それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
カランカランと開店したばかりのカフェの扉が開かれ、マスターである【スプリングフィールド】が見れば、そこには警戒するようにキョロキョロ店内を見渡している赤い髪のツインテールの少女【CZ75】の姿
誰も居ないとわかるとひとまず安堵の息をつき、それからカウンター席に座る、それから小声でスプリングフィールドに
「しょ、ショートケーキをくれ」
「はい、ご用意しておりますよ。飲み物はコーヒーで?」
「あ、ああ、頼む」
スプリングフィールドの言葉とおり、注文のショートケーキとコーヒーは直ぐに出されCZ75はフォークを手に切り分け一口食べれば滅多に浮かべることはない少女らしい笑顔を浮かべる
もし誰かが居た場合は何時も砂糖とミルク控えめのコーヒーで済ませる彼女だが誰も居ない場合ならショートケーキと砂糖とミルク増々のコーヒーを楽しむ甘党な人形である。そんな普段の知っているとなんとも可愛らしい彼女にスプリングフィールドは微笑みながら
「別に甘党だって知られても問題ないと思いますけどね」
「アタシが問題あるんだよ、ったく指揮官の所為だからな、ケーキなんて教えやがったから」
口では文句を言ってるCZ75、彼女が甘い物が好きになったのは配属されたばかりの彼女をカフェに誘い、その時に食べたのがこのショートケーキでそれから甘い物が好きになった、だがそれを周りに知られるのは自分があまりにも恥ずかしいのでこうして人目を盗むように食べているのだが
そして文句こそ言っているが実を言うと感謝のほうが大きかったりもする、ただ彼女は少し素直になれないだけであり、指揮官とケーキを食べた時も別れ際にぶっきらぼうな感謝を述べるくらいには根っこは優しい少女であり、スプリングフィールドはその場面を思い出して笑みをこぼす
「ふふ、そんなこともありましたね」
「ありましたねじゃねぇよ、突然ケーキ食べに行こ!なんて言って有無も言わさずに連れてこられて、こ、こんな美味いもの食べてお蔭であの時私がどれだけ顔が緩みそうになるのを我慢したか……」
(思いっきり緩んでてその場に居た人達にはバレてますけどね)
彼女の唯一の救いはその場面に広報担当の【FMG-9】が居なかったことだろうか、居た場合はそれはもう凄まじい追いかけっこが基地内で見れたかもしれない、そして副官に怒られるまでがワンセットだろう
スプリングフィールドがそんな事を思っている間にもCZ75はショートケーキを食べ進め、出されてからそんなにしないで完食、何時もであればそのままカフェから出るのだが今日は珍しくまだ他の戦術人形が来る気配が感じられない、それ故に葛藤が生まれる
(もう一つ食べれるか?いや、そろそろ他の奴らが来る時間だよな……もしかしたら行けるか?)
「マフィンは如何ですか?小さめのを新たに作ってみたんですよ」
もうちょっと食べたい、だが誰かが来て見られたら恥ずかしくて今日一日まともに居られないそんなジレンマを察したスプリングフィールドがそっと新メニューで開発したマフィンを教えれば本当に一瞬だけCZ75の目が輝いた
それから少し悩む、これではまるで催促したみたいだと、だがそれでもマフィンと言う誘惑には抗えなくなってるくらいにはスプリングフィールドのスイーツに嵌っている彼女は悩みに悩み抜いて小声で
「ふ、二つくれ、あ、いや、一つでもいい」
「遠慮なされずとも平気ですよ、どうぞ」
出されたのは一口、ではないがそれでも何時も出されるのよりも一回り近く小さいマフィン、一つはプレーン、もう一つはココアだろうか、それを前にしたCZ75はおぉと小さく感動してから食べ始める
ちゃっかり二つと言う所がなんとも彼女らしいとスプリングフィールドは思っているが実はこのマフィン、そんなCZ75の為に開発されたメニューでもあった、と言うのも稀にだがこうやって葛藤する時があり結局頼まずに帰ってしまうことがあったのでなら短時間で味わえるメニューでも用意してみようかとなったからだ
だけどそれを告げれば確実に頼まずに帰ってしまうだろうと思うので口にはしない、彼女は空気の読めるお姉さんである、そこでふと見ればコーヒーが無くなっていることに気付いた彼女は
「コーヒーおかわりしますか?それともココアに致しましょうか?」
「コーヒー、うん、美味いなこれ」
畏まりましたと同じ様に砂糖とミルクを増々のコーヒーを淹れ彼女に出す、どうやらこのマフィンを気に入ってくれたようで終始ご満悦な様子で食べ終える
「どうでしたか?」
「美味しかった、これなら幾らでも食べれちまいそうだ」
「ふふ、なら今後はメニューに載せておきますね」
コーヒーを飲んで感想を告げ、それがメニューに乗ると聞いた時、また一瞬だけ目が輝く、どうやら相当に気に入ったのですねとスプリングフィールドは何時もと変わらない笑みを浮かべながら、食器を下げ洗う
「んじゃ、アタシはそろそろ行くよ。ごちそうさん」
「またのご来店お待ち……あら?」
「ん?」
CZ75が席を立ちカフェを後にしようとしたタイミングでカランカランと扉が開かれる、そして入ってきたのは【ステンMK-Ⅱ】と指揮官、二人、特にCZ75に気付くと輝かしい笑顔で手を振り
「CZ75ちゃん、来てたんだ」
「え、あ、ああ、コーヒー飲みに来てたんだよ」
(……これさっきまでケーキ食べてたんだろうなぁ)
若干挙動不審なCZ75の言葉に全てを読み取ったステンから優しい視線が飛ぶ、が彼女がそれに気付くことはなくそれよりもスイーツ食べようと誘ってくる指揮官から逃れようと必死になっている、が旗色は凄まじく悪く遂には
「駄目?」
「う、い、いや、駄目じゃねぇけど……ああ、わかったってそんな顔するなよ断れねぇだろ」
「やった!」
「良かったですね指揮官様、じゃあ席取っちゃいましょう」
嬉しそうに席に座る指揮官とそれに釣られて笑うステンMK-Ⅱ、そして断れなかったとは言えまた甘い物が食べれることに少しだけ嬉しそうに笑ったCZ75
「……あ~、マスター、砂糖とミルクは控えめでいいからな」
CZ75、彼女が甘い物好きなのは実を言えば結構知れ渡ってる、が皆が皆黙っている、何故かって?別段、指摘することでもないし幸せを邪魔するなんて無粋だからだと皆が思っているからだ
待って!?助けて!待ってください!お願いしまsア"ァ!!(頭を割られる音
ツインテールの日らしいのでCZ75ちゃん主役張ってたらこうなるというね、でもこんな感じするじゃんアゼルバイジャン、何だったら動物にも優しいとか老人にも優しいとかどんどん乗せてくからな(再度頭を割られる音