それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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PPSh-41、謎の超直感


うさぎ狩り作戦(仮) Session3

混沌としていた医務室ではあったがあれやこれやと寝起きの人間相手に怒涛の質問攻めを繰り広げる指揮官を先に止めることが先決だと言うことになり現在は

 

「お主……自分がこの基地の指揮官であるにも関わらず、こやつが本当に害を加えない存在かもわからないのに不用心に近づき、終いには未だ混乱しているであろう彼女に質問攻めとはどういう神経しておるのじゃ?それとも何か、新しい尋問か?」

 

「いえ、違います……ごめんなさい」

 

「あの、私は大丈夫ですから、あまり怒らないであげたほうが」

 

ガッツリM1895から説教を受けてました。床に正座をし唯でさえ小さなその体を更に小さくし顔はすでに半泣きであり、誰がどう見ても反省しつつ落ち込んでいるのは明白な指揮官を気の毒に思ったのかノエルが鬼の形相で説教を繰り広げるM1895を止めようとするが

 

「いいや、今回は流石に此奴が不用心過ぎる、良いか?前々から思っておるしお主も耳にタコが出来る程聞いたとは思うが人間に視える者全てが良心の持ち主というわけではない、中には絶対にお主の命を狙おうと考えるもの、そこまで行かぬともこの基地に何かしらの害をもたらそうとする者が居る、故にな……」

 

「あ~、これ長くなるわね、私戻るわ」

 

「え?あ、いや待って下さい416さん!?」

 

M1895の声から今回はかなり怒ってることが理解できた416はそれだけ告げると医務室の扉へと歩を進め、PPSh-41の静止も虚しく416は気怠そうに手を降って医務室を後にする、そしてそれに続くようにVectorも医務室を後にするのだが、出る直前にあ、と声を上げて彼女たちの方を見て

 

「おばあちゃんに説教され過ぎて、指揮官が『そぼ』うにならないようにしてね……ふふっ」

 

「えぇ、この空気でダジャレって行っちゃいました……どうしよう、あ、あの副官?」

 

「もう少し待て」

 

とりあえずM1895に声を掛けてみるががその一言でバッサリ切られる、取り付く島がないとはこのことでしょうかとPPSh-41は困った感じの表情を浮かべてからこっちはこっちでどうすれば良いのかと言った感じのノエルを見てから

 

「えっと、ノエルさん、お体の方はよろしいでしょうか?」

 

「この状況でそれ聞きますか!?」

 

「これはその、日常的なものですので……慣れて下さい」

 

えぇとある意味新鮮な反応にああ、これが普通なんですよねと思わず苦笑を浮かべてしまうPPSh-41は机に向き直りカルテを手に持ち眺めつつ、少し前のVectorの会話を思い出す

 

(……数値の上でなら、確かに人間。でも指揮官が認識できるとなると話が変わっちゃいますよね、『窯』『観測者』『未来』……もしかして戦術人形(わたしたち)と似たような存在?)

 

なぁんて、ちょっとSFの見過ぎですかね、そもそも戦術人形(わたしたち)に時を越える機能なんてありませんし、そんな技術も存在してないですしと思いつつ指揮官と副官の説教の場面に目を移すが、どうやらもう少しだけ掛かりそうだと席を立ち

 

「コーヒー、飲みますか?」

 

「え、ああ、はい、頂きます」

 

曖昧な表情で聞けば、ノエルも正直どうにか出来るとは思ってなかったようで二人はコーヒーを飲みながら指揮官が解放されるのを待つことにした。それから、指揮官が説教から解放されるのは一時間後だった模様

 

解放された指揮官の姿はそれはもう、これどう触れたほうが良いですかというくらいに反省、と言うより凹んでおり、その横ではM1895はあ~と言った感じに頭を掻き少しやりすぎたと反省する、がまだ少し凹んでいるかと思った指揮官が顔を上げてノエルの側に行き深く頭を下げてから

 

「あ、あの、ノエルさん……貴女も混乱しているのに未来人って事に興奮して私、本当にごめんなさい」

 

「そんな、大丈夫ですよ、まぁちょっと戸惑ったけど、お蔭で落ち着きましたし」

 

「そう言ってもらえると助かるのじゃ、じゃがわしからも謝ろう、すまなかった」

 

二人に頭を下げられワタワタとするノエル、そこで指揮官の通信機からピピピと音がなり慌てて出て短い会話の後

 

「ごめん、カリンちゃんからヘリアンさんが呼んでるみたいで作戦室行ってくる」

 

と告げて医務室から出ていく、恐らく保護した民間人、つまりノエルをどうするかだろうとM1895は思いつつさてどうするかと考えているとノエルの方から質問が来る

 

「聞こうと思って聞けなかったのですが、あの娘がここの指揮官、なんですか?」

 

「ああ、そうじゃよ……みなまで言うな、そうでもしなければアヤツは人として扱われんかったのじゃ」

 

「っ!?ごめんなさい、気安く触れるべきではないですよね……」

 

陰が深くなるM1895の顔にしまったと言った感じに謝る、それを聞きM1895はどうやらお人好しの類じゃなと判断し思わず笑みが浮かび、どうせならばこれを聞いておくかと逆に彼女に質問を返す

 

「気にするな、じゃがそうさな、お主のことでも聞こうか、何者なのじゃ?」

 

「そう、ですね。簡単に言うなら警察、でしょうか、ただ軍隊でもありましたけど」

 

「ふむぅ、ようは兵士か?未来も変わらず物騒じゃなぁ」

 

呵々と笑いつつPPSh-41が淹れて持ってきたコーヒーを一口、だが同時に100年後に自分たち戦術人形は居ないのかとも考えていた、でなければ人が戦う理由にはならない、それか

 

(よもや、人で事足りるほど生活圏が減少でもしたかのう)

 

いや、まさかなとその考えを切り捨てる、だとしたらノエルからもっと悲壮感のようなものを感じてもいい筈だと

 

その後もPPSh-41を交えこの世界のこと、未来の世界のことを当たり障りのない程度で話していると今度はM1895の通信機が鳴り出てみれば

 

《あ、ナガン、ノエルさんを連れて作戦室まで来てくれるかな》

 

「それは良いが、何かあったのか?」

 

まだ続く、そう思っていたこの物語ではあったが

 

《うん、工場跡地、彼処にイントゥルーダーとは別のハイエンドモデルの反応が合ってヘリアンさんにドローンを飛ばしてもらったらノエルさんが言ってたウサギ耳の女性が居たんだ》

 

「それって、もしかして!?」

 

どうやら、終幕は近いのかもしれない




え、一週間?何の話だよ、イケドンです、ガン攻めです、ノエルさんにも本家張りの戦いをしてもらいたいです

最近とある小説読んでて、ウチの指揮官はなんて平凡だなぁと思いました、そのままの君でいて……

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