それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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割りと居た


この基地、音楽趣味どれだけ居るんだろう

趣味嗜好、それは人間も人形も千差万別だというのは周知の事実であり、この基地でもそれは変わらない、例えばそう音楽とか。

 

【スオミ】という戦術人形が居る、清楚な見た目、頑張り屋であり努力家、それでいて心がしっかりしており責任感も強いという何ともお手本のような戦術人形である彼女、まぁ少々度が過ぎたソ連及びロシア嫌いだという点があるがそこはそうであれと作られた存在(だと思いたい)致し方ないというのが周りからの評価だ。

 

その見た目と性格から趣味も大人しい感じのものだろう、指揮官は割と勝手にそう考えていた、そう今日までは……

 

「ん?」

 

その日、業務を終えて珍しく、いや最近はそこまで珍しくもないが一人で基地を散策していた時だった、彼女の耳にふと聞き慣れない音が届いた、それはこの先、場所的には宿舎だろう、無論好奇心の塊である指揮官、数瞬思案するが足はすでにそっちに向かっていた。

 

音の発生源を辿るに連れて、これは音楽かもしれないと気づく、が彼女の知識の中にある音楽とはどれも一致しない、はて、ではこれはなんだろうとなれば少し歩く速度が上がり遂に発生源であろう部屋の扉の前まで辿り着いた。

 

(ここは、えっと、確か、空き部屋だっけ?)

 

と思っていたがよく見れば扉には視聴覚室、と木の板が掛けてあった、どうやらいつの間にかまた増えていたらしい、がそこでふと思う、視聴覚室なら別の場所にきちんとしたのがあるはずじゃと、つまりこの視聴覚室は

 

(ダミー?まぁ、いいや)

 

考えても仕方ないという事で扉をノックする、が返事は返ってこない、む?と思いつつもう一度、だがやはり返ってこない、三度目、結果は同じ、これでは何度やろうと同じではと思い立った指揮官はごめんなさいと思いつつドアノブに手を掛けゆっくりと回して扉を少しだけ開き覗き込めば、

 

「スオミちゃっ!!???」

 

そこに居たのは何かと業務を手伝ったりしてくれるスオミ、なのだがそれより彼女が驚いたのは部屋に鳴り響くその音楽、今まで彼女が聴いてきたものどれにも当てはまらない重音なそれに驚きを隠せずに居ると気配に気づいたのだろうスオミが振り向き

 

「指揮官、何か御用でしょうか?」

 

「ごめん、聴こえない!!」

 

「あ、ご、ごめんなさいっと、これでよし。まさか指揮官が此処に来るとは思ってなくて」

 

音楽を発していた機械を止めればやっと彼女の声が聞き取れるようになった指揮官はいやぁ、来たと言うかと視線をその機械に向ければスオミも釣られてそっちを見る。

 

「その音楽が聞こえてきて何かなぁって」

 

「え、漏れてました?」

 

「うん、割りと」

 

それを聞いた瞬間、顔を手で覆うスオミ、どうやら彼女的には防音はしっかりしてるつもりだったらしい、だがこの部屋はあくまで宿舎、防音はそこまでしてないので事前の調査が不足してた彼女の落ち度である。

 

「ところでさ、さっきの音楽は何?ヴァイオリンでもサックスでもピアノでもない音だったけど」

 

「え、ヘビーメタルって知りませんか?」

 

「……?」

 

小首を可愛らしく傾げた仕草になるほど知らないんですねとなるスオミ、そうとなればと彼女は指揮官を適当なソファに座らせて何処から取り出したのだろうか伊達メガネを掛け

 

「では、わが祖国の音楽、ヘビーメタルについてお教えします」

 

「おー!」

 

と言っても本格的なものではなく指揮官が理解できる程度に抑えた説明だがそれでも彼女の眼は輝き、あわよくば指揮官をこちらに引き込もうとすら考えて少しずつ少しずつ興味が惹かれるように話を進めていく

 

そして数十分後、そこには

 

「つまり、色々ある音楽の一つってことだね!」

 

「……はい、その通りです」

 

何故か完敗ですという顔のスオミとニコニコ笑顔の指揮官、何が起きたかと言えば端的に言えば彼女は割りと固かったということだろう。

 

確かに興味を引くには引けた、だがのめり込むというほどではなくそういうのもあるんだな~と言う感想で止まったという話だ、これは別に彼女がヘビメタが嫌いになったとかそもそも音楽に興味が無いというわけではなく

 

「指揮官ってあまり一つにのめり込まない方ですか?」

 

「ん、ん~、そういう訳じゃないよ?ただ私はまだ知らないことが多いから色々を知りたい、それから何かにのめり込むって事を考えたいってだけ」

 

それを聞いたスオミは納得したように頷いてから、さっきよりかなり音量を抑えて機械のスイッチを入れればまたあの音楽が部屋に響く、改めて聞けばこういう音楽も面白いなぁとなる指揮官、だがどうして隠れるようにこうして聴いているのかと思いスオミに聞いてみれば

 

「いや、その、あまりウケが良くないんですよね……いい音楽の筈なのですが」

 

「ウケが悪いと言うよりもしかしたらスオミちゃんがこれを聴いてるって言うインパクトが大きいんじゃないかな、私も驚いたし」

 

「なるほど、私というインパクトの問題でしたか、じゃあ何度か宣伝すれば」

 

「多分、広まるんじゃないかな?」

 

曖昧な、だが妙に確信を持った指揮官のその一言にスオミは希望を持った、指揮官が言うならばきっとそうなのだろうと、また指揮官も別に悪い音楽じゃないし皆も受け入れてくれるよね位の感覚だったりする。

 

その日は二人でそれを聞き一日が終え、翌日、何となしに昨日聴いたその音楽を口ずさんでいると

 

「……ぼ、ボス、何処で聴いたんですかそれ」

 

「ふえ、スオミちゃんだけど?」

 

「あ~、え、スオミ、彼女が!?」

 

そうだけどと言えばFMG-9は驚きを隠せない様子でいやぁ、知りませんでしたと呟き、その週、記事が更新されればスオミの意外な一面ということで基地に広まり、彼女の考えとは少々違うがこの基地にヘビメタが少しずつ広がって行くのであった。

 

因みにだが意外な一面と言うならばこの基地にもう一人音楽では居たりする、それが

 

「ふん、ふん、ふ~ん」

 

「あれよね、9がカンテレ弾けるなんて誰が想像できるのかしら」

 

ポロロンと言う音が部屋に響く、UMP9、何処で知ったか習ったかカンテレを自在に弾く戦術人形である。




ガチャからスオミ来たよ記念、とか言ったら今日キャリコ来たと言うね、いやだからKar様を……

UMP9のカンテレは何処から来たんだって?あれだよ、中の人だよ

追記
紹介忘れるとか何やってんだよ、ミカ!!

という事で、この世界線とはまた別の完全平和な世界線作者【いろいろ】様の【喫茶 鉄血】にてレイラお母さん生存ルートの家族とハッカーコンビがゲストで登場してます!!この世界みたいに闇が欠片もないから安心して読めますよ!代理人可愛いやったー!
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