METAL GEAR DOLLS   作:いぬもどき

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緊急クエスト:沈め掻臥せ戦禍の沼に 乱戦

 恐暴竜イビルジョーの襲撃は全く予期していない事態であった。

 かのモンスターと対峙したスネークたちは地下深くに爆薬で埋めて死んだと思っていたが、そうではなかった…怪物の島の生物の中でもとりわけ生命力が高く、人が考える常識など通じる相手ではなかった。確実に殺したと判断するのならば、首を落とすなり確実な確認をするべきだった。

 だが今は悔やんでいる場合ではない、散らばるイーオスやガブラスをその巨大な口で捕食しつつ、イビル―ジョーはMSFが設営した防衛線に躊躇することなく突っ込んできた。

 

「あーもう! 来たらいきなりこんな相手と戦わせられるなんて! 戦車隊、照準を合わせなさい!」

 

 モンスター相手に効果はさほどないが、掘った窪みに戦車を隠しハルダウンしたFALの戦車隊。

 FAL専用の重装戦車マクスウェルは今回持ってきていないので、やや旧式の戦車を並べ対峙する。

 照準器の中におさめたイビルジョーの姿は、あふれ出る龍属性エネルギーのどす黒いオーラで覆い尽くされており、黒い瘴気の中から妖しく光る眼が見える。予備知識がなければ、地獄から這い上がってきた悪魔だと錯覚していたことだろう…。

 

「用意…撃てッ!」

 

 FALの号令で、戦車隊の主砲が火を吹いた。

 豪雨と暴風の中で主砲の狙いはブレ、機敏に動くイビルジョーに対する命中弾は少ない。だが数少ない有効打が見られ、戦車砲の強力な一撃によりイビルジョーの肉体が一部はじけ飛ぶ。

 だがそれでも、イビルジョーは止まりはしなかった。

 戦車たちの指揮をしているのがFALだと察したのか、あるいは偶然か、イビルジョーが猛然とFALめがけ向かってくる。次弾の装填を指示するが、イビルジョーの接近の方が早い…咄嗟に戦車を脱出した瞬間、イビルジョーは頭部を叩きつけて強固な戦車を破壊した。

 たちまち戦車は炎上、内部の砲弾に引火し爆発を起こす…その影響でFALの身体が吹き飛ばされ、塹壕の中に転がり込む。

 それを追って、イビルジョーが塹壕の中のFALを捕食しようと喰らい付く…塹壕の穴は狭く、イビルジョーの牙は届かないが、盛り上げた土ごと喰らおうとする。塹壕の中を這って退避しようとしたが、イビルジョーの口内からまき散らされた唾液が肩に振りかかると、途端に灼けつく様な痛みを感じ悲鳴をあげた。

 

「くっ……こんな、独身のままで死ねるか!」

 

 塹壕の中からイビルジョーに向けて銃を乱射したが、ほとんど効果はない。

 突然、イビルジョーが上体を起こし、口を大きく開きFALに狙いをつける…塹壕の土ごと強引に叩き潰そうとしていることは咄嗟に分かったが、回避は間に合わない。やけくそとなったFALはありったけの銃を乱射しようとしたが、突然身体を引っ張られイビルジョーの凶牙から逃れられた。

 FALを咄嗟に救ったその人物は、軽い身のこなしで塹壕を逃れると、FALをお姫さま抱っこで抱えたままイビルジョーを見据える。

 

「あれがモンスターか? 悪魔だと言われても疑わないな」

 

「ちょっと、あんた誰よ!? 勝手に私の身体に触らないで、ちょっと誰か! 痴漢よ!」

 

 暴れるFALをやれやれと呆れながら彼はゆっくり下ろす。

 散々暴れまわった後でFALは自分を助けてくれた相手を見て一言。

 

「あら、イケメンさんじゃない。もしかして私を口説きに来たわけ?」

 

「何を勘違いしてるか分からないが……【ギルヴァ】だ、MSFの要請に応じて駆けつけてきた。あいつらがターゲットだな?」

 

