それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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実際に全開放しました


今日も司令部は大忙し

本部から新たな通達、そして迫りだした大規模作戦、唯でさえバタバタな司令部に追い打ちを掛けたのはAR小隊の二人【M4 SOPMODⅡ】と【STAR-15】の救出作戦の際の戦闘で編成していた五部隊全て投入、それでも第一部隊が追い込まれるという事態になり現状では今後強くなっていく鉄血に対抗できなくなる可能性が浮上した

 

更に言えば五部隊使うということは資材回収が期待できる支援に回せる部隊が一つも出ないということであり、つまり今後は出撃をすればするほど赤字になる。この未曾有の事態に連日連夜あれこれやりくりの格闘をしていた指揮官、遂に壊れる

 

「……増やせば良いんじゃない?」

 

「どうした突然」

 

突如そんな事を呟いた指揮官に副官がツッコミを入れる、が見れば彼女の伊達メガネの奥にある瞳は妖しい光を灯しており恐らくだが冗談で言ったのではないというのが微かに感じられる

 

実際、確かに増やせれば楽になる、楽になるが部隊を増やすにはなぜか本部に申請して対価を出さなければならない、向こうも民間企業故の懐事情というのがあるのだろうがそれでも中々の出費になる

 

「だからさ、部隊を増やすんだよ。支援専門としてそれでぶん回すの、それなら資材不足は楽になるし五部隊丸々戦闘部隊としてできるなら戦略の幅も広がるから前回のような状況にはなり難くなるよね」

 

「いや、確かにそうなのじゃが」

 

「あ、勿論、24時間なんてやらないから安心してよ」

 

「気をしっかり持て指揮官!?」

 

空元気な笑いを放ちながら書類を片し尚もそんな事を言い放つ指揮官に遂にM1895が止めに入るように叫ぶ、実際見てられないくらいに彼女は疲弊しだしていた、だが止まらない、机の電話に手を掛け通信を繋ぐ

 

「おい、指揮官?」

 

「大丈夫、痛いのは私(の懐)だけで良いから」

 

何を言ってるのじゃ、内面ボロボロな指揮官の言葉にそんな事思ってると通信が繋がる、その相手は

 

《こちらカリーナです、珍しいですね指揮官様がこの通信に掛けてくるなんて》

 

「ちょっとカリンちゃんに頼み事があってね……本部に五部隊分の開放の許可取ってくれるかな?」

 

「!!???」

 

《わぁお太っ腹、ですが大丈夫なのですか?中々にいいお値段しますよそれ》

 

「問題ないよ、あとで代金渡しに行くから、うん、うん、分かったよろしくね」

 

またのご利用お待ちしてま~す。指揮官はガチャンと受話器を置きM1895の方に向き直る、さっきまで妖しく光っていた目は鳴りを潜め、今は空虚な感じになっている

 

「指揮官、お主……」

 

「みんなが少しでも楽になるなら私は自分の身を削ることだって厭わないから」

 

「馬鹿者、それでお主が涙するなら意味など無いだろうに」

 

「え、あれ本当だ、なんで泣いてるんだろ。自分で決めたことなのにね」

 

「もうよい休め、お主は頑張った、だから少し休むが良いのじゃ」

 

変なやり取りだが指揮官も副官も所謂、徹夜明けテンションなので仕方ない

 

こうして、この司令部は10部隊を抱える事が可能になった。代償として指揮官が地道に溜め込んでいたへそくりが消し飛び精神に大ダメージを負ったがそれでも支援専門のが出来たことは大きく司令部の資材は着実に貯金されるようになった

 

その日の午後、何とかダメージから復帰できた指揮官は新たに追加された全ての部隊の編成を考え指示も出し終えて一息ついていた、少し伸びをすれば体中からパキパキと音がなるくらいには固まっていたらしい

 

因みにM1895は部隊開放などの書類の処理はこっちでやっておくから今日はもう仕事は休めと指揮官に告げてからカリーナの所へ向かった

 

「少し、歩いてこようかな」

 

呟いてから執務室を出て、さてどこに向かおうかと考えていると

 

「あ、指揮官!」

 

「あら、指揮官~」

 

声の方に向いてみればそこに居たのは第二部隊隊長【UMP9】とつい最近来たその姉【UMP45】、どうやら今日の業務は終えて二人で司令部内を歩いていたらしい

 

「やっほ二人共、ごめんねバタバタとしちゃって」

 

「私達は大丈夫だけど何か大変だったみたいですね、疲れた顔してますよ」

 

「駄目だよ、キチンと休憩はしないと」

 

二人の心配そうな言葉に今日はもう終わったから大丈夫だよと返すも欠伸が出る。思ったより疲れが溜まっていたらしいと彼女は思わず苦笑する

 

「あ、ほら、やっぱり無理してるじゃないですか」

 

「みたいだねぇ、でも少し歩かないと体が固まっちゃってて」

 

「では私達もお供しますね」

 

UMP姉妹をお供につけた指揮官はその後、フラフラと司令部内を散歩しつつ二人との会話を楽しむ、やはり姉が来たのが嬉しいのかUMP9は特に会話が弾み聞いてる方も楽しくなる程だった

 

「9、楽しそうね」

 

「そりゃ勿論だよ、指揮官と45姉となら何時でも楽しいよ!」

 

「うん、私も楽しいよ二人共」

 

「指揮官、楽しそうな顔と同時に疲れ始めてる顔するって器用なことするね」

 

「……ごめん、流石にちょっと仮眠してくるね」

 

なら部屋まで送りますよ、最後まで楽しく、ね?UMP45の言葉に指揮官もUMP9も頷き自室までまた楽しい会話が続いていた




ぶっちゃけ今日はキャラが頭の中で動いてくれなくて難産でした……ていうかブレブレだぁ今回は……

そして今日来たばっかりでロクに突いてないUMP45を出すとかこの作者阿呆なのでは?

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