それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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普通じゃない故に認識できる


うさぎ狩り作戦(仮) Session2

指揮官のレーダー支援、更に途中から援護に来た第五部隊の御蔭で誰も欠けることなく帰還できた第三部隊はスチェッキンとZ-62とG11に民間人を医務室に運ぶように指示してから残りは作戦室に向かい、そこで指揮官に作戦中のことを報告していた

 

「以上が通信途絶中の出来事よ」

 

「お疲れ様、でも居なかったはずの場所に現れた民間人か……」

 

「話を聞くにあの衝撃の後に見つけたのじゃろ?」

 

「ええ、スチェッキンが言うにはそうなるわ。私もその認識で合ってると思ってる」

 

聞けば聞くほど謎だけが深まり、指揮官はうーんと考えるが結局の所、何かが分かるわけでもない

 

そもそもにして今日の天気は晴天だ、今も晴天だ、だけどあの通信が途絶する数十分前からあの地区だけ雲行きが怪しくなるそして衝撃がこの司令部にまで伝わった

 

「あの衝撃って、鉄血の新兵器とか?」

 

「いえ、あれは雷、つまり落雷ね」

 

Vectorの言葉には?となる指揮官、落雷ってあんな爆発じみた衝撃出たっけと、それはM1895もそして416も同じで今日だけで何回この感想を抱いたか分からないが、いよいよそれが言葉となってポツリと呟いてしまう

 

「何が起きてるのよ、いったい……」

 

「えぇっと、カリンちゃん、ヘリアンさんに此処までのことを報告してもらえるかな、私達はその民間人に会いに行ってくるよ」

 

「え!?し、指揮官さま、その、大丈夫なのですか?」

 

「まぁ、なんとかなるよ、皆も居るしさ」

 

微妙に自信なさげの言葉にカリーナが三人を見れば、任せろと言わんばかりに頷かれる、それを見て分かりましたと一言言ってからヘリアンへの報告を始める

 

そして四人は医務室に向い扉前、一度深呼吸をしてから指揮官がノックすれば

 

「あ、指揮官ですね、どうぞ入って下さい」

 

「失礼します……え、あれ、ええ?」

 

「どうしたのじゃ指揮官、ふむ、其奴が保護された民間人か、確かに見ない服装じゃな」

 

返事を確認してから入れば、清潔感溢れる室内には一般的医療機器等が揃いここだけでも手術等が行える医務室には椅子に座っていたPPSh-41、そしてそのベッドで眠る金髪の少女、運んだ三人はすでに居ないのを見るとどこか言ったようだ

 

そして保護された彼女の服はM1895の言う通りこの辺りでは見たこと無いものである、だが今、指揮官はそれどころではなかった、入って直ぐ彼女が困惑した理由それは

 

「ね、ねぇ、ナガン、そこにいる人がそうなんだよね」

 

「見れば、ああ、やはり駄目か」

 

「あ、いやそうじゃなくて、認識、出来てる」

 

やはりマネキンでしか見えないかと言おうとした矢先、指揮官飛び出したその言葉は医務室に広がり、そして

 

「は?」

 

「え?」

 

「なん、じゃと?」

 

自体をなんとか飲み込めた416が、PPSh-41が、M1895がそれぞれ驚愕の顔と目で指揮官を見つめる、対して指揮官も指揮官で予想してなかった事態に上手く頭が理解できてない様子でベッドの少女を見つめ続ける

 

「ねぇ、ペーシャ、彼女本当に人間なのかしら」

 

「……データ上でなら、人間です」

 

「そう、なら良いわ」

 

それだけを聞いたVectorは興味なさげに視界を彼女から外す、そのやり取りの間に全員がやっと落ち着きを取り戻し、更に丁度いいことに

 

「ん……騒がしいってあ、あれ?」

 

「あら、起きたようね」

 

Vectorの言葉に全員が起きた少女の方を見れば戸惑っている様子の彼女の姿、どうやら状況が飲み込めてない様子であり、自身を囲んでみている指揮官達を見て

 

「ここは……っつ、頭がズキズキする」

 

