それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
それは一通の手紙から始まった、M1895宛に送られてきた手紙、そこには指揮官の眼に関する情報の在り処がエルフェルトを発見したあの工場の地下研究所に眠っているという内容。
これだけならば質の悪い悪戯、そうでなくてもペルシカに送るなりして事実関係を確認などをしたのだが送り主で事態は一転した。
(……何を考えておる『イントゥルーダー』)
あの作戦以降、何故かこの基地への干渉が増えた鉄血のハイエンドモデル、少し前にも年末の挨拶とか言って街中で堂々と接触をしてきたばかりだと言うのに今回は副官であるM1895を指名してきた。
何より今回はタイミングが悪かった、昨日のあのやり取りで彼女は焦ってしまっている、急ぎ指揮官の眼をどうにか出来る手段を模索しなければと、そこに送られてきたのがこの手紙だ、無論流石に彼女一人で行動するという愚策はするわけもなく例の密談室にVector、グローザ、FMG-9が集められ手紙について話されていた。
「と言う訳じゃ、それでわしがそこに向かう。グローザとVectorはわしが地下に行ってる間の警戒を、FMG-9はモニタリングで支援を頼む、何かあるか」
「副官、間違いなく罠ですよこれ。何より確実にあるのかすら不明瞭です、故に反対を進言します」
「そうね、私もFMG-9と同じ意見よ。もし行くとするなら指揮官に通して数を揃えるべきだと思うわ」
グローザとFMG-9は当たり前だがこの作戦には反対を唱える、当たり前だ手紙の内容、指定された場所、その全てが罠ですと言ってるようなものなのだ、そこに副官を送るなんてあまりに危険過ぎる。
だがVectorだけは違った、彼女は二人の意見を聞いてからポツリと
「良いんじゃないかしら」
「Vector!?相手は嫌がらせと謀略が代名詞なハイエンドモデルですよ!?」
「でも、情報は確実にあると思うわ、それがこちらにとって有益かどうかは置いておいてね」
なら、見るだけ見てみるのもありじゃない?と意味ありげに笑いながらM1895に視線を送る、結局の所、決定権は彼女なのだからと言う感じに
「うむ、Vectorの言う通りじゃ、すまぬ、わしの我儘に付き合ってくれ」
「……はぁ、分かったわよ、そのかわり少しでも不味いと思ったら即座に作戦は中止にするわよ?」
「ああもう、分かりました自分も出せる全力で支援しますよ、Vector、貴女も言ったからには頼みましたからね!」
「はいはい、じゃあ準備してくるわ」
こうして指揮官に何一つ報告されることなく彼女達は作戦を決行、したのだが手紙に書かれていた目的地に到着するまで鉄血が影も形も無く、戦闘も一つも起こらずに目的地前まで三人は辿り着いていた
「静かね、FMG-9、何か反応はないかしら?」
《こちらから確認できる反応はないです》
「……どうする副官って聞くまでもないか」
「ああ、グローザ、Vector、お主らはこの入口周辺を警戒、何かあればすぐに通信を頼むのじゃ」
「了解、副官も気を付けて」
Vectorの珍しい心配の声に小さく頷いてから巧妙に隠されていた地下への階段を降りる、暫く下り扉を開ければそこにあったのは
(実験室?いや、だとすれば)
《副官、もしかしなくても当たりかもしれませんよこれ、PCにこれを繋げて下さい、情報を吸い出します》
「頼む、わしは他の紙媒体の物を調べていく」
そこが実験室の類だと気付いた彼女は即座に机の上に『小奇麗に生きていた』PCにFMG-9特性の通信機を繋げ、その間に兎に角書類でも何でも情報になりそうなものを片っ端から調べていく
漁れば出てきた、しかし出てきたのは指揮官の眼だけではなく、もう一つ彼女の目を引くものだった。
「……何故、イントゥルーダーの資料にアヤツの名が?」
アヤツ、それは指揮官の母親の名前。それがイントゥルーダーの資料に書かれていた、しかもその部分はとそのページを読もうとしたとき、コツンコツンと足音が部屋に響きその方向に銃を抜き構える。
「ふふ、いらっしゃいと言うべきかしらね」
「随分と余裕な態度で出てきたのうイントゥルーダー」
武装は装備しているが構える素振りを全く見せてないイントゥルーダー、彼女はM1895が持っている資料に気付くと読みましたか?と呑気に聞いてくる。
「……何故、アヤツの名が載っておる」
「ああ、ちょっと出てくるのが早かったですか。ふむ、手順が少々ズレますがよろしいでしょう……コホン、【久しぶりね、ナガン】」
瞬間、M1895の顔が驚愕に染まった、思考がその答えを拒否しようとして大量のエラーを吐く、ありえないと気付けば叫んでいた。
イントゥルーダーはそれを見て満足気に、そしてM1895からしてみれば懐かしいと言う顔で微笑む、それを見て手に持っていた資料を取り落とす。
「な、あ、ありえぬ……で、出まかせも芝居もいい加減にするのじゃ……」
「【そうよね、まぁいきなりこんな事をされてもそうなるわよね】」
「その声で、その表情で喋るなぁ……」
声に覇気が乗らない、しかもイントゥルーダーは何も動いていない、だと言うのにM1895の身体は気付けば一歩も二歩も後ずさっていた、構えた銃の照準は素人が構えたかのようにブレ続ける。
彼女の頭の中は出された結論に対する拒否とエラーで埋め尽くされ平時の思考はそこにはなかった、彼女が何故そこまでの衝撃を受けているのか、それは
「ふふ、驚いたかしら?いや、驚かざる負えないわよね、だって」
「言うな、違う、そんな話……」
「私の頭脳に『彼女の脳』が使われてるなんて思いたくもないですわよね」
「あっ、え……ウッ!!???」
ガチャンと銃も落として両手を口を抑えて膝から崩れ落ちる、現実を認めたくなかった。
だが世界は、現実は、彼女のこの最悪な再会に引き合わせてしまった、イントゥルーダーは口を歪ませ、M1895にとってもう聞けなかったはずの声で囁く
「【娘、『ユノ』を任せて悪かったわね、ナガン】」
侵入者は容赦なく、彼女の心のスキマへと入っていく
ルート分岐回、まぁ言ってもBADは書くつもり無いので意味のない分岐回ですが、ゲームとかだったらもれなく事前セーブ必須の場面
イントゥルーダーのパーフェクト趣味悪い追い込み教室はっじまっるよー!
Vectorも流石にこれは予測できてないので彼女が悪いというわけではないです、彼女も情報は集めるべきだという部分もあったので