それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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今回は『スツーカ』様の作品『指揮官とG3がお送りするドルフロ銃解説』とコラボです!!銃そのものの解説や弾丸の解説等々分かりやすい作品なので皆も読もうな!!


スチェッキンさんは慎重派な大胆派

揺れる車内、その助手席に据わっている指揮官は考えていた、何故自分は此処に居るのだろうと。

 

私は朝起きて、PPKとおはようのキスを交わし、彼女のためにお弁当を作り、渡す流れで任務に行くのを見送り、そして執務室で朝の業務を始め……そう、朝の一段落と言うタイミングでスチェッキンが風のように現れたと思えば彼女のトラックに座らされていた。

 

ああ、このパターン覚えがあるなぁとそこで気づき隣で鼻歌交じりで運転しているスチェッキンの方に視線を飛ばしてから

 

「これ拉致だよ!!」

 

「ぬぉっ!?お、驚かせないでくれよ指揮か~ん」

 

「いや、何でまた拉致まがいで私は此処に居るのさ!?」

 

「うーん、ほら、最近は銃の勉強を始めただろ?」

 

何だ突然と思いつつ、その通りなので頷いておく、眼の調整が入り射撃アシストが人間用にまでダウングレードされたので彼女も一応は銃を撃つことが可能となったので護身のために学んでいるのだ、だが周りからの反応はあまりよろしくなく握ることはまだ叶わない。

 

「それで動画で勉強してるじゃない、今日行くのはその動画主の基地だよ」

 

「え、本当!?」

 

そして彼女はそれを学ぶ際に最近使っているのはアーキテクトから教わった動画サイト、その中で指揮官とG3が字幕やイラストを使い分かりやすく解説している動画を教材としている。

 

無論、分かりやすいから使っているというのもあるがもう一つその動画を見ている理由がある、なぜかは分からないのだがその動画の指揮官のことが若干だがボヤケて認識できるのだ、完全にマネキンではなくなんだか中途半端な感じで。

 

それを聞いたスチェッキン、彼女は実はその基地と何回か交流があったりする、そこで大凡の理由は察したが実際に合わせてみるとどうなるかが気になった、なので今回は連れてきたのだ。

 

(もし私の予測が正しいと、これは今後の懸念点に化けちゃうんだよね)

 

「楽しみだな~、あそこのG3ってこっちのとやっぱり違うんだろうなぁ」

 

先程まで拉致まがいで連れてこられて若干不機嫌だったのが嘘のような指揮官にスチェッキンは微笑ましそうに笑い、彼女のトラックは彼女の基地へと走る。

 

という訳で目的の基地、既にスチェッキンと指揮官は基地内に駐車して降りており、緊張でガッチガチ寸前の指揮官の前には件の女性とG3が居た。

 

(お、大きい人だ……)

 

(小さいなぁ)

 

流石にFive-seveNよりは低いかもしれないがそれでも彼女からすれば十分大きい背丈、これだけ近距離では見上げなきゃ顔が見れないほどである、対して相手も自分より遥かに小さい存在に驚いていた。

 

「遅れて申し訳ないね、プーシキナ指揮官、ちょっと仕入れに苦戦しちゃってね」

 

「いいや、こっちも無茶な商品の注文だったからな、寧ろ来るだけでもありがたいよ、さて、初めまして、私はこの基地の指揮官『アレクサンドラ・プーシキナ』だ」

 

「あ、え、えっと、ひゃ、は、初めまして、私はS09第○地区の指揮官『ユノ』です」

 

声も身体も言葉もガッチガチの彼女の挨拶に相手の二人は何とも微笑ましいものを見たという顔になる、一応の事情はスチェッキンを通して聞いてはいるのでこうなることは予想されていたとも言える。

 

「こんにちは、大丈夫、ゆっくり深呼吸して下さい」

 

「は、はい……すぅ、ふぅ」

 

相手の副官であるG3に促され一度深呼吸を挟めば幾分か良くなり今度は落ち着いてアレクサンドラを見つめることが出来た、そして分かる、まるで何かの痕のような感じで彼女の顔が認識できていると

