それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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今回は【カカオの錬金術師】さんの【元はぐれ・現D08基地のHK417ちゃん】とコラボ回!向こうのくっそ激烈に可愛い417ちゃんを皆も読もうな!最高だからな!!!!


出張、移動式屋台inD地区! Session1

スチェッキンの陽気な鼻歌が響く車内、珍しく今日は彼女がこの移動式屋台と名付けられたトラックのハンドルを握っていた。

 

天気は晴天、気候は穏やか、強いてあげるならば少々人間には肌寒いかもしれない気温だが少し前よりは断然過ごしやすいね~と呑気に運転していれば彼女の通信機が繋がりトンプソンの声が流れる

 

《なぁ、スチェッキン、私達は今何処に向かってるんだ?》

 

「ん~、そうだね、新しくお得意様になるかもしれない基地かなぁ」

 

《そういうことか、じゃあこのトラックの荷物はその手土産ってことか》

 

「いや、それは単純に頼まれたから運んでるだけ、報酬はその基地から支払われる代金の6割って聞いて即決した」

 

は?と呆れた声が返ってくるがスチェッキンは気にしない、そもそもその報酬は正直おまけであり本命は基地との繋がり、しかも自分たちのS地区ではなく、D地区の基地との繋がりができるかもしれないとなれば彼女が食いつかない理由はなかった。

 

D地区、今彼女たちがトラックを走らせているこの地区はS地区と同じく激戦区ではあるもののあそこと比べればハイエンドモデルの出現率は限りなく低く、また周辺の施設も充実している特徴と言われているかもしれない地区。

 

事の始まりは何時ものように本部に物資の仕入れを商談している時に話を振られただけという特に捻りもないがとにかくその御蔭で

 

(地区を越えた繋がり、これを上手く発展させることが出来れば暫くは外野が指揮官を突付いてくる可能性をまた小さく出来るはず)

 

つい最近、同じ地区の、しかも優秀であり繋がりもあった基地で人望という面を突かれて指揮官が変わったという話を聞きスチェッキンの中では焦りが生まれていた、戦績を、貢献をしても繋がりが弱ければ工作一つで崩される、ウチの指揮官も決して他人事ではない、だからこそ今回の話は渡りに船も良いところだったのだ。

 

(このチャンス、モノにしないとねぇ……)

 

チラと自身のトラックの荷台を見る、中に入っているのは向こうの基地の者たち相手に売ろうと考えている自慢の品々、基地の倉庫からサルベージし可能な限り修復したもの、基地の人形たちの趣味で商品にできそうなものを交渉して得たものと様々だ、中にジャガイモと農業セットとP38系列の品物も混ざってはいるがとにかくこれらを利用してでも自分たちの基地を気に入ってもらおうと考えていた。

 

《お、あれが目的地の基地か?》

 

「……ダジャレかい、トンプソン」

 

《私はVectorじゃねぇ!!》

 

「冗談だよ、そうあれが目的地のって……でっかいなぁ」

 

《こりゃすげー、ウチも大概かと思ってたがまだまだ上はいるもんだ》

 

トンプソンの言葉にスチェッキンも同意しつつ二台の大型トラックは基地の正門まで走らせ門番の人形に所属基地、来た目的を話し、事前に用意してあった書類を渡して暫く待機、数分と掛からない内に帰ってきた人形から許可書を渡されトラックを敷地内に入れる。

 

指定された場所に駐車してからトラックから降りたタイミングで指揮官と思われる男性と副官と思われる人形、見てくれは416と似た感じだが身長が小さく、胸が大きい、スチェッキンも疑問に思いつつもとりあえず挨拶が先かと結論を先ず出してから

 

「初めまして、S09第○地区基地所属のスチェッキンAPSです」

 

「同じく第○地区基地所属のトンプソンだ」

 

「遠路はるばるご苦労、この基地の指揮官だ」

 

「【HK417】よ」

 

HK417と名乗った戦術人形と指揮官の男性とその後軽く自己紹介をしてから握手を交わし、それが終われば互いに雑談が始まる、因みにトンプソンが運転してきた方のこの基地から注文されていた物資の搬入は二人のダミーと基地の職員たちで行っている。

 

「ところで、もう一台のトラック、あれは?」

 

「よくぞ聞いてくれた、あれは私のトラックさ、『スチェッキンさんの移動式屋台』自慢じゃないが私の所属基地の地区じゃそこそこ有名な屋台だよ」

 

自分の名前を入れるのかと言われそうだが彼女がそう名乗っている理由は我らが指揮官にあり、彼女がそう名付けたからに他ならない、つまり悪いのはこっちの指揮官である。

 

が彼女はこれを誇りに思っており417に聞かれたこのときでも胸を張りそう名乗ることが出来る、そこでこの基地の指揮官に視線を飛ばす、と言うのも事前に連絡を入れこの基地での屋台の商売の許可をもらっていたのだ

 

「ということでさ、早速商売していいかい?」

 

「おう、割と俺も楽しみだったんだ」

 

「え、聞いてないよ?」

 

「そりゃ言ったらサプライズにならないだろうよ」

 

ハッハッハ仲が良いね~と笑いつつ、トラックに備え付けられたレバーを下ろせば豪快な可動とは裏腹に静かな音と共に荷台が展開され、瞬く間に街でよく見る屋台が完成、そしてトンプソンと協力しつつ商品を陳列していき

 

「は~い、スチェッキンさんの移動式屋台、今回は何と出張版だよ~、商品は今回も選り取り見取り、自慢の選りすぐり商品だらけだよ~」

 

「おぉう、予想以上に商品が多いな」

 

「全部、基地で用意したの?だとしたら凄いよこれ、あ、そうだ皆を呼ばないと」

 

と驚く二人に満足気に更に笑みを輝かせるスチェッキン、だが今回はこれだけではない、ついでだからと基地の宣伝も兼ねていた……まぁもっとも基地の、と言うより指揮官の事だが

 

それは基地の人形たちが417の通信、さらに兵舎の窓から見えたのか屋台に集まり始め賑わいだした頃合いを見計らい、スチェッキンがトンプソンにサインを出す、それを確認した彼女は

 

「だが値段が少々高くないかいスチェッキン、まぁ確かに出張だからってのもあると思うがさ」

 

「むむ、そこは申し訳ない……なぁんてこの値段で売ることはしないよ~、なんと一昨日我が基地の指揮官が結婚!その記念という事で今日は全商品、赤字覚悟の6割引きだ!!」

 

「おい待てスチェッキン、それ値引き理由で宣伝して良いのか?本当に良かったのかそれ!?」

 

値引きはするだろうなと思っていたがまさかの値引き理由に目を見開いて問い詰めるトンプソン、だがスチェッキンは笑いつつ急に据わった目になり

 

「怒られる時は共犯だ、トンプソン」

 

「嘘だろお前……」

 

「ま、そんな未来のことは置いておいて、さぁさぁだから今回はものすごくお買い得、好きに見て是非とも買っていってね~」

 

スチェッキンの商売は、まだ始まったばかりだ




前半の感じでスチェッキンも色々考えてるってことですよ、彼女なりに実は焦っていたりする。

一話に纏んなかった(てへぺろ)417ちゃんとかこの基地の指揮官とか上手く書けてる気が欠片も感じられない(吐血)多分、Session2で纏まると思う、あれだったら前後編で良かったのでは?(混乱)

……ていうか、ここから明日の分の文字数稼げるのお前?(遠い目

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