それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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〆はおうどんですよね!……え、雑炊?何言ってるんですか64式自さん?(彼女らしからぬドスの利いた声)


鍋の〆は雑炊。え、うどん?何言ってるのよ一〇〇式?(威圧)

この基地に一〇〇式と同じ国の銃の名前を持った戦術人形が配属される、その報告を一〇〇式本人が聞いた時、それはもう輝いた笑顔で

 

「本当に、本当に来るんですね!!」

 

「うん、良かったね一〇〇式」

 

「確か【64式7.62mm自動小銃】じゃったか?」

 

「64式……だと被っちゃうね、なんて呼ぼうか」

 

指揮官のその呟きは一〇〇式の耳には入っておらず、彼女は新たに来る同胞にどんなおもてなしをするべきだろうかと電脳をフルに活用して考えていた

 

思案すること数十秒、どうやら閃いたようでポンっと手を叩く、無論それは二人にも聞こえどうしたのかと視線を送れば

 

「本日は鍋を振る舞います!」

 

「鍋?カレーとかシチューとか?」

 

「いいえ、日本の鍋料理です、実は前々から作ろうと材料は買い揃えたりしてたんです……ちょっと懐は寒くなりましたが」

 

何となく節制はしっかりしてそうな一〇〇式だが、こと祖国に関することだと必要経費ですと言って若干、財布の紐が緩かったりする、一応作れるものは作ったりして安く揃える試みはしているがそもそも素材が高かったりするので中々難しい問題になっている

 

そして食材となれば更にいい値段になったりするので結果、鍋料理の材料を揃える為に時間とお金が掛かり現在一〇〇式の懐はそれなりに寒い、まぁ彼女はそれで満足しているので問題はないのだが

 

「へぇ、一〇〇式ちゃんの鍋料理かぁ」

 

「勿論、指揮官と副官も如何ですか?こういうのは沢山の人と食べたほうが美味しいですから」

 

「そうか、なればわしも頂くとするか。軽い歓迎会になりそうじゃな」

 

「任せてください、腕によりをかけ美味しいお鍋を用意しますね!」

 

一礼をしてから執務室を後にする一〇〇式、その足音だけでも楽しみにしてるんだなぁと二人は思いつつ、チラッと時計を見れば指揮官があっと声を漏らす

 

「どうした」

 

「……あと20分でこの仕事終わるかな」

 

「頑張れ、呵々冗談じゃよ、幾ら手が良くなりだした言っても万全ではないお主はまだ十全の速度ではないからな、手伝うのじゃ」

 

手伝いのかいがあり15分で仕事を終わらせ、通信でどっちから来るかを確認、今回は陸路らしいので彼女達は正門に向かえば丁度よく車が停車し件の彼女が降りてきていた所だった

 

大きな白いリボンを頭の上で結び、背中まで伸びている髪、居そうで居なかったロールヘア、胸のネクタイには一〇〇式と同じように桜があしらわれている彼女【64式7.62mm自動小銃】は指揮官とM1895に気付けばトランクケースを引き摺りつつ向かい、綺麗な敬礼をしてから

 

「本日付よりこの基地に配属となりました【64式7.62mm自動小銃】です。よろしくお願いいたします」

 

「わしはこの基地の副官を務めておるナガンM1895じゃ、副官とでもナガンとでも好きなように呼んどくれ。で、こっちが指揮官じゃ」

 

「ようこそ、中々の長旅だったでしょ?先に宿舎の部屋に案内するね。こちら指揮官、G36、部屋の準備はOK?」

 

《既に準備は終わっております。あとは彼女が来てから細かな調整だけですね》

 

「分かった、じゃあ改めて、宜しくね……えっと、64式自ちゃんでいいかな?」

 

「構いません、こちらこそお世話になります。指揮官、副官」

 

後は何時も通りに案内するのだが今回はタイミングが悪く休日ではなかったのでカフェとBARは存在だけあるという紹介になる、そして夕食時に一〇〇式から準備が終わりましたと通信が入って向かえばテーブルには沢山の具がグツグツと煮られているそこそこ大きめな土鍋が中央に置かれ周りには小皿が用意され、最後には

