それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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P7のダミーは少し違うらしい


キャットダミー狂想曲

重い、目覚めかけている指揮官が最初に感じたのはズシリと体を襲う重さ、まさかまた風邪?と思ったがそれとは何かが違うと感じ目を開けば自分の上に乗って彼女を見つめている瞳が写り、それは指揮官が起きたと分かると

 

「あ、ママが起きた!」

 

「…ママ?」

 

心から嬉しそうな声で彼女をそう呼んだのはP7、だがそれにしては妙だと思う、何処と無く彼女と違う印象、それにP7は自分を『お母さん』と呼ぶ筈、と思いもう一度よく観察して気付いた

 

彼女は間違いない、ダミーのP7だと、だがそこで新たな疑問が浮かぶ、基本この基地のダミーは使用時以外はスリープにしてある、自由にさせてもいいかもしれないがこの基地の人形の人数を考えるとダミーまで動かしてしまえばわちゃわちゃでは済まないレベルになるからだ。

 

なのでダミーを起動させるのは作戦は何か人手が欲しい作業時に限り、それが終わればまた専用の部屋にスリープ状態で待機させると決まっている。

 

「(でも今日は休日だし、P7が態々ダミー使ってまで起こしに来るとは思えないし…)ねぇ、えっと貴女P7のダミーだよね?」

 

とりあえずで聞いてみればまた目を輝かせ、続けて寝ている彼女に抱きついてくるダミーP7、突然のことに理解が追いつかない指揮官は戸惑いつつも抱き返してあげ、どうしたのかと聞けば

 

「ママはおねえちゃん(ほんたい)わたしたち(ダミー)が分かるんだね!」

 

「う、うん、まぁ分かるよ?えっと、貴女だけが起きたのかな?」

 

「ううん、皆起きたよ!でも途中で逸れて、私だけがママの所に着いた!」

 

あれ、もしかして今この基地ものすごく大変なことになってるのではと指揮官が漸く覚醒しだした頭で自体を飲み込み始めた時、隣のPPKももぞもぞと起き出す。

 

流石にこれだけ騒がしかったら起きちゃうよねと申し訳なく思いつつ、だが事態が事態なので彼女にも手伝ってもらおうと考えて

 

「ごめん、起こしちゃったよねPPK」

 

「ん、ふぁぁ、いえ、大丈夫ですわ。それよりもどうかなさいまし、たか?」

 

「おはよう、パパ!」

 

「ぱ、パパ?」

 

戸惑う彼女に指揮官が現状で分かっていることを説明すれば、一先ず納得をしてから先程の『パパ』発言について聞いてみれば

 

おねえちゃん(ほんたい)が57にそう教わったからそう呼んだ!」

 

「あのエロうさぎ、次会ったらお灸でも据えないといけませんわね…!!」

 

クシュン!と基地のFive-seveNの自室からくしゃみが響いた。さて何時までもこうしてはいられないとダミーP7に降りてもらって逸れたという他のダミーを探すために着替えていると

 

《お母さん!そっちにダミー行ってない!?》

 

「げっ、おねえちゃん(ほんたい)!?」

 

「うん、今一人だけ部屋に居る、だけど他の子が逸れて基地の何処かで多分迷子になってるかも」

 

《ああ、もう私のダミーなのに何迷子になってるのよ、ステアー、聞いたわねダミー使ってでも探し出すわよ!あと部屋にいるダミー、貴女はすぐに部屋に戻ってスリープで待機するの!》

 

「いやだ!ママとパパと今日はたくさん遊ぶ!」

 

何ワガママ言ってるの!?とP7が通信越しで叫ぶがダミーP7は指揮官にしがみついて更に涙目で彼女を見つめながら通信に反論する。

 

別段、指揮官としては遊んであげてもいいのだがそれよりも疑問なのは何故ダミーが起動しているのかという点、なのでP7に聞いてみれば

 

《私も分からないけど、多分、私の感情に反応しちゃって起動したのかも…?》

 

《P7、一人見つけた!》

 

《でかしたわステアー!えっと、とにかくお母さん、バタバタしててごめんね!》

 

「大丈夫だよ、こっちでも探してみるから何かあったら通信して?」

 

「あたくしも協力致しますのでご安心を」

 

うぅ、ごめんお母さん、お父さんと改めて謝罪の後P7とは通信が切れる、さて探そうかと言う前に指揮官はダミーP7の視線を合わせてから

 

「皆見つかったら、遊ぼうか?」

 

