それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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季節外れとか考えるな、私が書きたい道がこの小説だ


プール常時解放

突然だが、この基地に待望のプールが漸く完成した。本来であれば夏頃には出来ていたであろうそれは寒くなっても入れるようにしたいという要望を取り入れたら工期が延びた、主に温水プールにする関係で延びた

 

先ずその完成に一番喜んだのは【SPP-1】珍しい水中銃の人形である彼女は泳ぐということに関しても訓練を怠りたくないと思っていたのだが場所がなくて困っていたところにその報が入り我先にとプールに消えた

 

あとの戦術人形も気分転換だとか、訓練だとかで良いのではないかと大体が好評であり、その中には無論、そういうのが好きな指揮官も混ざっていた、混ざっていたのだが此処で問題が浮上する

 

「駄目じゃ」

 

「駄目です」

 

無慈悲な宣告が食堂に響く、声の主は指揮官の保護者筆頭のG36と我らが副官にしておばあちゃんのM1895、そしてそう告げられたのは勿論

 

「えぇ……なんでさ」

 

指揮官である。不満タラタラの顔でそう聞けば返ってきたのは右手を指差す二人、動くには動くし食事も出来なくはないが決して万全ではないそれの状態で指揮官をプールに入れるのは些か危険なのではというのが二人の見解である

 

そして何より、指揮官がプールが初めてではないとか泳げるとかの確信があるのならばまぁ気をつけてねで済んだのかもしれないが彼女、そういった経験が一切無いのである、運動が若干苦手というのも二人が彼女をプールに向かわすのに反対な理由だ

 

だがそんな気持ちを知ってか知らぬか指揮官は今回は簡単に引き下がらない、その証拠に目に火がついている

 

「だったら誰かと一緒に居ればいいでしょ?ねぇPPK」

 

「え、あ、え!?あ、コホン、そ、そうですわね、指揮官がそうおっしゃるのならあたくしは喜んでご一緒しますわ、ええ」

 

隣に居たPPKに話を振れば驚きこそしたが即座に首を縦に振る、それを確認した指揮官はこれで問題ないでしょと言わんばかりのドヤ顔で二人を見る

 

「うぅむ……だがなぁ」

 

「ふぅ、分かりましたお嬢様。私も同行します、副官は念の為にペーシャに連絡を」

 

「心配のされ方がすごく重いんだけど」

 

「指揮官の今までを考えれば仕方がないかもしれません、ではあたくしは準備してまいりますね」

 

漸く許可が出たのだが何だか少し大事になってないかと顔が引き攣る指揮官だったが直ぐに思考を切り替えて人生初のプールに向かうことにした、まぁその前に自身の準備のためにとカリーナのところへと向かったが

 

プール施設、と言ってもそこまで大きいわけではなく一般的な施設と変わらない、かそれより少し小さめに作ってある。と言うのも体育館と同じであまり大きく作っても一度に来る利用者は少ないのなら掃除が大変になるだけなので今回は試験的に小さめに作られた。だが恐らくその選択は正解だと思われる、現状も居るのは新しく出来たから少々多いがそれでも余裕が存在している

 

そんな中、PPKは水着に着替え指揮官を待っている、彼女の水着は黒を主体にしたビキニタイプに黒のパレオを巻いている、積極的に泳ぐつもりはないがそれでも指揮官が泳ぐのならば側にいることは絶対にしようと考えている

 

(遅いですわね、やはり水着に苦戦しているのでしょうか……って来まし)

 

「おまたせPPK、慣れなくて時間掛かっちゃったよ」

 

「お嬢様、走ると滑りますよ」

 

彼女の予想では派手でもなく過激でもなく無難な普通の格好で来るだろうなくらいの認識だったのだがそこに居たのは全く予想してなかった水着にPPKの思考がフリーズを起こす、が即座に無理やり復旧させ

 

「(す、スクール水着!?)し、指揮官、その水着は誰から?」

 

「これ?カリンちゃんだよ、プールに行くって言ったら用意してくれたんだ」

 

「カリーナ曰く、体の傷も気にせずお嬢様が楽しめる為に用意したようです、確かにこれならば目立ちませんし妙案ですわね」

 

冷静に頷くG36とどうかな、似合うかなと笑顔で聞いてくる指揮官にあたくしが間違っているのかと思うPPK、だがとりあえず冷静になれば確かに選択肢としては間違っていないので自分が変に興奮しすぎだと思いそれから

 

「よく似合ってますよ、それで……どうしましょうか、いきなり泳ぐは、難しいでしょうし」

 

「それについても大丈夫、カリンちゃんが道具を用意してくれたんだ」

 

これだよとG36の方を見れば持っていたのは花柄の浮き輪、そう浮き輪である。PPKは思った、カリーナは最初から指揮官に泳がすのではなく楽しんでもらう方向に考えていたのだと、それと同時に何故先程からカリーナとFMG-9がプールの入り口でカメラを構えているのかも理解した

 

まぁ指揮官がそっちに手を降ってる所から無許可というわけではないとは思うので問題にはしないが

 

「(……後で写真貰えるでしょうか)では、参りましょうか、指揮官」

 

「うん、じゃあ行ってくるねG36!」

 

「はい、お気をつけて、PPK、お嬢様を頼みましたよ」

 

だがすぐに入る、と言うことはせずに先ずは潜水から上がってきたSPP-1指導の下で準備運動、それから浮き輪をプールに入れPPKが手を取り指揮官が初めてのプールに入る

 

「おぉ、おおおお、これがプール……お風呂とは全然違うんだ、うわわ」

 

「大丈夫でしょうか指揮官、はい浮き輪です、使い方は教わっているようですわね」

 

「カリンちゃんがすごく丁寧にね。わぁ本当にこれに捕まってるだけで浮かべるんだ……」

 

やはり浮き輪無しだと上手くは受けないようで直ぐに浮き輪を装着しプカプカと浮く形になる指揮官、だがその顔は未知の感覚に戸惑いつつも楽しんでる様子だった

 

その様子に少し頬が緩むPPK、ならばもう少し楽しんでもらおうと考えた彼女はゆっくりと指揮官の浮き輪に手を添え

 

「指揮官、如何でしょうか、本当ならば泳ぎを教えたり出来ればよろしかったのですが、二人からは右手が万全になるまでは無理をさせるなと」

 

「気持ちいいよ、それに二人の心配は確かだからね、私も今の状態の右手で泳ぎの練習はちょっと怖いし」

 

それもそうですわねとその後も二人はのんびりとプールでプカプカと浮かびながら会話を楽しむのであった、因みにSPP-1はその日は殆どを潜水の訓練に費やしそれを知らなかった他の戦術人形が浮上してきた彼女に驚いたという




AR何とかさん「指揮官のみずgグフォ!?」
鬼神M4「食事中ですよ(無言の腹パン)」
M16「今日も飯がうまい(悟り目)」

水着を書けとガイアが囁いたんだよ、本当は夏に書きたかったけど当初は指揮官の設定も固まりきってなかったからね、仕方ないね。え、何でスク水だって?知らないよガイアが囁いたんだもん

今後もこのプールが出てくるかは分からないけど忘れた頃にまた出てきたりするんじゃないかな

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