 

「おまたせ一〇〇式ちゃん、この娘が64式自ちゃんだよっておお、いい匂い」

 

「うむ、不思議な感じじゃな、これは期待できるのじゃ」

 

「お待ちしてました、貴女が新しい同胞ですね!!【一〇〇式機関短銃】です、会えて本当に嬉しいです!」

 

「え、ええ、64式7.62mm自動小銃よ、だ、大先輩じゃないの

 

「?あ、今回は寄せ鍋を用意しましたから冷めない内に食べましょう、64式自さんの歓迎会も兼ねてますから大奮発しちゃいました」

 

確かに見ればどれも見たことない食材である、これらを用意するためにもかなり資金が消し飛んだ、だが結果新たな同胞に贅沢な歓迎会が出来るので良かったと思っている

 

それぞれが座ったのを確認してから食事が始まり、一〇〇式がよそった物をそれぞれが一口食べれば幸せな吐息が漏れる

 

「おお、これは美味いのじゃ。ふむそうかスープのようなこの汁に長時間煮込んで味を染み込ませておるのか」

 

「温かいから寒くなったこの時期には丁度いいね、あっつつ」

 

「気をつけてください指揮官。それにしても凄い美味しいけど、これ用意するのに大変というかお金掛かったのでは?」

 

「掛かりましたが大丈夫です、皆が幸せであるほうが大事ですから、64式自さんもどんどん食べてくださいね!」

 

キラッキラッな笑顔で積極的に接してくる一〇〇式に64式自も壁を作るのは失礼だと感じたのか、はたまた来て早々にこの基地の空気に充てられたか自然と優しい笑顔になり鍋を食べ始めていく、五人で食べるとなると直ぐに具材は消えふぅとごちそうさまと言い掛けた指揮官と副官だったがそこで待ったが掛かった

 

「む、なんじゃ?」

 

「ふふ、実はまだ〆というのがあるんですよ」

 

「そうなの?」

 

「〆、とすると雑炊よね」

 

「え、うどんですよ?」

 

刹那、先程まで和気藹々と食べ雑談を交えて居た一〇〇式と64式自の間の空気がピリッと電気が走った気がした。何故かM1895ですら一瞬怖気が走った錯覚に襲われるほどの重圧が二人の間に現れる

 

「雑炊、が〆よね?」

 

「いえ、うどんです」

 

「ふ、二人共?あ、あの、喧嘩は、ね?」

 

最近、基地の人形同士の喧嘩であれば間に入って仲裁することが出来るまでに肝が座り始めた指揮官がそう伝えれば、それもそうだという雰囲気になりそれから、どうしても決めたいならと指を立てて

 

「ジャンケン、それで決めてね。いい?」

 

「分かりました、これだけは先輩相手でも譲れませんから」

 

「私もです。歓迎会の主役に決めさせるべきでしょうがこれは譲れないです」

 

食べ物って意外と好みによる争いはあるよねと笑顔の指揮官に何故笑顔でいられるとM1895が呆れる、そして二人は構えて

 

「最初は」

 

「グー!」

 

「ジャンケン……(手は抜かない【未来予知】!!)」

 

「ポンッ!!??ま、負けた?」

 

こうして今回は雑炊となった、だがこの歓迎会のお陰なのか64式自がこの基地に馴染むまでにそんなに時間はいらず、偶に一〇〇式と楽しげに会話する所がよく見られるようになったとか




……公式キャラ紹介とはなんか違う64式自ちゃんができちゃったなこれ、まま、人型全自動和み空間発生装置【指揮官】が居るから仕方ないね!因みに私の〆は蕎麦です(第三勢力)

でも64式自ちゃんは今後、声がついたらまた軌道修正入るかもしれない、まぁこの基地の彼女はこんなんだよってことで

サブタイは浮かばなかったからこうなった、本当に申し訳ない。それとカフェ実装されましたね……バッテリーが足りなさすぎて笑うさねこんなん


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