「っ!うん!!」

 

可愛いなぁと一度頭を撫でて彼女達も捜索を開始した時同じく、M4とM16が話しながら歩いていると

 

「えぐっ、ひぐ…みんなぁ、どこぉ」

 

「P7?」

 

泣きじゃくりながら歩くP7の姿を目撃する、だが何というか違うと彼女は直感し、M16がふと気づき

 

「ありゃ、ダミーじゃねぇか?」

 

「え、と、とにかく話を聞いてみましょうってああ!?」

 

「あ~、転けちまったな…」

 

びえええええ!!!と大声で泣き叫ぶダミーP7にM4が慌てながら近付いて彼女に処置を施しM16が後から歩いて向かい泣き止むのを待ってからどうしたのかと聞いてみれば

 

「ひっぐ、ママのところ、どこかわからなくて、それで…」

 

「ママ?」

 

「もしかして指揮官の事では?姉さん、通信を」

 

「あいよっと、こちらM16、迷子の子猫を保護したんだが…ああ、やっぱそうなのか、分かった中庭だな、M4その子を中庭まで案内しよう」

 

「分かりました、もう安心して下さい指揮官が中庭で待ってるみたいなので一緒に行きましょうか」

 

「え、ママが!?ありがとうお姉ちゃん!」

 

いえ、と穏やかに笑みを浮かべM4とM16はダミーP7を中庭に連れていけば、そこには既に指揮官、PPK、P7にステアー、そして3人のダミーP7に囲まれ遊ぼうとせがまれている副官の姿。

 

「ほれ、最後の一人が来たみたいじゃぞ」

 

「懐かれてますね、副官」

 

「ママ!!」

 

M4が連れてきたダミーP7は指揮官を見るやいなや彼女に抱きついて泣きじゃくる、どうやら相当心細かったようだ。

 

因みに3人目のダミーP7は副官が見つけ連れてきたらしい、その時は出合い頭に副官を見て

 

『ばあばだ!!ママのところしらない?』

 

『…ダミーか?全く、ほれ指揮官の所行くのじゃ』

 

という流れで連れてきたらしいのだがそれを聞いてM4はダミーに性格の違いありすぎません?と疑問に思う、普通は多少の差異があれど此処まで違いが出るものではない。

 

だがそれがこの基地のP7となれば話が変わってしまうらしい、そもそもにして彼女は元のメモリーがごっそり抜け落ちた存在、なのでそれを他のことで埋めた影響でこうなったのではないかと後にヴァニラは語る。

 

それからダミーP7達は指揮官達と遊び始めるのだがそれを見てM4はただ一言

 

「なんだか、和みますね」

 

「…だな、その一角で浄化されてそのまま消えそうなやつが居なければもっと和んだんだがな」

 

「無理…こんなの、尊すぎて、無理ぃ」

 

そのまま消えねぇかなこのFive-seveNと割りと辛辣な事をM16は思いつつとりあえず邪魔になりそうなのでと引き摺って中庭から退かすことにした。

 

結局、その日は一日彼女達は自由に遊び、スリープにする前にP7がダミー達に

 

「あんた達!今後は勝手に起動するのは禁止だからね!」

 

「なんだとー、横暴だ!!」

 

おねえちゃん(ほんたい)ばっかりズルい!」

 

「わたしたちだってママと遊びたい!」

 

「そもそも常に自由にさせろー!」

 

「シャラップ!!」

 

揉めに揉め、次第にダミーP7とP7が揉み合いの喧嘩になりだしたこのやり取りは最終的に騒ぎを聞き駆けつけた夫婦の

 

「じゃあ、お仕事をした週の休みとか、ご褒美に遊ぶってことにしようか」

 

「それでしたらあたくしも遊んであげれますわね」

 

『わぁい!』

 

「もう、お母さんもお父さんも甘いんだから…」

 

「でもそれがおかあさんとおとうさんの良い所、です」

 

ステアーの言葉に頷きつつ、ダミーもちゃんと娘として大切にしてくれてる、それが嬉しくてP7はそんな事を言いつつも顔はどこか笑っていた。




この基地は所属人形の数があるのでダミーを常に自由は基地がパンクしちゃうので許して…

P7のダミーは全体的に精神年齢が幼い感じ、でも作戦行動や戦闘はキビキビこなして褒めて褒めてしてくる感じ、子猫テンション

因みに指揮官は見ただけでダミーか本体かは見極められる模様

ダミー芸パクったの許して(震え声

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