それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:鮪薙

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勝利できない、違うな、する必要がないんだ


唯一勝てない存在

彼女、【PKP】がこの基地に配属された理由は幾つかあるが決め手は彼女が志願したから、理由は簡単に

 

(この基地ならば勝利を収めるべき戦いに巡り会えることが多い)

 

CUBE作戦、うさぎ狩り作戦、低体温症作戦と大きな作戦には常にこの基地は関わってきた、ならば今後の大規模作戦にも必ず関わり自分は戦いの最前線に立つことが出来る、そう考えたからこの基地に来たのだ。

 

ストイックな戦闘狂気質な人形、それが彼女、恐らくは初めから戦術人形として作られたが故の思考だろうとヴァニラは語る。

 

彼女はここ以前にも基地を転々としていた、だが配属された先で戦闘こそあれど彼女の飢えを満たすようなことはなかった、いやそれどころか彼女の身体を求めてくる外道すら居た、その時は素直にぶん殴って結果基地から本部にとんぼ返りさせられた事もある。

 

普通ならばそこまでの問題児であれば一度メモリーをリセットされるはずなのだが彼女が今日まで立てている個人の戦果は決して無視できるものではなかった、故に本部の上層部はこの基地に白羽の矢を立て、PKPも二つ返事で了承し配属されたのだ。

 

「今日も何もないのか」

 

が来たはいいが流石のあの大規模作戦があった後と言うのもあり現在この基地は平常運転であり特にPKPが来てからは小競り合いこそあるが大きな戦闘は一度も起きていなかった、しかも間が悪いことに彼女の部隊が任務に出ている間に救援作戦が来たのでそれに向かうことも出来なかった。

 

故に不満たらたらで現在は基地の屋上で柵を背もたれに座りながらそんな事を口にする、そしてその呟きは隣りに居た【AEK-999】通称【バルソク】の耳に届いたのかヘッドホンを外して

 

「はは、あんたいっつもそれ呟いてんな」

 

「いいだろう、ワタシは戦い、勝利しにこの基地に来たんだ、だと言うのに…」

 

「まぁまぁ、何もすぐにデカイのが喰い付くわけないんだから待つのがいいんじゃねぇの?」

 

「だったら、いつまで待てば…すまない、少し歩いてくる」

 

つい苛立ちが言葉に出そうになり立ち上がりながら謝罪を口にして彼女は屋上を出ていく、それをバルソクは見送りつつまたヘッドホンを付ければ流れてきた音楽はアップテンポな曲、今の会話からの流れだと場違いだと思いそうだがバルソクはそれを聞いて爽やかな笑みを浮かべて

 

「ま、本当に不満が溜まりに溜まってたらもうあいつはこの基地に居るわけないもんな~」

 

呟きは風に乗り、誰の耳に届くわけもなく消えていった。そんな事を呟かれたPKPは屋上を後にし今は基地内を適当に歩いていた、休日だというのも手伝い平和な喧騒が辺りから聴こえる基地、これだけ見れば平和ボケしてるのではと思いそうになるがそれでもこの基地の戦果の話はよく聞いたので疑いはしていないし、これでも実力だけ見れば自分を上回るのも知っているのでそこまで気にならない、それよりも

 

(…一人なのは、ワタシだけなのか?)

 

見ればどこでも誰かしらと会話をしたり遊んでいたりする光景がよく見かけ思わずそんな気持ちが生まれる、直ぐに振り払うが何故こんな事を考えたのだと思っているとふと彼女は足を止めた。

 

その視線の先には指揮官とPPK、この基地唯一の夫婦である二人だ、何をしてるのかと思えば清掃用とも警備用とも違うダイナゲート数機と遊んでいるP7とステアーとそのダミー達を眺めていた。

 

「またあのハイエンドが開発したのか?」

 

「PKP、うん、なんだっけ…えっと『おゆうぎしますちゃん』だったかな」

 

