それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙
<< 前の話 次の話 >>

19 / 276
雨雲は私が消しましょう、貴女には笑顔が似合うのだから


憧れの貴女を見つめる為に

彼女【ワルサーPPK】はその日も指揮官を眺めていた、声をかけるわけでも無く、ただ暇さえあればじっと眺めているだけである

 

ただ眺めるだけで一日が終わる、そういう日もあるけど彼女はそれで満足する

 

ある時はそんな彼女に気付いて指揮官から声を掛けてくる時がある。そういう日の彼女の顔は太陽の下に咲く一輪の向日葵のような笑顔になる

 

またある時はお茶会に誘われる時もある、無論、指揮官にそういう気はなく只じっと眺めてる彼女に気を利かせて誘ってくれたと理解しているがどうしてもドキッとしてしまう

 

そんなある日のお茶会をしてる時、ふと指揮官が呟いた

 

「PPKってさ、楽しい時っていうのかな、そういう時の笑顔って向日葵みたいだよね」

 

「向日葵、初めて言われましたわ」

 

「そう?うーん、私が変なのかな」

 

「いいえ、今までの『あたくし』がそういった会話をされたことが無いだけですわ。ですのでそう、なんと言えば良いのかしら、ええ嬉しいのですわ」

 

「ほら、今だって向日葵みたいな笑顔だよ」

 

PPKの言う『あたくし』とはここではなく他の司令部の彼女の記憶。その中にはそういった会話はなかった、もしかしたらあったかも知れないが共有データには無いので確認のしようがないというのが現実だ

 

そして向日葵みたいだと言われたこの司令部の彼女は表情や動きに感情を出さないようにしていたが内心では歓喜の感情が渦巻き、思わず爆発しそうになっている

 

嬉しかった、数いる【ワルサーPPKの一人】としてではなく【個人】として見られた、そう思った瞬間この感情がなんなのかすぐに理解できた、そして心に『1本』の向日葵が咲いた

 

それからお茶会が楽しみになり、ある時は自分からお茶会を誘ったりしたりと出来るだけ指揮官と会話できる時間を少しだけ増やしていった

 

流石に毎日は自分も指揮官も都合や仕事があるので難しいがそんな日でも指揮官を眺めてるだけでやはり満足できる

 

そうやって眺めていた時にふと何故か自分はどうして彼女の笑顔が好きなのだろうと疑問が浮かんだ。ある時のお茶会でああ、と答えに至る

 

「いつかのお茶会のとき、貴女はあたくしの笑顔を向日葵みたいだって言ってたわよね」

 

「うん、言ったね」

 

「そのお返し、と言う訳ではありませんがあたくしから見た指揮官の笑顔は太陽みたいに輝いて見えますわ」

 

そう言われた指揮官はキョトンとした顔をしてからPPKが言ったような太陽のように明るい笑顔になり

 

「太陽、そっか、えへへ、皆を照らせるって感じなのかな?」

 

ええ、少なくともあたくしはそう思います。そう、向日葵の様な自分が見つめ続けるのなら彼女はきっと太陽なのだ、そう気付いた時、心の中の向日葵が『7本』に増えた

 

その時から彼女の笑顔は決して無くしてはならないものだと言うのになり、どうにかして守れるようになりたいと思い始める

 

この世界は綺麗なだけじゃないのは知っている、だからこそ自分が泥を被ろうと太陽を遮らんとする雨雲は事前に消さなければならない、でも出来るだけ指揮官の側は離れたくないPPKだったが直ぐにその悩みは解決された

 

なんてこと無い、彼女の気持ちを理解し手を差し伸べたのは副官のM1895

 

「最近、不穏な動きが多いゆえに守りの数は多くしたい。お主ならば得意じゃろ?」

 

「ええ、任せて頂戴、ふふふ、守れるのね、あたくしの手で」

 

「おい、人選ミスじゃないよな副官……」

 

「平気よ、指揮官にその気がないのは知ってるし彼女の笑顔を自分から曇らす真似なんてしないわよ」

 

PPKの言葉にいや、そうじゃないと言うFMG-9の声は黙殺されたがこうして彼女も裏側の一人となった

 

と言っても彼女はウェルロッドMk2やFMG-9のように潜入、暗殺ではなく指揮官の身辺警護、今まではその必要はなかったのだがAR小隊全員と合流、更にはヘリアントスやペルシカリアにも気に入られていると言う噂まで手伝い司令部に侵入を試みる輩も現れ始めているのでそれに対するカウンターとして彼女が抜擢された

 

暫くは特に何もなく平和だった、だがある日現れた。AR小隊のデータを盗もうとでも考えていたのだろうその人形はデータベースに侵入し行動を起こそうとした刹那、消音された銃声と同時に二度の衝撃が走り倒れ込む

 

「なにか、よからぬことを考えてここに居るのでしょう?」

 

「な、ぜ」

 

「『あたくし』ならばそう侵入して盗み出しますもの。そもそもおかしいと思いませんこと、ザルみたいな警備のデータベースなんて如何にもな罠、どうして飛び込む気になれたのかしら」

 

倒れ込む【ワルサーPPK】に彼女はそう告げる、その目は同種の人形を見る目ですらない、何の価値もないでくの坊を見ている目で、その顔は凍りつくような微笑を浮かべながら、その手にはサイレンサーが付いた己の名と同じ銃を持ち相手に向けながら

 

「知ってるかしら、向日葵はね、常に太陽を向いてるのよ。だから曇って太陽が遮られると困るの、雨雲なんてもってのほか、だからねこうやって先に消すの」

 

「っ!?」

 

「あたくし、貴女に反撃していいなんて言ったかしら?」

 

動く腕で銃を構えようとするも両腕を撃ち抜かれる、このまま自壊されても困るので懐からスタンガンを取り出して押し付け機能をダウンさせてから直ぐに通信を繋げる

 

「トゥルネソルからランセニュマンへ、お茶会にお客様を招待したから後はよろしく頼むわね、オーバー」

 

《うぉう、マジで来る阿呆な司令部あるんかい、了解了解、あとはこっちでなんとかしておくよ、アウト》

 

通信を終えてからデータベースを後にする、そして彼女は今日も指揮官の側に向かう、今日はお茶会かしら、それとも眺めてるだけかしらと胸弾ませながら。気付けば心の向日葵は『11本』になっていた




ワルサーPPK
トゥルネソル フランス語で向日葵

実を言わなくても外部からちょいちょいちょっかい出されてる司令部、今日も彼女達が暗躍してます

向日葵って本数で意味があるんだって今日初めて知って書いてました

お茶会と指揮官との楽しい雑談だったのでほのぼのです(超理論

記憶云々の下り、共用データみたいなの存在しないならこれガバガバ設定だけど書き直せなかったから許して・・・

そして唐突な百合的存在登場したけど百合じゃないよ、只の親愛だよ、でも怖いからタグは増やしておくね(震え声

最近PPKちゃんレベリングして使い始めたんですがめちゃ強っすね彼女……



※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。