METAL GEAR DOLLS   作:いぬもどき

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一見適当なサブタイトルだけど、ネコ語だと凄まじいタイトルなんです(迫真)


うにゃーお!

「――――と、言うわけで。ハンターの治療費及び救助活動費、保護対象の食糧費云々その他もろもろ諸経費と日頃の感謝代として50万GMPを請求するぞ」

 

「いや、色々助けてもらったのは嬉しいがいくら何でも法外過ぎじゃないか?」

 

「ほほう、ならおぬしがうちの軍門に下るというならタダにしてやってもいいぞ?」

 

「勘弁してくれ…」

 

 先日、ハンターがアフリカで遭難者の救助活動中に未知のモンスターと遭遇した件に関連して、遭難者やハンター含む部隊の救助に手を貸してくれたウロボロスは、法外な金額を記載した請求書と共に意気揚々とマザーベースにやって来た。

 この手の輩は返り討ちにしたいところだが、今回ばかりは全面的に助けてもらったばかりにスネークは強く言うことが出来ない。こう言う時オセロットがいればいいのだが、生憎今は不在だ。

 

「頼むからもう少し安くしてくれないか?」

 

「なにをケチくさいことを……おぬしら散々稼いでいるんだろう? 50万くらいポンと出せるだろう?」

 

 副司令のミラーも一緒になって交渉にかかるが、ウロボロスの自惚れは留まることを知らない。

 一緒にやって来たフランク・イェーガーも少しは口を出してくれればいいのだが、少しも干渉してきてくれない。

 

「よーし分かった、20万に値下げしてやる」

 

「おぉ!」

 

「その代わりサヘラントロプスを寄越せ」

 

「そんなの無理に決まってるだろう!」

 

 ウロボロスのとんでもない要求をミラーはもちろん突っぱねるが、そうするとまた振りだしに戻ってしまう。

 自らは一切妥協せず、大金をむしり取ろうとする彼女にさすがのミラーも押され気味だ。

 この成り行きを見守っているエグゼなどは呆れながら眺めている…そして言う"あんなんだから友だちいないんだよなぁ"と。

 

 平行線をたどる交渉に耐えかねて、スネークはこっそりフランク・イェーガーに仲裁を頼み込むが、彼は難色を示す。

 

「手助けしたいところだが、難しい。あいつの機嫌を損ねると、なかなか元に戻らないんだ」

 

「苦労は分かるが、こっちとしてもあんな要求は呑めない。何も金を払わないと言ってるわけじゃない、お互い納得できる条件があるはずだろう?」

 

「うむ……少しやってみるが、期待しないでくれ」

 

「感謝するよ」

 

 フランク・イェーガーとしても、このまま放っておくと埒が明かないのは分かり切っていたし、あまりウロボロスにダサい態度を続けさせたくはなかった。調子に乗ってミラーにたたみかけるウロボロスに、フランクはなるべく事を荒立たせず、機嫌も損ねないように仲裁に入った……つもりだった。

 フランクが間に入った瞬間、ウロボロスはあからさまに不機嫌なオーラを纏う。

 さっきまでのにやけ面が一瞬でしかめっ面に変貌し、彼女の攻撃対象が瞬時に自分に向いたためにフランクは狼狽える。

 

「おぬし、どっちの味方だ!」

 

「もちろんお前の味方だが…その請求は無茶だ」

 

「わたしとMSFと、どっちが大事なんだ!」

 

「何故そうなるんだ…」

 

 ヒステリックを起こしたウロボロスに、一瞬でフランク・イェーガーは追い込まれる。

 いつもは素直でかわいらしい妹分に思っているが、他人が絡むといつもこうなる…騒ぐウロボロスはもう手がつけられない。落ち着かせようとするフランクの手を払いのけ、ウロボロスは目に涙を溜めながら彼を指差し怒鳴りつける。

 

「ばか!あほ!まぬけ!裏切り者!お前なんてもう知るか、二度と帰ってくんな!」

 

 思いつく限りの罵声を浴びせかけた後、ウロボロスはさっさとヘリに乗ってマザーベースを飛び立って行ってしまった。フランクの介入のおかげで、ウロボロスの請求はびた一文払うことなく済んだが、なんとも後味の悪い空気が残された。

 一人残されてしまったフランクには、スネークやミラーも謝るしかなかった。

 

「なんというかその…すまない」

 

「いいんだビッグボス……どうせしばらくしたら、アイツの方から寂しくなって迎えに来る。前も似たようなことがあったからな」

 

「お前も苦労しているんだな」

 

「自慢のおてんば娘だ。やりがいのある仕事だよ」

 

 何はともあれ、行き場のなくなってしまったフランクには、ウロボロスが迎えに来るまでマザーベースの宿舎を貸してあげることとなった。ウロボロスの請求もゼロになったので、あえて代金を請求することは無い。

 落ち着いたところでフランクは、折角だからかつての弟子のハンターの様子を見に行きたいというので、スネークは彼をハンターのもとに案内した。

 ハンターはモンスター"ナルガクルガ"との戦闘で受けた負傷も癒え、今は研究開発棟でアーキテクトの開発に携わっていた。二人がいる研究所に向かうと、ちょうどアーキテクトとハンターが新兵器の試射を行おうとしていたところであった。

