それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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カリーナちゃんは報告書をまた纏めてるよ


指揮官は真面目に取り組んで空振りする人間

今日も今日とて激戦区らしく各司令部から戦術人形が出撃しドンパチ賑やかな【S09地区】無論、彼女の司令部も部隊を出撃させて地域平和に貢献している

 

「第一部隊は飛行場に前進、制圧後は敵が北西から来る筈ですので迎撃を。第二部隊は飛行場を迂回する形で前進し敵鉄血人形を強襲して下さい」

 

《第二部隊了解、行くよみんな!》

 

《第一部隊了解じゃ、相も変わらず便利な目よのう》

 

真剣な眼差しで表示されているホログラムの戦場マップを見ながらインカムマイクを使い各部隊に随時指示を出していく少女、平時はポンコツガールの異名を副官初め司令部内の戦術人形達から貰っている指揮官その人である

 

副官が出撃してる代わりに補佐をしている【スプリングフィールド】も初めてみた時は自分の目を疑い思わず肩を揺さぶったくらいに別人だと言われる程の変わり振りだがキチンと本人である

 

《こちら第二部隊、エリアの制圧完了、次は?》

 

「うん、第二部隊は一旦待機、今は周りに敵は居ないから一息ついて」

 

《こちら第一部隊、敵の迎撃に成功じゃ、次はどうする》

 

「第一部隊も一旦待機、補給を済ましちゃって下さい、その後は前進、スケアクロウが居る筈なので確実に仕留めて下さい」

 

スプリングフィールドには分からないが指揮官の目には飛行場から一つ空白のエリアを挟んだ場所に一際大きな赤い靄がありこれまでの経験から鉄血人形のボス的存在【スケアクロウ】だと判断、少し待てば向こうから詰めてくると判断してそこで仕留めて敵司令部を制圧してしまおうと考える

 

《うむ、任せておくが良い》

 

「第二部隊。第一部隊がスケアクロウ撃破後、敵司令部に突撃、敵は残党だけの筈ですので制圧しちゃって下さい」

 

《了解!》

 

結果、スケアクロウは第一部隊が無事撃破、その後も特に何かあるわけでもなく敵司令部を制圧して戦闘は終了した。現在、指揮官は戦後処理の書類とにらめっこしている

 

「みんな大きな怪我もなさそうで良かった。えっと後は」

 

「作戦行動中に回収された戦術人形についてですね、こちらの書類となります」

 

「ありがと……うぅ、いつ見ても慣れない。この子達どうにかならないかな」

 

「難しいかと、回収、救助されたと言ってもその機能自体はダウンして再稼働も出来ない状態ですから。受け入れ修復するでないならキチンと供養してあげるのが宜しいと思います」

 

「そうだね、その話で進めておいて」

 

ササッと書類にサインをしてからスプリングフィールドに渡し彼女が扉から出ていった後にグッと伸びをし一息入れたところで外からヘリのメインローターの音が彼女に耳に届いた。どうやら出撃していた部隊が帰ってきたらしい

 

(あ、そうだ、みんなにコーヒー入れといてあげよう!)

 

ガタッと勢いよく立ち上がり鼻歌交じりで準備を始める、豆からという高級品は無いしあってもそもそも彼女には出来ないのでインスタントを棚から取り出そうと開けるが若干立て付けが悪いのか中々開かず思いっきり力を入れて開けた時

 

ゴツン!

 

「ふにゅ!?おぉぉぉ……」

 

勢いが良すぎたため開けたときにインスタントコーヒーの瓶が落ちてきて額に打つかる、幸いインスタントコーヒーの瓶は割れてないが指揮官はしゃがみ込んだまま悶絶で動けなくなる。数十秒後、なんとか復活し額を擦りながら立ち上がり棚を閉めて一歩下がるが転がっていた瓶は丁度彼女の足元に移動しており

 

ツルン、ゴチン!!

 

「~~~~~~~!!!???」

 

それを思いっきり踏み、滑って転び後頭部を床に強打した彼女は声にならない声を上げながら転げ回り再度悶絶、とそのタイミングで執務室の扉が開かれ副官であるM1895と第二部隊隊長のUMP9が入ってくる

 

「作戦完了の報告書を……何しとるんじゃお主」

 

「だ、大丈夫!?」

 

その惨状を見てM1895は呆れ、UMP9は即座に駆け寄り指揮官の介抱を始める。その間にも副官は冷静に部屋の状況を見て彼女が何をしたかったかを理解する、その上で小さくため息を付いてから指揮官に近づき

 

「コーヒーが飲みたいのならスプリングフィールドに頼めばよかったではないか」

 

「だって作戦お疲れ様ってみんなに出してあげたかっただもん」

 

「ははは、指揮官らしいね、でもそれで怪我しちゃったら私達が悲しくなるからね?」

 

「う、分かった。気をつける」

 

「やれやれ、で指揮官、コーヒーは飲むのか?」

 

転がっていた瓶を拾い上げM1895がそう聞けば指揮官は満面の笑みで頷く、指揮官らしくは無いが年相応のその笑顔にUMP9は勿論、M1895の顔も思わず緩む。M1895がコーヒーを人数分入れ執務室中央のテーブルに座ってから

 

「あ、確か配給のクッキーまだ手を付けてなかったから出すね」

 

「座っておれ、危なっかしいからな」

 

「私が取りますね、棚の中だよね」

 

「え、あ、うん、ありがと?」

 

ここは激戦区『S09地区』日々鉄血の襲撃、戦闘はあり平穏とは程遠いがこの司令部ではほんの一時でありながら今日も平穏な日々が送られている。なお、その後は指揮官が一人の時に棚上段から何かを取るという行為は禁止され不思議がる指揮官が居たとか居ないとか




深い意味はないけど指揮官は17歳の少女だよ

ところでG36C好きなんですが実装はまだされてないんですかね?

因みにこの司令部は現在第五部隊まで開放されています。

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