それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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基地と出かけ組の温度差よ


こんな一日もありじゃないかなって

その日、会議室に彼女達は集められた、だがこれは決して女子会やシスターズイレブンの会合でもない、全員が全員、とある一人の存在に集められたのだ。

 

各々の顔は緊張の面持ちであり誰がどう見ても和気藹々な会話が始まると言った感じではないということが分かる、その証拠にカリーナとスプリングフィールドが出した飲み物に誰も手を付けてない。

 

「FAL、これ何の集まりよ?」

 

「い、いや、私も知らないんだけど……」

 

どうやらシスターズイレブンの集まりじゃないわねこれとWA2000は悟る、いやそんな事はこの部屋に入った段階で分かりきっていた、更に言えばエルフェルト、Gr Mk23、M1911、ステンMk-Ⅱと言った恋愛方面に(一人暴走気味だが)強い面々が居るのも疑問だ

 

そもそも一体誰が集めたというのだと言う話にもなる、そう誰もこの集まりの主催が誰かは知らない、全員がカリーナに呼ばれきただけなのだから、緊張が支配する空間になっていた会議室の扉が開かれ彼女達を呼び出した人物が現れた。

 

「嘘、でしょ」

 

思わずWA2000がそう呟いてしまったのも無理はない、それほど誰もが驚愕した、その場に居る全員が予想にしなかった、どうしてと聞きたい気持ちが溢れ出そうになるがそれは堪える、どちらにせよ彼女から説明があるはずなのだから。

 

そんな空気を感じてか彼女は気恥ずかしそうにゴホンとわざとらしい咳払いを一つしてから、カリーナに目配せをすれば彼女は抱えていた書類を集まった面々に配り、彼女達がそれの書類の題名を読んだ瞬間、更に驚愕が重なり彼女に視線が集まる。

 

向けられる様々な感情が入り混じった視線を受け、だが彼女はその表情を変えることなく、ゆっくりと口を開いた。

 

「書いてある通りじゃ、今回お主らに集まってもらったのは他でもない……指揮官とPPKの式について意見を出してもらいたいのじゃ」

 

この基地のストッパー、常識人筆頭、皆のおばあちゃん、我らが副官であるM1895は真剣な眼差しと口調で彼女達にそう言い放ったその言葉に彼女達はただ思った

 

(いや、だったら普通にカフェとかで集まろうよ)

 

会議室は無駄に緊張するんだよというのが総意だったがM1895には通用しなかったらしい、こうして始まった会議なのだが一つ言えるのは結婚式とかに詳しそうで集められたエルフェルト達が殴り合い寸前の泥沼な論争が起きたとだけ書き足し、場面は変わる。

 

そんな妙に緊張感が走っている会議が起きてるなんて一切知らない指揮官は現在、PPKとG36と共に街に居た。

 

「なんで会議なのに私とPPKは出掛けろっておばあちゃん言ったんだろ?」

 

「不思議ですわよね……G36は何かお聞きになりまして?」

 

「いえ、私にも特には、副官からは二人の送迎及び警護をとしか」

 

ふむ、不思議だと再度つぶやく指揮官、だが知らぬのは彼女だけでありPPKはほぼ勘付いているしG36に至っては副官から内容を聞いている、しかも現在進行系で通信越しで会議を聴いており電脳内で買う必要がありそうなものをメモしていっている。

 

「悩んでも仕方ないか、何してようか?」

 

「そう、ですね。突然だったのであたくしも考え付かず、とりあえず歩きますか?」

 

「うん、正直言っちゃえばPPKと一緒ならどこでも楽しいよ」

 

二人の周辺の空気が一瞬で変わる、なるほどこれが甘ったるいという空気ですかとメイドは冷静に分析しつつ、若干騒がしくなりだした会議に苦笑を浮かべる。

 