「え、大丈夫ですか!?ぺ、ペーシャちゃん、えっと」

 

「落ち着け馬鹿者、ゴホン、混乱している所に申し訳ない。お主の名と所属、そして目的全てを洗いざらい喋ってもらおう」

 

久しぶりどころかペルシカ以来の初見で認識できた少女が不調を訴えれば分かりやすいレベルで狼狽え始める指揮官、それを一喝してM1895は圧を聞かせた声で質問をする、気付けば416とVectorが彼女を囲み、PPSh-41は指揮官を背中に回す

 

一方、そんな状況に追い込まれた少女はと言うと肝が座っているのか慌てた様子もなく状況を理解して……

 

「そうだ、あの『窯』に落ちて……」

 

意外と混乱しているのかもしれない、その様子にM1895達も毒気が抜かれたのか肩の力が自然と抜け場の雰囲気が穏やかになる、そうなれば指揮官の行動もしやすくなるのかヒョコッとM1895の背後から現れベッドの少女に近づく、がVectorに首根っこ掴めれ引き寄せられる

 

「うげっ」

 

「不用意に近づかない、まだ危険じゃないか分からないのだから」

 

「大丈夫だと思うけど、ねぇ、貴女の名前は?」

 

「あ、ご、ごめんなさい。私は【ノエル・ヴァーミリオン】それでえっと、ここは……ココノエ博士の研究所?だとするとあなた達は『第七機関』の方々でしょうか?」

 

「ココノエ?それに第七機関?なんじゃそれ、知っとるか指揮官」

 

「ううん、聞いたこと無い」

 

「え?えっと、すみません今何年でしょうか」

 

何故このタイミングで年を聞くと思うがとりあえず今が2062年であり、ここはS09地区のグリフィン司令部の基地だと教えれば

 

「えっ?!せ、西暦……だとするとここは100年以上前の時代!?」

 

「そのもの言い、まるで自分は時を超えてきちゃいましたって感じね、薬でもやってるの?」

 

「や、やってませんよ!!ほ、本当に2062年なんですか?」

 

「うん、そうだけど、ノエルさんはもしかして未来から来たって事ですか?」

 

416の容赦ない視線とセリフに真剣な目で反論するノエル、どうやら薬の線はなさそうねと言えば、PPSh-41が反応が出てれば報告してますしと遠慮がちに呟く

 

それからノエルからの話を聞けば、彼女は未来人であり、『窯』と言う物を通ってる最中に閃光が走り意識がなくなったと思ったらあの地点に居た、また元に時代に帰るのは『観測者』と呼ばれる存在を見つけなければならない、という話

 

「未来人……!!」

 

「まぁ、うむ、他に何か無いか?」

 

「えっと……あ、その雷と共にこう、ウサ耳を生やした女の人を見ました、彼女が『観測者』なら元の時代に帰れるはずなのですが」

 

「57呼んでくる」

 

「いや、絶対に違うと思いますよ416さん」

 

ノエルの証言を元に真顔で【Five-seven】呼びに行こうとする416を止めるPPSh-41、M1895はこの妄言なのか事実なのかわからない少女に軽く頭を抱え、Vectorは顎に手を当て何かを考え、そして指揮官は

 

「ノエルさん、未来ってどんな感じなの?!平和?やっぱり車も空を飛べたりするの!?」

 

「へ?!え、あ、えっと……」

 

キラキラした目でノエルに質問攻めを行い、ノエルはどうしたものかと眼を泳がす。場は混沌としていた




好きに動かしたら話が全然進まねぇ……でもまぁ、良いかなって、慌てるよりは少しは書きやすいし……

ドルフロアンソロ買ったんですよ(ダイマ)ページ開くじゃないですか、いきなりM1895主役じゃないですか、指揮官がおばあちゃん呼びで眼がまんまるになるよね、最後の赤面おばあちゃんに思わずガッツポーズするよね、あとIDWも良かった、ナガンおばあちゃんの出番も多くてよかった、ナガンおばあちゃん可愛いよね、可愛いって言って?それよりアンソロ買おう、私も買ったんだからさ(同調圧力

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