それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! 作:鮪薙
鐘が鳴り続ける、ココ最近Vectorはこれに悩まされていた、お蔭でオフだと言うのにオンの頭で活動していた、原因はわからない、だが以前この謎の鐘が鳴った時はF小隊を預かる前のこと、その時の鐘は祝福と言った感じの音色だったそれ。
だが今回鳴り響いているそれは違う、祝福では決して無い、これは
(警鐘……でも何に?まさかイントゥルーダーが、いや、だとしたらそれらしいものが流れてくるはず、ちっ、何なのこれ)
いつものお気に入りの椅子に座り整理しようとするがその最中でも鳴っている鐘にイライラがつもり始める、せめて原因でも分かればと考えるが浮かばず、悪戯に神経だけが削られていく日々、だが漸く原因ではと思えることが分かった。
この基地にペルシカのラボからの特性の戦術人形が配属されて来ると言う情報、あのラボからの特性の戦術人形、それを指揮官とM1895から聞いた時に彼女の中の鐘が大きく響いた、思わず頭を抑えてしまい苦悶の声が漏れてしまえば
「ど、どうしたのVector!?」
「顔色が酷いのじゃ、何かあったのか?」
「っく……だ、大丈夫よ、それよりその戦術人形は何時来るのかしら?」
「えっと、明日の朝だっけ?でも本当に大丈夫Vector?ペーシャちゃんに連絡入れておこうか?」
心配してくる指揮官に大丈夫だと伝えてからVectorはその日は一日自室で籠もっていた、鐘の音が少し落ち着いた……が変わりに火が灯る、少々黒い、だが彼女にしてみれば懐かしいとも取れる火、それを感じ取った時口元が自然と歪んだ。
翌日、何時もの出迎えで指揮官とM1895、そしてVectorは正門前にて待っていた、相も変わらず鐘は鳴り響いてるし火はあれから大きくなり始めてるしで本調子という訳ではないが其の顔は何処か楽しみな感じを持っていた。
「なんじゃ、お主がそんな雰囲気を持つなぞ、珍しいのう」
「あら、私だってそういう時はあるわよ」
「やっぱり新しい仲間を迎えるのは楽しみだよね!ってあ、あれ……かな?」
疑問符を浮かべる指揮官、二人もそっちを見てみればなるほど確かに件の戦術人形なのは間違いないと思われる、がまさか装甲車で送られてくるのではなく、本人がハーレーを運転してくるというのは想定外だったのでM1895も固まった。
がVectorは違う、彼女を見た時、目を見開いた、思わず口がありえないと動く、特性とは聞いていた、がまさかと思っている間にハーレーは彼女たちの前に止まりその戦術人形が降り改めて観察して分かった。
(私と、同型……!?)
「ウィンチェスター散弾銃、16Labより本日付けでこの基地に配属になったわ、貴女が指揮官さんかしら?」
「はい、ようこそ、えっと、ウィンチェスターって呼んで良いかな?」
「ええ、それで構わないわ」
スッと右手を出され握手を求められれば、指揮官も笑顔で彼女に近付き左手で握手を返そうとする、普通の在り来りな初対面の挨拶、だが鐘の音は突如大きく、忙しく鳴り響き視界が鮮明にそしてスローになりウィンチェスターの口がこう動いた
「チェックメイ……」
「詰み宣言はまだ早いわ!!」
「グエッ!!??」
握手寸前だった指揮官の首根っこを掴み申し訳ないと思いつつ思いっきり後方に引っ張りM1895に投げ渡しつつ自身は銃を構え、た瞬間、ショットガンの重い射撃音と同時に銃が吹き飛ばされ、その衝撃で自身の腕も上へと仰け反らされるも無理やり戻し接敵の為に駆け出す、それも取り押さえるのではなく殺すためのステップを刻みながら
対してウィンチェスターはここまでの流れは予測していたのか特段驚きも焦りもない表情でVectorを見据え一発、二発と撃っていくが
(当たらない……!!)
(全弾ゴム弾?いえ、指揮官にはゴム弾でも致命傷になりかねない、やはり)
殺す、火は炎となり暗殺者時代に戻された彼女の動きはM1895にも捉えられず瞬間移動にも似た速度でウィンチェスターの前、その斜め下からコアに向け貫手を放つ、今までも敵を葬ってきた信頼できる一撃、貰ったと確信した時、スパン!!と顔を右ストレートが襲いVectorは地面を転がることになる。
受け身を取り即座に体勢を直した彼女が見たのは余裕の表情で構えるウィンチェスターの姿、読まれていたそう気づくまで時間は要らずVectorはペッと口に溜まった人工血液を吐き捨て立ち上がる。
「最悪ね、私の技術を使われるのは」
「そうかしら、鉄血のハイエンドモデルと張り合えるようになるなら使えるものは何でも使うべきじゃない?」
「それよりもじゃ、お主、ペルシカの名を使ってまで指揮官に接触するとは何処の差金じゃ……」
今度は銃を構えたM1895が聞く、本来であれば相手はSG型なので正直脅しにもならないが彼女の腕ならば頭部を当てることも、装甲の間を撃ち抜くことも容易いだろう
そして質問を飛ばされたウィンチェスターはキョトンとした顔をしていた、いや、もっと言えば
「え、ペルシカは本当だけど?」
「は?」
「あれ、ここって実力主義の基地じゃないの?」
Vector、遂に鐘が鳴り止む、寧ろ何故こんなやつに鳴り続けていたのかと聞きたいくらいである、この戦術人形、どうやら脳筋らしい。
場に流れる微妙な空気、復活した指揮官が若干戸惑いつつも全員を執務室に迎えよくよく話を聞けば
「実力を示して自分は有能だと知らせたかった、と」
「もう、ここはそんな必要ないよ~」
「まさか、そんな必要がなかったなんて思わなかったのよ」
先程の雰囲気は何処へやらなウィンチェスター、あんなことがあったというのに笑顔で彼女を迎える指揮官も中々肝が座ってるわよねと思いつつ
「それは良いわ、どうして指揮官を、見ての通り普通よりも弱いのが彼女よ、殺すつもりだって思われても仕方ないわ」
「いや、指揮官さんに手を出せば直ぐに戦えるんじゃないかってね」
酷い脳筋じゃと呆れ声のM1895にVectorも同意し、なんだか疲れたという理由はその場は解散になり執務室を出て少し歩けば後ろからウィンチェスターが来て、彼女の隣に並び去り際に
「まだ慣れてないのよ私は、だからこれからよろしく頼むわね」
「……あれが慣れてない奴の動きなわけないわ」
言うだけ言って去っていったウィンチェスターの背中を見ながら呟くVector、だが対イントゥルーダーに手札が増えたのは良いことかもねと締めてから彼女はフラフラと何処かへ消えていった。
【ウィンチェスター散弾銃】
この基地のウィンチェスター散弾銃はペルシカが対イントゥルーダーとして送られてきた存在、中身はVectorの稼働データを元に組み上げられており彼女と同じようなことが出来る、戦闘スタイルは基本は銃だが何故か格闘戦が異常なまでに得意。
オフの時の彼女また書くと思うけど基本的にバゼット・フラガ・何とかさんを思い浮かべてくれればそれが彼女です、戦闘スタイルもそれ
最近、脳内劇場の動きが鈍い不具合、止めてくれよ(絶望