それでは今回もよろしくお願い致します。
とりあえず、深雪には奉仕部に入ったきっかけを全て話した。
「なるほど、経緯は分かりました。お兄様」
「ほっ.....」
「なら、深雪もお兄様の部活に入部します」
「はい?」
「お兄様が可愛い先輩方に口説くことがないように見張るためです」
「いや、俺は....そんなつもりは」
深雪は、とんだ誤解をしているようだ。
「あら、嬉しいことを言ってくれるわね」
「えへへ...可愛い」
お前ら...顔が緩みすぎだ。
「入部届を書きに職員室の平塚先生に行きましょう。お兄様」
「本当に入部する気なのか?」
「はい。そうすればお兄様と一緒にいられる時間が増えますから」
「そうか.....という訳で、俺と深雪は職員室に行くから2人は先に帰っててくれ」
「分かったわ」
「じゃあ、また明日ね!」
「おう」
雪ノ下達と別れ、職員室に向かった。
「確かに入部届は受け取った。改めて、私が奉仕部の顧問の平塚だ。そして、奉仕部の部員は5人となった」
「部員は私とお兄様、雪ノ下先輩と由比ヶ浜先輩こ4人ではないのですか?」
「もう1人いる。3年生にな。詳しいことは比企谷に聞くといい」
「分かりました。明日からよろしくお願い致します」
「うむ」
職員室を出て、昇降口へと向かう。
「お兄様、もう1人の部員の方はどなたなのですか?」
「あ....多分、深雪も知ってる人だ」
「私が知っている人....」
「ヒント、学校内ではかなり有名な人だな」
「なるほど....分かりました。生徒会長さんですね」
「そう。生徒会長の七草先輩が奉仕部の部長をやってる」
「お兄様は両手に花以上の事をしているということですね」
「そんな訳ないだろ。肩身が狭い。男子部員が入ってくれるといいんだけど...中々入ってくれる人がいないんだよなぁ.....」
「そんな事情があったのですね。なら、私が毎日部活の時にお兄様を癒してあげますね」
「それはせめて家だけにしてくれ」
そんな現場をあいつらや会長さんに見られたらとんだ騒ぎになる。
「分かりました。家だけにしますね」
「是非、そうしてくれ」
「明日が楽しみになってきました!」
(俺は楽しみじゃないけどな....)
絶対に深雪の絶対零度が発動するに決まっているからな.....
八幡のその懸念が、後日の奉仕部の依頼で的中するとは....今の彼には知る由もない。
翌日の放課後.....
2-Fにて.....
「あれ?深雪さんじゃないか。久しぶりだね」
「葉山先輩、お久しぶりです。お兄様はいますか?」
「ああ。いるよ....呼んできてあげるよ」
「ありがとうございます」
「比企谷、君のプリンセスが迎えに来てるよ」
「あ?プリンセス?」
「比企谷の妹さんだよ」
「最初からそう言えよ。葉山」
「あながち、まちがっていないだろ?」
「まぁ、そうだが....」
「早く行ってあげなよ。プリンセスの元にね」
「へいへい...」
「葉山先輩、ありがとうございました」
「これぐらい大丈夫だよ」
「お兄様、部室に行きましょう」
「そうだな」
部室がある特別棟に向かった。
「お兄様、ここですか?」
「ああ...そうだ」
「うっす」
「失礼します」
俺が先に入り、後から深雪が部室に入る。
「こんにちは、八幡くん。それと貴方が八幡くんの妹さんね。平塚先生から聞いているわ」
「初めまして。お兄様の妹の比企谷深雪です。よろしくお願い致します」
「ご丁寧に挨拶、ありがとう。私が奉仕部部長の七草真由美です。1年間よろしくね」
「はい。それで、この部活は基本的に何をするのでしょうか?」
「生徒の依頼がない場合は好きな事をしてくれて構わないわ。読書とか勉強とか色々ね。私は生徒会の仕事をやっているけどね。時々、八幡くんや雪乃さんや結衣さんにも手伝ってもらってるけど...」
「なるほど、だいたいの部活内容は分かりました」
「それじゃあ、部活を始めましょうか」
そう言って、部活は始まるのだが....依頼はないので、各々のしたい事をする。部長の七草先輩は生徒会の書類処理作業。雪ノ下は授業の復習。由比ヶ浜は携帯をいじり、俺は死に戻りの能力を持つ主人公が登場する異世界モノのライトノベルを読む。青髪の少女が報われなくて悲しかった。時々、俺は涙を流すこともあった。その姿を見た七草先輩はものすごく心配していた。雪ノ下も由比ヶ浜は少し俺の事を心配していた。
今日は4章を読んでいる。レグルスとライは絶対に許さないと心の中で思っていた。
深雪は学校の宿題をしていた。
静かな部室は嫌いじゃない。むしろ心地がいい。入部当初はそうは思わなかったが、今となっては過ごしやすい場所となっていた。
「お兄様、どうかしましたか?」
「いや、何でもない」
「今日も依頼人は来ないわね」
「依頼が無いってことは平和な学校生活が送れている証拠ですよ。七草先輩」
「そうね...八幡くんの言う通りね」
「比企谷くんにしてはいい事を言うわね」
「「しては」は余計だ」
この後も、依頼人が来る事はなく.....最終下校時刻を迎えた。
深雪の絶対零度が発動することもなく平和だった。
雪ノ下と由比ヶ浜とは帰る方向が違うので校門で別れた。
七草先輩とは家が近いため、一緒に帰ることに.....
