それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

196 / 794
開幕


失温症(仮) Session1

《作戦を確認します、今回はS03地区にて作戦遂行中だった404小隊の救援、及びDエリアの施設の制圧です》

 

慣れた感じの指揮官の業務的な確認がヘリの中に響く、それを聞いているのはAR小隊の面々と今回の作戦のために結成された第0小隊【ナガンM1895】【Vector】【ウィンチェスター散弾銃】そしてM1895が抜けた穴をG36で埋めた第一部隊、ことの始まりは今朝である。

 

それは彼女が執務室で業務中に滅多に鳴らない404専用の通信機が珍しく鳴り響き出てみれば繋がった声は404小隊の隊長UMP45、なのだがその声は彼女が知っている余裕ある感じではなく更に他に銃撃音すら聴こえたことで彼女もなにか異常事態だと気付く

 

これは繋がったかやぁ、指揮官さん突然ごめんね》

 

「45、何かあったの?」

 

《あっはっは、後ろがこれだけ騒がしいと気づくよね~、ごめん単刀直入に言うね、ちょっと助けて欲しいかなって》

 

それは彼女の口から出るとは思わなかった救援要請だった、すぐさま現在彼女達が何処に居るのかを聞いてみればM1895が驚く

 

「S03地区じゃと?何故お主らがそこに……いや、まさかペルシカか」

 

《まぁね、でいざ来てみればこのザマ、イントゥルーダーの反応もあったからもしかしては思ってたけど……》

 

苦々しい声を漏らす、これがもし唯のイントゥルーダーだとしたらまだもう少しは状況が良かったかもしれないし何だったら404だけでもどうにかなったかもしれない、だがあのイントゥルーダーになれば話は別だった。

 

そしてこれを聞いた指揮官が取る行動は一つしか無い、だがそこで待ったをかけるのがM1895、作戦室に飛び出そうとする指揮官を止め

 

「わしらとしてもお主らを助けたいとは思う、が状況が出来すぎておる、お主だってコレ自体が罠だと気付いてはおるじゃろうて」

 

《……ええ、奴らはこの通信であなた達を引っ張り出すのが狙いでしょう、何故突然こんな手を使ったかは知らないけどね》

 

してやられたという声のUMP45、彼女だって相手はこの救援要請が狙いだとは分かっているし通信を繋がずこのままやられることも欠片でも考えたが自分たちがやられれば妹分のあの小隊に影を落としてしまうと考えてしまい気付けば手にとっていた。

 

とここで話に置いてけぼりされいい加減、自分にも説明がほしい指揮官がそこに何があるのかと聞こうとした時、別の通信が入る、M1895がこんなタイミングでと相手を確認した時、思わず

 

「タイミング良すぎるじゃろ、指揮官、ペルシカからビデオ通信じゃ、繋ぐぞ」

 

《朝からすまない、急を要する任務を伝えたいんだ》

 

映し出された彼女の顔は真剣そのものであり声もいつもの感じはなかった、そして指揮官は彼女が言おうとしている任務の内容はすぐに見当がつき

 

「S03地区の404の事ですか?そこに何があるんですか?」

 

《っ!?あ、いや、そうかあの通信回線か、今繋がっているのかい?》

 

《繋げてるよ~っとと、追撃が止んだ?416、どうなってるの?》

 

どうやら向こうは何処かの建物に立て籠もった途端に追撃は止まり一定の距離で包囲しているらしい、どうであれ余裕が生まれたと漸くUMP45がいつもの感じの声に戻る。

 

だからこそ、彼女は再度ペルシカに問えば彼女は迷うように目を動かす、聞いてはいけないことだったのか、指揮官は考え

 

「ペルシカさん、もしかして私には話せないこと、なんですか?」

 

《あそこには、君の眼のシステムに干渉できる設備、或いはデータが有るのが分かっているんだ》

 

「何でそれを言い淀む必要が?」

 

《S03地区、あそこは今は鉄血の支配下でね、更に最近じゃジュピターと呼ばれる大型砲台の実験所として多数設置されている、そんなところにあると言えば君は止めただろ?》

 

「そんなの、当たり前じゃないですか!」

 

無意識だろう、語尾を強めた指揮官、彼女にしてみれば自分のためにそんな危険地帯に送り込む必要はないと思っているから、故にペルシカもM1895もこの情報は伏せていたのだ。

 

秘密裏で回収、そして彼女に施すと、結果がこれである。

 

「ペルシカさん、もしかして私が止めるからって」

 

《すまない、だけど君の眼の侵食も決して楽観視出来る状況じゃないんだ》

 

それを言われれば言葉を返せなくなる、今日まで指揮する際には嫌でも使ってしまう眼の機能、その所為もあるだろう、彼女の脳への侵食は現状で6割にまで達していた。

 

更にその影響で最近の彼女にはある異変が見られるようになっていた、いやもしかしたらそれよりも前からあったのかもしれない。

 

最初に気付いたのは相部屋になったPPK、毎晩、指揮官がうなされていると報告が上がり、検査を掛けてみればいつ急激に進んだのかは不明だがその時点で5割、その後も寝る時間や回数が増えた、上の空になる時が増えている、指揮の時に敵の移動ルートが分かっているような指揮をするようになった、等が上がり始めているのが今の彼女だ。

 

「指揮官、ペルシカは悪くないのじゃ、これに関してはわしも関与しておる」

 

「なんで、私なんかの」

 

《なんか、なんて思わないことね指揮官さん、貴女に何かあればF小隊の特にF45なんて悲しむことになるの、だから私達はこの依頼を受けたのよ》

 

まぁ結果ヘマしてこうして助けを求めちゃってるんだけどと軽い口調で呟く、それでも指揮官は胸が痛くなる、だからこそ彼女はペルシカを見据え

 

「すぐに救援部隊を編成、404の救援に向かいます」

 

《ありがたいわ、こっちはそろそろ通信を切るわ、UMP45アウト》

 

《分かった……ヘリアンにはこっちから上手く伝えておく、それともう一つその地区にはもう二体のハイエンドモデルの反応もあるから気を付けて欲しい》

 

「二体か、じゃがこの地区は天候が安定しない、あまり部隊は送れぬぞ」

 

ハイエンドモデル二体に、イントゥルーダー、更にジュピターと呼ばれる大型砲台の存在も決して無視できない、特にイントゥルーダーに攻撃できる存在はかなり限られている。

 

どうするかと思考を巡らせM1895と指揮官、そうして出た結論は冒頭の3部隊、そして今回はそれだけではなく

 

「やれやれ、まさか久し振りにこっちの仕事を任せられるなんてね」

 

「鈍ってないですよね?あの砲台がどれほどか分からないですけど私達にこの作戦の成功が掛かってるんですから」

 

FMG-9とヴァニラのコンビが支援で入ることになり、こうして404救出及び施設制圧作戦の幕が上がった。

 

結末は、まだ誰にもわからない。




指揮官
実は前々から異常はあったりした例の記憶改変で違和感を感じれなかった模様、PPKとの相部屋イベが無かったらもっと発覚は遅かったかもしれない。

初っ端から話をグダるのかお前……あと終わりは形にしつつあるけど多分この世界らしい終わりかもしれない、あれこれ考えたけどどうしようもねぇなこれって感じになりつつある。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。