それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:焔薙
キチンと掛け布団も掛け寝ていたはずなのに寒いなぁと目が覚めた指揮官、部屋はまだ暗く日は昇ってないと思い時計を見れば
(6時ちょい前くらいかな)
そりゃ寒いよね、だから二度寝しようと布団に再度潜り直した時、バタバタと慌ただしい足音が聞こえそれは彼女の部屋の前に着くやいなや、バァン!!と扉が開け放たれた
無論、そんなことが起きれば何事かと驚き飛び起きた指揮官が見たのは笑顔でこちらを見る【M4 SOPMODⅡ】彼女は指揮官が起きている事を確認するとニコッと更に笑みを輝かして
「指揮官、外に遊びに行こう!!」
「へ?」
「ああ、駄目ですよSOP、ごめんなさい指揮官、寝てましたよね」
SOPMODⅡを追ってきていたM4が頭を下げるがそれよりも何故急に遊びに行こうという話になったのかの方が気になった指揮官はとりあえず聞いてみればカーテンを開けてみれくれと言われる。ん?と不思議に思いつつ言われたとおりにカーテンを開けば
そこは銀景色だった、何時から降っていたのだろうか雪が積もっていたのだ、その光景におぉっと声を漏らすがあれでどう遊ぶというのだと気付けば隣りにいたSOPMODⅡに聞けばえ?という顔をされる
「指揮官、もしかして雪で遊んだこと無いの?」
「無い、雨と同じであまり思い出がないと言うよりそもそも雪を見た記憶がそんなにないんだよね……」
「そうだったんだ……ならさ、やっぱり遊ぼうよ!」
「SOP、それは貴女が遊びたいだけでは」
「いいよ、じゃあ着替えるから待ってて?」
指揮官はSOPに甘いのでは?とM4が呟くがそれは喜びの声を上げるSOPMODⅡの声にかき消される、そして指揮官は誰にでも割りと甘いので誰が誘っても多分動いてる
いつもの格好に着替えてSOPMODⅡとM4に連れられて中庭、そこには既に数人の戦術人形が集まり何やら各々自由に遊んでいた、指揮官からすればどれも見たこと無い遊びなので何やってるんだろうかと考えているとM1895が三人に気づき更に指揮官の顔を見ると驚いた様子で
「む?指揮官、今日は早く起きたのじゃな」
「いえ、起きたと言うよりSOPが起こしたと言いますか」
「え~、起きてたよ、ね?指揮官」
「まぁ、SOPちゃんが来る少し前に起きてたには起きてたけど(二度寝する気だったけど)」
微妙に曖昧な言い方に本当にごめんなさいと謝るM4にいいよいいよと手を振る、それから中庭の仲間たちが何やってるかを見てみれば最初に目についたのはIDWとP7、ステアーが行っていること、どうやら雪を丸くしてそれを投げあっているのだがIDWには当たらない、それどころか
「ほれほれ、さっきまでの威勢はどうしたにゃ!!」
「カー!!絶対にぶち当ててやるわ、ステアー合わせて!!」
「これで、どう!」
「はっはっは、そんなの余裕にゃ!」
此処の猫はこたつで丸くならない、中庭で煽りながら雪合戦をするようだ、でも煽られているP7とステアーも顔は本気だが笑みを浮かべているので楽しんでいるのが分かった、そして三人が何をしているのかを聞いてみれば
「あれは雪合戦だね、ああやって雪を丸めて投げ合う遊びだよ、ほらこんな風に……あ、M4葉っぱと小さい石取って!」
「え、ええ、どうぞ」
「これをこうして、出来た【うさぎ】!」
「わぁ、可愛い!」
「ほう、よく考えついたな」
本で読んだのを思い出したんだと笑うSOPMODⅡ、なるほど雪はこうやっても遊べるんだと試しに自分でも雪を丸めてみる、今日の雪は柔らかめでありギュッとやればそれなりに固まる、だけどこれぶつけるのって危なくないの?とあっと言うIDWの言葉と同時にボフンと頭に何かが当たった
「わわ、指揮官大丈夫?」
「う、うん、大丈夫だけど、今の雪?」
「IDW、お主誰を狙っておるのじゃ」
「いや、すまぬにゃ、射線を見誤ったにゃ」
どうやら反撃の雪玉が指揮官に当たったらしい、だが痛みらしい痛みはなかったので当の指揮官は雪玉ってこんなに脆いんだと驚いていた、それから先程丸めていた雪玉をエイっと投げればキレイな直線を描き
「にゃ!?」
「あ、ごめん、避けると思ってた」
「ナイスよ指揮官!総攻撃だ、ステアー行くわよ!」
「指揮官に、続く!」
ちょ、おま止めるにゃ!?なんて叫びも虚しくIDWは二人の弾幕に直撃の数を増やしていく、流石に至近距離の弾幕となると厳しいものがあるらしい、そもそも集中時のあれを使ってもないので無理という話だ
更にSOPMODⅡも参戦すれば雪合戦はいよいよ三つ巴の戦いに変貌する、遊ぼうと言った本人が誘った相手を放ってどうするんですかとM4の呟きにいや、あの雪合戦に混ざるのは難しいのじゃと苦笑しつつ答えるM1895
「でも見てても楽しいから良いけどね、他にもどんな遊びがあるの?」
「指揮官に合いそうなのは……雪だるまを作ることかしらね」
「Vector、お主も来たのか」
「ええ、それにしても結構、雪が降ってま『スノー』……ふふっ」
「えぇ……」
突然繰り出されたダジャレにM4、ドン引く、それもVector本人はかなりの自信作だったようでその顔はえらく満足していた、だが周りはそうではない、気の所為だろうか気温が心なしか更に下がった気がした、唯一指揮官だけは特に反応することもなく
「降ってるね~、この調子だと一日かな?」
「かもしれないわね、でも雪って綺麗だけど『せつ』ないわね、すぐ溶けてしまうもの」
(どっちじゃ今の!!??)
「でも溶けないと困るよ?凍ったら滑っちゃうし」
「くっふふ、あ、いえ、何でもないです!!」
それより雪だるま、雪だるま作ってみましょう指揮官!と何故かテンパり気味のM4に不思議がりながらそうだねと教えてもらいながら雪だるまの制作に挑戦する。一方、Vectorは直ぐにM4が笑った理由に気付いて
「やるわね、指揮官」
「絶対に違うからな、あやつがそんなナチュラルに毒吐けるように見えるのか?」
「無理ね」
サラリと真顔でそう告げるVectorは二人の手伝いに入る、今日一日で指揮官は雪で遊べることを沢山学んだのだが翌日、一〇〇式と64式自とG11が寛ぐ、謎の雪のドームを前にまたこれは何だと考え込んでいた。流石にあのメンバーで『かまくら』を出してくれる人形は居なかったが教えてもらってからは雪なのに温かいかまくらを楽しんでいた
最近、ネタの出が悪い今日このごろ、いよいよ危ないかもしれぬぞこれ。しかも活動報告でも書きましたが何故か別の作品ネタが生まれる始末、どうやら頭の疲労が溜まり始めてますねこれ……