「まあ、それは置いといて…これ、私の個人的な電話番号よ。いつでもかけて来てくれていいけど?」

 

「言ってる場合かこの独女!」

 

 さりげなく電話番号を書いたメモを彼に手渡そうとしたところで、相棒のVectorが颯爽と駆けつけ、FALの後頭部をひっぱたく。VectorはFALを自分の後ろに遠ざけると、ギルヴァを鋭い目つきで睨みつけた。

 

「言っておくけど、FALにちょっかいかけたら……!」

 

「あんたらの事情は分かった。関わるつもりはないよ……で、どっちからやればいいんだ?」

 

 ギルヴァはイビルジョーと、迫りくるゴグマジオスを交互に眺めて尋ねる。

 その時、ギルヴァの背後からイーオスが跳びかかろうとしたのを見てVectorは声をあげようとしたが、彼はリボルバーを引き抜くと、背後から跳びかかるイーオスに向けて振り返ることなく弾丸を叩き込んだ。大口径の弾を首筋に受けたイーオスの頭部は千切れとび、地面に崩れ落ちる。

 

「JACK POT……と言うには、当たりが弱いな」

 

「腕に相当自信があるんだね。まあとにかく、どっちでもいいからやっつけて! FAL、あんた何してんの!?」

 

「ようやく独身を卒業できるチャンスなの! 邪魔をしないで!」

 

「死ね独女! アンタはあたしが引き取らなきゃ一生独女に決まってる! ほら行くよ、ゴグマジオスが来る!」

 

「あぁ! せめて電話番号だけでも教えさせて――――」

 

 

 

 

 

 

 

 FALたちがふざけていようといまいと、ゴグマジオスの進撃は止まりそうになかっただろう。

 木々を薙ぎ倒しながら進むゴグマジオスは、餌となる火薬の匂いが要塞の奥から放たれていると感付き、そしてそこにはいっぱいの火薬が存在することに気付いていた。鉱物に混じるわずかな硫黄より、はるかに上質な火薬の味をしめたゴグマジオスは、すっかりこの土地を気に入っていた。

 だがその餌場にたどり着く前に、些細な障害を片付けなければならない…。

 自分を止めようとする人間や人間たちが集まっているのを見て、ゴグマジオスは小さく唸る。

 

 要塞のあちこちに設置された火砲のそばには餌となる砲弾が転がっているが、それを食ったところで微々たるもの…人に置き替えたらパンくずを拾って食べるようなものだった。

 故に、ゴグマジオスは転がる砲弾や爆薬には見向きもせず、自分に向けられた火砲ごと破壊しようとする。

 

 ゴグマジオスの身体から垂れ落ちるどろどろとした液体"超重質龍骨油"は可燃性であり、ゴグマジオスの全身を巡る力の源だ。同等の量の水と比較し、重い質量の龍骨油を体内で圧縮し、激流のように吐きだし立ちはだかる人工物のことごとくを木端微塵に吹き飛ばす。

 まき散らされた龍骨油に火が降りかかると着火し、要塞のあちこちで火災が起こる。

 激しく燃え盛る炎は、嵐による暴風で瞬く間に広がっていく……油の燃焼によって発生する有毒な空気が塹壕内へと広がっていき、そこに隠れるMSF兵士たちは退却を余儀なくされる。

 

 応援としてこの防衛線にやって来た【アリス】は、到着するなり予想を超えた混戦を目の当たりにする。

 

「タイミングが悪かったなごつい装備のにーさん、むやみやたらに撃たないでくれよ? あちこち重油だらけで引火したら一発アウトだ。その……オレたちに気を遣うつもりがないってんなら話は別だがな」

 

「キッドと言ったな、オレがそんな無遠慮な人間に見えるか? 何か打つ手を考えよう」

 

 あちこちに巻き散らされたゴグマジオスの龍骨油に引火して巻き起こる火災は、暴風によって予測不能な広がりを見せる。いくつかの砲台が炎にのみ込まれ、砲弾が炸裂することで大爆発を引き起こす。

