それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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知らないという罪(指揮官のスターゲイジーパイの理想図)と知りすぎる罠(現実

他の作品がシリアスちゃんとしてるのにこんなノリのフロントラインの二次創作大丈夫?蜂の巣にされない私?


食堂にて

現在、指揮官が居るのは司令部にある食堂、その中でも調理してる姿が実際に見れる最前列で一人座っていた、その調理場には

 

「ら~ら~ら~」

 

楽しそうに歌を口遊みながら料理に励む【L85A1】の姿、その手付きは慣れてるもので手際よく調理を進めていく、普段はおっとりマイペースな彼女だがこういうことはテキパキ早いんだなぁとか軽く現実逃避じみた事をするが現実から逃げられるわけではない

 

正直選択を間違えたかもしれない、指揮官はただそう思いながら目の前の光景を見つつ現状に至るまでを思い出す

 

彼女がイギリス料理を食べるために食堂に居る理由は至って簡単、本人が食べてみたいと言ったから、時間は戻り数十分前、執務室で午前の業務を終えたタイミングで支援から帰ってきたL85A1が報告書を持った来た時だ

 

「ただいま戻りました~」

 

「おかえり、じゃあそのまま休憩に入っちゃってね。んっん~、私達も休憩にしようか、ナガン」

 

「そうじゃな、しかし部隊数を増やすだけでこうも変わるとはのう」

 

でしょ~?と得意げに指揮官が言った所で彼女のお腹の虫が可愛らしい鳴き声を上げる、確か今日は朝を軽めで終わらせたのでそこまで食べてなかったなぁと思い出す

 

その音を聞いたL85A1、ポンと手を叩きニコリと笑いながら

 

「では~、私がお昼をご馳走しましょうか?」

 

「え、いいの?ならお願いしようかな、おばあちゃんはどうする?」

 

「……あ~、いや折角の誘いだがすまぬ、わしはカリーナと今日は食べに行くことにしててな」

 

「そっか、なら仕方ないね~」

 

今に思えば若干様子が可笑しかったM1895のあの言葉は戦術的撤退だと気付く指揮官、しかし彼女も彼女でこの後の会話でうっかりをやらかしてるのでどうしようもない

 

「L85って何が得意なの?」

 

「イギリス料理ですね、その中でもスターゲイジーパイというのが得意ですよ~」

 

「スターゲイジーパイ?」

 

イギリス料理は知ってるがスターゲイジーパイは聞いたことなかった指揮官はオウム返しする、でもきっとスターゲイジ-っていうんだから星型のパイかなと考えると

 

「なら~それを作りましょうか?」

 

「うん、お願いするね、あとフィッシュアンドチップスっていうのも食べてみたい!」

 

「お任せ下さい~」

 

思い返せば思い返すほど落ち度しか無い、そこまで言っておきながらやっぱりいいですなどと口が裂けても言えない彼女は出来上がっていく料理を見ていくしか出来ない

 

イギリス料理がマズイなんて言われてたのは昔でしょ?確か最近のは美味しいらしいし問題ないでしょ。それが甘い考えだった、確かにイギリス料理は美味しくなった、しかしそれは伝統的イギリス料理に外国の料理技術を合わせ改革したもので出来上がったものである

 

L85A1、趣味は料理、得意なものは【スターゲイジーパイ】彼女は生粋の英国料理人、そこに妥協も何も存在しない、今作り上げてる方法は【改革される前の】伝統的イギリス料理である

 

(……誰か来ないかなぁって、!!)

 

味云々もそうだが張り切って作ってるせいか量も多くなってきたので自分だけじゃ完食が難しいと感じた指揮官は都合よく食堂に誰か来ないかと見渡せば、一人居た、丁度来たばかりの仲間(犠牲者)の姿を見た瞬間、指揮官は直ぐに行動に移した

 

「IDWちゃん!」

 

「お、指揮官じゃないか、どうしたにゃ?」

 

「これからお昼ならさ、一緒に食べよ?」

 

「にゃ、指揮官からのお誘いなら断れないにゃ!」

 

うん、ごめんねIDWちゃん、彼女は心の中で嬉しそうな彼女に本気で謝った。こっちこっちと誘いさっきの場所の隣に座らせれようとしたとき、IDWの顔が引き攣った

 

「待て指揮官、これ今誰が料理してるにゃ?」

 

「……L85ちゃ、待って!?」

 

「離すにゃ!!おま、なんで誘ったにゃ!?」

 

「一人じゃ食べ切れないからに決まってるじゃん!!」

 

料理人の姿と名前を聞いた瞬間、逃げ出そうとする彼女の腕を指揮官は普段からは考えられない速度で掴む、その顔と目は必死だった。因みにL85A1は料理によほど集中してるのか後ろのやり取りには全く気付いてない

 

「お昼を二人だけじゃ寂しいでしょ!?三人で食べれば何でも美味しいよ!」

 

「英国料理のどこに期待できる要素があったにゃ!?」

 

「で、出来るし!?それにほらスターゲイジーパイっていうのにまだ希望あるから!!」

 

「な、どうしてそれを注文してるにゃ!?」

 

え?IDWの言葉にバッと調理場を見れば、そこにあったのはフィッシュアンドチップスとピルチャードの頭が突き出たパイ、そうスターゲイジーパイとはピルチャードを卵、ジャガイモと一緒にパイ生地で焼いた料理である

 

「……スターゲイジーパイ?」

 

「おぉう、指揮官、もしかして知らなかった口かにゃ?」

 

「星型のパイじゃないの?」

 

「あれが現実だにゃ」

 

「完成しましたよ~ってあら?IDWちゃんも食べますか?」

 

「食べるにゃ、ほら指揮官しっかりするにゃってフィッシュアンドチップス?何だ焦って損したにゃ」

 

インパクト抜群の料理の姿に呆然とする指揮官、それに若干同情したのか同席を決心するも出てきた料理に安堵するIDW、ニコニコ笑顔でパイを切り分けるL85A1、全員に料理が並びお決まりの挨拶をしてから一口

 

「あ、美味しい」

 

スターゲイジーパイは指揮官の口にはあったようで一口以降は笑顔で食べ進める姿があった、因みにフィッシュアンドチップスもそのままでは味も何もないが自分で味を作れるのでこれはこれで良いねという話になったとか




IDW 趣味 日向ぼっこ 今後のこの司令部の被害担当銃の地位を確立しつつある

L85A1 趣味(英国)料理作り、尚、今回のようにガッチガチの伝統的イギリス料理も作れるし現代風のイギリス料理も作れるしスイーツも作れる

IDWもイギリス製だけど諸外国の料理に慣れすぎたため今回の反応である、でもフィッシュアンドチップスは好き

てか彼女のキャラすごく便利でついつい登場させてしまう……

イギリス料理を本場に行って食べてみたいけど飛行機がそもそも苦手で乗れないという現実

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