それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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表情動かねったらありゃしないと彼女は語る


ニコニコの化身とAR小隊とババ抜き

M16はその日、意外な敵に苦戦を強いられていた。歴戦の戦士でもある彼女を苦しませているその正体、それは

 

(どっちだ……)

 

「へへへ(ニコニコ)」

 

(どっちだよ……!!)

 

笑みを絶やさない指揮官、手には二枚のカード。そしてそれを選ぼうとするのはM16なのだがその選ぶ手は迷いに迷っていた、そう彼女を苦戦させているのは指揮官、始まりは休憩室で畳化していた指揮官を見つけたAR小隊がトランプでもするかと言うところから始まったのだ

 

しかしポーカーやらは指揮官がルールを把握していないのでとババ抜きになり、開戦すぐは特に何もなくトントンとそれぞれが手札を減らしていき、まず上がったのはM4続けてSOPMODⅡ、そしてそこから残った3人の苦戦が始まった

 

まずそれに気付いたのはRO635、順番に手札を引いていってる時、偶々指揮官からジョーカーを引いてしまい思わず顔に出てしまいそうになる、が同時にあれっともなる

 

(何時から指揮官はジョーカーを?)

 

思い返してみれば始まってから今まで指揮官があのニコニコ笑顔から変化をしたのを見た記憶がなかった、M4が上がった時も、SOPMODⅡが上がった時も、そして今ジョーカーをRO635が引き当てた時も指揮官は常に楽しげに笑顔なのだ

 

まさかとRO635は自身が辿り着いた考えに戦慄する、だとすればこのトランプという選択肢は間違いなく失敗だったと、隙かさずM16に視線を飛ばせば彼女も違和感に気づきつつある顔だった、それからRO635の視線に気づき声には出さずに口を動かす

 

(……指揮官、表情動いたっけな)

 

(いいえ、ニコニコ顔のままです)

 

(これは、強いな)

 

M16の顔つきが作戦時のそれになる、続けてAR-15がM16から引く際にも同じように聞けば、彼女の方はやる前からこうなることには気付いていたようで、考えても見なさいよと口を動かせば

 

(あの娘は戦術人形(わたしたち)と遊ぶことが好きなのよ?こういった駆け引きでも楽しければ嫌な顔もすることを嫌うのよ)

 

(私、初めてお前の指揮官大好き思考が役に立ったのを驚いていいか?)

 

(アンタねぇ……!!)

 

M16のその言葉にイラッとした表情を隠す素振りもなくカードを引く、が抜いたカードは特に揃うことはなかった模様、その結果にへっへっへとM16が笑えば釣られて指揮官も笑う

 

「あ、揃わなかったんだ」

 

「なに顔に出してるのですか……ほら、M16、どうぞ」

 

すっと出される手札、その一枚がヒョコッと上がっている。それに思わず顔が引き攣るM16、それからRO635を見れば何故か自信満々の顔、しかしそれが逆に確信させた

 

(ジョーカーじゃねぇな)

 

「あ、ちっ」

 

「いや、あれに引っ掛かれって方が難しいだろ」

 

「そう、ジョーカーは貴女なのね」

 

しまったという顔をするが時すでに遅し、だがそれすらももしRO635の策だったとしたら、この時は誰も考えをしなかった(指揮官はそもそも考えてない)そして考えなかった結果が、冒頭のM16が一騎打ち

 

それはAR-15が抜けてからだった、これでRO635から自身の持ち札と同じのを引けば上がりという場面、そして懲りずにヒョコッと一枚上げる彼女に作業感覚でそれを引いてカードを見た時、M16の顔から余裕が消えた、それを見たSOPMODⅡが我慢できずに笑う

 

「アッハッハッハ!!騙されてる~!」

 

「姉さん……」

 

「少しは疑うってことしないわけ?」

 

「ねぇどんな気持ちですか?散々これが安牌だと思ってったのに最後の最後でジョーカー引かされるってどんな気持ちですか?」

 

「此処ぞとばかりに煽りやがって……!!」

 

「みんな仲良くね~」

 

怒涛の仲間からの煽りに流石のM16も少し凹む、だがRO635は指揮官からカードを引くのだがこの時の彼女は実は緊張していた、M16を煽っておきながらここで上がれなければ彼女に何言われるか分からないからだ、走る緊張、相も変わらずニコニコ笑顔から動かない指揮官、だがそこで自分の間違いに気付く

 

(そもそも今指揮官がジョーカー持ってないのは確実ですし、これは単純に運の勝負、気負って引くほうが駄目なのでは?)

 

ならあれです、自分の勘を信じてしまえばいい。迷っていた手はその瞬間、迷いなく指揮官の手札の一枚を掴みスッと抜かれる、そして

 

「はい、上がりです」

 

「マジか、指揮官と一騎打ちかぁ……ほれ」

 

「よいしょ、はい」

 

ジョーカーは向こうに渡った、後は自分が当たり札を引くだけ。そして冒頭に戻る、確率は二分の一、先程までの指揮官であれば取ったカードは基本的に左側に寄せてあったのだがAR-15の卑劣な助言によりシャッフルされそれも当てに出来ない

 

(しっかし楽しげに笑うよな指揮官……何だかこっちも笑いたくなるな)

 

「ん、どったの?」

 

「いいや、楽しそうで何よりだってな」

 

「へへへ」

 

まぁ状況は動かなくて困ってるんだがな、しかしいつまでもこの膠着状況で居る訳にはいかない、そう覚悟を決めたM16は右側のカードを引けば、見えたのはピエロの柄

 

いや、まだだとM16は指揮官が再度ジョーカーを引く確率に賭けた、が

 

「やった、上がり!」

 

「があああ、負けた~!」

 

結果はM16のビリ、こうも運が絡むゲームだと分が悪いなぁ私と思いつつカードを整理しつつ指揮官のあのある意味のポーカーフェイスを見て思ったのは

 

「指揮官ってポーカーとか覚えてやらせたら面白そうだよな」

 

「M16、悪いけど指揮官をギャンブルの闇に落とさないでくれるかしら」

 

「誰も賭け事に誘ってないっての。お遊びだよお遊び」

 

「でも確かにトランプの遊べる種類は増やしておくのもいいかもしれませんね」

 

M4の言葉に全員の視線が自分に集まりん?と小首を傾げる指揮官、それからAR小隊が彼女にポーカーを教えたのだが、数戦して出た結論は

 

「指揮か~ん、手札が弱かったら退かなきゃ」

 

「え~、でももしかしたら勝てるかもしれないから」

 

「い、意外と突撃思考ですね……」

 

壊滅的に指揮官にポーカーなどのゲームは合わないということだった。と言うのも彼女、退くことを知らない、ワンペアでも役ができているとニコニコ笑顔のまま勝負する、ある意味初見殺しだがあれがデフォだと気付けば対処しやすい類なのだ、やっぱり指揮官はババ抜きしてるのが似合うかもね、それが今日出た結論だった




なんでコイツラ煽り合ってるの……

一日に二本とかやるべきじゃねぇな!(キャパオーバー)書き方とかがごちゃごちゃして死ぬぅ!!でも楽しいからまた二本上げやってみたい(思考麻痺並感

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