろよ」

 

 雑談の最中、海兵隊の一人は廃墟の向こうに見えた人影を指差した。

 全身を血で赤く染めたその人物…シーカーは抜身の刀剣とライフルを持ちながら、うつむくようにして歩いてくる。白髪を結った姿に特徴的な戦闘服、海兵隊に下された対象と一致する姿であった。

 

「ハハ、獲物がのこのこやってきやがったぜ…一発で仕留めてやる」

 

 周囲の海兵隊がゲラゲラと笑う中、一人の兵士が煙草をくわえつつ狙撃銃を構える。武器を構えるわけでもなく、無防備のまま真っ直ぐ歩き続けるシーカーに照準を合わせた兵士はニヤリと笑みを浮かべ引き金を引いた。大きな銃声が廃墟の中で反響し、弾丸が放たれる……シーカーを狙った銃弾は狙いを逸れて背後のビルの壁をえぐる。

 

「ハッハハハ、どこ狙ってんだマヌケ。あの小娘に見惚れちまったのか?」

 

「うるせえ黙ってろ、このやろう…くそが」

 

 再度照準を合わせ、呼吸を整える。

 照準器の中にシーカーをとらえて再度引き金を引くが、またしても狙いは逸れてしまう。大多数の海兵隊たちはへたくそな射撃を笑い飛ばしたが、弾丸が不自然に逸れたのに気付いた何人かの海兵隊兵士は笑みを消した。なにより、確実に狙撃していたはずと自負する狙撃手は気が気ではなかった。

 そんななか、へたくそな射撃を笑い飛ばしていた海兵隊の一人が物陰から姿を晒し、堂々とシーカーの前まで歩いていくではないか。

 

「オレが銃の撃ち方を教えてやる、子どもでもできるぜこんなこと」

 

 シーカーの目の前まで歩いていった兵士は腰のホルスターから銃を引き抜き彼女に向ける。ニヤニヤと笑みを浮かべる兵士であったが、ゆっくりと顔をあげたシーカーの澱んだ瞳を見てゾッとする……まるで深い闇を覗き込んでいるかのような感覚に囚われた彼は、身じろぎ一つ取ることもできず、目の前でシーカーが刀剣を振り上げるのを黙って見ているしかなかった。

 ハッとする頃には、その鋭利な刃が振り下ろされ、その兵士は何が起きたのかも分からないうちに胴体をバッサリと斬り裂かれ絶命した。

 

「や、やろう……! ぶっ殺せ!」

 

 仲間の死を目の当たりにした兵士たちは怒号をあげて、一斉に銃を構えて引き金を引く。その瞬間、シーカーは素早く移動してその姿を廃墟の中に消した。喚き声をあげて兵士たちが遮蔽物を飛び出すと、シーカーは廃墟の上階から飛び出し、眼下にいた兵士の頸部に刀剣を突き刺して強引に振りぬいて殺害した。

 目の前にいた海兵隊兵士が雄たけびをあげて引き金を引くのに対し、シーカーは手をかざす…彼女のESP能力の一つであるサイコキネシスによって動かされた鉄筋が勢いよく飛んでいき、兵士の顔面を刺し貫いた。

 

「くそ、クソクソ! 化物めッ!」

 

 シーカーに向けて銃を撃つがいずれも狙いが逸れて当たらないか、あるいは見えない何かに阻まれる。時にシーカーは死体を盾代わりとして用い、一気に接近し敵を惨殺…あるいはライフルより放つレーザーの一撃で敵を粉砕する。

 実弾も、エネルギー兵器も通用しない相手に海兵隊たちは狼狽し大混乱におちいっていた。

 そんな海兵隊たちを、シーカーは一人一人確実に殺していくのだ。

 

「なんだ、何なんだお前は! くそが!」

 

 弾切れになったアサルトライフルを投げ捨てた兵士が、ホルスターの拳銃に手を伸ばそうとした瞬間、シーカーが投げた刀剣が兵士の腕を斬り裂いた。痛みに喚く兵士を蹴り倒し、拾い上げた刀剣で兵士の喉元を斬り裂く……勢いよく飛び散った血液が、彼女の美しく白い髪を真っ赤に染めていく。

 全身を返り血で染め上げ血に濡れた刀剣とライフルを持つ姿はさながら幽鬼のようであり、兵士たちはその姿に本能的な恐怖心を抱く……そして兵士たちの恐怖心を感じ取るシーカーは、より冷酷になっていく。

 

「ま、待て! やめろ! ぐああぁぁあ!!」

 

 顔面を切りつけられ、両目を失った兵士が喚く。両目を失った兵士の胸倉を掴みあげるシーカーは強引に引き立たせると、刀剣を握る右腕を振り上げる……刃が振り下ろされようとしたまさにその時、一筋の閃光がシーカーの右腕を貫き刀剣を握る右腕が地面に落ちる。

 肩の先から消えた自身の腕を訝し気に見つめるシーカー、次の瞬間傷口よりおびただしい血が流れ出る…。

 

 

「やあやあベイビー、好き放題殺しまくってくれたじゃないか。そろそろ一方的な殺戮は止めにしてくれないか?」

 

「マーカス少佐……」

 

「おぉ、おっかない目をしてるな……まるで悪鬼だ、可愛さの欠片もない。リトルデビル程度なら可愛がってやっただろうが、手のつけられないリヴァイアサン(怪物)を放っては置けないだろう?」