 要塞奥の砲台は未だ健在で、ゴグマジオスに向けて砲撃がなされているが、正規軍の装甲兵器を油で絡めとったゴグマジオスには効果が薄い。ゴグマジオスは砲撃に対し姿勢を低くし、砲弾の入射角を意図的に浅くすることで避弾経始の効果が得られることを本能的に理解していた。

 

「なあキッド、あれを見てみろ。あのデカブツの腹の下だ」

 

「いかした腹筋だ」

 

「そうじゃない! あそこに装甲が薄い箇所がある、オレならこの炎の中を突破できる。腹下から全弾叩き込む」

 

「良い考えだ。もし死んじまったら、特別報酬を払ってやるよう掛け合ってやる」

 

「死ぬつもりはない。だが成功したら特別報酬のことは考えておいてくれ」

 

「任せろ、援護射撃だ野郎ども! あいつを死なせるんじゃねえぞ!」

 

 岩陰から飛び出し、キッドたちは周囲に群がるイーオスやガブラスの群れに向けて発砲し、アリスのための道を開く。燃え盛る炎の熱が予想よりも高く、アリスのアーマーが警告を知らせる。だが彼は危険を承知でブースターを起動し、一気にゴグマジオスの懐へと潜り込む。

 要塞の奥に目を向けるゴグマジオスは、アリスが懐へ潜り込んだことに気付いておらず、がら空きの腹部にガトリングの連射を受けると初めて苦痛の声をあげた。

 追撃のため、さらに懐へと潜り込もうとした時だった……ゴグマジオスの巨体が突然、ふわりと浮いたかと思えば、アリスの真正面にゴグマジオスの巨体が降り立つ。

 

「あの巨体で跳んだだと!?」

 

 あれほど巨大な身体をしていながら、より小さいモンスターと同等の身軽さでバックジャンプができるなど誰が予測できただろうか。

 バックジャンプ直後、ゴグマジオスは攻撃してきたアリスの姿をその目に映すと、後脚で大地を力強く踏みしめ猛然と突進してくる。接触の瞬間、ゴグマジオスはその大きな上体をあげ、強靭な一対の翼脚を叩きつける。

 凄まじい一撃に大地が揺れ、翼脚が踏みしめた箇所では地面が盛り上がる。

 予想以上の威力に、アーマーを着こむアリスはかろうじて回避しつつも衝撃にバランスを崩す。

 

「次はなんだ!?」

 

 一対の翼脚を支えに、ゴグマジオスは後ろ脚で立ち上がる。

 直立するゴグマジオスの姿はまるで一つの城の如き様相だ…アリスがついた腹部の弱点は、いつの間にか流動する龍骨油によって覆い隠されてしまい、同じ手は通用しない。

 ふと、付近で生き残っていた火砲が立ち上がったゴグマジオスに向けて砲撃を放つ。

 真正面から放たれた砲弾は先ほどまでのように弾かれることは無く、着弾と同時に爆発を起こす…が、それでも着弾箇所は分厚い城殻の上であり、大きなダメージを与えるには至らなかった。

 

 砲撃をしてきた砲台を向いたゴグマジオスは大きく息を吸い込むと、その口内が熱を帯び橙色に光る…次の瞬間、砲台に向けて強烈な熱線が放たれる。圧縮された龍骨油に高熱の火炎粉塵が混ぜ込まれたその熱線は、着弾点で一気に誘爆、驚異的な破壊力の大爆発を引き起こす。

 単純な火炎による破壊以外に、大爆発によって発せられる衝撃波により、爆破範囲にいなかったヘイブン・トルーパー兵をも圧死させてしまう。

 

 まるでサーモバリック爆弾だ…ゴグマジオスの驚異的な攻撃を目の当たりにしたキッドがそう言った。

 

「おいおい、聞いてないぞこんなの! アリス、一旦撤退だ!」

 

「いや、ここで退いたところで何も変わりはしない! 攻撃を続行する!」

 

「おい、アリス! ちくしょう、助っ人が命を張ってるのにオレが引っ込んでられるか!」

 

