それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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大きい指揮官も良いとは思うけど


小さくてもいいじゃない

指揮官は悩んでいた、今までは気にしなかったことだから考えもしなかったがここ最近になりこの問題の重要さに気付いてしまったのだ。

 

ここ最近、もっと言えば指揮官がPPKと正式にカップルになった頃から浮上しだしてはいた問題、それは

 

(もう少し、背が欲しいなぁ)

 

指揮官、身長は貫禄の145センチ、PPKと並べば妹と見られそうなくらいの身長差があり、その御蔭でキスをしようとすればPPKから屈むかしゃがむかとなる、彼女は思ったのだそれは何とも不格好だと

 

故に指揮官はどうにか背が伸びないものかと悩んでいたのだ、しかしこれに関しては自分ではどうしようも無く、更に言えば希望を持って図書室で本を読み漁るも実際に効果が出るのか不明な物が多くあまり参考にはならなかった。

 

ならばどうするか、彼女が考えに考え抜いて出した結論は

 

「身長を、ですか?」

 

「うん、そりゃいきなり伸びたりはしないのは理解してるよ、でもこう、後々伸びないかなって」

 

この基地のアキレス腱、ドクターPとか神の手を持つ人形だとか様々な呼ばれ方を最近され始めているPPSh-41に相談することだった。

 

PPSh-41は突如やってきて真剣な顔でそんな相談をしてきた指揮官に少し笑みを漏らす、何というか嬉しかったのだ、彼女がようやく年相応な少女のような悩みを相談してくれたことに。

 

が、今回の相談は彼女としても少々難しい問題、と言うのも彼女が現在の年齢でその身長なのは養子時代の劣悪な環境と食事の所為、発育不全も合わさってのこと、保護されてからは全てが良くなったとは言えこれから更に伸ばすと考えるとどうしたものかと思ってしまうのが現実だ。

 

「少々厳しいことを言えば、指揮官の年齢ですと身長の伸び、スパートと呼ぶのですがそれは等に過ぎ、更に言えばピークも既に迎えてしまっているのですよ」

 

ササッと手頃なノートにわかりやすい図解を書き出して見せつつ説明をすれば顔から感情が消え失せる指揮官、まさかもう伸びないのと言う絶望が頭を過り出すがPPSh-41のですがと言う言葉で顔を上げる。

 

「健康的な生活、それと適度な運動をしっかりと続ければ全く伸びないというわけでは無いですよ、それに先程のスパートとピークはあくまで一般的な事例です。もしかしたら指揮官には適用されずこれからもう一度のチャンスが有る可能性も否定はできません」

 

「そっか、へへへ、なら頑張れないと」

 

グッと両手を握って気合が入る指揮官を見て微笑むPPSh-41だが実は彼女この時、これは言わなくていいですよねって部分を考えてもいた、言っても笑って流されそうだったが自分としてこれはどうなんだという事だったので黙っている。

 

(流石に、指揮官は眼の件があるので色々例外なことが起きても~、なんて言えませんよ、はい)

 

「ペーシャ、ちょうと失礼、って指揮官?珍しいのう、どうしたコケたか?」

 

「あ、おばあちゃんって違うよ、ちょっとペーシャちゃんに相談してただけ」

 

気合十分の指揮官がPPSh-41から身長を伸ばすのに必要なこと注意すべき事をレクチャーを受けているとM1895が入ってきて指揮官の姿に驚く、しかし次に出てきた言葉にこの人はもうと思わずPPSh-41も苦笑してしまう。

 

なので指揮官がジト目でM1895を見るのも無理はないだろうと思った所でふと、そう言えば指揮官の母親の身長はどうだったのだろうと気にかかった、なので

 

「副官、丁度いいところでした、指揮官の母親の身長はどの程度だったか記憶してますか?」

 

「む、あやつのか。確か170ギリギリ行かないくらいだったと記憶しておるが、何故じゃ?」

 

「いえ、指揮官が身長の相談で来たので遺伝上ではどうかなと思いまして」

 

身長の、その言葉でM1895も先程のPPSh-41と同じような反応を示す、それほど今まで自分の身体についての相談が皆無だったのだから当然の反応なのだが流石に二人にされると指揮官もどうしてかと思い始めるわけで

 

「そんなに私が身長を気にするのって変?」

 

「身長を、と言うかそもそもお主は自身の身体のことなぞ興味すら持たなかったじゃろうて」

 

「強いて言うならば身体の傷跡ですかね、それもUMP45さんのお蔭で気にしないようになってみたいですけど」

 

二人からそう言われ、そうだったかな~と記憶を探れば確かにこの手の相談をした記憶は殆どないことに気付き、そうだったか~と呟く、彼女としてはぶっちゃけ今までは気にも掛けていないことだったので仕方のないことだがそう考えれば驚かれるのも無理はないかと納得する。

 

彼女が納得している時、M1895は改めて指揮官の身体を眺め、それからレイラの事を思い出して、ポツリと

 

「じゃがまぁ、今のお主でもあやつの遺伝はしっかり出ておるのじゃ」

 

「へ、どこどこ?」

 

「……ああ、うん、出ておるよ」

 

(胸ですね、指揮官のお母さんは大きくなかったのでしょうね)

 

「え、どこ?」

 

言うべきか、言わぬべきか、M1895も口にしてしまっておいてどうしようかと悩み、気付いてしまったPPSh-41も言って良いものかと迷う。

 

微妙な沈黙が医務室に流れる、指揮官は指揮官で自身の身体を頻りに見て、だからどこなのさ~と聞くが答えは返ってこない、代わりに

 

「じゃがまぁ、アヤツの母親は大きかったという話だからまぁ、希望はあるじゃろ」

 

「あ、もしかして胸?胸の話でしょおばあちゃん!」

 

彼女、レイラ曰く何故母さんはあるのに私にはないのか、これで娘も大きくなったら泣くぞ私はと言ってたことを思い出して呵々と笑うM1895、それを見てなんで笑うのさ~!と釣られて笑う指揮官。

 

やれやれ、本当に仲のいい親子ですね~とPPSh-41は書類を纏め、身長を伸ばすのに効果的な物をノートに纏め指揮官に渡す、それから休日や業務後に訓練所や中庭で運動をしてる指揮官を目撃されるようになる。

 

因みにだがPPKに目撃されその話を指揮官がした時、彼女はフフッと微笑んでから

 

「あたくしは、今の指揮官の身長が丁度いいですわ……だって」

 

流れるように屈み唇を重ねてから、そっと離してニコリと指揮官に笑いかけつつ

 

「一手間あったほうが、愛おしい、そう思えませんか?」

 

「~~~~!!」

 

PPK、最近キスだけならばヘタレが消え始めている少女に指揮官は顔を真っ赤にされることが増えたとか何とか。




指揮官はもし順当に成長してたら身長はだいたい母親と同じ、胸は中くらいにはなってた。まぁ指揮官業についてたかは分からないけど母親がグリフィンだしやってるかもしれない。

低体温症?お仕事ある日はろくに出来ないですぞ、ウィンチェスターはお迎えしたけど

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