「ええ、そう言ってましたわ。流石にユノは二人と更にダミー含めたあの子達と遊ぶにしても体力が持たないだろうからとアーキテクトが作って下さったのです」

 

あのハイエンド、放おって置くとドンドン物を開発してるなと思いつつ改めてその『おゆうぎしますちゃん』を見る、ボディは青主体、見れば装甲部分はぶつかった際の安全を配慮したのか柔らかそうな素材で包まれており見た感じは反応値と速度が高めに設定されてるようで二人の動きにも十二分に対応し飽きさせないようにしている。

 

「まてー!」

 

「ちょっとおねえちゃん(ほんたい)、今の何で避けられるの!」

 

「素早いのよ、それくらい理解しなさいよ私!!」

 

「私でも、捕らえられない!?」

 

「ママ、パパ!ダミーDが転けて泣いちゃったよ」

 

「いだいよぉ…ママァ…パパァ」

 

あわわと直ぐに駆け寄る指揮官と過保護ですわねと言いつつも足は急いでいるPPK、二人を見てPKPは思う、この最前線に似合わないほど優しい指揮官だと、だが不思議と腑抜けているだとか弱虫だとか、以前の司令部の指揮官にだったら言い放っていた言葉が出ない。

 

何というか、あの優しさは決してそういうものから生まれているものではないと感じたからだろう、何というか悩んでいる彼女だったがふと繋がった。

 

(自然と、頼らせ、頼りたくなる、そんな優しさだ…腑抜けてる奴や弱腰の奴じゃ出せない、芯の通った優しさ)

 

ならば今回は頼りにしてもらおうと指揮官一家の側まで行けば珍しい彼女にP7達がどうしたのかと言う視線を送る。

 

「遊んでやる」

 

「え、PKPが?」

 

「ど、どういう風の吹き回しですの?」

 

「どうもない、ただあれだ、ワタシだって少しは戦い以外も出来るというのを指揮官、貴女に示したいだけだ」

 

さぁ、何して遊ぶと彼女なりの笑顔で告げれば『おゆうぎしますちゃん』も含めて彼女達の相手を始め、更にそこに休憩は終わりだとばかりに指揮官とPPKも混ざれば更に笑いが包まれる空間を少し遠目で眺めている二人が居た

 

「なぁ、副官」

 

「どうしたのじゃ、バルソク」

 

バルソクと副官だった、先に来たのは副官でバルソクはその後からふらっと現れたのだがPKPがあんな笑顔で子供を相手しているのが物珍しく眺めている。

 

「もしだ、もしPPKとPKPが同時に配属されてたらさ、指揮官を巡って一悶着あったと思うか?」

 

「何を言い出すのかと思えば…じゃがまぁ、見てた感じ両者とも奥手じゃろあれ、間違いなくIDWがキレる案件にはなってったじゃろうなぁ」

 

「あ~、そうなっちまうのか」

 

副官の言葉を聞いて苦笑するバルソクのヘッドホンから流れていたのはバラード、だが内容は相手に対して素直になれない、または引っ込んでしまう少女の歌、まるでそれは彼女が口にしたもしもを描いたような曲にふふっと笑ってしまうのであった。

 

その後、FMG-9にPKPその場面がすっぱ抜かれ壮絶な追い掛けっこが行われるが余談だろう。




PKPの話書いてたらよく分からんキャラ暴走始めよったぞ、だけどまぁ面白そうだしいいかでこうなる。

バルソク姉貴?まぁご多分に漏れずってやつですよ多分近い内に書く、でもコンテンダーとかも書いてあげたい、つまりキャラの渋滞が起きてるんですね(白目)

アーキテクト製品紹介コーナー
『おゆうぎしますちゃん』
元気ハツラツP7のダミー達用に開発されたダイナゲート。青いボディには衝撃吸収素材が施されており全力で体当りされても怪我しないようになっていて性能は反応値と速度重視にセッティングされいる、また格納兵装として猫じゃらしやフリスビーなども搭載可能である。
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