 

 散々仲間を殺してくれたシーカーの髪を掴みあげて引き立たせる。マーカス少佐は血に濡れた彼女の顔をきれいに拭いてあげた上で、おもいきりその顔を殴りつけた。倒れたシーカーの腹部を蹴り上げ、激しくせき込むさまをマーカスは楽しそうに笑いながら見下ろす。

 

「海兵隊は捕虜をとらないのが伝統でな、オレの爺さんやその爺さんもベトコンやジャップをよく嬲り殺してたらしい。暴力こそが人間の本質だ、ある哲学者は言った…"平和とは人間の関係にとって不自然な状態である"とな。シーカー、自分を偽る生き方に何の価値もない…世界はありのままでいい、そうだろう?」

 

「ふ………はは……」

 

「何を笑っていやがる」

 

 うずくまるシーカーは小さな笑い声をこぼしながら、ゆっくりと起き上がる…片腕を損失した彼女はおぼつかない足で立ち上がると、彼女はマーカスに向けて笑みを向けて見せた。

 

「はは、楽しいかい……マーカス少佐? お前の遺言にしては、情けないものだな…」

 

「減らず口を、女を殴りつける趣味はないが……お前が苦しみに満ちた表情を浮かべるのは、オレに安らぎを感じさせてくれそうだな!」

 

 立ち上がったシーカーに対し彼は拳を振り上げて殴りかかる。だがその拳をシーカーは無事な左腕で受け止める、彼女も単純な腕力ではサイボーグ兵士にひけをとることはない。だが片腕では圧倒的に不利だ、そう思いマーカスは笑い声をあげるが…。

 

「なに笑ってるんだよ少佐…」

 

「あぁ…?」

 

 不敵な笑みを浮かたシーカーは失ったはずの右腕に力を込める、力を込めたことで出血は増す…だがそこへ周囲の金属片や瓦礫などが集積し機械の腕を形成、その光景に目を疑っているマーカスに対し新たに造り上げたその腕で強烈に殴りつける。

 吹き飛ばしたマーカスを鼻で笑い、シーカーは右腕の義手を見つめる……廃材が集まっただけの義手から無駄な部分を取り除き、より精巧な形に整えていく。繊細な指先の操作が可能になる義手を造り上げた彼女は満足げに笑みを浮かべると、薄ら笑いを浮かべてマーカスを見下ろした。

 

「化物め……!」

 

「化物? そうかもな……お前らの惨めな魂をいくら狩ろうが彼女の哀しみは癒せないだろうな、だからお前たちは一人残らず根絶やしにすることにしよう。我が親友の死は、貴様らの命で償ってもらう」

 

「ただでやられると思うなよ小娘が…!」

 

 立ち上がり、武器を構えたマーカス少佐……そのすぐそばで、シーカーに打ち倒された海兵隊の仲間たちがよろよろと起き上がる。まだ仲間たちは健在だ、部隊と連携すればこの化物相手でも対処できるとマーカスは思っていた……だが、起き上がった仲間の姿を見た彼は言葉を失った。

 起き上がった兵士は首から上がなくなっていたのだ……他の立ち上がった兵士たちも同様に、胴体に穴をあけられていたり、頭を刺し貫かれて死んだはずの者ばかりだ。

 いくらサイボーグといえども、生身の脳を破壊されては死を免れないはずだというのに…。

 

 

「貴様……シーカー、貴様一体何をした!?」

 

 

 怒りと恐怖の入り混じった声で彼は叫ぶが、シーカーは変わらず薄ら笑いを浮かべているだけだった…そうしていると起き上がった兵士の死体がマーカスへと掴みかかる。それを突き放し銃で撃つが、既にその兵士は死んでいる、死体をいくら撃とうが意味はない。

 シーカーの憎悪と怨念が、死者を傀儡として操る……あまりにもおぞましい力を目の当たりにしたマーカスは萎縮し、後ずさる。

 

 

「少佐! 少佐殿、援護いたします!」

 

 

 そこへ、別な海兵隊の部隊がかけつけて襲い掛かる傀儡に向けて発砲する。援軍の到着で我に返ったマーカスは咄嗟にその場から後退し部隊と合流する…。

 

「撤退だ、撤退するぞ! 今すぐこの場から離脱する!」

 

「少佐、あちこちで破壊したはずの人形や装甲兵器が再稼働しています! 何が起こっているのですか!?」

 

「なんだと…!?」

 

 甦っているのは人間の兵士だけではない、破壊したはずの戦術人形や装甲兵器までもが再び動きだしているのだという。そしてそれらもまた不死身といえるような耐久性をもって、兵士たちを追い詰めている。

 

「大尉……あの野郎、全て分かった上でこれを押し付けやがったな…! これも全部計画の範囲かクソッたれめ!」

 

 数の利は、死者たちの群れによってあっという間に覆されていく。

 こんな厄介な仕事を押し付けていった男への呪詛の言葉をまき散らしながら、マーカスはその場を逃走する……だが既に彼の命運は決してしまっていた。

 どこに逃げようとも、逃げ場はない……死者の魂を喰らい膨張していく、ワイルドハントの軍勢からは逃れられない…。






腕をそこらの廃材で再生……島鉄雄かな?


シーカーのESP能力の膨張が止まらない……でも力が強くなればなるほど、その命は…

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