それと同時に自分は少々お邪魔虫だったかもしれませんねと笑みを浮かべてしまう、だが警護は必要なのだ、PPKが居るとは言え今の指揮官はハイエンドモデルを抱え込んでいるという事実は噂レベルに抑え込まれているとは言え知られてしまっている。

 

(居るでしょうね、実力行使や誘拐をしようと考える輩が)

 

眼鏡の奥の瞳が鋭くなる、彼女達には指一本も触れさせはしないという覚悟が表しつつ彼女達の邪魔にならないがかと言って離れすぎない絶妙な距離感を保つ。

 

町中の散策を始めて数十分、休憩がてらにと立ち寄った比較的利用するカフェでお茶をしている時、指揮官が突如あっと声を上げた。

 

「如何なさいましたか、お嬢様?」

 

「あれ、今、あそこに……誰だろ、見たことない顔だったけど」

 

「もしかして、関わりある人がまた見れたのですか?」

 

かなぁと曖昧な返答になる指揮官、しかしこの状況から探すとなると骨が折れる、指揮官が関わりがあったとしても彼女は顔を見たことがない、そしてそれは彼女からの視点でありPPKたちには周りの人間も普通に見えるため誰が指揮官が見えた人物かは分からない。

 

さてどうするかと悩んでいると、二人組の影が近付き反射的にG36が前にPPKが指揮官を腕で背中に回しそっちを見れば

 

「おっと、悪い驚かしたか?」

 

「おや、副官は一緒ではないのか」

 

一人の男性とM1895、勿論こっちの基地の彼女ではない、ならばと答えはすぐに分かった、分かった上で指揮官は男性、改め

 

「ガン、スミスさん?」

 

「おう、どうしたんだ?すげー驚いた顔してるが」

 

「む?いや、待て、今彼女はどうやってお主だと気付いた?」

 

そりゃお前の存在だろうと言いかけたがその時の指揮官はPPKの背中からひょこっと顔を出していただけであり、M1895は死角に居た、つまり

 

「見えた!ね、ねぇちょっといい?」

 

「うえ、お、おう?」

 

そこからの彼女の行動は早かった、ガンスミスの側まで行ったと思えばちょいちょいとしゃがませ手でペタペタと彼の顔を触っていく、それから自分の顔を触り、何かを確認してから

 

「全然違うんだ……へぇ、これが男の人なんだ」

 

「言い方が凄く危うく聞こえるのはあれだな、うん」

 

「申し訳ございません!お嬢様、行き成りこのようなことはしてはいけません」

 

「え、あ、ご、ごめんなさい……その、この眼で始めてだったから、男の人を見るの」

 

この少女、これで狙って発言していないのだから恐ろしいことである、それから謝罪の意味も込めてこちらの奢りで彼らとお茶を楽しむことになったのだが話題は当然、指揮官とPPKの左の薬指のそれ、事情を話せば二人は感心しつつ

 

「ほう、お主の所も色々とあったんじゃな、少し見ない間にそのような関係を作るとはな」

 

「お幸せにな、こんな世界だから尚の事大切にするんだぞ?」

 

祝いの言葉を掛けられれば照れ笑いをする指揮官とそれを見つめ優しく手を握るPPK、半ば空気に徹しているG36、こうして彼女達のお茶会はのんびりと時間が流れていくのであった。

 

尚、基地の会議室

 

「だから、PPKは男装だろ!!」

 

「何度も言うけどね、二人共ドレスで式をあげるべきなのよ!!!」

 

集めるメンバーを間違えた、副官はデッドヒートするそれを見つつ遠い目でそう思ってたのであった。




通りすがる傭兵様から一応、触っていいかは聞いてあるとは言え最後すぎひん登場?なんか、本当にすみません……一話丸々とか考えてたのですがどうにもエンジンのかかりが悪くて……やばい、吐きそう(メンタルクソザコ

式の招待状の話書くタイミング無かった(ガバ)これ会議編を明日書かなきゃダメなのでは?

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