ちなみに俺が高1の時はほぼ、七草先輩と2人で帰っていた。(部長命令で)
「深雪さん。馴染めそう?」
「はい。皆さん、優しい方なので大丈夫だと思います」
「それなら良かったわ」
「1年前のお兄様はいつも部活の時はどんな感じだったのですか?」
「そうね...依頼のない時の八幡くんはいつも本を読んでいたわね。私が話しかけても本をずっと読んでいたわ。私より本が好きなんだなって思ってショックだったなぁ...」
「いや、あの時は面白い展開だったんで....」
「お兄様、本を読むのもいいですけど....先輩の話も聞いてあげないとダメですよ?」
「はい...」
「ふふっ....立場が逆転してるわね」
「はい。深雪には頭が上がりませんよ」
「羨ましいなぁ....」
「あれ?七草先輩は兄がいましたよね?」
「いるけど、八幡くんや深雪さんみたいに仲良しじゃないから.....」
「あんまり会話とかしないんすか?」
「そうね。あまり、兄さんとは話さないわね。でも、妹達とはよく遊ぶけど」
「なるほど....」
「だから、八幡くんの妹かお姉さんになりたいなぁ...って思った時期もあったかしら」
「何故ですか?」
「八幡くんは優しいイメージがあるし、現に深雪さんも部活中、八幡くんを見ながら嬉しそうにしてたから、私も八幡くんみたいなお兄ちゃんか弟が欲しいって思っちゃった....ダメだった?」
「ダメじゃないですよ。俺も先輩みたいな姉がいたら嬉しいかもしれません」
甘えたい時に甘えさせてくれそうだからな....先輩は。
「....ありがとう」
「痛っ!!」
深雪は俺の足を踏んでいた。
「お兄様?表情が緩んでますよ?」
「...悪い」
「分かればいいんですよ。お兄様」
「じゃあ、私はこっちだからまた明日ね。八幡くん。深雪さん」
「はい」
「明日もよろしくお願いします」
俺と深雪は七草先輩を駅まで見送ったのち別れた。
「お兄様。皆さん、いい人達ですね」
「そうだな。深雪も早く、馴染めるといいな」
「はい。お兄様は....」
「ん?」
「何でもありません。私達も早く家に帰りましょう」
「?」(何を言おうとしてたんだ?深雪のやつ)
「.......」(あの中にお兄様の好きな人はいるのか....なんて聞けません。もしいたとしたら、深雪は嫉妬で心が狂いそうになるかもしれませんから....)
2人はそんな事を考えながら、帰路に着くのだった.....
そして、翌日。奉仕部にある依頼が舞い込むのだった。
....続く
ー 設定 ー
奉仕部メンバーの位置づけですが...
部長: 七草真由美
副部長:雪ノ下雪乃
ETC:比企谷八幡、比企谷深雪、由比ヶ浜結衣
となっております。
次回にて新規依頼が舞い込みます。お楽しみに。
ここまで読んでくれた方々、ありがとうございます。
それでは、次回もよろしくお願い致します。