 キッドは塹壕から這い出ると、残されている砲台に滑り込む。

 生き残ったヘイブン・トルーパー兵もそこへ集まり、砲撃のための動作を手伝う。

 

「100年以上前の280mm臼砲だ、こんな時くらいしか使い道はねえよな!」

 

「キッドさん、ダメです! 砲弾が重すぎてウインチなしでは持ちあがりません!」

 

「気合で持ちあげるぞ! いいな、オラァ―!」

 

 キッドをメインに、ヘイブン・トルーパー兵5人がかりで砲弾を抱えあげ装填、砲身を旋回させてゴグマジオスを捉えようとする…が、アリスの攻撃で頻繁に動くようになったゴグマジオスを照準におさめることは困難であった。

 アリスが機動性を武器にゴグマジオスの注意を引いているが、同時に狙いにくくなっている。

 狙うから足を止めろということもできず、キッドは一か八かの賭けで命中させてやろうと考えていた……その時、セヴァストポリ沿岸の海から大きな水しぶきが上がる。そこから現れたまるで蛇のような長い体を持った大きな竜。

 また新手のモンスターかと思い、兵士たちは火砲を向けようとしたが、兵士たちの無線に声が届けられる。

 

『撃つな!S地区応急支援基地より加勢に来た!』

 

 よく見れば、竜の首にはスピーカーのようなものが取り付けられていた。

 援護のために駆けつけた竜【リヴァ】をゴグマジオスも視認、さらにそこへ満身創痍ながら微塵も戦意を衰えさせていないイビルジョーが駆けつける。

 

「ちくしょう、あのイビルジョーとか言うやつタフすぎるな」

 

「ギルヴァ! これ、私の電話番号! 受け取ってよ、ねえ!」

 

「いい加減にしなさい独女! アンタがしつこくしてなければアイツが今頃倒してたのに!」

 

「うるさい! もう独女って呼ばれるのはまっぴらよ! 結婚して専業主婦になってぐーたらするのよ!」

 

「そんなんだからいつまでも貰い手いないんだよバカ!」

 

 ぎゃーぎゃ喚く二人を放っておき、ギルヴァはイビルジョーを追おうとするが、暴風によって広がる炎がモンスターとの間に障壁として立ちはだかる。

 奇しくも炎の障壁の向こうには、ゴグマジオス、イビルジョー、リヴァの三体が残される。

 体格的にはイビルジョーが最も小さいのだが、決して見劣りしないだけの戦闘力を持つ。

 ゴグマジオスが他の二体に向ける目線とリヴァの目線は似たようなものだが、イビルジョーだけは違った…。

 

『こいつ、私を喰おうとしているのか?』

 

 相手が各上だとか、体格が大きいだとかは少しも関係ない。

 イビルジョーにとって、目に映る全ては己の食欲を満たすためだけの餌に過ぎない…飽くなき飢餓感により凶暴性はますます増していき、イビルジョーは溢れる龍属性エネルギーをまき散らしながらリヴァへと向かっていく。

 一方、ゴグマジオスにとってイビルジョーもリヴァも優先して倒すべき相手ではないと判断し、視線を再び要塞へと向ける。

 動きだしたゴグマジオスに危機感を感じたリヴァは、向かってくるイビルジョーをあえて無視、要塞に向けて進もうとするゴグマジオスへと体当たりを仕掛けた。超大型の体躯を持つ者同士、ぶつかった瞬間凄まじい衝突音が鳴り、側方面から体当たりを受けたゴグマジオスは初めて地面に倒れ伏す。

 そのまま追い打ちをかけようとするが、リヴァの長い体を一気に駆け上がっていったイビルジョーが背後から胴体に喰らい付く。

 無数の鋭利な牙と強酸性の唾液が、リヴァの身体を侵食し、力任せにイビルジョーが肉を喰いちぎろうとする。

 そこへ、起き上がったゴグマジオスが吼え、リヴァとイビルジョーの二体に対しまとめて体当たりを仕掛けて弾き飛ばす。ゴグマジオスの体当たりによって肉を喰いちぎられることは避けられたが、ゴグマジオスの体当たりもまた大きな威力を誇る。