 

何故?その疑問が顔に出ていたのだろう、スチェッキンがまず初めに

 

「指揮官、彼女がどう見えてるんだい?」

 

「なんて言ったらいいんだろう、部分的に認識できるって感じ」

 

それを聞いたスチェッキンはやっぱりかと苦々しく呟く、対してアレクサンドラの方はそれを聞いて

 

「確か、彼女は人形が人間に見える、だっけスチェッキン?」

 

「ん、ああ、そうだよ。でも最近調整が入ってね、人間相手でも彼女次第ではきちんと見えるようになったって話なんだけど」

 

「もしかして、指揮官に使われた生体パーツ、でしょうか?」

 

生体パーツ、その言葉にへ?となる指揮官、彼女の知らない所でどんどんと話が進むので既に置いてけぼりだと言うのに更においていかれてしまった。

 

だがそこは伊達に今日まで指揮官をしていた彼女ではない、今のキーワードから何となしに答えに辿り着いた、がこれを迂闊に言葉にして良いのかとコミュ経験値が無い彼女は悩んでしまう。

 

「えっと……プーシキナさんってその、怪我の治療で?」

 

「ああ、そうだよ。ま、そこまで気にしちゃいないけどな、だけどスチェッキンは何を心配してるんだ?」

 

「もし生体パーツでも認識できる、そうなれば……あ、いや、ああ、ごめん考えすぎたねこれ」

 

深刻そうな顔から一点、馬鹿だ私はという顔になるスチェッキン、彼女が懸念していたのは生体パーツだけでも指揮官が人と見えてしまう問題、そうなると彼女の警戒心が薄くなってしまうのではと思ってしまったのだが、そもそもにして見えてる見えてない関係なく初対面の『人間』には警戒心高かったねと思い出し、思わずそんな声を上げてしまった。

 

それを説明すれば笑いが包む、場の空気が穏やかになったタイミングで指揮官はアレクサンドラとG3に伝えようと思ってたことを思い出して

 

「あ、あの、二人の動画を見て、勉強してます!その、凄く分かりやすくて助かってます」

 

「あらあら、嬉しいですね、指揮官」

 

「まさか見てくれてる娘だったとはなぁ、そうか~、今後も視聴よろしくな~」

 

ウリウリと頭を撫でられつつ、一つ頷く指揮官、と言うタイミングでスチェッキンがダミーの方を見て、何やら作業が終わった感じの顔をしてから

 

「プーシキナ指揮官、注文の品、確かに納品したよ~、はいこれリスト」

 

「……え、この値段マジ?」

 

「安いってものじゃないですよねこれ」

 

驚く二人、何が書いてあるが見えないので小首を傾げる指揮官、意味ありげにニヤリと笑ったスチェッキンは勿論、その値段は嘘じゃないよと一言言ってから懐から一枚の手紙を取り出して

 

「その値段+何だけどさ、良かったら我が指揮官の結婚式に足を運んでくれないかなって」

 

「え、ああ、構わないけど、ユノちゃん凄い顔してるよ?」

 

見れば何それ初めて聞いたんだけどと言う顔の彼女、無論、挙式にではなく基地外の誰かを招待することにだが、それを見たスチェッキンはただ一言

 

「あれ、言わなかったっけ?」

 

「彼女、中々いい性格してますね、指揮官」

 

「クハハハッ!面白い基地じゃないか」

 

聞いてないんだけどぉぉぉぉぉぉ!!!???彼女の叫びが木霊し、三人の楽しげな笑いが場を包むのであった。




Q 注文の品って

A 戦車のパーツと燃料と砲弾等など

という訳でスツーカさんの作品『指揮官とG3がお送りするドルフロ銃解説』からアレクサンドラ・プーシキナさんとG3さんでした!G3さんに思ったよりセリフ回せなくてごめんなさい……ていうかアレクサンドラさんもこんな感じでいいんですかね(小心者

あと、何気に人に名前を名乗るの今回が初めてじゃね指揮官

次回
大コラボ回となった結婚式!!間違いなくSessionシリーズだな、頑張れ私!!

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