それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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こんな幕引きも


失温症(仮) Session5

ガトリングの射撃音が聴こえ、急ぎその方向に向かい大きめの部屋に突撃してみればハイエンドモデル同士が戦ってたと思われる光景、これには第0部隊も困惑を隠せずとりあえずイントゥルーダーに銃を向けてはいるが事態を飲み込めずに居た。

 

対してアーキテクトは割と満身創痍そうな身体に似合わず顔を輝かせてた思えば

 

「やったぁぁぁぁ!!幸運の女神は私を見捨てなかった!!」

 

両手を上げて歓喜の声を上げるアーキテクト、それはもうこの部屋中に響き、思わずウィンチェスターが顔を顰めたと思えばそのまま銃口を今も歓喜の声を上げているアーキテクトに向ける、その顔は割とマジだった。

 

「喧しいわ」

 

「って待った!?待って、撃たないで、こ、降伏!!!私グリフィンに降伏します!!」

 

「はぁ!?」

 

突然の降伏宣言にM1895がそんな声を上げる、対してイントゥルーダーは彼女の狙いを分かったようで表情が乗っていない顔で武器を構え、ただ一言

 

「初めからそれが狙いでデータを吸い出してたわけね」

 

「初めから?アーキテクト、貴女もしかして」

 

「勿論、ただで降伏なんて言わないよ、ほら、この機械にはジュピターの稼働データ、設計図、あと……ユノっちの眼に介入するのに必要なシステムデータ」

 

上げてたはずの右手にどんな方法かは知らないが小型の機械が出され、中身を伝える、特に最後のそれは彼女達が此処に来た目的の物、つまり必然的に第0部隊は彼女を守らなければならなくなり彼女の前に展開する三人

 

それを見てアーキテクトが勝ち誇った笑顔になり、不利になったイントゥルーダーはそれでも余裕の顔を崩さずM1895に視線を向け、彼女は自分で最期の銃爪を引いてしまう

 

「【また会ったわっ!?】あっがっ!?」

 

「……?」

 

レイラの声で前回のように語りかけようとした瞬間、イントゥルーダーの顔が歪み顔を手で抑え崩れ落ちる、明らかに異常な様子にM1895は怪訝な表情を向ける。

 

何が起きているのか、この作戦が開始してからずっとそれを思い続けている彼女達は銃を構え、だが迂闊に撃てずに近づけずにいた、がアーキテクトだけは事態を把握しているようで

 

「イントゥルーダーは今、私達だけじゃなくてレイラとも戦ってるんだよ、かなりギリギリの攻防戦、なのに彼女を前に出そうとしたから」

 

「レイラじゃと?いや、ああ、そういうことか」

 

「だからイントゥルーダーの思考だけじゃない、何か他のが読めたのか……」

 

アーキテクトの言葉にVectorはさっきからイントゥルーダーの思考が上手く読み取れない理由に合点がいったと言う感じの声を出す、そこでイントゥルーダーが顔を上げた、そこにあったのは今までの戦いでは見たことのない獰猛な表情であり目には確かな殺意が滲んでいた。

 

だが万全の彼女ならばこの状況でも戦闘になったとしても優位に立てたかもしれない、しかしアーキテクトが言うにはレイラの人格とも電脳で戦闘をしており日常的に人格の乗っ取り合いも行われており、その状況で現実の方で手慣れの三人を相手にするというのは無謀もいいところである、何より今の彼女は再度、崩れ落ちてしまうほどに余裕がなかった。

 

「っが、はぁ……はぁ……」

 

「その死に体で貴様は何がしたいのじゃ」

 

「はは、敵にそ【んな言葉を】掛けるなんて余裕ね、【ナガン】」

 

ところどころ声が二重に聴こえたり、切り替わったりを繰り返すイントゥルーダー、彼女は始めに時間がないと言った、だがそれは彼女を予想以上に少ない時間だったのだ。

 

それを聞きM1895はイントゥルーダーに虚しさを感じると同時にこんな状態になっても戦ったレイラにある種呆れてしまう

 

「……FMG-9、こやつのコアはどこじゃ」

 

《副官?》

 

「せめてもの情けじゃ、本来であれば頭を撃ち抜いてやるつもりじゃったがせめて残った部分だけでも綺麗にあの墓に入れてやりたい、だからコアを撃ち抜く」

 

《分かりました、直ぐに、え?》

 

《だから人格を2つ持ててたのかこいつ……》

 

FMG-9の困惑とヴァニラの感心するような声が通信機から聞こえ、どうしたのかと聞いてみれば返ってきたのは

 

《こいつ、コアの反応が2つあります、恐らくどっちかが本体のコアだとは思うのですが》

 

《大きな反応、こっちじゃないかな》

 

「助かる指揮官……イントゥルーダー、何か言い残したいことはないか?」

 

大まかな位置だけを聞いてM1895はイントゥルーダーに近づく、不用心な行動だが今のイントゥルーダーに何かが出来るわけでもなく、向けられた銃口に笑みを浮かべながら

 

「不完全……燃焼ね、こうやって抑えつけてる間は動けないって状態にまでなるなんて思わないわよ」

 

「アヤツを甘く見たツケじゃ」

 

「そのようね、ふふ、残念だわ……でもね、これで終わりだなんて思わない方が良いわ」

 

「……そうか、片隅にでも覚えておくのじゃ」

 

会話はこれで終わりだとイントゥルーダーが静かに目を閉じ、M1895は一番反応が大きなコアの場所に銃口を当てて、静かに銃爪を引けば、弾丸は綺麗にコアを貫き

 

ドサリと身体が床に倒れた、こうして散々指揮官をM1895を振り回し命の危機に晒したイントゥルーダーの最期はあまりに拍子抜けで、あまりに虚しい形で幕を下ろした。

 

「こちらM1895、イントゥルーダーを撃破、指揮官、確認してくれ」

 

《……》

 

「どうした指揮官」

 

「副官後ろ!!」

 

ノイズしか聴こえない通信、そしてVectorの声にすかさず振り向けばそこには今さっきコアを撃ち抜いた筈のイントゥルーダーが立ち上がる姿、あれは代用コアだったかと銃を構え、再び発砲しようとした時、イントゥルーダーが先に口を開いた。

 

「久し振り、って言うのはなんだか可笑しいかもだけど、まぁその銃を下ろしてもらっていいかしらナガン?」

 

「お、レイちゃんやっほ」

 

先ず疑ったのはイントゥルーダーの演技だったがそれにしては自然すぎ、更にアーキテクトがそう声を掛けたことでM1895は驚いた表情をしつつ

 

「お前、まさかレイラ、なのか?」

 

「まぁ、ええ、ごめん、時間ないからさ、手短に話していいかな」

 

「何が手短にじゃ、全く、ほれ帰るぞ、それからいくらでも話を……」

 

思えば何故このタイミングで通信が阻害されたのか、それを考えれば彼女、レイラが考えていることなんてすぐに分かることだった。

 

「私はここで死ぬつもりだよナガン」

 

死人は、生きていてはいけない




色々考えました、戦闘の末ってのもありました、でもどれも自分の技量だとなんだか微妙な感じになってしまい、ならばいっそ微妙なら微妙なりにと思考が暴走したのがこれです。

何というか色々考えすぎて纏まらなかったとも言えるなこれ……ウィンチェスターさん完全に意味なかったし、指揮官関連の伏線投げっぱなしジャーマンだし、まぁココらへんはいつか使えるかもだから残しておけばいいかなって

つまり?まぁうん、グダッたって事さぁ!!

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