それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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まぁ、計画的にやっててもどうしようもなかった倉庫なんだけど


掃除は計画的に

「……これやるの?」

 

「やらねば、なるまいて」

 

倉庫エリア、未整理区画と名付けられたそこで複数人の戦術人形と指揮官は居た、そして状況に思わずそんな言葉が漏れる。

 

数日前から業務の合間や、もはやこれすらを業務にした年末に向けた【大掃除】、元々基地自体はどこも掃除が行き届き戦術人形をフル動員しつつも何の障害もなく進んでいた、このエリアを除いては

 

「これ、終わるの?」

 

「ダミーフル動員で掛かれば行ける、はずです」

 

指揮官の諦めにも似た声に92式が答える、だがそれを聞いても何というか終わるという現実味が感じられない指揮官の視界には一応の整理はされてるように見える道具の数々、ガラクタから使えそうな物、何故か服や様々なものが出てくるこの倉庫。

 

これでも進めていたほうなのだと92式が伝えるが逆に言えば優秀な彼女達ですら今日までにいよいよ終わらなかったので担当以外も増援としてくるレベルに物が多いということになる。

 

だがそれも今日までだと指揮官は気合を入れ直す、この日のためにと集められたメンバーはどれも道具を有効に使える、もしくは修復や修繕が得意だというメンバー、中でもスチェッキンはこの道具の山にテンションが上がりっぱなしである

 

「良いね良いね、どれも商品として使えそうだったりするよ。P38、修復できるやつは片っ端からしちゃって!」

 

「了解です!」

 

今回発掘し問題無さそうだと判断されたものは移動式屋台で売っていいと事になっているのでスチェッキンの気合の入りようはかなりモノで開始早々からダミーを使いながら整理を始めていく

 

無論、他の面々も協力している。【AR小隊】もその中の一つであり長年の培ってきたチームワークを活かしながら掃除を進めていく、まぁSOPMODⅡが稀に道具で遊んだりしているがそれはご愛嬌というものだ。

 

因みに、指揮官も来ているのだが彼女達みたいに本格的に切り込むというわけではなく細々とした手伝いに留まっている、と言うのもこの未整理区画、『何が存在』しているのか分からないのだ、不発弾もあるのではという噂すら出ている

 

なのでそれを指揮官が発見ないし触れてドカンとかしたときには本気で大惨事なので後方支援程度に収まっているのだ、では何故来たのかと言えば、発掘される物の中で自分が楽しめそうなものや使えそうなものが出ないかという期待で来ているのだ。

 

「……これなんだろ」

 

「これはけん玉ですね……けん玉!?」

 

64式自が驚きの声を上げ、そこからまさかと指揮官がけん玉を発掘した区間を漁れば出てくる出てくる自分の祖国に関連する物が、中には

 

「き、着物、少し傷んでるけど、これくらいなら直せる?」

 

「これくらいなら直せます。あ、羽子板ですよ、それに羽根もありました」

 

「おっ、これってだるま落としじゃねぇか?」

 

正月を祝えとばかりのグッズの数々、そしてまるで固められたかのような出方にM1895は閃いた、一見無造作に置かれているように見えているが実は国ごとの法則性が合ったのではないかと、なので92式にリストを見せてもらえばドンピシャ。

 

それを作業中の彼女達に伝えれば、確かにそれぞれの国の道具などが固められ置かれていることが確かめられた。だがそれでも分けられていない区間が存在してるがM4、M16、AR-15のダミー含んだ三人でどうにかなるレベルにまで少なくなっていた。

 

他の面々はゴミにしかならないものは纏め、修復、修繕の可能なものはそれが得意な戦術人形に、商品になりそうな物はスチェッキンがと最終確認を始めている。

 

「つまり、この区間は国籍不明って事ね」

 

「もしくは、ここからは面倒になってとりあえず置いたかだな」

 

「ですが、先程よりも断然に少ないです、これなら今日中も可能ですね」

 

それぞれが一言呟いてから作業が開始される……だがこの区間、の更に小さく区切られた場所があり、そこが問題しか無かった、始まりはM4の発掘品、リモコンと思われる装置から細い線が出ており先端には丸い何か、何だこれと考える間もなかった。此処で一つ、彼女の電脳は16Lab製のでありそれはもう性能が高い。

 

「ぴゃぁぁぁぁ!!???」

 

そして今回、その性能の高さが仇となる、無情にも彼女の電脳はそれが何なのかを弾き出してしまったのだ。固まるM4、数瞬遅れやっと理解できた彼女は顔を真っ赤にしながら奇声に近い悲鳴を上げながらそれを地面に叩きつけ力の限り踏みつけた、グシャという音と共にそれは修復不可能のスクラップと化した

 

無論、何事かと仲間たちの視線が彼女に集中するがそんなのを気にすることが出来るほどの余裕はなく、今彼女の頭の中にあるのはこの区間、かなり危険なのではと言うことと何が何でも指揮官を此処に近づけちゃいけないという使命感、なのでどうしたのかと近付いてきた指揮官に気付いた彼女は血相を変えた顔で

 

「指揮官!!こっちに来ちゃ駄目です」

 

「え、あ、うん、何か危ないものあった?」

 

「はい、なので絶対に、絶対にこちらに来ないで下さい……」

 

凄まじい剣幕の彼女の忠告に指揮官は戸惑いながら下がる、彼女らしからぬその声に今度は別の所を整理していたM16とAR-15、SOPMODⅡがやって来る

 

「どうしたんだ、M4」

 

「……ここ、真っピンクです」

 

「真っピンク?」

 

「別にピンク色のなんて、あっ、ああ、そういう意味ね」

 

悟ったAR-15が近場のそれを漁れば出てきた、大人な道具が。確かに指揮官を近づけられないと納得する、それどころか一部そっち方面の戦術人形がこの場に居たらと思うと思わず引き攣った笑みが浮かぶ

 

「隊長命令です、此処の区間は即時処分、どのような手段を使っても指揮官に悟られないようにして下さい」

 

「あ、ああ、了解した。SOP、持ってくな」

 

「え~って、分かった、分かったからそんなに怖い顔で見ないでよ~」

 

「これ、今日やって良かったわね……」

 

こうして色々危険なこの区間は指揮官に内容を知られる前に処理される、因みにだが後にリストで知ったM1895はM4に賞賛の言葉を与えてからカフェでパフェを奢っていた




リアルの大掃除は既に諦めてる(どうでもいい情報

次のスキンと家具ガチャは課金しちゃうかなぁ私もなぁ

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