それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!!   作:焔薙

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今日も賑やかな基地


スコーピオンとスコーピオンとトマホーク娘

毎度お馴染み訓練所の二人、突然CZ75から振られた話題にスコーピオンがなんのこっちゃと言う顔で返していた、その話題とは

 

「私に…妹?いやぁ、居ないと思ったけど」

 

「んあ、そうなのか?」

 

じゃああれ誰だったんだと呟き悩むCZ75、彼女は今朝方執務室から聞き覚えのない声がし、その声は確かに【スコーピオンエボースリー】と名乗っていたことを、なのでてっきり其処にいるスコーピオンの姉妹か何かだと思っていたのだが当の本人の反応はこれ

 

仲が悪すぎてこんな反応かとも思ったが彼女は良くも悪くもストレートに物を言う人形なので悪かったら露骨に嫌な顔をするはず、それがないということは

 

(マジで知らないってことだよな)

 

「どうしたのさ突然そんな事聞いてくるなんて」

 

まぁ自分だけでうだうだ悩んでもしゃあないかとスコーピオンにその事を話せば彼女もうーん?と難しい顔を浮かべる。

 

確かにスコーピオンを名乗ってはいるのだが彼女としては聞き覚えがない、そもそも姉妹付されてる存在ではないのではと彼女らしからぬ勘の良さを回し出した結論は

 

「会えば分かるから会いに行けばいいじゃん?」

 

「非常にお前らしい回答に心底安心するぞ」

 

「え、そうかな?いやぁ、照れるね」

 

褒めてねぇんだけどなぁと思いつつハイテンションのまま訓練所を出ていったスコーピオンを追うCZ75、だがこの時彼女はまだ知らなかった…スコーピオンエボースリーと言う存在の強さを、この基地に居そうでじつは居なかった強烈なシスコンという存在を…シスターズイレブン?あれは指揮官親衛隊みたいなものなのでノーカン

 

という訳で二人はそのスコーピオンを名乗る人形を探していくことにしたのだがここで問題なのは二人共特徴を知らないということ、唯一分かるのはCZ75が聞いた声だけ、ならばとまず始めに向かったのは掲示板、読めば目論見通り写真付きで今日配属された新人さんだよと張り紙がされていた。

 

「…姉妹?」

 

「似ても似つかねぇな、でも名前は確かにスコーピオンエボースリー、お前のと同じだよな」

 

「まぁ私のはある種愛称みたいなものだし?だからこの娘もその系統じゃないの?」

 

そう考えるのが妥当かと思いそうになるがそもそもスコーピオンと言う愛称はその独特なストックから出てきたことであり張り紙のEVO3にはそれはない、ならばやはり名を継承されて生まれた銃であることは考えられる。

 

うんうんと悩む二人、心当たりのないがもしかしたら本当に妹なのではとスコーピオンの思考がいい感じに暴走を始める、そして止めるべきCZ75もこればかりは深い事情があるのではと止めに止められなくなる。

 

「とりあえず、探すか」

 

「だね~、どこに居るんだろ。カフェ?」

 

「だろうな、今日は休日だしな」

 

どっちにしろ会ってみて会話でもしなければ真相は分からないので二人はまたEVO3を探すために今度はカフェへと歩を進める、途中で指揮官に通信を入れてどこに居るのか聞けばよかったなと気付くもその時は既にカフェの前だった。

 

うっかりしてたなとCZ75が思っていればスコーピオンはさっさと開けて入店、自分も後に続き入れば予想通りに探し人は其処でコーヒーを飲んでゆったりとしていた、どうやら案内等は既に終えて一人で居たらしい。

 

知的なメガネを掛けて落ち着いた雰囲気で腰まで伸びた赤い髪、たったこれだけでも其処にいる活発少女の妹とは思えない、しかしどう接触するべきかと考えていたのは…

 

「ねぇ、君もスコーピオンなの?あ、私はVz61っ!?」

 

「私だけが真面目に考えてただけか、おい、どうしたスコーピオン」

 

急に彼女が警戒心を高めた、しかし顔はまるで初めて恐怖する存在と出くわしたような表情でどんな相手でも比較的フレンドリーに接する彼女らしくない反応を見せる。

 

CZ75が心配になり近付きそれからEVO3と思われる人形を見るがスコーピオンがそんな反応をする理由が分からないほど落ち着き穏やかな雰囲気であり、改めてどうしたのかと聞いてみれば

 

「い、いや、あれ、なんでだろう、でもなんかこう気を許しちゃいけないと言うか油断しちゃいけないって感じが」

 

「どういうことだよ…あ~すまねぇないつもはこんな奴じゃないんだが」

 

「いえ、大丈夫です、そう貴女がVz61ちゃんなのね。初めましてスコーピオンエボースリーです」

 

すっと立ち上がり近付いてくる彼女、先ずはとCZ75が握手をし次はとなった時、スコーピオンは彼女が動いた歩幅と同じだけ下がっていた、おいおい本当にどうしちまったんだよと言う視線を送りつつEVO3に再度謝ろうと彼女を見た時

 

「ふふ、怖がらなくても大丈夫よ」

 

(!!??な、何だこの感じ!?)

 

まさかスコーピオンはこれを感じ取ってたのかと驚きつつ思わず自身も距離を取る、一応カフェの中なのでゆっくりとだが、妙な緊張感に包まれる二人、それは今までの戦場でも味わったことのない空気であり、だが同時に

 

(いや、なんでアタシも警戒する必要があるんだよ)

 

ていうかそもそも何で仲間にここまで警戒してるんだと冷静になった彼女はこの空気どうしたものかなと近くのテーブルに座り、それから

 

「ほら、座れよスコーピオン、EVO3も同じ席でいいか?」

 

「い、いやいや待って、本当になんかこう身の危険をえ、あたしだけ?」

 

「嫌ですね、Vz61ちゃんに酷いことするわけないじゃないですか、ただちょっと可愛い妹みたいで愛でたいと思っただけですよ」

 

(あ、ああ、こいつAR-15とかと同じ感じか、じゃあアタシやっぱ関係ねぇじゃん)

 

慌てて損したぞおいとため息を吐きつつ注文を取りに来たスプリングフィールドに自分はココアと伝えてから良いから早く座れよなとスコーピオンを見れば既に其処に居なかった、と言うより

 

「…あっれ、EVO3も居ねぇじゃん?」

 

「あのお二人でしたら先程、スコーピオンが逃走してEVO3がそれを追い掛けていきましたが?」

 

逃げるとか相当じゃない?とか思わず引き攣る顔をしつつどこ行ったんだかと中庭に何気なく視線を向ければ

 

「あああ、離せ~」

 

「もう、何をそんなに逃げる必要があるんですかVZ61ちゃん」

 

「目が、目が妖しいんだよ!愛でるだけのつもりならどうしてそんな妖しい光灯す必要あるんだよ!?」

 

「ふふ、勘の良い子は嫌いじゃないですよ」

 

既に捕まり頭を撫でられたりされていたのでCZ75は仲がいいこってとジロジロ見るのも悪いなと視線を外してココアを楽しむことにした、決して面倒だからとかいつも振り回されているからたまには良いだろうとか思ってない、そう、思ってないのだ。




EVO3の着任の挨拶のときにスコーピオン名乗られて「え、これスコーピオンの系譜なの!?」ってなった、まぁ実際は原型は別の銃らしいんですがね。

因みに中の人は大洗の自動車部のあの人も演じてる、これはつまりそういうことじゃな?

次回はアーキテクトちゃんがダイナゲート増やしたから発表会するってさ(予定

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