それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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教会風であり、でもどこか違う、そんなこの基地の結婚式

Warning
いつもの文字数じゃないです、長いです


永久の誓いを此処に Session4

それは副官が来る少し前、エルフェルトにでは待機場所で待ってて下さいね~と言われ待っている時のこと、自分がこんな綺麗なドレスに身を包み化粧までされてこれから本当に本で読んだ結婚式をするんだと思っていると扉が開かれ、見れば小さな猫耳コンビ

 

「P7、それにステアーもどうしたの?」

 

「エルフェルトにベールガールっていう歩いてる時に裾を持つ係を頼まれたのよ!」

 

「うん、指揮官のドレスのベール、身長より長いから……」

 

言われれば納得する、確かにこれは長く、多分転けるよう気もしなくはなかったのでそれは非常に助かるなと、だが同時にそれだけじゃないかなっとも感じていた。

 

だからだろう、ドレスが崩れないように慎重に動き、二人の前に視線を合わすようにしゃがみこんで

 

「ありがと、でもまだなにかあるでしょ?」

 

と言うのも二人はどこかソワソワしてたからだ、普段であれば自分にじゃれ付いてきたりするのにそれがなかったからもある、こういう時は彼女達にとって勇気がいることを聞きたい時、したい時だと学んでいるでの頭をそっと撫でつつ出来る限り優しく聞いてあげれば、少し迷い、そして

 

「あ、あの、ね?わた、私、指揮官のことをその、お、おかあさんってずっと思ってて、だからね、うぅ、ごめん迷惑、だよね」

 

「私も、です。優しい、おかあさんって」

 

P7が勇気を持って言葉を紡ぐも最後の最後でいつもの気弱な彼女に戻り泣きそうな顔でフードを被ってしまい、ステアーがそれに続いて告げるもやはりこちらも恥ずかしそうに顔を隠してしまう。

 

それを聞いた指揮官は驚いた表情をしてから、だけどすぐに優しい、彼女達が大好きなその笑顔になってそのままぎギュッと強く抱きしめ

 

「いいよ、ふふ、それくらいだったらもっと早く言ってくれても良かったのに」

 

「え、だ、だって迷惑だろうし、その、嫌われたくなかったから」

 

「うん、だから私達二人だけの、秘密だった」

 

だけどついに我慢できなくなった、副官をおばあちゃんと呼び始め、今日彼女がPPKと結婚するとなり、何故かは分からないが抑えが効かなくなり聞いてしまった、嫌われる、嫌な顔される、拒否される、辛いけどそれならば仕方ないと思っていた彼女達を迎えたのはこの抱擁と優しい肯定の言葉、そこに嘘偽りは一切ない。

 

「迷惑じゃないし嫌うわけないよ、二人のことは大好きだもん、きっと、私も二人を妹じゃなくてそう思ってたくらいにね」

 

だから、勇気を出してくれてありがと、抱き締めながら二人に囁やけば泣きそうになる二人、だが指揮官はこれから大事な式、そのためのドレスを汚すわけにはいけないとぐっと堪え、ニカッと笑みを浮かべて彼女に抱きつく、ありがとうの意味を込めて

 

というのが副官が来る少し前のこと、つまり

 

「ほう、いきなり二児の母か、呵々これはめでたいのじゃ」

 

「へへ、あっとPPKとは会った?」

 

「うむ、丁度向かうところを会って軽く話した、お主がきちんと準備終えてるか心配しておったぞ?ま、その様子ならば問題なさそうじゃがな、してお主らは?」

 

「ベールガールってやつよおばあちゃん!」

 

「転けないように、裾を持って入場、です」

 

おお、確かに必要じゃなと納得してからふと時計を見ればまだ余裕はあるが動いた方がいいといった時間、それを彼女に告げれば小さく頷きゆっくりと立ち上がる。

 

全て慣れない格好であり、そうなればやはり重心も変わり少しよろけるがそれを副官とP7、ステアーが支え感謝を述べつつ会場へ徒歩を進める、倉庫を改修したとは言えさすがに教会内に待機場所は確保できなかったので彼女が居たのは少しだけ離れた建物、なのでドレスが汚れないようにと教会までの道には赤いカーペットが敷かれその上を歩いていく

 

そうしてもう目の前に教会の入口と言った所で指揮官の目には一人の女性が写る、だが同時にありえないはずと思ってしまった、そこに居たのは

 

「……マスター、さん?」

 

「ユノ、ちゃん?え、どういうことでしょうかこれ」

 

「?指揮官、お主誰と話しておるのじゃ」

 

え?となるが彼女の目にはしっかりとあの夢で出会った喫茶店のマスターが居る、あの時は記憶が曖昧になっていたが今はっきりと思い出せるから間違いない、だけど副官の声に嘘はないとなれば彼女は気付くし、向こうも察する

 

(私にしか見えてない?)

