それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
「風邪、ですね」
PPSh-41の言葉が部屋に響く、ここは指揮官の自室、そこでベッドに上半身だけ起こしている指揮官の顔はそれは微妙な顔をしていた。
事の始まりは今朝、起きた指揮官が先ず感じたのは体の怠さ、だが彼女は朝は私弱いしなぁと無視して立とうとして思い出した、過去に似たような症状でぶっ倒れてることを、そこで彼女は一旦考え取った行動は
「あ、ごめんペーシャちゃん、ちょっと自室に来てくれるかな、なんか体が怠い」
《怠さですか?熱は測りましたか?》
「え、熱?ごめん、まだ測ってない……ええっと体温計は」
《あ~、ではすぐ向かいますので大人しくしてて下さい》
体温計を探そうとベッドから立とうとした指揮官だったがPPSh-41がそれを止め寝てるよう指示される、向こうも向こうで過労で倒れた時を思い出してまた倒れられでもされたら怖いと思ったのだろう。
それから数分後、道具を持って現れたPPSh-41が診断をすれば上記のセリフである、本人は怠さしか自覚症状がないが熱を測れば37.5℃、平熱は大体36℃あるかないかなので明らかに高い熱、見れば顔も若干赤く、誰が見ても風邪だと言われる顔だった。
「……風邪?」
「はい、引き始めくらいですかね、今日しっかり休養すればすぐ良くなりますよ」
「え、お薬飲んで今日の仕事……」
「しっかり、休養、して下さいね?」
何言ってるんですか貴女はという声にうぅと涙目でPPSh-41を見る指揮官だがこの程度で、と言うか病人なのですから休めという気持ちしか無い彼女をどうにか出来るわけもなく、M1895、PPK、G36も呼ばれ事情を説明すれば
「おう、休むのじゃ」
「でも、やらなきゃいけない仕事あるでしょ」
「なんじゃ、その歳でワーカーホリックか?冗談ではないのじゃ、お主が一日居なくともわしとカリーナでどうにかする、PPK、こやつが馬鹿やらないようにしっかり見ててくれ」
「了解しましたわ、あ、でもお食事とかはどうしましょう」
「それは私が担当いたします、では早速、朝食を作ってまいります」
頭を下げ食堂に向かったG36、それに続きM1895も通信でカリーナを呼び出しながら軽く手を振り執務室に、最後にPPSh-41は
「では風邪薬を持ってきますので一旦失礼します、PPK、指揮官を任せましたよ」
「お任せを」
「あ、うん、いってらっしゃい」
ペコリと一礼してから彼女も部屋から退出する、こうして残ったのは病人の指揮官とお見舞い兼監視役のPPK、まさかこんな形で二人っきりの時間が出来るなんてと指揮官は思いつつ、大人しくしてるよう言われてはいるが何もやれないというのは実に暇だと感じた彼女は
「ねぇ、PPK、その机に置いてある資料取って」
「指揮官、まさか……」
「え、いや、駄目?」
本当にこの方はと深い溜め息を突いてしまうPPK、さっきは冗談でM1895は言っていたがもしかしたら指揮官は本当にワーカーホリックかもしれないと。
なのでそっと額に手を当ててゆっくりと横になってもらい、それから
「いいですか指揮官、今の貴女は病人なのです、ゆっくりと休養することが仕事でございますわ」
「なの、かなぁ」
「それに無理に仕事をなさって風邪を悪化させてしまう方が大変です」
頭を撫でられつつ、優しく、だが少し促す感じにそこまで言われれば指揮官も一応の納得はして大人しくなる、だがそれではまた退屈だろうしと額にPPSh-41が置いていった冷えピタを貼り付けつつ
「でも、指揮官が風邪を引くというのはもしかしたら初めてかもしれませんか?」
「んひゃ、冷たい。そうかな、過労はあるけど、風邪は初めてかも」
思い返してみてもこの司令部発足以前から風邪と言うのは無縁だった指揮官、あんな環境に居たのに引かないもんだと一人関心する、一方PPKはだからこそ急に風邪を引いた指揮官を少し心配になっていた。
そもそもこの風邪は何処から貰ったのか、最も考えられるのは街の人々、だが最後に行った日から今日までそれなりの期間があり潜伏期間があると考えても長すぎるだろうとなる。
(考えすぎですわね)
「どったのPPK、何か考え事?」
「あ、いえ、何でもございませんわ。それより喉の渇きなどは大丈夫ですか?」
「うん、問題ないよ、あ、でも水は飲んでおいたほうが良いのかな」
その後も二人は会話をしつつしばらくしてG36がお粥を作り持ってきてそのタイミングでPPSh-41も風邪薬を持ってくる、がここで問題が浮上した、それは指揮官、錠剤の薬というのを初めて見たということだった。
食事後、ではこれを飲んで下さいねと出されたそれを見て彼女が思ったのは
「(ラムネ?)えっと、これを飲めば良いんだね」
「はい、グイッと」
言われた通り、ヒョイッと錠剤を口に入れ苦いなぁと思いつつ……次の行動にその場全員が驚く、予想してなかったと言うより、やるとは思わなかったというのが正しいであろうその行動とは
ガリッという音が彼女の口から響いた、瞬間、指揮官の顔が歪む。
「うっ!!!???」
「お嬢様、それは噛み砕くものではございません!?、ああ、はい、お水でございます」
苦かったのだろう、だが薬を吐き出すわけにもいかないとこらえ何とかしようとする指揮官にG36が水の入ったコップを渡せばゴクゴクと飲み始める。
PPKも流石に噛み砕くと言うのは予想してなかったので驚き行動できなかった。
「ま、まさか噛み砕くとは……ああ、そうですよね、指揮官、薬を見たことない可能性がありましたね」
それを見たPPSh-41も驚きを隠せない様子でだが直ぐにその考えに辿り着きこれがもし粉薬だったらと思うともっと凄いことになってましたねと苦笑を浮かべる。
「はぁ、これ、噛んじゃ駄目だったんだ」
「はい、それはそのまま水で飲み込むものですわ」
なるほどなーという能天気な指揮官の声に三人が揃って笑みを溢した、その後はお見舞いに他の仲間達が来たりしたがそこまで大きな事も起きず、しっかり休んだ翌日には
「ふっかーつ!さぁ、仕事をするよ!!」
元気ハツラツな指揮官の姿、だがそのセリフを聞いた副官は思いっきり微妙な顔をしていた。
「こやつ、本当にワーカーホリックなのかもしれぬ……」
絶対に矯正しよう、心の中で静かに誓った副官であった。
指揮官@ワーカーホリック疑惑
記憶にないだけで風邪は引いたことあります、ただ養子時代からだと引いてません、ただそれだけ
因みに私は昔、カプセル状の薬を噛みました