それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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時間的には食堂パニックの前


ちょっとした団欒

休憩室、休憩所とは別の部屋であり現在そこには一〇〇式が設置した炬燵が置いてある、因みにだがこの炬燵、此処だけではなく色々な休憩できそうだったり寛いだり出来る場所に設置されておりこの基地は現在、炬燵の勢力下にあるといっても過言ではない状況になっている

 

M1895は本日の業務も終えて指揮官は指揮官でPPKと食事をしてくると食堂に消えたので今はこうしてコーヒーを飲みつつ炬燵で温々と寛いでいた、完全に嵌っているが文明は悪くない、キチンと仕事をこなしていればいいと本人は思っている

 

その向かい側にはP7が炬燵のテーブル部分に映像端末を置いて寛ぎながらそれを眺めていた、M1895よりあとから来たのだがそれからずっとそれを時より笑ったりするわけでもなくじっと眺めているのでいい加減気になったM1895は

 

「……P7よ、何を見ておるのじゃ」

 

「これ」

 

端末を回転させて彼女に見えるようにすれば、画面に写っていたのは食堂、映像はかなり鮮明で表情一つ一つがはっきり捉えているが音は何も聞こえないそれはP7がFMG-9と協力して制作し設置した隠しカメラ、用途としては侵入者の早期発見及び罠の発動状態の確認なのだが彼女は時より暇つぶしで番組を見るような手軽さでこれを眺めている時がある、M1895は思わず苦笑いを浮かべてから

 

「あまり褒められんことをしておるな」

 

「音声は拾ってないし、最近は指揮官(おかあさん)の様子がおかしかったから……」

 

「まぁ、そうじゃな。ふむ、今は平気そうじゃな」

 

「うん、指揮官(おかあさん)幸せそう、良かった」

 

平時のときとは違うがこれがこの基地のP7の本来の性格になっている、FMG-9曰くメモリーが吹き飛びすぎて言語にも軽くの障害が出ており口数が少ないのはそれを補うためだととのこと。今後、彼女が他の知識でメモリーを埋めていけば口数はオリジナルのそれに戻るだろう、だがその肝心のメモリーは指揮官で埋めておりそこに最近はM1895、つまりおばあちゃんも入れ始めているので性格は演じない限りオリジナルには戻らないという診断を受けている

 

「しかしPPKと過ごす時間が増えたのう、いや、それが悪いというわけではないが」

 

「PPKは、指揮官(おかあさん)が好きなの?」

 

「と、聞いておる。本人からではないがな、だが指揮官と居るアヤツを見れば気付くのじゃ」

 

ふぅんと映像を見ながらP7はテーブルに顎を乗せる、P7としては別段、誰が指揮官を好きになろうが関係ない、ただ自分を捨ててくれなければ、大事に思ってくれればそれでいいと思っている

 

それにもし指揮官が誰かとくっついてもきっと今までと変わらないだろうとすら思っている、だって指揮官だしと言う信頼の高さが伺える

 

そこでふと思った、指揮官はPPKをどう思ってるのだろうと、映像の指揮官はとても楽しそうに笑顔で料理を食べているが美味しいからなのかそれとも彼女と居るからなのかと、だが漠然とP7は気付いた

 

指揮官(おかあさん)は、もしかしてPPKの事好きなのかな?」

 

「ほう、どうしてそう思ったのじゃ?」

 

「分かんない、でも楽しそうだったからそう思った」

 

子供とは大人よりも勘が鋭い時があると言われている、いつだったかそんな事を書いてある本を読んだなとM1895がP7を見て思い出す、もしそうだとすれば彼女としては少々嬉しい話だ、今日まではそこそこ感情を得てきた指揮官が終ぞ得ることがないかもしれないと思ってしまったこともある誰かを愛するという感情をもしかしたら持てるのかもしれないと

 

(……ふふ、じゃがそうなればわしとの時間は少なくなるかのう、それはちと寂しい気がしなくもないが)

 

「ねぇねぇ、副官」

 

そんならしくもない事を考えていると突然P7から声を掛けられる、何事かと見れば向かい側から右側にまで近付いていた、音もなかったので少々驚きつつ

 

「む、どうした。ココアでも飲むか?」

 

「飲むけど、そうじゃなくて。指揮官(おかあさん)みたいにおばあちゃんって呼んでいい?」

 

「……は?」

 

突然のことに思考が追いつかないM1895、言われてることは分かっている、だが何故このタイミングでその話なのだと。だが悪巫山戯とかではない、本気の顔でそう聞いてきているのでなにか事情でもあるのかと聞いてみれば

 

「事情って訳じゃないけど。副官が少し寂しい顔してたし、指揮官(おかあさん)がそう呼んでるのに私が副官って言うのも何か気持ち悪いし、駄目?」

 

「呵、呵々、なんじゃなんじゃ、お主まさか、わしに気を使ったのか?」

 

「むぅ、笑うことないじゃん」

 

「ああ、すまぬすまぬ、そうさな、オフの時ならば自由に呼べば良い、今更一人増えた所でどうも思わんよ」

 

「「分かった、おばあちゃん」」

 

「おい待て」

 

思わずツッコミを入れた、P7とは別の声が重なって聞こえ左側を見れば何時居たのかステアーの姿、なんじゃこの二人何時から本物の猫みたいに音無しで行動できるようになったのじゃと軽く頭痛がする頭を抑える

 

「さっきから居た、おかあさんがPPKの事を好きだって所くらいから」

 

「ま、待て待て、お主も指揮官をそう呼んでおるのか!?」

 

「そうよ、私とステアーは指揮官(おかあさん)って呼ぶことにしてるの」

 

ふ、増えおったぞと引き攣った笑いが出る。なんかもうこの基地の一部戦術人形の指揮官に対する感情のぶつけ方が凄いのじゃと引き攣った笑いを苦笑に変えているとP7がおお?と声を上げ、それから

 

「おばあちゃん、PPKが目を回して倒れた」

 

「おかあさんは困ってる、あ、カリーナが来て……あれ、おかあさんが顔を赤くしてる」

 

「……FMG-9居るじゃろ、後で広報室に行くぞ、何を記事にするか分からんからな」

 

はーいと映像を食い入るように見ている二人の返事を聞いてから炬燵から立ち上がる、それからポツリと

 

「平和じゃなぁ」

 

「平和かなぁ」

 

「平和、です」

 

少なくとも、今日もこの基地はこういう騒動以外は起きないほどに平和ではある




増えた(ひ孫枠)ただでさえ若干盛りすぎてる指揮官に合法ロリ二児のお母さん付与とかこれもう(何処を狙ってるか)分かんねぇな

P7の黒のアサシン化が止まらない不具合、このままだとマリア・ザ・リッパーとか言い出しかねない、戦術人形が女性だけだから特攻だらけじゃねぇか!!

64式自お迎えしたぞオラァン!!!

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