 

「……返事はいいです、そして一言、おめでとうございます、どうか末永くお幸せに」

 

ペコリと綺麗な礼をしてから彼女はそっと扉の前から左に避ける、指揮官はそれに対して心の中でありがとうと答えてから、未だ疑問に思っている三人に何でもないと告げて扉の前に移動する。

 

副官はまぁ、それならばよいがと言ってから耳の通信機に手を当てて

 

「わしじゃ、うむ、いつでも良いぞ。さて、指揮官、驚くなよ?そして、お主は此処まで皆から祝福されていると感じてくれっとと、忘れるところじゃったほれ、ウェディングブーケじゃ」

 

その言葉がどういう意味なのか、それはウェディングブーケを受け取った指揮官が彼女に聞くよりも前に、開かれた扉の先に答えはあった、牧師役をかって出たシスター服姿のG3、向日葵の装飾が施されたウェディングドレスに身にまとったPPK、そしてまだ幾人かはマネキンだがそれでも見える人が居た、人形も居た、その全てが彼女に視線と雰囲気で祝福を告げていた。

 

感動が体を襲う、気を緩めてしまえば今にでも泣きそうになってしまう、だけどそれはまだ駄目だと言い聞かせる、エルフェルトが言っていた、泣くのはまだ後だと、だから彼女はその祝福に答えるようにいつもの笑顔を浮かべ副官のエスコートの元、そっと中央通路を歩き出す。

 

教会内で待機していたその場の全員が息を呑んだ、それの中にはPPKも含まれている、中央通路を歩いてきている指揮官のウェディングドレスは純白でありながら必要以上に強調していないが太陽を思わせる装飾が施された彼女らしい物でありよく似合っている、そしてこれは仕方ないことだろうが身体の傷跡は見えてしまうはずなのだが彼女は気にしない、いや、PPKがそれすらも含め綺麗と言ってくれた、だから堂々と歩けているのだ。

 

一歩、また一歩と進み、聖壇前のPPKの隣に立ち副官は目で彼女に伝える、後は任せたぞと、PPKはそれに答えるように小さく頷いてから指揮官と腕を組み祭壇の前へと進んでからG3がではと賛美歌斉唱、そして聖書の朗読、祈祷と進められていき、続いて誓約の言葉が始まる。

 

「汝、PPKはこの女を妻とし良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い、妻を想い、妻のみに添うことに、神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか? 」

 

後にPPKも指揮官もそしてその場に居た全員が語る、G3から発せられたその誓約の言葉一つ一つが妙な力と重さを持っていたと、兎も角をそれを受けてそれでもPPKは真剣な瞳で

 

「誓います」

 

その言葉に嬉しそうに頷いてから続いて指揮官の方を見て、同じようにその力が籠もった誓約の言葉を問いかける。

 

「汝、ユノはこの女をを夫とし良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い、夫を想い、夫のみに添うことに、神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか? 」

 

「はい、誓います」

 

「その言葉、確かに聞きました。では指輪の交換を」

 

既にしていると言う話ではあるがエルフェルト曰くこの場でやることに意味があるんですと力説、何よりもやはり思い出として残すのならば二人もやったほうがいいよねとなって互いに指輪の交換が行われ、次はベールアップなのだがここは両者が互いのベールを上げ、『慣れた動作で』誓いのキスを交わす。

 

(慣れてるにゃ)

 

(慣れてんなぁ)

 

「ここに、二人の婚姻の儀を終え、皆様に夫婦になったことを宣言し式を終えることに致します」

 

G3が宣言をし、二人が中央通路を腕を組んで退場が行われるのだが扉をヴァニラが空けた時、指揮官の目に代理人がまた映ったと思えば綺麗なお辞儀をしたと思えばバッと白い鳩が数羽飛び去る、その光景に思わず目を奪われる二人

 

「い、今のは……?」

 

「見てたんだね、最後まで、所でこの後どこに出るの?」

 

「まぁ、退場も何も此処基地じゃからな、ふむ、記念撮影とするのじゃ、ほれ、全員集まれ!」

 

結婚式は終わった、だがまだ彼女達の宴は終わらない、いや、寧ろこれからが本番である、が今は記念撮影である。




PPKが旦那である、これには異論があるだろうが私はこれを推奨する(鋼の意志

指揮官のウェディングドレス Vectorのスキンを元に身長などに合わせ改造、お淑やかに見せつつも彼女らしい感じに

PPKのウェディングドレス G36のをベースに改造、所々に控えめに向日葵の装飾が施されているがそこまで大きな改造はされていない。

作者、結婚式に出たことないがためにググりながらやるも結局混乱しているので色々違うかもしれないという体たらく(白目)

次回、披露宴、指揮官が大人しく座ってるわけもなく、そして大問題の大人数場面、死ぬかもしれない作者の頭、乞うご期待?

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