 ハンターが手に持っているのは、漆黒の弓だ。

 それには見事狩猟に成功したナルガクルガの素材が使われたものらしく、アーキテクトとしても挑戦的な開発だったようだ。弓につがえる矢も専用のもので、放たれた矢は厚さ数十ミリの鉄板を貫通させた。

 

「元気そうだな、ハンター」

 

「フランク? 来ていたのか?」

 

「ウロボロスに見捨てられてな。少しの間こっちで世話になりそうだ」

 

「そうなのか。歓迎するよ、フランク」

 

 ハンターはかつての師に小さく笑いかけ握手を交わす。

 

「アーキテクトも久しぶりだな。元気だったか?」

 

「おかげさまでね! ねえねえ、それよりさ…ハンターの新しい装備どうかな? あのモンスターの素材を使ってみたんだよね!」

 

 アーキテクトに言われて、再度ハンターに目を向ける。

 ナルガクルガの素材を用いた柔軟かつ強固な防具…と言うのがアーキテクトの言い分だが、防具にしては露出が多い。お腹周りはがら空きだし、脚部も網タイツにレガースのみという外見。まあ、アーキテクトが大丈夫だというので大丈夫なのだろう。

 場所を変えて話でもしようかとしていたところ、そこへ困った様子のヘイブン・トルーパー兵が数人駆けつける。

 何かあったのかと尋ねると、彼女たちはなにやら困惑した様子でとにかくついてきてほしいと言うので、とりあえずついて行く。

 

 彼女たちについて行った先で見たのは、ゆうに100匹近くはいるであろうネコの姿が…それもただのネコなどではない、二本足で器用に立ってうにゃうにゃ話すネコ、つまりアイルーたちだ。

 

「これは一体、どういうことだ?」

 

 いつの間にか現われた100体近くのアイルーに戸惑うスネークは、とりあえず近くで集まるメラルーたちの虜になっているWA2000へ声をかけた…が、メラルーに夢中のようで話を聞いてくれない。

 仕方がないので、一応冷静そうなスプリングフィールドに声をかけた。

 

「なにがあったんだ?」

 

「あ、スネークさん。実はあの子たちがいかだで漂流しているのを見かけて救助したんですが、その……何を言ってるのか分からなくて……スネークさんは、ネコ語を話せますよね?」

 

「任せろ」

 

 現地語の習得は諜報の基本、ということで群がるアイルーたちに声をかけた…が、100体ものアイルーがまとまりなく一斉に話しかけてきては流石のスネークも翻訳しきれない。すると、アイルーたちの中から見覚えのあるネコ…トレニャーが飛び跳ねる。

 

「トレニャーじゃないか! 今日は一体どうしたんだ?」

 

「うにゃー! うにゃにゃーお、にゃー!」

 

「ほうほう」

 

「にゃー……んにゃーお!にゃーお!にゃー!」

 

「そうか、それであのモンスターがアフリカに…」

 

「んみゃー! うにゃにゃ、うにゃーお?」

 

「事情は理解した、オレたちに任せろ」

 

「にゃー!」

 

 トレニャーとの対話を終えてスネークが戻ってくるが、スプリングフィールド含め会話を見守っていた者たちの表情が引き攣っているのは気のせいだろうか?

 

「トレニャーの話によると、怪物の島でモンスターが暴れ出して、そのうちの何体かが島を出て外界で暴れまわっているらしい。島の混乱を避けるためにも協力して欲しいらしい」

 

「そ、そうですか……あの、ネコ語お上手ですね?」

 

「コツを掴めば簡単だ。だがあんな強大なモンスターが複数相手にするとなると…うちだけでは厳しいな。手助けが必要だ」

 

「ビッグボス、オレが手を貸そう。ウロボロスの協力は期待できそうにないがな」

 

「感謝するフランク」

 

「フランク、あなたの手助けがあれば心強い」

 

「どれだけ成長したか見させてもらうぞ、ハンター」

 

 ハンターは自信に満ちた表情で微笑む…ナルガクルガとの戦闘は、彼女の戦闘技術を更なる高みへと押し上げた。 

 弟子の成長を喜ぶとともに、その弟子がいつかライバルとして成長してくれるのではという期待感もフランクの中に高まりつつあった。

 

「うにゃー!にゃーお!」

 

「そうか、分かった。そいつらを狩猟すればいいんだな?」

 

 トレニャーは島から出ていったモンスターは、混乱がおさまりさえすれば島に戻ってくると言い、混乱を巻き起こす以下のモンスターの狩猟をスネークに依頼する。

 

【黒狼鳥イャンガルルガ】、【黒轟竜ティガレックス】、【つがいの竜リオレウスとリオレイア】、【雷狼竜ジンオウガ】。

そしてトレニャーが最も警鐘を鳴らすモンスター【怒り喰らうイビルジョー】




バトルするモンスターのラインナップ決まりました。
コラボ参戦者の皆さま、どうぞよろしくお願いします……ティガレックスとリオレウスに関してはPWのコラボで戦闘があるので、参考にしやすいですね(他?知らん)

怒り喰らうイビルジョーとか…どう考えてもG級個体なんだが…グレイ・フォックス参戦してくれるしまあいいか。


※ハンターさんの装備のビジュアルは白疾風装備です、エッチでとってもかっこいい!

コラボ参加者のみなさんへ↓追記がありますのぜ!
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=233281&uid=25692

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