 

 ゴグマジオス、イビルジョーの二体の視線が自分を向き、完全にマークされたとリヴァは悟る。

 ふと、炎の向こうでちかちかと光が明滅しているのを見る…砲台に立つキッドがライトをモールス信号のように点灯させ合図を送っていたのだ。

 

(ゴグマジオスの動きを止めろ、か……結構難しいな)

 

 イビルジョーに噛まれた箇所は強酸性の唾液によりダメージが残っており、その状態で挑むのはなかなかに酷だが、自分しかこの劣勢を覆せる者はいないと考えると不思議と力がみなぎってくる。

 

『行くぞ、ゴグマジオス』

 

 向かってくるイビルジョーを再度無視し、再びゴグマジオスへと向かっていく。

 互いに身体をぶつけあう…身体の骨が軋むような衝撃に耐えながら、リヴァはその長い身体をゴグマジオスに巻きつけて動きを封じ込める。

 

 今だ、そう合図するように天を仰ぎリヴァは吼える。

 

 それに呼応して、キッドは280mm臼砲を発射した。

 耳をつんざく轟音と共に超重量の砲弾が発射され、ゴグマジオスの顔面に直撃し炸裂した。

 リヴァが拘束を解くとゴグマジオスは叫び声をあげながら地面に崩れ落ちる。

 

 リヴァは油断せず、すぐさまイビルジョーへと目を向けるが、付近にイビルジョーの姿がない…周囲を見回し見つけたイビルジョーは、ゴグマジオスへと狙いをつけていた。起き上がろうとするゴグマジオスの首筋にめいいっぱい口を開いて喰らい付く。

 溢れる龍属性エネルギーも合わさり、ゴグマジオスは今まで見たことのない苦しみ方を見せる…。

 のどに喰らい付かれたゴグマジオスの首をそのまま喰いちぎろうとしているのだろう、イビルジョーは腰を落とし力を込めていた。

 

 誰もが立ち尽くし、その様子を見ていた。

 

 規格外の戦いに、誰もが声を失っていた。

 

 しかしゴグマジオスは一対の翼脚で地面を踏みしめると、空いた前脚でイビルジョーを捕まえる。

 そして上体を起こしてイビルジョーを浮かせると、勢いよく地面に叩きつけた…それでも離さないイビルジョーを何度も、執拗に叩きつける。それに耐えかねて口を離したイビルジョーを翼脚で叩きつけると、そこをつたって龍骨油がイビルジョーの身体にまとわりつく。

 イビルジョーを押さえつけたまま、薙ぎ払うように翼脚を振るう。

 翼脚の爪と地面との摩擦熱で龍骨油が熱を帯びて発火、爆発を起こしながら引きずられたイビルジョーの肉体が抉り飛ばされる。それでも微かに動くイビルジョーの身体を、翼脚で力強く叩きつけ、今度こそその息の根を止めた。

 

 

 イビルジョーを絶命させたゴグマジオスは息を荒げ、その口からは黒い煙が漏れる…いや、口内からだけでなく、背中からも黒煙が立ち込める。身体にこびり付いた龍骨油が熱せられ、より滑らかに垂れ落ちていく…。

 今まで垂れ落ちるだけだった龍骨油が、落ちたところで爆発した。

 一対の翼脚を支えに立ち上がったゴグマジオスは、大きな咆哮を要塞中に轟かせると、それまで固まった龍骨油で広げることのできなかった翼脚を大きく広げて見せる…。

 

 今まで大地を踏みしめるだけだった翼脚を力強く羽ばたかせ、巨戟龍ゴグマジオスは空へと飛翔した。




……なんだこいつ…?


まあ、まだヤーナムの狩人さんも控えてるしへーきでしょ(震え声)
無茶いうなって声も聞こえてきそうですが…。



次回、【飛翔】お楽しみに!

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