ペニーワイズにオススメしてほしいシリーズ   作:ソードマンx

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オリジナル展開です。





ペニーワイズがバーチャルユーチューバーをオススメするようです。

「僕の趣味の時間()が!」

 

悲痛の叫びもむなしく、船は下水道へ繋がる穴に落ちてしまった。

ジョージは穴を覗くが、その先はとても暗く、そして狭くて入れそうもない。

 

(またこの下水道の穴かよ…)

 

ジョージが諦めてその場を去ろうと立ち上がったとき。

 

 

 

 

「はい、調子良い?」

 

 

 

 

先ほど見ていた何もなかったはずの穴から、特徴的な(ペニーワイズの)声が聞こえてきた。ジョージは帰るのを止めて振り返った。

ついさっきまで何も居なかったはずの下水道の穴から、ペニーワイズがニタリと笑った笑顔でぬるりと穴から顔を覗かせてきた。

 

 

 

ペニーワイズとジョージは奇妙な仲である。

 

 

 

ペニーワイズもジョージもおかしなヤツだ。

 

いつもこうやって変な場所から急に現れたこのピエロの話を、なんだかんだジョージは聞いている。

ジョージは毎回ペニーワイズがオススメするモノに釣られてしまい、毎回精神が死んでしまうのだ。

どう考えてもジョージにとってペニーワイズとはとても恐ろしいピエロだと思うのだが、何故話すのを止めないのか。

コレガワカラナイ。

 

前前回、ジョージはASMR音声をオススメされ、そのASMRの良さに見事釣られてしまった。

さらにその次の、つまり前回ではこの小説の元ネタ動画をオススメされ、動画制作に釣られてしまい、見事死んでしまった!

ジョージは二度(精神が)死んだのである。

 

 

 

 

そして今日もまた、ペニーワイズとジョージの攻防が始まろうとしていた……

 

 

 

 

 

下水道から顔だけ出しているペニーワイズは、いつものようにジョージに気さくに話しかける。

 

 

「趣味の時間は充実してるかな?」

 

ジョージは首を横に振って答えた。

それを見たペニーワイズは『それはとても残念だ』とでも言いたげな顔をした。

 

 

「えーっ、それはよくないなぁ。俺がオススメしたモノでも見るかい?」

 

そうやって取り出したのは VTuber(バーチャルユーチューバー)だ。

ジョージは趣味の時間が有り余っていたので、新しい事に手を出すのもイイかもと、おもわずそれに釣られて手を伸ばすが、そこで思いとどまる。

 

思い出されるのは過去の自分の姿だ。(3回目)

 

 

 

ペニーワイズ(コイツ)がオススメしたモノで僕は大変な目にあってきたんや…!ましてや数日前にもコイツのせいで被害にあったばかり。二度ある事は三度ある……

 

───────絶対ッッッ黒ッッッ!!!!!)

 

 

そしてジョージは決心する。

 

 

(仏の顔も三度までなんや……!!)

 

 

ジョージは手を引っ込めて、しかめっ面の顔になる。

 

 

「ユーチューバーって商品レビューしたり変な事やって盛り上がるヤツらやろ。バーチャルでも騙されんぞ」

 

 

「いや、騙される必要はないよ。バーチャル要素が加わったおかげか動画の見やすさは実際上がってると思うし、何より会社としてバーチャルユーチューバーを売りに出してる企業もあるくらいだぜ。つまり一定の良さは必ずあるし、だから不快なモノが一切無いんだ!

───────動画見てみない?」

 

「へぇ!興味深いね!」

 

 

ジョージの騙されないと言う発言にその必要はないと言い出したペニーワイズは、バーチャルユーチューバーの動画の良さをユーチューバーとの比較や、企業からの提供であるという巧みな話術でジョージに披露した。

 

だがジョージは流されない。

 

 

 

I gotta go(コマアニの吹き替え見るわ).

 

Go!?(待てやッ!!?)

 

 

 

 

満面(まんめん)の笑顔で答えて、そのまま(帰ってコマンドーアニメ吹き替え版を見よ)と腰を上げるジョージ。

そしてジョージを引き留めようと焦って声を()げるペニーワイズ。

 

これ以上はマズイと感じたペニーワイズは、ついに右手にある禁断の切り札を使うことにした。

 

 

「そう言わずに……これを…」

 

それを見たジョージは驚いた。

 

 

 

「僕の趣味の時間!?」

 

(コイツいつも拾ってんな…)

 

 

 

そう。取り出したのはジョージが先ほど下水道に落とした船。

どうやら船を拾ってくれたようだが、それを持ったままペニーワイズは『また落とすなんてドジっ子だね』とでも言いたげなニヤニヤした笑顔で語りかけてくる。

 

「趣味の時間は有り余ってるだろ?どうせボーっと過ごすくらいなら……見ようぜ(take it)

 

 

 

ペニーワイズは拾った船をジョージに返すようだ。

 

ジョージにバーチャルの魅力を伝える為だけに船を拾ってくれるとは、なんてピエロなのだ。

 

「………(感動)」

 

「おーぅ……なんか涙が出ているなジョージ?」

 

そんな事を考えていたジョージは、まさに目から涙を流していた。

ペニーワイズの紳士さが伝わってくるのだ。

 

「うわっ、マジで今にも泣きそうだね。……涙が雨で消えない内にお家に帰った方がいいぞ?」

 

「それにだ、確か兄がいるだろ……一緒に動画見て楽しみなよ」

 

ペニーワイズが急に優しいおじさんに見えた。

ジョージは病気でベッドに倒れ続けている自分の兄ちゃんが寝てるだけじゃ暇だろうと思って、ペニーワイズがオススメしてくれた動画を見せてあげようと思った。

ジョージは濡れた頬を拭いて、ペニーワイズに話しかけた。

 

趣味の時間()返してくれる?」

 

「えっ、うん」

 

ペニーワイズは戸惑っていたせいでぎこちない生返事をしてしまったが、ジョージはペニーワイズの子供に言い聞かせるような優しい声色の言葉を感じて、船に手を伸ばす。

 

 

 

(ありがとうペニーワイズ…今まで散々だったけど、三度目の正直だね…!!)

 

 

 

「そうだ、『バーチャルユーチューバーは いいぞ』ジョージィ………兄に見せてあげなさい……」

 

 

 

そうやって、ゆっくりと船を渡すペニーワイズ。

 

ゆっくりと…

 

 

 

「ほんとーに、凄く良いからなジョージィ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「だからお前の兄もろとも……………───────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────VTuberになるんだよ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「KYAAAAAAAAA!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジョージは死んだ。

 

趣味の時間が、千人を超えるバーチャルユーチューバーの動画と生放送の視聴とツイッターの確認でオーバーロードしたのだ。

しかし死んだジョージの為を思ってジョージの兄は彼をVTuberにしたのだ。

今では彼も人気者であることだろう。

私もなってみようかな。







人をむやみやたらと沼に引きずり込んではイケない(戒め)


リメイク版のジョージはなんか警戒心が強い気がする。
ペニーワイズが出てきた時もすごい後ろに跳んだし。

リメイク前のジョージは逆になんか嘲笑的な強さがあるよ。
気さくに笑うし「えっ、うん」の時の尋ねる時もなんか怖がってなくない?

まあ確かにリメイク版のペニーワイズは怖いよ~それ。俺見てたもん。
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